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血染めの秋分
静かな夕暮れ
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時は、皇の拝礼が界気鏡で占報される前――秋分祭の宵を控えた、夕方へと少し遡り、語りが伝える場所も、オウクと同じく、賑わうテンラクの街中へと移る。
「スグル様――荷物、重たくありませんか?」
その街中で、並んで歩いているのは、天警士団一番隊士のスグルと、大神官公邸でシオリと暮らしている、双子姉妹の姉、マユである。
「大丈夫だよ。
これぐらいの買い物袋じゃ、全然重くたくないね」
スグルは、マユの質問にそう答えると、その言葉を証明しようと、野菜や果物が満載された、抱えている紙袋を上へと放り、落ちて来たそれを軽々しくキャッチして見せる。
「うわぁ。
流石は、殿方のお力ですねぇ…」
マユは、そんなスグルのアピールを、口元を上品に隠して、素直に関心して見せる。
さて――何故、このイマイチ接点が思い浮かばない二人が、テンラクの街中を並んで歩いているのかというと、ユリとソウタの会談から、ツツキ使節団の出立までの5日間も、ソウタは公邸の厄介になっていたため、その間、スグルは3度ほどソウタを訪ねており、それが、マユとスグルが本格的に顔見知りとなった経緯である。
その関係で、シオリは自分が留守の間、姉妹の事を、気に留めて貰いたいとスグルに頼んでいた。
それが、この二人の取り合わせのカラクリなのだ。
――で、秋分祭のご馳走の食材を求め、市場へと繰り出していたマユが、大荷物を抱えて公邸への帰路に着いていたトコロに、祭りの宵を控えた市街の警邏をしていたスグルが偶然通り掛かり、荷物を持って、公邸まで送るコトを申し出たのである。
ちなみに――その5日間には、使節団との同行が決っていたヒロシとミスズ、そして、同年代であるハルが訪れる事もあり、ソウタは自ずと彼らとも親交を深めたのだった。
それが、ハルが妙に、ソウタを信頼していた理由でもある。
「少し――買い過ぎてしまって、後悔していた所を本当に助かりました」
――と、マユは10歩ほど歩く度に立ち止まって、スグルに礼を言う始末で感謝を表していた。
「なぁに、それとなく気に留めてやってくれってのは、大神官様からの頼みなんだから、キミが気にするこたぁねぇよ」
スグルは、照れ臭そうに鼻先を掻き、少し中身が片寄った紙袋の中身を、揺すって整えながらそう答えた。
その頃、御船板の館の奥――大巫女ユリの私室では、サトコと同じく幾重にも重ね着た、祭祀様の衣装を身に纏い、ユリは儀式へ向けての瞑想に勤しんでいた。
その隣には、ユリに付き従う様に、彼女の物よりは、少し重ね着の数こそは劣るが、似た様な造りの衣装を身に纏った、ミユが居る。
ミユは、この儀式の近習役に任じられる誉れを請け、その儀式のために御船板へと来ていた。
「心の準備は――良いかしら?」
「はいっ!、近習の大役――精一杯、務めさせて頂きますっ!」
笑みを浮べ、励ます様にミユの肩に手を置いたユリの問い掛けに、ミユは意欲溢れる笑顔を見せて、快活に答えた。
「そっかぁ……妹さんの大役を祝うために、買い物を頑張ってたんだねぇ」
その、ミユの抜擢を、歩きながら聞いたスグルは、我が事の様に嬉しそうに破顔を見せる。
「はい――でも、実は大巫女様に近習役を指名されたのは、私の方だったのです。
だけれど、どうしても、儀式で大勢の人前に出るのが恥ずかしくて……」
マユは、そんな事情も吐露すると、目を伏せ、申し訳無さそうに、キュッと振袖の袖を握る。
「へっ!?、じゃあ――そっくりだから、妹さんを身代わりに?」
「そっ!、それは違いますっ!」
双子にありがちなエピソードを想像したスグルは、得意気にそんな軽口を叩くが、マユは喰い気味に、真っ向からそれを否定した。
「大巫女様を騙す様な事――畏れ多くて、出来るワケがございません。
ちゃんと、大神官様を通じて、辞退を申し出たら――では、妹のミユにと」
マユは目を瞑り、順を追って事の次第を語る。
「――でも、大巫女様の近習役って、仕女見習いとしては、随一の大役のはずだろ?
キタない話にゃあなるが、"将来の出世"が決まったも同然のはず……恥ずかしいだけで辞退するのは、勿体無さ過ぎだぜ?」
スグルは、マユの行動を不思議に思い、訝しげにその意味を諭す。
スグルの言うとおり、祭事における大巫女の近習役とは、10代半ばでクリ社へと入った仕女見習いの少女たちにとって、最高の誉れある役目である
だが、将来の出世が云々というのは、完全なデマ――たまたま、ユリやシオリも見習いの頃に経験していた事から出来た、都市伝説の類である。
「――ええ、至高の誉れを棒に振ったという事は、重々解っております。
私も、子供の頃に観た、大神官様の可憐なお姿には、とても憧れていましたから」
マユは、スグルのキタない話はキッチリとスルーして、モジモジしながら呟く。
「でも……憧れていたからこそ、私には無理だと思ったのです。
自分が務める事を想像しただけでも、緊張して、大巫女様に粗相をしてしまう事しか、思い浮かばなかったので……」
マユは、改めて想像しているのか、恥ずかしそうに赤面して俯く。
「そっ、そういえば――スグル様は、私なんかのコトに感けて、よろしかったのですか?
秋分祭の儀式や、各所の宴の警備で、士団の皆様はお忙しいはずでは?」
話題を変えようと、マユはスグルの事に話を向ける。
「うん、大丈夫。
俺は、公邸付近の警邏になれたしね……それに、秋分祭とかの祭事の時って、普段より余裕があるモンなんだよ」
「えっ?」
スグルの口から出た意外な言葉に、マユはキョトンとして驚く。
そう――シオリのスグルへの頼みは、彼の直属上司である一番隊長ジョウケイにまで届き、ジョウケイの計らいで、姉妹が目に付き易い巡回コースを組む事が出来る様にと、スグルは公邸の周辺へと配置されたのである。
「祭事の日は、各隊にも召集が掛かるからね。
一番隊だけで、警備してる普段より……ざっと三倍は士団員が居るから、周る地域も狭くなる分、こーいう風に、皆様の手助けも、内容を濃くして出来るってぇワケさ」
スグルはまた、買い物袋を高く持ち上げ、自分の仕事ぶりをアピールする。
「でっ、でも――私の荷物持ちだなんて、士団員様のお仕事では……
いくら、刀聖様のご逗留を通じて、知り合えたスグル様とはいえ、一介の仕女見習いが荷物持ちに使うなど、本当に、申し訳ございません」
スグルは、気を使わせない様に、仕事の一環の様に表したのだが、生真面目なマユにとっては、逆効果であった様だ。
「――だからぁ、謝る必要無いって!
こうして、荷物を持って、マユちゃんとお話しながらでも、こぉ~っやって!、辺りに睨みを効かせてるんだからさ!」
スグルは、ちょっとオーバーに、首を左右にブンブン振り、また、自分の仕事ぶりをマユにアピールする。
「ふふ♪、スグル様は――本当に、お優しい方です。
刀聖様もですけれど、ツツキが地とは、お優しい方を育む土地柄なのでしょうね」
マユは、空を見上げ――
「私は――私とミユは、物心就いた頃から、一度もテンラク様を出た事が無いのです。
ですから、刀聖様やスグル様に話して頂いた、他所の土地のお話は、本当に嬉しかったぁ……」
――と、憧れの眼差しを、沈んで行く夕日に向けながら呟いた。
「そーいや……言ってたね。
ココの――孤児院で、育ったって……」
対してスグルは、少し物悲しげに、マユの横顔を見やる。
そう――マユとミユ、この二人の姉妹は、クリ社が運営している孤児院で育てられた。
そして、それはこの姉妹に限った話ではなく――大神官シオリ、十番隊長ハルも、同じ孤児院で育った出自を持っている。
クリ社の神官や仕女、天警士団員の内、2割ほどの者は――幼少時に、クリ社が各所に設けた孤児院に、預けられて育った過去を持っている。
つまり――クリ社の孤児院とは、公的福祉という役割がもちろん主だが、テンラク周りの人材確保、育成という側面も持ち合わせているのだ。
故に、シオリとハルは5歳違いと、丁度姉妹に当たる年齢差だったため、関係性が非常に深く――そのため、シオリはハルに『ちゃん付け』をし、ハルは『姉様』と呼ぶ間柄となったのだ。
その辺りを慮って頂ければ、マユミユ姉妹が、大神官付きの見習いをしている事も、その様な縁からである事は、想像に難くないだろう。
そんな、彼女たちの出自を知ったソウタが――自分や、ツツキに居る、ヒカリたちと似た境遇の彼女たちに、一段と親しみを持った事は言うまでもない。
「――俺はさ。
マユちゃんたちや、ソウタたちの事を思うと――親に育てて貰えた自分は、本当に幸せ者なんだと思うよ……」
スグルは、しみじみとそう呟き、その語尾の後、ニィっと笑って――
「――さぁ~って!、急いで公邸に戻ろう!
ご馳走、早く仕込まないと、儀式での妹さんの晴れ姿、観に行くヒマが無くなっちゃうだろ?」
――と、マユに帰宅を急かす。
「はい♪」
マユも、スグルの屈託の無い笑顔に安心を抱き、楽しげな声で応えて足を速めた。
「スグル様――荷物、重たくありませんか?」
その街中で、並んで歩いているのは、天警士団一番隊士のスグルと、大神官公邸でシオリと暮らしている、双子姉妹の姉、マユである。
「大丈夫だよ。
これぐらいの買い物袋じゃ、全然重くたくないね」
スグルは、マユの質問にそう答えると、その言葉を証明しようと、野菜や果物が満載された、抱えている紙袋を上へと放り、落ちて来たそれを軽々しくキャッチして見せる。
「うわぁ。
流石は、殿方のお力ですねぇ…」
マユは、そんなスグルのアピールを、口元を上品に隠して、素直に関心して見せる。
さて――何故、このイマイチ接点が思い浮かばない二人が、テンラクの街中を並んで歩いているのかというと、ユリとソウタの会談から、ツツキ使節団の出立までの5日間も、ソウタは公邸の厄介になっていたため、その間、スグルは3度ほどソウタを訪ねており、それが、マユとスグルが本格的に顔見知りとなった経緯である。
その関係で、シオリは自分が留守の間、姉妹の事を、気に留めて貰いたいとスグルに頼んでいた。
それが、この二人の取り合わせのカラクリなのだ。
――で、秋分祭のご馳走の食材を求め、市場へと繰り出していたマユが、大荷物を抱えて公邸への帰路に着いていたトコロに、祭りの宵を控えた市街の警邏をしていたスグルが偶然通り掛かり、荷物を持って、公邸まで送るコトを申し出たのである。
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それが、ハルが妙に、ソウタを信頼していた理由でもある。
「少し――買い過ぎてしまって、後悔していた所を本当に助かりました」
――と、マユは10歩ほど歩く度に立ち止まって、スグルに礼を言う始末で感謝を表していた。
「なぁに、それとなく気に留めてやってくれってのは、大神官様からの頼みなんだから、キミが気にするこたぁねぇよ」
スグルは、照れ臭そうに鼻先を掻き、少し中身が片寄った紙袋の中身を、揺すって整えながらそう答えた。
その頃、御船板の館の奥――大巫女ユリの私室では、サトコと同じく幾重にも重ね着た、祭祀様の衣装を身に纏い、ユリは儀式へ向けての瞑想に勤しんでいた。
その隣には、ユリに付き従う様に、彼女の物よりは、少し重ね着の数こそは劣るが、似た様な造りの衣装を身に纏った、ミユが居る。
ミユは、この儀式の近習役に任じられる誉れを請け、その儀式のために御船板へと来ていた。
「心の準備は――良いかしら?」
「はいっ!、近習の大役――精一杯、務めさせて頂きますっ!」
笑みを浮べ、励ます様にミユの肩に手を置いたユリの問い掛けに、ミユは意欲溢れる笑顔を見せて、快活に答えた。
「そっかぁ……妹さんの大役を祝うために、買い物を頑張ってたんだねぇ」
その、ミユの抜擢を、歩きながら聞いたスグルは、我が事の様に嬉しそうに破顔を見せる。
「はい――でも、実は大巫女様に近習役を指名されたのは、私の方だったのです。
だけれど、どうしても、儀式で大勢の人前に出るのが恥ずかしくて……」
マユは、そんな事情も吐露すると、目を伏せ、申し訳無さそうに、キュッと振袖の袖を握る。
「へっ!?、じゃあ――そっくりだから、妹さんを身代わりに?」
「そっ!、それは違いますっ!」
双子にありがちなエピソードを想像したスグルは、得意気にそんな軽口を叩くが、マユは喰い気味に、真っ向からそれを否定した。
「大巫女様を騙す様な事――畏れ多くて、出来るワケがございません。
ちゃんと、大神官様を通じて、辞退を申し出たら――では、妹のミユにと」
マユは目を瞑り、順を追って事の次第を語る。
「――でも、大巫女様の近習役って、仕女見習いとしては、随一の大役のはずだろ?
キタない話にゃあなるが、"将来の出世"が決まったも同然のはず……恥ずかしいだけで辞退するのは、勿体無さ過ぎだぜ?」
スグルは、マユの行動を不思議に思い、訝しげにその意味を諭す。
スグルの言うとおり、祭事における大巫女の近習役とは、10代半ばでクリ社へと入った仕女見習いの少女たちにとって、最高の誉れある役目である
だが、将来の出世が云々というのは、完全なデマ――たまたま、ユリやシオリも見習いの頃に経験していた事から出来た、都市伝説の類である。
「――ええ、至高の誉れを棒に振ったという事は、重々解っております。
私も、子供の頃に観た、大神官様の可憐なお姿には、とても憧れていましたから」
マユは、スグルのキタない話はキッチリとスルーして、モジモジしながら呟く。
「でも……憧れていたからこそ、私には無理だと思ったのです。
自分が務める事を想像しただけでも、緊張して、大巫女様に粗相をしてしまう事しか、思い浮かばなかったので……」
マユは、改めて想像しているのか、恥ずかしそうに赤面して俯く。
「そっ、そういえば――スグル様は、私なんかのコトに感けて、よろしかったのですか?
秋分祭の儀式や、各所の宴の警備で、士団の皆様はお忙しいはずでは?」
話題を変えようと、マユはスグルの事に話を向ける。
「うん、大丈夫。
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「えっ?」
スグルの口から出た意外な言葉に、マユはキョトンとして驚く。
そう――シオリのスグルへの頼みは、彼の直属上司である一番隊長ジョウケイにまで届き、ジョウケイの計らいで、姉妹が目に付き易い巡回コースを組む事が出来る様にと、スグルは公邸の周辺へと配置されたのである。
「祭事の日は、各隊にも召集が掛かるからね。
一番隊だけで、警備してる普段より……ざっと三倍は士団員が居るから、周る地域も狭くなる分、こーいう風に、皆様の手助けも、内容を濃くして出来るってぇワケさ」
スグルはまた、買い物袋を高く持ち上げ、自分の仕事ぶりをアピールする。
「でっ、でも――私の荷物持ちだなんて、士団員様のお仕事では……
いくら、刀聖様のご逗留を通じて、知り合えたスグル様とはいえ、一介の仕女見習いが荷物持ちに使うなど、本当に、申し訳ございません」
スグルは、気を使わせない様に、仕事の一環の様に表したのだが、生真面目なマユにとっては、逆効果であった様だ。
「――だからぁ、謝る必要無いって!
こうして、荷物を持って、マユちゃんとお話しながらでも、こぉ~っやって!、辺りに睨みを効かせてるんだからさ!」
スグルは、ちょっとオーバーに、首を左右にブンブン振り、また、自分の仕事ぶりをマユにアピールする。
「ふふ♪、スグル様は――本当に、お優しい方です。
刀聖様もですけれど、ツツキが地とは、お優しい方を育む土地柄なのでしょうね」
マユは、空を見上げ――
「私は――私とミユは、物心就いた頃から、一度もテンラク様を出た事が無いのです。
ですから、刀聖様やスグル様に話して頂いた、他所の土地のお話は、本当に嬉しかったぁ……」
――と、憧れの眼差しを、沈んで行く夕日に向けながら呟いた。
「そーいや……言ってたね。
ココの――孤児院で、育ったって……」
対してスグルは、少し物悲しげに、マユの横顔を見やる。
そう――マユとミユ、この二人の姉妹は、クリ社が運営している孤児院で育てられた。
そして、それはこの姉妹に限った話ではなく――大神官シオリ、十番隊長ハルも、同じ孤児院で育った出自を持っている。
クリ社の神官や仕女、天警士団員の内、2割ほどの者は――幼少時に、クリ社が各所に設けた孤児院に、預けられて育った過去を持っている。
つまり――クリ社の孤児院とは、公的福祉という役割がもちろん主だが、テンラク周りの人材確保、育成という側面も持ち合わせているのだ。
故に、シオリとハルは5歳違いと、丁度姉妹に当たる年齢差だったため、関係性が非常に深く――そのため、シオリはハルに『ちゃん付け』をし、ハルは『姉様』と呼ぶ間柄となったのだ。
その辺りを慮って頂ければ、マユミユ姉妹が、大神官付きの見習いをしている事も、その様な縁からである事は、想像に難くないだろう。
そんな、彼女たちの出自を知ったソウタが――自分や、ツツキに居る、ヒカリたちと似た境遇の彼女たちに、一段と親しみを持った事は言うまでもない。
「――俺はさ。
マユちゃんたちや、ソウタたちの事を思うと――親に育てて貰えた自分は、本当に幸せ者なんだと思うよ……」
スグルは、しみじみとそう呟き、その語尾の後、ニィっと笑って――
「――さぁ~って!、急いで公邸に戻ろう!
ご馳走、早く仕込まないと、儀式での妹さんの晴れ姿、観に行くヒマが無くなっちゃうだろ?」
――と、マユに帰宅を急かす。
「はい♪」
マユも、スグルの屈託の無い笑顔に安心を抱き、楽しげな声で応えて足を速めた。
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