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聖狭間退却戦
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「なっ……何なのだぁ?、この陣形は!」
聖狭間の湿地帯を見渡される場所に、部下と共に馬を並べて居る、タカヨシは愕然としていた。
ソウタたちが取った陣形とは――ミスズ率いる六番隊三千五百と、ヒロシ率いる三番隊三千が、左右両翼真っ二つに分かれて展開し、そのポッカリと空いた中央部には――
「――"本陣"とも言うべきな、皇と大神官が乗る籠馬車を、裸同然に等しく晒し、それを護るは……"たった四騎のみ"だとぉ!?」
――そこには、タカヨシの言葉どおり、サトコたちが乗る籠馬車と、それを護る例の三人……その先頭には、鬼面を被ったソウタが、光刃を抜き放って鎮座していた。
「"武の象徴"の後ろには、「皇軍の女傑』と、物見の報告どおりならば、あの『二刀烈警』――それに、流洲の関では天変地異規模の界気術を使ったという、噂の娘。
烏合で数を成すよりも、精鋭中の精鋭を並べる事で、我らを威圧しようというのか!」
タカヨシは、ゴクリと唾を呑み、額には冷や汗を掻いて唸る。
「将軍――これでは、鬼面の刀聖が孤立している様に見せてはいても、ど真ん中で最も強力な一隊が、全方位に睨みを効かせている様……迂闊には動けませんな」
「ああ……その一隊を抑えようと踏み込めば、主力である両翼に包囲されてしまうし、両翼を牽制しながら攻めては、その程度で打ち破れる相手ではない!」
タカヨシたちは悔しげに、目の前の光景を改めて観直し、この陣形の妙味を噛み締める。
「へへ♪、おめぇらが仕留めたいのは俺だし、捕らえて利用してぇのは――サトコやシオリさんだろ?
来いよ!、この鬼の神様が……たっぷりと遊んでやるからよ」
ソウタは、重苦しい空気が漂い始めた北コクエの兵たちの姿を、遠くに見ながらそう呟いた。
(明らかに――周到に練られていた様相と言える手配りの良さ。
まんまと読まれ……そして、策謀に嵌められたのは、我らの方という事か!
隊長格の策か?、いや――当世の刀聖は、武勇偏向の愚雄ではないと思うべきか……)
タカヨシは心中でそう呟くと、馬首を翻し――
「この戦場――もはや、"詰まれて"おる。
ヤヒコ殿に伝令!、ここは退くべきとの進言を――」
――ドン!、ドン!、ドン!
その時、ツクモの戦においては共通の合図――『全軍総突撃』の布れを示す、三度の足踏みの轟音が聖狭間に響いた!
「!、近い――まさか?!」
「――八番隊長より伝令!」
その足踏みの轟音と、それの音源の近さに顔色を変えたタカヨシの下に、背に旗印を差した伝令係が駆足でやって来た。
「『我ら、突貫せり――後、刀聖の御首が掲げられる様、ご覧にいれ候』」
伝令係は、跪いて畏まり、殴り書きをした書状を開いて見せる。
「!!!!、愚か者がぁぁぁぁっ!
武勇偏向の愚雄とは、コチラに居たのかぁぁぁぁっ!?」
タカヨシはその書状を受け取ると、使者である伝令係の目の前でそれを破り捨て、まとめて報告されるのも覚悟で、ヤヒコの軽率な行動を罵る。
「仕方がない……我ら北コク三軍、精一杯の援護はすると伝えてくれ。
後は――己が武運に全てを委ねるとな」
タカヨシは、顔中に滲んだ憤怒の汗を拭いながらそう言い、会釈をして去って行く伝令係の背を見送る。
「場の手前――『精一杯』とは申したが、射掛けるだけの援護のみで構わんっ!、自らの退路を保つ事に、全力を注げっ!
この様な、既に詰まれた戦場で――若輩者どもの愚行に付き合い、命を捨てる必要はなぁいっ!
それが!、我ら北コクが送れる『精一杯』だぁぁぁっ!」
タカヨシはまた、憤怒の表情を浮かべ、そう自分の部下たちに下知をした。
その下知を、遠くから漏れ聞いた、例の伝令係は立ち止まり――
「ふぅ――これで、"下拵え"は済んだな。
後は、突貫を逸った八番隊を、袋の鼠とばかりに蹂躙するだけよ」
――と、何やら立場が違う物言いを呟き始めた。
伝令係が、士団の軍装を脱ぎ始め、深く被った陣笠を取ると――そこにあったのは、なんとアオイの凛とした顔立ちである!
そう――この伝令係の正体は、工作活動として連合軍の陣営に潜入していた、アオイだったのである!
実は、この少し前――
「――ちっ!、ナメた陣形だなぁ……あの刀聖らしい、余裕を噛ました陣形だぜっ!」
ソウタたちが構えた陣形を観たヤヒコも、タカヨシと同様に、その奇抜に写る様に眼を見張っていた。
「『かかって来い』って事かよ――上等だっ!、なぶり殺してやんよぉっ!」
だが、彼は――それをソウタからの挑発と理解し、抜刀して興奮している。
「おっ!、お待ち下さい!、隊長ぉっ!」
――と、一人の八番隊員……副官を務めている、ヨシタケという若者が、血気に逸る隊長を諌めに掛かった。
「確かに……この陣形は観るに明らかな挑発。
ですが即ち、それに乗るは敵の思う壺――」
「――だからどうしたぁっ!?、そうだとしても、あの両翼との距離の開かせ具合を観ろっ!
踏み込んでも、直ぐには容易に囲みきれはしない距離間――つまりっ!、たった四人で、一万に迫る兵を迎え討ってやる、てめぇらにはそれで充分だって、鼻で笑ってる様な構えじゃねぇかよぉっ!」
ヤヒコは、ヨシタケの進言を一蹴する体で、更に興奮して刀を握る手を震わせた。
(やれやれ――この様な軽率な将の下に着いては、ココの隊員には同情するな)
側で会話を聞いていた、例の伝令係――アオイが扮した八番隊員は、顔を伏せながら渋い顔をしていた。
(さて、"もう一押し"あれば――まんまと、"袋の中に"飛び込んでくれそうだが……)
「――三軍将より伝令!」
――と、その時、北コクの旗印を腰に差した、北コクの伝令係が叫ぶ声がした。
タカヨシは――この様な伝令を、この時に送ってなどいない……つまり!
(――良い頃合いだ、ヨシゾウ)
伝令係の陣笠の下から覗く顔を観たアオイは、そんな事を思いながらほくそ笑む。
そう――この北コクからの伝令は、ヨシゾウが扮した者!、偽の伝令だ!
「『刀聖、言うに及ばぬ愚劣ぶり――祭り上げられただけの愚雄が御首、このツクモの"夜明け"のために、掲げられる様を所望す』」
先に描いた、アオイ扮する伝来係の様よろしく――ヨシゾウが扮する偽の伝令は、跪いて畏まり、殴り書きをした書状を開いて見せた。
無論――この書状は、ヨシゾウが自ら書いたニセモノ。
彼は、筆跡を真似るのが得意で、書状の偽造はお手の物で、彼曰く――昔取った何とやらの数十年ぶりの仕事ではあったが、よ~く注視しなければ見破れない、なかなかの出来栄えである――
「――へへ、へへへへへ……っ!」
――ましてや、血気に逸る若武者の眼力で看破出来る様では、元は付くが三大国の暗衆は務まらないであろう。
「みんなっ!、刀聖の陣――いや、そう呼ぶのも憚れる、たった四人が護る籠馬車に向けて!、突貫を仕掛けるぞぉ~っ!
――おいっ!、タカヨシさんのトコに、伝令しに行って来いっ!」
ヤヒコは、側に置かれた紙に殴り書きで、例の文句を記してアオイが扮する伝令係に手渡す。
「――はっ!」
受け取り、畏まって命に応じたアオイ扮する伝令係の口元が、微かにほくそ笑んでいたのは……その場の誰もが気付いていなかった。
「それにしても――えげつない策を思い付くものだ、ソウタめ……コレでは我らが、宛ら悪役ではないか♪
意外と頭が切れるトコロもあるからなぁ……そっ!、その、少し危うい感じも、またなかなか……」
一体、ナニを考えているのかはご想像にお任せするが、軍装を脱ぎ棄てたアオイは、顔を火照らせながら、数度頷いてみせるのだった。
聖狭間の湿地帯を見渡される場所に、部下と共に馬を並べて居る、タカヨシは愕然としていた。
ソウタたちが取った陣形とは――ミスズ率いる六番隊三千五百と、ヒロシ率いる三番隊三千が、左右両翼真っ二つに分かれて展開し、そのポッカリと空いた中央部には――
「――"本陣"とも言うべきな、皇と大神官が乗る籠馬車を、裸同然に等しく晒し、それを護るは……"たった四騎のみ"だとぉ!?」
――そこには、タカヨシの言葉どおり、サトコたちが乗る籠馬車と、それを護る例の三人……その先頭には、鬼面を被ったソウタが、光刃を抜き放って鎮座していた。
「"武の象徴"の後ろには、「皇軍の女傑』と、物見の報告どおりならば、あの『二刀烈警』――それに、流洲の関では天変地異規模の界気術を使ったという、噂の娘。
烏合で数を成すよりも、精鋭中の精鋭を並べる事で、我らを威圧しようというのか!」
タカヨシは、ゴクリと唾を呑み、額には冷や汗を掻いて唸る。
「将軍――これでは、鬼面の刀聖が孤立している様に見せてはいても、ど真ん中で最も強力な一隊が、全方位に睨みを効かせている様……迂闊には動けませんな」
「ああ……その一隊を抑えようと踏み込めば、主力である両翼に包囲されてしまうし、両翼を牽制しながら攻めては、その程度で打ち破れる相手ではない!」
タカヨシたちは悔しげに、目の前の光景を改めて観直し、この陣形の妙味を噛み締める。
「へへ♪、おめぇらが仕留めたいのは俺だし、捕らえて利用してぇのは――サトコやシオリさんだろ?
来いよ!、この鬼の神様が……たっぷりと遊んでやるからよ」
ソウタは、重苦しい空気が漂い始めた北コクエの兵たちの姿を、遠くに見ながらそう呟いた。
(明らかに――周到に練られていた様相と言える手配りの良さ。
まんまと読まれ……そして、策謀に嵌められたのは、我らの方という事か!
隊長格の策か?、いや――当世の刀聖は、武勇偏向の愚雄ではないと思うべきか……)
タカヨシは心中でそう呟くと、馬首を翻し――
「この戦場――もはや、"詰まれて"おる。
ヤヒコ殿に伝令!、ここは退くべきとの進言を――」
――ドン!、ドン!、ドン!
その時、ツクモの戦においては共通の合図――『全軍総突撃』の布れを示す、三度の足踏みの轟音が聖狭間に響いた!
「!、近い――まさか?!」
「――八番隊長より伝令!」
その足踏みの轟音と、それの音源の近さに顔色を変えたタカヨシの下に、背に旗印を差した伝令係が駆足でやって来た。
「『我ら、突貫せり――後、刀聖の御首が掲げられる様、ご覧にいれ候』」
伝令係は、跪いて畏まり、殴り書きをした書状を開いて見せる。
「!!!!、愚か者がぁぁぁぁっ!
武勇偏向の愚雄とは、コチラに居たのかぁぁぁぁっ!?」
タカヨシはその書状を受け取ると、使者である伝令係の目の前でそれを破り捨て、まとめて報告されるのも覚悟で、ヤヒコの軽率な行動を罵る。
「仕方がない……我ら北コク三軍、精一杯の援護はすると伝えてくれ。
後は――己が武運に全てを委ねるとな」
タカヨシは、顔中に滲んだ憤怒の汗を拭いながらそう言い、会釈をして去って行く伝令係の背を見送る。
「場の手前――『精一杯』とは申したが、射掛けるだけの援護のみで構わんっ!、自らの退路を保つ事に、全力を注げっ!
この様な、既に詰まれた戦場で――若輩者どもの愚行に付き合い、命を捨てる必要はなぁいっ!
それが!、我ら北コクが送れる『精一杯』だぁぁぁっ!」
タカヨシはまた、憤怒の表情を浮かべ、そう自分の部下たちに下知をした。
その下知を、遠くから漏れ聞いた、例の伝令係は立ち止まり――
「ふぅ――これで、"下拵え"は済んだな。
後は、突貫を逸った八番隊を、袋の鼠とばかりに蹂躙するだけよ」
――と、何やら立場が違う物言いを呟き始めた。
伝令係が、士団の軍装を脱ぎ始め、深く被った陣笠を取ると――そこにあったのは、なんとアオイの凛とした顔立ちである!
そう――この伝令係の正体は、工作活動として連合軍の陣営に潜入していた、アオイだったのである!
実は、この少し前――
「――ちっ!、ナメた陣形だなぁ……あの刀聖らしい、余裕を噛ました陣形だぜっ!」
ソウタたちが構えた陣形を観たヤヒコも、タカヨシと同様に、その奇抜に写る様に眼を見張っていた。
「『かかって来い』って事かよ――上等だっ!、なぶり殺してやんよぉっ!」
だが、彼は――それをソウタからの挑発と理解し、抜刀して興奮している。
「おっ!、お待ち下さい!、隊長ぉっ!」
――と、一人の八番隊員……副官を務めている、ヨシタケという若者が、血気に逸る隊長を諌めに掛かった。
「確かに……この陣形は観るに明らかな挑発。
ですが即ち、それに乗るは敵の思う壺――」
「――だからどうしたぁっ!?、そうだとしても、あの両翼との距離の開かせ具合を観ろっ!
踏み込んでも、直ぐには容易に囲みきれはしない距離間――つまりっ!、たった四人で、一万に迫る兵を迎え討ってやる、てめぇらにはそれで充分だって、鼻で笑ってる様な構えじゃねぇかよぉっ!」
ヤヒコは、ヨシタケの進言を一蹴する体で、更に興奮して刀を握る手を震わせた。
(やれやれ――この様な軽率な将の下に着いては、ココの隊員には同情するな)
側で会話を聞いていた、例の伝令係――アオイが扮した八番隊員は、顔を伏せながら渋い顔をしていた。
(さて、"もう一押し"あれば――まんまと、"袋の中に"飛び込んでくれそうだが……)
「――三軍将より伝令!」
――と、その時、北コクの旗印を腰に差した、北コクの伝令係が叫ぶ声がした。
タカヨシは――この様な伝令を、この時に送ってなどいない……つまり!
(――良い頃合いだ、ヨシゾウ)
伝令係の陣笠の下から覗く顔を観たアオイは、そんな事を思いながらほくそ笑む。
そう――この北コクからの伝令は、ヨシゾウが扮した者!、偽の伝令だ!
「『刀聖、言うに及ばぬ愚劣ぶり――祭り上げられただけの愚雄が御首、このツクモの"夜明け"のために、掲げられる様を所望す』」
先に描いた、アオイ扮する伝来係の様よろしく――ヨシゾウが扮する偽の伝令は、跪いて畏まり、殴り書きをした書状を開いて見せた。
無論――この書状は、ヨシゾウが自ら書いたニセモノ。
彼は、筆跡を真似るのが得意で、書状の偽造はお手の物で、彼曰く――昔取った何とやらの数十年ぶりの仕事ではあったが、よ~く注視しなければ見破れない、なかなかの出来栄えである――
「――へへ、へへへへへ……っ!」
――ましてや、血気に逸る若武者の眼力で看破出来る様では、元は付くが三大国の暗衆は務まらないであろう。
「みんなっ!、刀聖の陣――いや、そう呼ぶのも憚れる、たった四人が護る籠馬車に向けて!、突貫を仕掛けるぞぉ~っ!
――おいっ!、タカヨシさんのトコに、伝令しに行って来いっ!」
ヤヒコは、側に置かれた紙に殴り書きで、例の文句を記してアオイが扮する伝令係に手渡す。
「――はっ!」
受け取り、畏まって命に応じたアオイ扮する伝令係の口元が、微かにほくそ笑んでいたのは……その場の誰もが気付いていなかった。
「それにしても――えげつない策を思い付くものだ、ソウタめ……コレでは我らが、宛ら悪役ではないか♪
意外と頭が切れるトコロもあるからなぁ……そっ!、その、少し危うい感じも、またなかなか……」
一体、ナニを考えているのかはご想像にお任せするが、軍装を脱ぎ棄てたアオイは、顔を火照らせながら、数度頷いてみせるのだった。
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