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継承
講習
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「さて――では、本来ならば神言の間にて観る、この世界の『真の』成り立ちについて、新たな先導者に語りましょうか」
シオリの身支度が終わると、チヨはそう言って、懐から小さな鏡を数枚取り出し、このアヤコの私室の卓へと並べた。
「界気鏡――でしょうか?」
シオリは、目の前で始まった、言わば大巫女としての"講習"を前にして、並べられた鏡の意図を推測する。
「ええ、特殊で小型な、あなた方が"界気鏡"と呼ぶ物のオリジナルである、『神言鏡』というモノです。
きっと、こういうカタチの継承となるであろうと思い、持って来ました」
チヨが並べたその神言鏡の鏡面に映し出され――いや、鏡面から立ち昇った、光の刃に似た棒状の光に、以前、ソウタやサトコが神言の間で見ていた、神代文字や意味深な映像が、"立体的"に映し出されている。
「これは――驚きです。
この様な形で、見せる事が出来る神具もあるのですね……」
その光景を見やったアヤコは、口元を抑えてまじまじと立体映像を見詰める。
「そうです――これはホログラフィー……いえ、立体映像用な上、持ち運びも可能なタイプの神言鏡です」
チヨは、何時もの妖艶な笑みを称え、その棒状の光りに映る、立体映像を指差す。
「さぁて、神言を経てる、俺たちにとっても良い機会だ――ハッキリ言って、この映像を垂れ流し的に見せられるだけで、その意味とかは推測するしかなかったからね。
丁度、始祖神様が直に語ってくれるんだ……教えて貰おうじゃないの?、この映像にある『かつて』の世界に……一体、何があったのかをさ?」
講習を始めようとするチヨの前に、ソウタはでんと胡座を掻き、ニヤッと笑って見せる。
「私も――神言の真実の仔細は、是非お聞かせ願いたいです」
アヤコも、チヨ――いや、アマノツバサノオオカミが知る、『かつて』の世界の真実に興味を示した。
「あらあらぁ~?、二人揃って、そんなコワい顔をして、神様をイジメないでくださいよぉ~!」
「茶化しはもう結構だ。
どうして、滅んじまったかを知らねぇと、どうやったら『それ』から免れる事が出来るかが、サッパリ見えねぇでしょうよ?」
ソウタは眉間にシワを寄せ、はぐらかそうとしているチヨを睨んだ。
「うふ♪、それは本末転倒なハナシですねぇ。
刀聖の"真の役目"は、この世界を滅ぼす事だというのに、免れる方法を知りたいだなんて」
「!?、えっ!」
チヨの口から漏れた、刀聖の秘められた真の役目に――シオリは驚いて愕然とする。
「――皇様の役割とは、このツクモの象徴として世界を見守り、ツクモの中心である翼域に鎮座する事で、この世界の『欲』と『秩序』のバランスを保つ『調律者』であり、その調律の下に築かれた『国』という集まりを統べ――人々の暮らしを守る事に尽力する、各国の国守様方――それが、オオカミ様より神具を預けられた『三人の守護者』
その守護者たちが統べ、その下で人々が生きて行く上で、オオカミ様が教えとして残した"人が邪に囚われないための規範"を示し、人々を正道へと導く『先導者』が――大巫女様の役割。
そして――それでも、人の身に邪が蔓延る時には、それを滅し、"邪"が曇らせた、本来導かれるべきだった正道への道しるべを、光刃の光に持って照らす存在――それが、刀聖様であると教わったのですが……」
シオリは、今まで信じていたクリ社が掲げている『表の』ツクモ社会の成り立ちを範唱して見せる。
「うふ♪、それは一種の脚色であり、実際に皆を救って見せた、過去の刀聖の行動に因るモノよ♪
そうね――正しく伝え直すとすれば、"それでも邪が人の身に蔓延る時、邪へと変じた人を滅するのが刀聖の役割――刀聖に因る滅びの道を辿りたくなければ、人は、邪を拒む生き方を旨として暮らしを育み、刀聖の凶刃をその戒めとして心得るべし――"と、言ったトコロかしら?」
チヨはシオリに、刀聖の真の本分とその役割を伝え、相変らず楽しそうに語る。
「シオリ――『鬼面練り』は、解かりますね?」
そこにアヤコが、補足して解り易くし様と口を挟んだ。
「ええ、勿論にございます。
新年を迎える上で、クリ社でも重要視されている年中行事ですから」
唐突なアヤコの言葉に、シオリは怪訝な表情を浮べてそう答えた。
アヤコが言い出した"鬼面練り"とは――毎年、大晦日に行われる古くから伝わる年中行事の一つである。
"鬼の如き異形の面"を被り、"金色に塗られた杓"を持った者が、各居宅を練り歩き、住民の肩をその杓で叩いて周る――解り易く言えば、現実で言う『なまはげ』に似た風習である。
「鬼面の者が持つ、金色の杓に叩かれる事で――その一年の間に、心中へこびり付いた"邪からの誘惑"の痕跡を削ぎ落とし、まっさらな気持ちで、新年を迎える……
――もしや、あの"鬼面の者"が刀聖様で、あの"金色の杓"が光刃?」
鬼面練りの言われを、改めて振り返ったシオリは――そこから、アヤコの言葉の意を汲み、ハッとして片手で口を抑える。
「うふ♪、流石に聡いわね。
そうよ――鬼面練りは、刀聖への畏怖と邪心への戒めを、年を越す度、人々に思い起こさせるための意味があるのよ」
チヨは少しズレた、自分の片眼鏡を直しながら、アッサリと正答に辿り着いたシオリを褒める。
「よく、先世は、大晦日の度に、鬼面を眺めながらグチってたなぁ……
『刀聖って、こんなに怖い顔してるかぁ?』――って」
「ふふっ♪、、そうでしたね。
私も、せっかく"本人"が居るのだからと、毎年、リョウゴ様に鬼面の者の役を頼んでいましたね」
ソウタとアヤコは、在りし日の年の瀬を共に振り返り、先世刀聖リョウゴの事を思い出し、笑い合った。
「――とにかく、刀聖とは、昨今の様に英雄視される存在ではなく……滅びを齎す畏怖すべき存在。
それを、歴代の刀聖がその力を用いて、その教えを拡大解釈して……非道を行う者を断じて見せたり、大災害を食い止めてみたりするから、勘違いを生むのです……」
チヨは口を尖らせ、ソウタの提げた鞘を凝視しながら言う。
「少し――話題がズレましたね、シオリに、このツクモの『真の』成り立ちを教授するんでしたのに。
では、改めて、始めましょう――アヤコ、ソウタ、あなたたちが知りたいであろう事も、ちゃんと話しますから安心なさい――」
チヨは、話の流れを一旦止め、身を正して話題を本来のモノへと移し、その様を訝しげに見やるアヤコたちの視線にもそう応えた。
シオリの身支度が終わると、チヨはそう言って、懐から小さな鏡を数枚取り出し、このアヤコの私室の卓へと並べた。
「界気鏡――でしょうか?」
シオリは、目の前で始まった、言わば大巫女としての"講習"を前にして、並べられた鏡の意図を推測する。
「ええ、特殊で小型な、あなた方が"界気鏡"と呼ぶ物のオリジナルである、『神言鏡』というモノです。
きっと、こういうカタチの継承となるであろうと思い、持って来ました」
チヨが並べたその神言鏡の鏡面に映し出され――いや、鏡面から立ち昇った、光の刃に似た棒状の光に、以前、ソウタやサトコが神言の間で見ていた、神代文字や意味深な映像が、"立体的"に映し出されている。
「これは――驚きです。
この様な形で、見せる事が出来る神具もあるのですね……」
その光景を見やったアヤコは、口元を抑えてまじまじと立体映像を見詰める。
「そうです――これはホログラフィー……いえ、立体映像用な上、持ち運びも可能なタイプの神言鏡です」
チヨは、何時もの妖艶な笑みを称え、その棒状の光りに映る、立体映像を指差す。
「さぁて、神言を経てる、俺たちにとっても良い機会だ――ハッキリ言って、この映像を垂れ流し的に見せられるだけで、その意味とかは推測するしかなかったからね。
丁度、始祖神様が直に語ってくれるんだ……教えて貰おうじゃないの?、この映像にある『かつて』の世界に……一体、何があったのかをさ?」
講習を始めようとするチヨの前に、ソウタはでんと胡座を掻き、ニヤッと笑って見せる。
「私も――神言の真実の仔細は、是非お聞かせ願いたいです」
アヤコも、チヨ――いや、アマノツバサノオオカミが知る、『かつて』の世界の真実に興味を示した。
「あらあらぁ~?、二人揃って、そんなコワい顔をして、神様をイジメないでくださいよぉ~!」
「茶化しはもう結構だ。
どうして、滅んじまったかを知らねぇと、どうやったら『それ』から免れる事が出来るかが、サッパリ見えねぇでしょうよ?」
ソウタは眉間にシワを寄せ、はぐらかそうとしているチヨを睨んだ。
「うふ♪、それは本末転倒なハナシですねぇ。
刀聖の"真の役目"は、この世界を滅ぼす事だというのに、免れる方法を知りたいだなんて」
「!?、えっ!」
チヨの口から漏れた、刀聖の秘められた真の役目に――シオリは驚いて愕然とする。
「――皇様の役割とは、このツクモの象徴として世界を見守り、ツクモの中心である翼域に鎮座する事で、この世界の『欲』と『秩序』のバランスを保つ『調律者』であり、その調律の下に築かれた『国』という集まりを統べ――人々の暮らしを守る事に尽力する、各国の国守様方――それが、オオカミ様より神具を預けられた『三人の守護者』
その守護者たちが統べ、その下で人々が生きて行く上で、オオカミ様が教えとして残した"人が邪に囚われないための規範"を示し、人々を正道へと導く『先導者』が――大巫女様の役割。
そして――それでも、人の身に邪が蔓延る時には、それを滅し、"邪"が曇らせた、本来導かれるべきだった正道への道しるべを、光刃の光に持って照らす存在――それが、刀聖様であると教わったのですが……」
シオリは、今まで信じていたクリ社が掲げている『表の』ツクモ社会の成り立ちを範唱して見せる。
「うふ♪、それは一種の脚色であり、実際に皆を救って見せた、過去の刀聖の行動に因るモノよ♪
そうね――正しく伝え直すとすれば、"それでも邪が人の身に蔓延る時、邪へと変じた人を滅するのが刀聖の役割――刀聖に因る滅びの道を辿りたくなければ、人は、邪を拒む生き方を旨として暮らしを育み、刀聖の凶刃をその戒めとして心得るべし――"と、言ったトコロかしら?」
チヨはシオリに、刀聖の真の本分とその役割を伝え、相変らず楽しそうに語る。
「シオリ――『鬼面練り』は、解かりますね?」
そこにアヤコが、補足して解り易くし様と口を挟んだ。
「ええ、勿論にございます。
新年を迎える上で、クリ社でも重要視されている年中行事ですから」
唐突なアヤコの言葉に、シオリは怪訝な表情を浮べてそう答えた。
アヤコが言い出した"鬼面練り"とは――毎年、大晦日に行われる古くから伝わる年中行事の一つである。
"鬼の如き異形の面"を被り、"金色に塗られた杓"を持った者が、各居宅を練り歩き、住民の肩をその杓で叩いて周る――解り易く言えば、現実で言う『なまはげ』に似た風習である。
「鬼面の者が持つ、金色の杓に叩かれる事で――その一年の間に、心中へこびり付いた"邪からの誘惑"の痕跡を削ぎ落とし、まっさらな気持ちで、新年を迎える……
――もしや、あの"鬼面の者"が刀聖様で、あの"金色の杓"が光刃?」
鬼面練りの言われを、改めて振り返ったシオリは――そこから、アヤコの言葉の意を汲み、ハッとして片手で口を抑える。
「うふ♪、流石に聡いわね。
そうよ――鬼面練りは、刀聖への畏怖と邪心への戒めを、年を越す度、人々に思い起こさせるための意味があるのよ」
チヨは少しズレた、自分の片眼鏡を直しながら、アッサリと正答に辿り着いたシオリを褒める。
「よく、先世は、大晦日の度に、鬼面を眺めながらグチってたなぁ……
『刀聖って、こんなに怖い顔してるかぁ?』――って」
「ふふっ♪、、そうでしたね。
私も、せっかく"本人"が居るのだからと、毎年、リョウゴ様に鬼面の者の役を頼んでいましたね」
ソウタとアヤコは、在りし日の年の瀬を共に振り返り、先世刀聖リョウゴの事を思い出し、笑い合った。
「――とにかく、刀聖とは、昨今の様に英雄視される存在ではなく……滅びを齎す畏怖すべき存在。
それを、歴代の刀聖がその力を用いて、その教えを拡大解釈して……非道を行う者を断じて見せたり、大災害を食い止めてみたりするから、勘違いを生むのです……」
チヨは口を尖らせ、ソウタの提げた鞘を凝視しながら言う。
「少し――話題がズレましたね、シオリに、このツクモの『真の』成り立ちを教授するんでしたのに。
では、改めて、始めましょう――アヤコ、ソウタ、あなたたちが知りたいであろう事も、ちゃんと話しますから安心なさい――」
チヨは、話の流れを一旦止め、身を正して話題を本来のモノへと移し、その様を訝しげに見やるアヤコたちの視線にもそう応えた。
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