94 / 207
決意
提案
しおりを挟む
「むふぉぉ~っ!、ふっはいっ、はんふぁっふぇふうろりょぉ~っ!」
意味はまったく伝わらないが――憤慨しているのが解る口調で、タマは文句をぶちまけながら、目の前の卓上に置かれた皿から毟り取る様に料理を貪る。
ちなみに、今の意味は『もぉ~っ!、一体、何だって言うのよぉ~!』である。
オウクを旅立ち、ソウタを探す旅に出たタマとギン――とりあえず、自分たちが知る限りの彼の足跡を辿るため、二人はまず、テンラクの街へと足を向けた。
しかし、言わずもがなテンラクは今、例の謀反に絡み、一般の巡礼者や旅人の出入りには厳しい制限が設けられていた。
そのため、足止めを喰らった事に対し、タマは怒っていて、検問が設けられている手前……カスミ坂中腹の宿場にある飯屋で、夕食を摂りながら憤慨しているのである。
「――だが、収穫が一つあった。
ソウタが謀反の様な『乱れ』に加担したり、放っておいたりはしないはずなのだから――既に、テンラクからは発ったと考えて良い」
ギンは、タマを宥める体で、事態を冷静に読んだ見解を述べる。
テンラクで起きた謀反は、ヒロシたちに送られた檄文の公表に因り、既に世の知るトコロへとなっている。
ただし、ツクモ全報という、ある意味では唯一の全国規模情報ネットワークが遮断されている分、今の所はせいぜい、混乱を極めているコウオウを除いた、翼域内程度にしか流布はされていないが。
「でも、テンラクの中に入って、ソウタがどこに向かうって言ってたとか、そーいうコトを知ってる人を探さないと、こっから先の足取りが途絶えて、結局は振り出しじゃふぁいっ!」
タマは更に憤慨し、また乱暴に料理を口内に放り込んだ。
「俺たちとは、ここまで出会ってはいないのだし、街道は一本道なのだから、コウオウやオウビに戻った線こそは消せるが……南北コクエ、ハクキと、向かった可能性のある場所はまだまだ事欠かない――この程度の情報では、なかなか絞り切れんな」
「もう――いっそ一暴れして、検問突破してやろうかなぁ?
アタシとギンなら、余裕でやれるでしょ?」
ギンは、卓に拡げた地図を指差してうな垂れ、タマは、目を据わらせ始め、トントンと箸で卓上を突きながらそう呟く。
「――はは、随分と豪気な嬢ちゃんだなぁ♪」
タマの呟きに応じた声は、ギンのモノではなかった。
応じたのは、隣の卓で一杯やっている、明らかに流者だと解る、みすぼらしい風体の中年男である。
「……なぁに?、アヤしいおっさん」
ご機嫌斜めなタマは、遠慮会釈無く中年男に毒づき、不機嫌そうに質問の意図を尋ねる。
「おっとぉ、ちょいと藪から棒に聞こえちまったかい?、失敬失敬」
中年男はニヤニヤと笑いながら、二人の卓へと席を替える。
「なあ、兄ちゃんと嬢ちゃん――どーやら"ワケ有り"で、どーしてもテンラクに行きてぇって、口ぶりだなぁ?
実は俺も、ワケ有りでテンラクに入りたくてねぇ……そーいう同胞ってコトで、卓をご一緒しようかなぁってね」
中年男は、ヘラヘラ笑いながら言うと、急に卓に突っ伏し――
「――俺、検問避けて、テンラクに入れる『秘密の道』――知ってるぜ?」
――と、先程までとは違い、マジメな表情で二人に囁いた。
「……どういう事だ?」
ギンは、中年男の顔に、鋭い眼光を送った。
「このオッサンは若い頃、士団員をしていてねぇ……んで、その昔に使ってた、士団員しか知らねぇ抜け道、まだ通れるかなぁ~~って、昼間調べに行ったら、まだ通れる様子だったのよぉ、これがっ!」
中年男は得意気に、講談でもする様に二人に話した。
「ふぅ~ん……じゃあ、どーしてその"ワケ有りなオッサン"は、そこを通ってテンラクには入らず、ココで呑んだくれて居るのかなぁ?」
タマは珍しく、鋭いツッコミを中年男に決めた。
「あちゃぁ~!、手厳しい嬢ちゃんだねぇ~!
いやっ!、まったくそのとぉ~りっ!、"返す言葉がねぇ"とは、まさにこのコトだねぇ~~!」
「茶化すな、オッサン。
俺たちの会話を、盗み聞いての声掛けだろう?」
中年男の酔狂な返答に、ギンは苛立ちを覗かせた。
「へへ、悪ぃな……ど~にも、場所が飯屋だけによ?、いきなりキナ臭ぇ話すんのが、幾分憚られてねぇ……
じゃあ――訊くぜ?、おめぇら……最近評判の、当世の刀聖サマの仲間じゃあねぇのかい?」
中年男は目線を据わらせて、これまでとは完全に一線を画す、鋭い形相で二人を見る。
「オッサン――あんた……」
タマも鋭い眼光を中年男へ向け、いつでも飛びかかれる気概と体勢へと自らを正す。
「へへっ♪、若い身空が悠に放てる殺気じゃねぇなあ……"図星"、そう思って良いみてぇだな」
中年男は、タマが放つ殺気に臆する様など微塵も見せず、逆に笑みを浮べて二人を見渡す。
(……!、このオッサン――)
(――"出来る"な。
鼻腔を改めて開いてみれば、なかなかの血のニオイが混じってる……ソウタ、には及ばないだろうが、かなり腕が立つと思って間違いない)
タマとギンは、各々の獣の部位の毛が逆立つ感覚を覚え、中年男が秘める謎めいた雰囲気に息を呑む。
「俺たちが――刀聖の知り合いだと、どうして解った?」
「『乱れ』がどうとか言ってたし、それを放ってはどうとも言ってりゃあ――このご時世だし、スイスイと刀聖を連想するだろうさ?」
ギンは自供する体で、自分たちが刀聖の仲間である事を明かし、中年男は辿り着いた発想のからくりを吐露する。
「そっから繋げさせて貰えば、当世の刀聖サマは、テンラクに向かったはずなのは間違い無いが、その後の足取りが解らない。
その刀聖サマに会わなきゃならねぇ事情のアンタらは、少しでも手掛かりが欲しい――んで、テンラクに入りてぇってんだろ?」
中年男は、また得意気に、今度は人差し指なんかも立てて、二人にニヤッと笑って見せる。
「――そのとおりだ、俺たちはコウ――」
「あぁ~っと!、皆まで言わんで良いよ。
アンタらの素性は、何となくだが想像つくから――聞いちまったら、俺も頼み辛くなっちゃうしな」
ギンが全てを認め、コウオウの依頼で刀聖の捜索している事を伝えようとしたが、中年男はそれを遮り、何やら意味深な事柄を呟く。
「やぁ~っぱり!、オッサン、何か魂胆があるんでしょ?」
中年男の呟きを聡く理解したタマは、頬を膨らませて彼に詰め寄る。
「へへ――実はな?、オッサンは謀反を起こした連中に、ちょいと怨恨があってよ。
あいつらに、一泡吹かせるのを協力して貰いてぇんだ」
タマの追求に、中年男は観念して、自分の思惑を吐露する。
「――で、ついでにテンラクに居る、俺の"昔の女"を助け出してぇと思ってたモンだから、同じく一暴れを企んでるっていう、嬢ちゃんたちのハナシが耳に入っちまったワケよ」
中年男は、飲み干した盃を卓に置き、足下に置いてある"二本の刀"を覗かせながら、神妙な面持ちで、策謀を打ち明けた二人の表情を見やる。
「――なるほど、抜け道に連れて行ってくれる代わりに、自分の用事に手を貸せってコトね」
「ああ、まあ、抜け道教えるだけじゃなく、俺も一緒に行くんだがね」
訝しげに見据えるタマの前に、中年男は自分の肴を置いて――
「――どうだい?、刀聖サマの身内で、さっきの言い分からすりゃあ、腕っぷしに自信がある……アンタらにとっちゃあ、悪くはねぇハナシだろ?」
中年男は、またまた得意気に、二人にニヤッと笑みを見せて返答を乞う。
「――タマ」
「ギン……うんっ!」
二人が目配せをして、了承の素振りを中年男に見せた。
「へへ♪、決まりだな。
俺は――"ハヤト"ってんだ、よろしくな、狼の兄ちゃんと猫の嬢ちゃん」
中年男――ハヤトは、二人と固く握手をして、互いに目配せを交わす。
このハヤトが――先の大戦で、先世刀聖リョウゴと並び称される程の武勲を挙げた、"二刀の達人"として名を馳せた稀代の英傑である事を、世俗に疎い二人は知る由も無かった。
もちろん、彼の言う『昔の女』とは――大巫女ユリであり、その手伝いを頼まれた用事とは、彼女の救出であるという事も。
「――タマ」
「ギン……」
翌日――ハヤトと共に、その『秘密の道』の様を見て、何故だか二人は"やられたっ!"とでも言っている様な、呆然と愕然が入り混じった表情で"そこ"を見通していた。
「へへ♪、これが――『秘密の道』さっ!」
ハヤトが得意気に、親指なんかも立ててアピールしているのは――切り立った崖上へと続く、垂れ下がった太い綱であった。
「『道』じゃなくて、只の崖昇りでしょうがぁ~っ!」
――と、タマはそんな抗議の言葉を、ハヤトの耳元で叫んだ。
意味はまったく伝わらないが――憤慨しているのが解る口調で、タマは文句をぶちまけながら、目の前の卓上に置かれた皿から毟り取る様に料理を貪る。
ちなみに、今の意味は『もぉ~っ!、一体、何だって言うのよぉ~!』である。
オウクを旅立ち、ソウタを探す旅に出たタマとギン――とりあえず、自分たちが知る限りの彼の足跡を辿るため、二人はまず、テンラクの街へと足を向けた。
しかし、言わずもがなテンラクは今、例の謀反に絡み、一般の巡礼者や旅人の出入りには厳しい制限が設けられていた。
そのため、足止めを喰らった事に対し、タマは怒っていて、検問が設けられている手前……カスミ坂中腹の宿場にある飯屋で、夕食を摂りながら憤慨しているのである。
「――だが、収穫が一つあった。
ソウタが謀反の様な『乱れ』に加担したり、放っておいたりはしないはずなのだから――既に、テンラクからは発ったと考えて良い」
ギンは、タマを宥める体で、事態を冷静に読んだ見解を述べる。
テンラクで起きた謀反は、ヒロシたちに送られた檄文の公表に因り、既に世の知るトコロへとなっている。
ただし、ツクモ全報という、ある意味では唯一の全国規模情報ネットワークが遮断されている分、今の所はせいぜい、混乱を極めているコウオウを除いた、翼域内程度にしか流布はされていないが。
「でも、テンラクの中に入って、ソウタがどこに向かうって言ってたとか、そーいうコトを知ってる人を探さないと、こっから先の足取りが途絶えて、結局は振り出しじゃふぁいっ!」
タマは更に憤慨し、また乱暴に料理を口内に放り込んだ。
「俺たちとは、ここまで出会ってはいないのだし、街道は一本道なのだから、コウオウやオウビに戻った線こそは消せるが……南北コクエ、ハクキと、向かった可能性のある場所はまだまだ事欠かない――この程度の情報では、なかなか絞り切れんな」
「もう――いっそ一暴れして、検問突破してやろうかなぁ?
アタシとギンなら、余裕でやれるでしょ?」
ギンは、卓に拡げた地図を指差してうな垂れ、タマは、目を据わらせ始め、トントンと箸で卓上を突きながらそう呟く。
「――はは、随分と豪気な嬢ちゃんだなぁ♪」
タマの呟きに応じた声は、ギンのモノではなかった。
応じたのは、隣の卓で一杯やっている、明らかに流者だと解る、みすぼらしい風体の中年男である。
「……なぁに?、アヤしいおっさん」
ご機嫌斜めなタマは、遠慮会釈無く中年男に毒づき、不機嫌そうに質問の意図を尋ねる。
「おっとぉ、ちょいと藪から棒に聞こえちまったかい?、失敬失敬」
中年男はニヤニヤと笑いながら、二人の卓へと席を替える。
「なあ、兄ちゃんと嬢ちゃん――どーやら"ワケ有り"で、どーしてもテンラクに行きてぇって、口ぶりだなぁ?
実は俺も、ワケ有りでテンラクに入りたくてねぇ……そーいう同胞ってコトで、卓をご一緒しようかなぁってね」
中年男は、ヘラヘラ笑いながら言うと、急に卓に突っ伏し――
「――俺、検問避けて、テンラクに入れる『秘密の道』――知ってるぜ?」
――と、先程までとは違い、マジメな表情で二人に囁いた。
「……どういう事だ?」
ギンは、中年男の顔に、鋭い眼光を送った。
「このオッサンは若い頃、士団員をしていてねぇ……んで、その昔に使ってた、士団員しか知らねぇ抜け道、まだ通れるかなぁ~~って、昼間調べに行ったら、まだ通れる様子だったのよぉ、これがっ!」
中年男は得意気に、講談でもする様に二人に話した。
「ふぅ~ん……じゃあ、どーしてその"ワケ有りなオッサン"は、そこを通ってテンラクには入らず、ココで呑んだくれて居るのかなぁ?」
タマは珍しく、鋭いツッコミを中年男に決めた。
「あちゃぁ~!、手厳しい嬢ちゃんだねぇ~!
いやっ!、まったくそのとぉ~りっ!、"返す言葉がねぇ"とは、まさにこのコトだねぇ~~!」
「茶化すな、オッサン。
俺たちの会話を、盗み聞いての声掛けだろう?」
中年男の酔狂な返答に、ギンは苛立ちを覗かせた。
「へへ、悪ぃな……ど~にも、場所が飯屋だけによ?、いきなりキナ臭ぇ話すんのが、幾分憚られてねぇ……
じゃあ――訊くぜ?、おめぇら……最近評判の、当世の刀聖サマの仲間じゃあねぇのかい?」
中年男は目線を据わらせて、これまでとは完全に一線を画す、鋭い形相で二人を見る。
「オッサン――あんた……」
タマも鋭い眼光を中年男へ向け、いつでも飛びかかれる気概と体勢へと自らを正す。
「へへっ♪、若い身空が悠に放てる殺気じゃねぇなあ……"図星"、そう思って良いみてぇだな」
中年男は、タマが放つ殺気に臆する様など微塵も見せず、逆に笑みを浮べて二人を見渡す。
(……!、このオッサン――)
(――"出来る"な。
鼻腔を改めて開いてみれば、なかなかの血のニオイが混じってる……ソウタ、には及ばないだろうが、かなり腕が立つと思って間違いない)
タマとギンは、各々の獣の部位の毛が逆立つ感覚を覚え、中年男が秘める謎めいた雰囲気に息を呑む。
「俺たちが――刀聖の知り合いだと、どうして解った?」
「『乱れ』がどうとか言ってたし、それを放ってはどうとも言ってりゃあ――このご時世だし、スイスイと刀聖を連想するだろうさ?」
ギンは自供する体で、自分たちが刀聖の仲間である事を明かし、中年男は辿り着いた発想のからくりを吐露する。
「そっから繋げさせて貰えば、当世の刀聖サマは、テンラクに向かったはずなのは間違い無いが、その後の足取りが解らない。
その刀聖サマに会わなきゃならねぇ事情のアンタらは、少しでも手掛かりが欲しい――んで、テンラクに入りてぇってんだろ?」
中年男は、また得意気に、今度は人差し指なんかも立てて、二人にニヤッと笑って見せる。
「――そのとおりだ、俺たちはコウ――」
「あぁ~っと!、皆まで言わんで良いよ。
アンタらの素性は、何となくだが想像つくから――聞いちまったら、俺も頼み辛くなっちゃうしな」
ギンが全てを認め、コウオウの依頼で刀聖の捜索している事を伝えようとしたが、中年男はそれを遮り、何やら意味深な事柄を呟く。
「やぁ~っぱり!、オッサン、何か魂胆があるんでしょ?」
中年男の呟きを聡く理解したタマは、頬を膨らませて彼に詰め寄る。
「へへ――実はな?、オッサンは謀反を起こした連中に、ちょいと怨恨があってよ。
あいつらに、一泡吹かせるのを協力して貰いてぇんだ」
タマの追求に、中年男は観念して、自分の思惑を吐露する。
「――で、ついでにテンラクに居る、俺の"昔の女"を助け出してぇと思ってたモンだから、同じく一暴れを企んでるっていう、嬢ちゃんたちのハナシが耳に入っちまったワケよ」
中年男は、飲み干した盃を卓に置き、足下に置いてある"二本の刀"を覗かせながら、神妙な面持ちで、策謀を打ち明けた二人の表情を見やる。
「――なるほど、抜け道に連れて行ってくれる代わりに、自分の用事に手を貸せってコトね」
「ああ、まあ、抜け道教えるだけじゃなく、俺も一緒に行くんだがね」
訝しげに見据えるタマの前に、中年男は自分の肴を置いて――
「――どうだい?、刀聖サマの身内で、さっきの言い分からすりゃあ、腕っぷしに自信がある……アンタらにとっちゃあ、悪くはねぇハナシだろ?」
中年男は、またまた得意気に、二人にニヤッと笑みを見せて返答を乞う。
「――タマ」
「ギン……うんっ!」
二人が目配せをして、了承の素振りを中年男に見せた。
「へへ♪、決まりだな。
俺は――"ハヤト"ってんだ、よろしくな、狼の兄ちゃんと猫の嬢ちゃん」
中年男――ハヤトは、二人と固く握手をして、互いに目配せを交わす。
このハヤトが――先の大戦で、先世刀聖リョウゴと並び称される程の武勲を挙げた、"二刀の達人"として名を馳せた稀代の英傑である事を、世俗に疎い二人は知る由も無かった。
もちろん、彼の言う『昔の女』とは――大巫女ユリであり、その手伝いを頼まれた用事とは、彼女の救出であるという事も。
「――タマ」
「ギン……」
翌日――ハヤトと共に、その『秘密の道』の様を見て、何故だか二人は"やられたっ!"とでも言っている様な、呆然と愕然が入り混じった表情で"そこ"を見通していた。
「へへ♪、これが――『秘密の道』さっ!」
ハヤトが得意気に、親指なんかも立ててアピールしているのは――切り立った崖上へと続く、垂れ下がった太い綱であった。
「『道』じゃなくて、只の崖昇りでしょうがぁ~っ!」
――と、タマはそんな抗議の言葉を、ハヤトの耳元で叫んだ。
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説


ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる