君とティッシュを食べたい。

第1章 高校時代

4話:ティッシュの可能性は無限大！

俺は気づいてしまった...。

｢ティッシュで空飛べんじゃね？｣


──授業中
ふと青空を見ながら自殺行為とも言えるような事を考えていた。
無論そんなことは一般人にはできるわけがない。一般人には。
｢おい、幸一！どこ見てんだー。｣
｢は、はい！すんまそん！｣
急に先生に注意された幸一は驚いて飛び上がった。
その瞬間、彼の体は開かれていた窓から空中へと投げ出された。
｢ああああああああああああ！！｣
...あれ、これチャンスじゃね？飛べんじゃね？
やってみようぜ、俺！ティッシュの可能性は無限大だぜ！
いでよ、ティッシュ。その身体を純白に染めし飛行具よ。貴様に秘められた無限大の可能性を今解き放て！飛翔塵紙フライングティッシュ！！！



｢やっぱり...ダメだったよ...｣
｢幸一！死なないで！！｣
幸一は無常にも3階から落下した。しかも頭から。彼は何故か片手にティッシュを持っていて、そのティッシュは無残に破け散っている。
それでも尚ティッシュを握ることをやめない幸一は、余程ティッシュを愛してるのだろう。
そんな幸一の口が開かれる。
｢最後に言わせてくれ...。佑美、俺はお前が好きだった。大好きだったんだ...。俺がお前のことを好きだったってことを忘れずに、俺の代わりに生きてくれ...。強く、生きろよ...！｣
彼は低い声音でそう言うと目を閉じた。


が、しばらくすると彼はもう1度目を開ける事となった。
｢ん？ここは...？｣
｢やっと目を覚ましたんだね！佑美だよ！あなたの大好きな佑美！｣
｢なっ！？体がすごい楽だ...。いったいどうして？｣
｢私、幸一がティッシュ食べるの好きってこと、ホントは気づいてた。引かれるかもって思って言わなかったんでしょ？でも安心して？実は私もティッシュが好きなの。大好き。｣
｢え...嘘だろ...｣
幸一は体が舞い上がるほど喜んだが、まだ痛む体では飛び上がることは出来ない。
｢でもね、幸一とはすこーし違ったティッシュ好きなの。
実はね、ティッシュを用いて治癒魔法を使うことが出来るの。｣
｢俺より全然需要あるじゃねぇか。｣
どうやら今彼女は、幸一をティッシュで治療しているようだ。
｢よし、これで痛みはだいぶ消えたと思う！立ってみて！｣
｢おっ、ほんとだ。まだ少し痛いけど立てる！｣
幸一の体はさっきまで死にかけていた状態など考えられないほど、動くようになっていた。
｢えへへ、よかった...。｣
｢色々ありがとう、佑美。命の恩人だ。｣
｢そこまで褒めなくても...(照)｣
｢んで、言いたいことがある。｣
幸一は突然話を変える。
｢なぁに？｣
｢えっと...俺...｣

｢お前のことが────｣


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はい作者です！
一日で4話まで書いちゃいましたが、結構きついですねw
でもすごい楽しいです。
突然ですが、次回が最終回となります...！
ここまで読んでいただきありがとうございました。次回で最後ですがよろしくお願いします！