102 / 207
果ての地に集う
世断ちの樹海
しおりを挟む
ツクモの世界地図を現すと、ツツキがある北端部には、まるで大陸自体が"鉢巻"でも巻いているかの様な、国境線とは違う、帯状に敷かれた一帯が描かれている。
これは、ハクキと翼域に跨る様に列なる森――いや、もはや"樹海"の類と言って良い地域を現している。
その樹海には、当然の様に人は住んで居らず、そのおかげで、他の地域ではお目にかかれない希少な動植物が多い。
それと同時に、一応はファンタジー異世界ながら、ツクモでは終ぞ見当たらない、モンスターめいた獰猛な生物も住み着き、我が物顔で闊歩している、まさに『秘境』と言った類の未開の地である。
フツーの旅人ならば、まず行こうとはしない、危険地帯なのだが――件の樹海は、ツツキへと陸路で赴く上では、避けては通れない道程。
そのため"無事に"物資や産物の輸送をするには、この世界ではポピュラーでは無い、海路を使う必要があり――故に、資源の埋蔵量や物資の調達力、生産力を活かしきれず、経済的に疲弊する結果となる。
それが、ツツキが"ハクキのお荷物"とまで揶揄された原因であった。
当然の事ながら、テンラクで刷り上がったツクモ全報の最新版が届くのも、通常でも発売から半月後の物と、すっかり、世間の動向からはかけ離れた状態だ。
そんな、マトモに行き来する事すら難しくしている、この樹海の事を、人々はツツキが"世間から断ち切られている"という意味から"世断ちの樹海"と呼んでいる。
「さて――みんな、聞いてくれぇっ!」
――と、その"世断ちの樹海"への入り口の前で、居並ぶテンラクから来た使節団の面々に向けて、馬上から手を掲げながら、そう呼ばわっているのは……ソウタだ。
「こっからは、いよいよ、悪名高き『世断ちの樹海』――覚悟は出来てるかい?」
ソウタの問い掛けに、面々は唇をへの字に結んだり、ゴクリと生唾を呑んだりしながら、緊張が満ちる表情で頷く。
「俺は一応、ツツキの出身でね。
初めて来る人が多そうな、皆さんよりは、ちょいとはこの樹海のコトは心得てる――そんな俺の言う事は、素直に聞いた方が無難――んじゃぁ、行こうかっ!」
ソウタはそう叫ぶと、テンの馬首を翻らせ、一団の先頭に立ってテンを歩かせ始めた。
「――止まぁ~れぇ~っ!」
しばらく、樹海の中を進んだ後――歩む一団に向けて、前方から呼び止める声が聞こえた。
それに気付いた、一人の十番隊員が目を凝らすと、声が聞こえた方に、樹海の中にポツンと設けられている、小屋があるのが観えた。
「――ここはぁっ!、翼域特区であるツツキと、ハクキ合衆連邦との境を護る関所であ~るっ!
この樹海に迷い込んだ者ならばぁっ!、小屋から続く開かれた道なりを行けば、ハクキの街道に出る故に戻るが良いっ!
もし――興味からや、よもや自死を望んでの侵入だとしたらぁっ!、同様に退く事を推奨するっ!
そしてぇっ!、ココを通り、ツツキが地へと向かおうという者ならっ!、ハクキ合衆連邦、もしくはクリ社発行の通行手形を、この関所にて出しませぇいっ!」
そう、声高に叫んだのは、小屋の二階家の窓から一団を覗く、額に鉢がねを巻いた中年男である。
先頭を行くソウタは、その中年男の顔を見やると、ニヤッと顔を綻ばせ――
「よぉっ!、関所番のおっさんっ!、三年経っても、まぁ~だココに居るのかぁ?」
――と、懐かしそうな笑顔を見せて、テンに早足を命じた。
「ん?、まさか……お前、ソウタか?」
中年男も、馬上から手を振っているのがソウタだと視認すると、嬉しそうに顔を綻ばせた。
「へへ、久し振りだねぇ♪」
「おぉ~っ!、そうだなぁ!」
この中年男――名をゴサクと言い、ハクキ連邦軍の兵士である。
ソウタがまだ、子供の頃――それこそ10年ほど前からこの関所に赴任しており、彼の旅立ちを関所から見送った人物である。
「へっ!、おっさんは相変わらすかぁ……関所小屋でたった一人、酒を片手のヒマな警備をさ?」
ソウタはそう言って、窓辺から顔を出す、ゴサクの後ろに見える酒瓶の棚を指差し、ヘラヘラとからかう。
「なぁに言うかぁっ!、こんの悪ガキめぇ!、そいつは空き瓶だわいっ!」
ゴサクは、ヒョイと酒瓶を持ち上げて見せ、空である事をアピールする。
この関所の人員は、この小屋に住み込んでいるゴサク、ただ一人である。
ツツキは、敗戦の責を負ったアヤコの蟄居先であるのだから、厳重な警備が敷かれているのが本来なのだが――とにかく、彼一人なのだ。
そんな酔狂な状況には、主に二つの理由がある。
蟄居が始まった当初こそは、相当の人数が配されていたモノだったが、アヤコには、その境遇から脱しようとする素振りは皆無で、領内経営の改善も立派にこなしている事から、管理下に置くクリ社は、彼女への監視を徐々に緩める方針を取り、ハクキ連邦もまた、それに準じた点がまず一つ。
2つ目としては、この僻地への赴任を望む者が少ないという人手不足の面が響き、年々関所の人員は減少の一途を辿り、4年前からはついに、関所に詰めているのはゴサクのみとなったのだ。
アヤコとそのシンパに因る、軍事的蜂起を憂う懸念こそは、ハクキ連邦内には根強く残ってこそはいるが、現在、連邦政府の実権者――"統領"であるノブユキという男は、アヤコの行動や政策に寛容な立場を取る、言わば保守的な考えの持ち主であるため、両者は上手く折り合っている。
「それにしても、一体、どういう了見だ?
後ろの人数からすりゃあ、お前の里帰りの連れ――といった体ではあるまいて?」
ゴサクは、訝しげにソウタの後ろを見渡し、怪訝な表情を浮べる。
「――ソウタ様、よろしいでしょうか?」
――と、そんなタイミングで、ソウタの後ろから現われたのは、ハルが駆る馬に二人乗りをしているシオリだ。
獣道が続く樹海の中では、籠馬車の使用は適さないため、シオリは、ハルの鞍上に便乗していた。
「私は"ツツキ査察団"の――」
関所番であるゴサクに、自分の立場と到来の目的を告げようと、シオリは名乗りを挙げようとする。
これまで"使節団"と呼称していたのに、急に"査察団"へと変わったのは、決して誤植や誤字の類ではない。
テンラクから派遣された、シオリたちは――建前上、特級戦犯としてツツキへと送られたアヤコが、その労務として行っている、領地経営をなどをちゃんと勤しんでいるのかのを"査察"するのが、本来の目的なのである。
しかし――アヤコには好意的な素振りを覗かせている、大巫女ユリとクリ社にとっては、数年に一度の交流機会という側面の方が強く、使節団と呼称するのが通例なのだが、先程挙げたとおり、アヤコの復権を懸念する勢力が根を張る、ハクキ連邦に入ってからは――表向き上、"査察団"と呼称しているのである。
「おい……ソウタ!
お前――こんな"もの凄いべっぴんさん"を、"嫁に貰った"んかぁっ?!、はぁ~たまげたなぁ……」
シオリの名乗りを遮る様に、ゴサクはとんでもない早合点をして、シオリの美麗な顔は指差しし、口をあんぐりと開ける
「――っ!?、ええっ?!」
「なぁっ!?」
シオリとソウタは、みるみると赤面して、驚きのリアクションをする。
「ばっ!、バカっ!、この女性は、大神官様だぁっ!」
ソウタはまさに、血相を赤く変えたまま激昂し、シオリの方に手を向ける。
「へっ?!、だっ……大神官様ぁ?!」
「そーだよっ!、テンラク様からの査察団だっ!
その長として、大神官様がいらしたんだよっ!」
事態を把握出来ないゴサクは、口をあんぐりと開けたまま呆け、ソウタは、恥ずかしさを誤魔化す様に状況を捲くし立てる。
「んっ!、ううんっ!、おっ!、大巫女様より、査察団長に任じられた――神官頭、シオリにございます。
こっ、こちらが、それに際した通行手形ですので、ご確認を……」
シオリは、明らかに動揺した素振りで、顔を伏せながら手形を示す。
「こっ!、これは失礼致したっ!
いっ!、今、関所の門を開けますので……」
ゴサクは、慌てて小屋の窓から離れ、ガチャガチャと甲冑を鳴らしながら、門へと急ぐ。
ソウタは、その後ろ姿を見やり――
「――ったく、前回の査察を兼ねた大巫女様の巡行から、もう五年だぜ?
そろそろ来るかもって、思っておけよ……」
――と、ポリポリと頭を掻き、呆れ気味に呟きながら、愛馬に歩を進めさせる。
「ねぇ?、ハルちゃん……」
ソウタに付いて、テンの後ろを愛馬に追わせる鞍上に、便乗しているシオリは、尋ねる体でハルの耳元へ囁く。
「とっ!、刀聖様より……五つも、年上である私が――妻に、見えるのかしら?」
シオリは、モジモジと両手の指を絡め、照れているのが丸解り素振りで、上目遣いにハルへと尋ねる。
「……見えるんじゃないですかぁ~?
年齢の割には、すっかり、純情可憐な恋する乙女な雰囲気ですし♪」
尋ねられたハルは、からかう体でそう言い、鞍を一蹴りする。
「こっ!、"恋する"だなんてっ!、わっ、私は、萬の神々に仕える――」
シオリは、ハルへの反論と、不意に浮かんだソウタに対する"何か"を振り払うため、仕女としての心構えを呪文が如く、切々と唱えるのだった……
これは、ハクキと翼域に跨る様に列なる森――いや、もはや"樹海"の類と言って良い地域を現している。
その樹海には、当然の様に人は住んで居らず、そのおかげで、他の地域ではお目にかかれない希少な動植物が多い。
それと同時に、一応はファンタジー異世界ながら、ツクモでは終ぞ見当たらない、モンスターめいた獰猛な生物も住み着き、我が物顔で闊歩している、まさに『秘境』と言った類の未開の地である。
フツーの旅人ならば、まず行こうとはしない、危険地帯なのだが――件の樹海は、ツツキへと陸路で赴く上では、避けては通れない道程。
そのため"無事に"物資や産物の輸送をするには、この世界ではポピュラーでは無い、海路を使う必要があり――故に、資源の埋蔵量や物資の調達力、生産力を活かしきれず、経済的に疲弊する結果となる。
それが、ツツキが"ハクキのお荷物"とまで揶揄された原因であった。
当然の事ながら、テンラクで刷り上がったツクモ全報の最新版が届くのも、通常でも発売から半月後の物と、すっかり、世間の動向からはかけ離れた状態だ。
そんな、マトモに行き来する事すら難しくしている、この樹海の事を、人々はツツキが"世間から断ち切られている"という意味から"世断ちの樹海"と呼んでいる。
「さて――みんな、聞いてくれぇっ!」
――と、その"世断ちの樹海"への入り口の前で、居並ぶテンラクから来た使節団の面々に向けて、馬上から手を掲げながら、そう呼ばわっているのは……ソウタだ。
「こっからは、いよいよ、悪名高き『世断ちの樹海』――覚悟は出来てるかい?」
ソウタの問い掛けに、面々は唇をへの字に結んだり、ゴクリと生唾を呑んだりしながら、緊張が満ちる表情で頷く。
「俺は一応、ツツキの出身でね。
初めて来る人が多そうな、皆さんよりは、ちょいとはこの樹海のコトは心得てる――そんな俺の言う事は、素直に聞いた方が無難――んじゃぁ、行こうかっ!」
ソウタはそう叫ぶと、テンの馬首を翻らせ、一団の先頭に立ってテンを歩かせ始めた。
「――止まぁ~れぇ~っ!」
しばらく、樹海の中を進んだ後――歩む一団に向けて、前方から呼び止める声が聞こえた。
それに気付いた、一人の十番隊員が目を凝らすと、声が聞こえた方に、樹海の中にポツンと設けられている、小屋があるのが観えた。
「――ここはぁっ!、翼域特区であるツツキと、ハクキ合衆連邦との境を護る関所であ~るっ!
この樹海に迷い込んだ者ならばぁっ!、小屋から続く開かれた道なりを行けば、ハクキの街道に出る故に戻るが良いっ!
もし――興味からや、よもや自死を望んでの侵入だとしたらぁっ!、同様に退く事を推奨するっ!
そしてぇっ!、ココを通り、ツツキが地へと向かおうという者ならっ!、ハクキ合衆連邦、もしくはクリ社発行の通行手形を、この関所にて出しませぇいっ!」
そう、声高に叫んだのは、小屋の二階家の窓から一団を覗く、額に鉢がねを巻いた中年男である。
先頭を行くソウタは、その中年男の顔を見やると、ニヤッと顔を綻ばせ――
「よぉっ!、関所番のおっさんっ!、三年経っても、まぁ~だココに居るのかぁ?」
――と、懐かしそうな笑顔を見せて、テンに早足を命じた。
「ん?、まさか……お前、ソウタか?」
中年男も、馬上から手を振っているのがソウタだと視認すると、嬉しそうに顔を綻ばせた。
「へへ、久し振りだねぇ♪」
「おぉ~っ!、そうだなぁ!」
この中年男――名をゴサクと言い、ハクキ連邦軍の兵士である。
ソウタがまだ、子供の頃――それこそ10年ほど前からこの関所に赴任しており、彼の旅立ちを関所から見送った人物である。
「へっ!、おっさんは相変わらすかぁ……関所小屋でたった一人、酒を片手のヒマな警備をさ?」
ソウタはそう言って、窓辺から顔を出す、ゴサクの後ろに見える酒瓶の棚を指差し、ヘラヘラとからかう。
「なぁに言うかぁっ!、こんの悪ガキめぇ!、そいつは空き瓶だわいっ!」
ゴサクは、ヒョイと酒瓶を持ち上げて見せ、空である事をアピールする。
この関所の人員は、この小屋に住み込んでいるゴサク、ただ一人である。
ツツキは、敗戦の責を負ったアヤコの蟄居先であるのだから、厳重な警備が敷かれているのが本来なのだが――とにかく、彼一人なのだ。
そんな酔狂な状況には、主に二つの理由がある。
蟄居が始まった当初こそは、相当の人数が配されていたモノだったが、アヤコには、その境遇から脱しようとする素振りは皆無で、領内経営の改善も立派にこなしている事から、管理下に置くクリ社は、彼女への監視を徐々に緩める方針を取り、ハクキ連邦もまた、それに準じた点がまず一つ。
2つ目としては、この僻地への赴任を望む者が少ないという人手不足の面が響き、年々関所の人員は減少の一途を辿り、4年前からはついに、関所に詰めているのはゴサクのみとなったのだ。
アヤコとそのシンパに因る、軍事的蜂起を憂う懸念こそは、ハクキ連邦内には根強く残ってこそはいるが、現在、連邦政府の実権者――"統領"であるノブユキという男は、アヤコの行動や政策に寛容な立場を取る、言わば保守的な考えの持ち主であるため、両者は上手く折り合っている。
「それにしても、一体、どういう了見だ?
後ろの人数からすりゃあ、お前の里帰りの連れ――といった体ではあるまいて?」
ゴサクは、訝しげにソウタの後ろを見渡し、怪訝な表情を浮べる。
「――ソウタ様、よろしいでしょうか?」
――と、そんなタイミングで、ソウタの後ろから現われたのは、ハルが駆る馬に二人乗りをしているシオリだ。
獣道が続く樹海の中では、籠馬車の使用は適さないため、シオリは、ハルの鞍上に便乗していた。
「私は"ツツキ査察団"の――」
関所番であるゴサクに、自分の立場と到来の目的を告げようと、シオリは名乗りを挙げようとする。
これまで"使節団"と呼称していたのに、急に"査察団"へと変わったのは、決して誤植や誤字の類ではない。
テンラクから派遣された、シオリたちは――建前上、特級戦犯としてツツキへと送られたアヤコが、その労務として行っている、領地経営をなどをちゃんと勤しんでいるのかのを"査察"するのが、本来の目的なのである。
しかし――アヤコには好意的な素振りを覗かせている、大巫女ユリとクリ社にとっては、数年に一度の交流機会という側面の方が強く、使節団と呼称するのが通例なのだが、先程挙げたとおり、アヤコの復権を懸念する勢力が根を張る、ハクキ連邦に入ってからは――表向き上、"査察団"と呼称しているのである。
「おい……ソウタ!
お前――こんな"もの凄いべっぴんさん"を、"嫁に貰った"んかぁっ?!、はぁ~たまげたなぁ……」
シオリの名乗りを遮る様に、ゴサクはとんでもない早合点をして、シオリの美麗な顔は指差しし、口をあんぐりと開ける
「――っ!?、ええっ?!」
「なぁっ!?」
シオリとソウタは、みるみると赤面して、驚きのリアクションをする。
「ばっ!、バカっ!、この女性は、大神官様だぁっ!」
ソウタはまさに、血相を赤く変えたまま激昂し、シオリの方に手を向ける。
「へっ?!、だっ……大神官様ぁ?!」
「そーだよっ!、テンラク様からの査察団だっ!
その長として、大神官様がいらしたんだよっ!」
事態を把握出来ないゴサクは、口をあんぐりと開けたまま呆け、ソウタは、恥ずかしさを誤魔化す様に状況を捲くし立てる。
「んっ!、ううんっ!、おっ!、大巫女様より、査察団長に任じられた――神官頭、シオリにございます。
こっ、こちらが、それに際した通行手形ですので、ご確認を……」
シオリは、明らかに動揺した素振りで、顔を伏せながら手形を示す。
「こっ!、これは失礼致したっ!
いっ!、今、関所の門を開けますので……」
ゴサクは、慌てて小屋の窓から離れ、ガチャガチャと甲冑を鳴らしながら、門へと急ぐ。
ソウタは、その後ろ姿を見やり――
「――ったく、前回の査察を兼ねた大巫女様の巡行から、もう五年だぜ?
そろそろ来るかもって、思っておけよ……」
――と、ポリポリと頭を掻き、呆れ気味に呟きながら、愛馬に歩を進めさせる。
「ねぇ?、ハルちゃん……」
ソウタに付いて、テンの後ろを愛馬に追わせる鞍上に、便乗しているシオリは、尋ねる体でハルの耳元へ囁く。
「とっ!、刀聖様より……五つも、年上である私が――妻に、見えるのかしら?」
シオリは、モジモジと両手の指を絡め、照れているのが丸解り素振りで、上目遣いにハルへと尋ねる。
「……見えるんじゃないですかぁ~?
年齢の割には、すっかり、純情可憐な恋する乙女な雰囲気ですし♪」
尋ねられたハルは、からかう体でそう言い、鞍を一蹴りする。
「こっ!、"恋する"だなんてっ!、わっ、私は、萬の神々に仕える――」
シオリは、ハルへの反論と、不意に浮かんだソウタに対する"何か"を振り払うため、仕女としての心構えを呪文が如く、切々と唱えるのだった……
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ファンレター~希望、繋ぐ馬へ~
緋野 真人
ライト文芸
【第10回ネット小説大賞一次選考通過作品】
かつて、縁があったサラブレットにファンレターを送る程、その馬を応援していた優斗は、その馬の初重賞制覇が掛かる一戦をテレビ観戦中、ある病魔に襲われて生死を彷徨う事となる。
一命を取り留めた優斗は、その病気の後遺症で身体に障害を負ってしまい、彼がそんな身体で生きていく事に絶望していた頃、その馬……クロダテンユウも次のレース中、現役続行が危ぶまれる大怪我を負ってしまう。
退院後、半ば自堕落な生活を貪っていた優斗は、リハビリを担当していた言語療法士で、幼馴染でもある奈津美に誘われてクロダテンユウの故郷でもある牧場を訪問、そこで謀らずも、怪我からの復帰のために奮闘する彼と再会する。
そこで、クロダテンユウとその関係者たちの、再起に向けて諦めない姿を知った事で、優斗の苛まれた心は次第に変わって行き、クロダテンユウとその関係者たちもまた、優斗の様なファンの思いに応えようと、有馬記念での本格復帰を目指すのだった。
※…優斗の半生は、病気も含めて筆者の人生を投影した、私小説の意味合いもあります。
尚、『小説家になろう』さんにて、当初書き上げたのが2016年(※現在は削除)のため、競馬描写に登場する設定やレース名などが、現在と異なる点はご容赦ください。
※2022年10月1日より、カクヨムさんでも重複掲載を始めました。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
diceをふるのは公爵令嬢でも国王陛下でもなく
了本 羊
ファンタジー
ブリューテ興国の暦にして、613年のその年、ブリューテ興国王太子であった第一王子、レクスィ・リヒト・ブリューテが、国王陛下主催の舞踏会で自身の婚約者であったフェアシュタ・ヴェステン公爵令嬢との婚約を破棄。その妹であるユリア・ヴェステン公爵令嬢との新たなる婚約を発表した。
兄を慕い、婚約者であったはずのフェアシュタ令嬢とともに未来を歩んでくれると信じ、夢見ていた第二王子である弟、ヴォールの目の前で。
後のブリューテの歴史書に、「神王」の異名を授かった一人の偉大な王がいる。
その王の名は、ヴォール・リヒト・ブリューテ。
その「神王」を傍らにて寄り添い、支え続けた賢妃の名はフェアシュタ王妃。
後にブリューテ国に住まう子供達の寝物語に登場する愚の存在、レクスィとユリア。
これはブリューテ国「神王」が誕生した、あまり知られることはない始まりの物語。
「神王」と賢妃の傍らに在り続けた、赫きダイスの伽語り。
※主人公が性格に難ありという簡素な言葉ではすまないと思います。お気を付けください。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
婚約破棄ですか???実家からちょうど帰ってこいと言われたので好都合です!!!これからは復讐をします!!!~どこにでもある普通の令嬢物語~
tartan321
恋愛
婚約破棄とはなかなか考えたものでございますね。しかしながら、私はもう帰って来いと言われてしまいました。ですから、帰ることにします。これで、あなた様の口うるさい両親や、その他の家族の皆様とも顔を合わせることがないのですね。ラッキーです!!!
壮大なストーリーで奏でる、感動的なファンタジーアドベンチャーです!!!!!最後の涙の理由とは???
一度完結といたしました。続編は引き続き書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる