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血染めの秋分
悲壮
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「――おらぁっ!、門開けろぉっ!」
「へへへ♪、お嬢ちゃぁ~ん!、お兄さんたちが可愛がってあげるから、出て来なよぉ~!」
そんな、怒号や下卑な叫びが、大神官公邸の中へと投げ掛けられている。
市街の制圧を役割としていた、イゾウ率いる天警五番隊――そのイゾウが自ら赴いている、御船板館正門とは別に、この公邸にも謀反人たちが押し寄せて来ていた。
「スッ、スグル様……」
「大丈夫、俺が、絶対、護ってみせるからさ」
邸宅の中で、その襲撃に脅えているマユに、スグルは優しくそう宣言する。
二人が、街中に響いた轟音を聴いたのは、丁度、門を過ぎ、公邸の玄関に大荷物を置いた時だった。
その轟音の後、街から漂ってくる不穏な気配を感じ取ったスグルは、マユに、邸宅から出ない様に言って、門を堅く閉じ、更に家具なども門の前に積んで、バリケードを構築する念の入れ様で警戒していると、案の定――この襲撃と相成っていた。
(――くそっ!、カッコ良く言ったけど……俺一人じゃ、やれる事はたかが知れてるぞぉっ!?
本隊は一体、何をやってんだっ?!)
御船板の情勢を知らないスグルは、心中でそう苛立っていた。
「ううっ……」
ドンドンと重く響く、公邸の門を激しく叩く音に、マユは屈んで脅えきっている。
「大丈夫――大丈夫だから……」
スグルは、励ましの言葉を送っているつもりだが、その迷いを感じる声音が、彼女を一層不安がらせていた。
叩く音に続き、今度は何かがひしゃげる音が響き、スグルは顔を引き攣らせる。
(門、壊し始めやがったか……この分じゃ、本隊の援軍は期待出来ねぇと思うのが正解――)
スグルは、表情を曇らせ、そして、腰に差した鞘に目をやり――
(俺一人でも、やるしかねぇ――か?)
――そんな決意を心中に抱き、震えたマユの背中を眺めて思う。
「……マユちゃん」
スグルは、マユの肩に手を置き、振り向いた彼女を顔に、精悍な眼差しを向け――
「ちょっと、外のうるせぇ奴らを黙らせてくるかな」
――と、笑顔を交えてそう言った。
「えっ!?、お一人……なんですよ?」
聡く、状況を理解しているマユは驚いて、スグルの裾を握りながら意図を問うた。
「なぁ~に!、俺だって、一番隊員で刀聖様の友達なんだぜ?
公邸に来た暴漢ぐらい、ちょちょいと黙らせるのは簡単だよ」
スグルは腕をまくり、自信満々に、パンパンと隆起している自分の腕を見せ付ける。
「でも――」
マユは、不安一杯の表情で俯く。
「――何度も言ってるだろ?、大丈夫だから!
テンラク様を、警す士である、俺を信用してくれ」
スグルは満面の笑みで、マユの頭を優しく撫でる。
「あっ……」
マユはそんな声を挙げ、恥ずかしそうに頬を赤く染める。
「――じゃっ、行ってくる!」
スグルはそう呟くと、公邸の玄関を飛び出した。
「ヒャッハッハッハッ!、おらおらぁ~!、もうちょっとでぶっ壊れるぞぉ~!」
巨大な丸太を用いて、公邸の門を破ろうとしている謀反人たちの一人が、ひびが入って来た門を指差ししてそう叫んだ。
「へへ♪、あの超上玉大神官こそは今は居ねぇそうだが、可愛い仕女が住み込んでるってぇハナシだろう?
イゾウ隊長からは、"好きにして良い"って聞いてっから――へへ♡、"楽しみ"だぜぇ♪」
「――けっ!、おめぇはホント、ロリコンだよなぁ」
そんな、下卑た会話が木霊した――その時!、門は赤い閃光に包まれ、その界気の光が満ちた瞬間、門が一気に爆発し、飛散した!
「――ぐぉあっ!」
丸太を持ち、次の一撃を門に見舞おうとしていた一人は、その爆発に巻き込まれ、側の石垣まで肢体を吹き飛ばされる。
「ゴホッ!、ゴホッ!、――くそぉっ!、いきなり何だぁ?!」
下卑た口調の男は、門の爆発で舞った埃に咳き込みながら、その原因を求めて手探りに歩む。
「――ぎゃあっ?!」
下卑た男の胴腹へ、鋭い斬撃の一閃が飛び、下卑た男は鮮血を吹き上がらせ、そのまま果てる。
「誰だっ!、てめぇ!」
埃が止み始め、警戒してその場に立ち止まっている謀反人の一人は、爆発と斬撃の正体の登場を待つ。
「"何者"かと思ったら、まさか、"同業"だとはな」
爆発で壊れた門の、ポッカリと空いた穴の中に現れたのは――スグルである。
スグルは、彼らが羽織る浅黄色の羽織りを見やり――
「――てめぇら、その下品な様相……イゾウが、現地徴用したってハナシの流者上がりだろ?
秋分祭に浮かれて、大神官邸を襲うったぁ、どういう了見だ?」
――強烈に睨み付け、彼らに刀の切っ先を向けた。
「へっ!、これが祭りに浮かれている様に見えるかぁ?、俺らは――"隊長の命令"で来てんだよ!
"出城に使うから、公邸を抑えておけ"ってなぁ」
謀反人の一人は、逆にスグルへ切っ先を向け返し、そう応えた。
「――てぇコトは、五番隊が謀反でも起こしたってのか?」
「おうよっ!、二番隊、七番隊、八番隊と一緒にな!
煩わしい、法度ばかりの士団を造り替えるためによぉっ!」
その謀反人は、ベラベラと現状をスグルに説明する…
(――辺りを見ただけでも、ざっと十人は居やがるな。
謀反となりゃあ、援軍の期待は完全に消えたか……)
スグルは、ギリっと歯軋りをして、小さく背後を伺う。
(だが丁度、一人が通るにやっとな穴――ココに留まって、一人ずつ相手に取れば、俺一人でも勝機はある!)
スグルは、グッと力を込め、刀の柄を握り――
「――俺は、天警一番隊……ツツキのスグル!
公邸を侵そうとする謀反人どもぉ!、この門を通りたきゃあ、俺の刀を黙らせてみなっ!」
――と、ブンと一筋、刀を振るって見せた。
「るせぇっ!、野郎どもぉっ!、殺っちまえぇっ!」
謀反人たちは、一斉に門内のスグルへと襲い掛かった!
スグルは、心中に抱いたとおりに、門に空いた穴の後ろに留まり、奮戦を見せて、悠に十二名もの謀反人を切り捨てた。
だが、その内、敵方には増援も加わり、その中でも特に、弓矢を扱う連中に手を焼き――
「――うっ!、はあっ……」
――無数の矢傷を夥しく纏い、返り血か、自身のモノかも解らない程の多量の血液を浴びた様で、ついに精魂を尽きたか、スグルは門の前へと崩れる様にに座り込む。
「はぁはぁ――ったく、たった一人のクセに、手こずらせやがって!」
未だ、目線だけはギラギラとしている、スグルの形相に若干恐怖しながら、息を整えている数人の謀反人は、傷口を押さえたり、界気で負った火傷を擦ったりしている。
「!?、スグル様ぁっ!」
――と、そこに、不安と心配に堪らなくなったマユが、その惨状へと姿を現し、その場に愕然として立ち竦む。
「!、マ、ユ……ちゃんっ!」
もはや、今際へと至っているはずのスグルは、その姿に驚き、這い蹲って門内へと戻ろうとする。
「ほう、これが噂の仕女見習いちゃんかい♪
確かに、所詮はまだまだ子供だが、結構な上玉じゃねかぁ♪」
マユの姿を見止めた謀反人の一人は、品定めをする様に彼女の姿を見据え、いやらしい下卑た笑顔をする。
「!、い――っ!、嫌ぁっ!」
スグルの様子と、下卑た眼差しの先にあるであろう意味を、切なくも理解したマユは、慌てて振り向き、公邸の中へと逃げ込む。
「へへへ――そう慌てるなよぉ♪
お兄さんたちは、まだちょ~っとお仕事が残ってるんだからさぁ~♪」
……謀反人の一人は、実に楽しげに、門内へと足を踏み入れる。
「まっ、待てぇ……っ!」
這い蹲るスグルは、懸命に手を伸ばし、踏み込んだ謀反人の足首を掴む。
「――ちっ!、るせぇんだよっ!、死に損ないがぁっ!」
足首を掴まれた男が振り落とした刃は、スグルの脳天へと突き立てられた。
「へへへ♪、お嬢ちゃぁ~ん!、お兄さんたちが可愛がってあげるから、出て来なよぉ~!」
そんな、怒号や下卑な叫びが、大神官公邸の中へと投げ掛けられている。
市街の制圧を役割としていた、イゾウ率いる天警五番隊――そのイゾウが自ら赴いている、御船板館正門とは別に、この公邸にも謀反人たちが押し寄せて来ていた。
「スッ、スグル様……」
「大丈夫、俺が、絶対、護ってみせるからさ」
邸宅の中で、その襲撃に脅えているマユに、スグルは優しくそう宣言する。
二人が、街中に響いた轟音を聴いたのは、丁度、門を過ぎ、公邸の玄関に大荷物を置いた時だった。
その轟音の後、街から漂ってくる不穏な気配を感じ取ったスグルは、マユに、邸宅から出ない様に言って、門を堅く閉じ、更に家具なども門の前に積んで、バリケードを構築する念の入れ様で警戒していると、案の定――この襲撃と相成っていた。
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本隊は一体、何をやってんだっ?!)
御船板の情勢を知らないスグルは、心中でそう苛立っていた。
「ううっ……」
ドンドンと重く響く、公邸の門を激しく叩く音に、マユは屈んで脅えきっている。
「大丈夫――大丈夫だから……」
スグルは、励ましの言葉を送っているつもりだが、その迷いを感じる声音が、彼女を一層不安がらせていた。
叩く音に続き、今度は何かがひしゃげる音が響き、スグルは顔を引き攣らせる。
(門、壊し始めやがったか……この分じゃ、本隊の援軍は期待出来ねぇと思うのが正解――)
スグルは、表情を曇らせ、そして、腰に差した鞘に目をやり――
(俺一人でも、やるしかねぇ――か?)
――そんな決意を心中に抱き、震えたマユの背中を眺めて思う。
「……マユちゃん」
スグルは、マユの肩に手を置き、振り向いた彼女を顔に、精悍な眼差しを向け――
「ちょっと、外のうるせぇ奴らを黙らせてくるかな」
――と、笑顔を交えてそう言った。
「えっ!?、お一人……なんですよ?」
聡く、状況を理解しているマユは驚いて、スグルの裾を握りながら意図を問うた。
「なぁ~に!、俺だって、一番隊員で刀聖様の友達なんだぜ?
公邸に来た暴漢ぐらい、ちょちょいと黙らせるのは簡単だよ」
スグルは腕をまくり、自信満々に、パンパンと隆起している自分の腕を見せ付ける。
「でも――」
マユは、不安一杯の表情で俯く。
「――何度も言ってるだろ?、大丈夫だから!
テンラク様を、警す士である、俺を信用してくれ」
スグルは満面の笑みで、マユの頭を優しく撫でる。
「あっ……」
マユはそんな声を挙げ、恥ずかしそうに頬を赤く染める。
「――じゃっ、行ってくる!」
スグルはそう呟くと、公邸の玄関を飛び出した。
「ヒャッハッハッハッ!、おらおらぁ~!、もうちょっとでぶっ壊れるぞぉ~!」
巨大な丸太を用いて、公邸の門を破ろうとしている謀反人たちの一人が、ひびが入って来た門を指差ししてそう叫んだ。
「へへ♪、あの超上玉大神官こそは今は居ねぇそうだが、可愛い仕女が住み込んでるってぇハナシだろう?
イゾウ隊長からは、"好きにして良い"って聞いてっから――へへ♡、"楽しみ"だぜぇ♪」
「――けっ!、おめぇはホント、ロリコンだよなぁ」
そんな、下卑た会話が木霊した――その時!、門は赤い閃光に包まれ、その界気の光が満ちた瞬間、門が一気に爆発し、飛散した!
「――ぐぉあっ!」
丸太を持ち、次の一撃を門に見舞おうとしていた一人は、その爆発に巻き込まれ、側の石垣まで肢体を吹き飛ばされる。
「ゴホッ!、ゴホッ!、――くそぉっ!、いきなり何だぁ?!」
下卑た口調の男は、門の爆発で舞った埃に咳き込みながら、その原因を求めて手探りに歩む。
「――ぎゃあっ?!」
下卑た男の胴腹へ、鋭い斬撃の一閃が飛び、下卑た男は鮮血を吹き上がらせ、そのまま果てる。
「誰だっ!、てめぇ!」
埃が止み始め、警戒してその場に立ち止まっている謀反人の一人は、爆発と斬撃の正体の登場を待つ。
「"何者"かと思ったら、まさか、"同業"だとはな」
爆発で壊れた門の、ポッカリと空いた穴の中に現れたのは――スグルである。
スグルは、彼らが羽織る浅黄色の羽織りを見やり――
「――てめぇら、その下品な様相……イゾウが、現地徴用したってハナシの流者上がりだろ?
秋分祭に浮かれて、大神官邸を襲うったぁ、どういう了見だ?」
――強烈に睨み付け、彼らに刀の切っ先を向けた。
「へっ!、これが祭りに浮かれている様に見えるかぁ?、俺らは――"隊長の命令"で来てんだよ!
"出城に使うから、公邸を抑えておけ"ってなぁ」
謀反人の一人は、逆にスグルへ切っ先を向け返し、そう応えた。
「――てぇコトは、五番隊が謀反でも起こしたってのか?」
「おうよっ!、二番隊、七番隊、八番隊と一緒にな!
煩わしい、法度ばかりの士団を造り替えるためによぉっ!」
その謀反人は、ベラベラと現状をスグルに説明する…
(――辺りを見ただけでも、ざっと十人は居やがるな。
謀反となりゃあ、援軍の期待は完全に消えたか……)
スグルは、ギリっと歯軋りをして、小さく背後を伺う。
(だが丁度、一人が通るにやっとな穴――ココに留まって、一人ずつ相手に取れば、俺一人でも勝機はある!)
スグルは、グッと力を込め、刀の柄を握り――
「――俺は、天警一番隊……ツツキのスグル!
公邸を侵そうとする謀反人どもぉ!、この門を通りたきゃあ、俺の刀を黙らせてみなっ!」
――と、ブンと一筋、刀を振るって見せた。
「るせぇっ!、野郎どもぉっ!、殺っちまえぇっ!」
謀反人たちは、一斉に門内のスグルへと襲い掛かった!
スグルは、心中に抱いたとおりに、門に空いた穴の後ろに留まり、奮戦を見せて、悠に十二名もの謀反人を切り捨てた。
だが、その内、敵方には増援も加わり、その中でも特に、弓矢を扱う連中に手を焼き――
「――うっ!、はあっ……」
――無数の矢傷を夥しく纏い、返り血か、自身のモノかも解らない程の多量の血液を浴びた様で、ついに精魂を尽きたか、スグルは門の前へと崩れる様にに座り込む。
「はぁはぁ――ったく、たった一人のクセに、手こずらせやがって!」
未だ、目線だけはギラギラとしている、スグルの形相に若干恐怖しながら、息を整えている数人の謀反人は、傷口を押さえたり、界気で負った火傷を擦ったりしている。
「!?、スグル様ぁっ!」
――と、そこに、不安と心配に堪らなくなったマユが、その惨状へと姿を現し、その場に愕然として立ち竦む。
「!、マ、ユ……ちゃんっ!」
もはや、今際へと至っているはずのスグルは、その姿に驚き、這い蹲って門内へと戻ろうとする。
「ほう、これが噂の仕女見習いちゃんかい♪
確かに、所詮はまだまだ子供だが、結構な上玉じゃねかぁ♪」
マユの姿を見止めた謀反人の一人は、品定めをする様に彼女の姿を見据え、いやらしい下卑た笑顔をする。
「!、い――っ!、嫌ぁっ!」
スグルの様子と、下卑た眼差しの先にあるであろう意味を、切なくも理解したマユは、慌てて振り向き、公邸の中へと逃げ込む。
「へへへ――そう慌てるなよぉ♪
お兄さんたちは、まだちょ~っとお仕事が残ってるんだからさぁ~♪」
……謀反人の一人は、実に楽しげに、門内へと足を踏み入れる。
「まっ、待てぇ……っ!」
這い蹲るスグルは、懸命に手を伸ばし、踏み込んだ謀反人の足首を掴む。
「――ちっ!、るせぇんだよっ!、死に損ないがぁっ!」
足首を掴まれた男が振り落とした刃は、スグルの脳天へと突き立てられた。
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