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会談
会談(前編)
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「――如何でした?、新たな刀聖の印象は」
御船板の館の奥に設けられている茶室で、一服立てて見せた大巫女ユリは、その茶を目の前に座する士団長――ヨシノブへと差し出した。
「先世殿とは……少し、趣きが違う雰囲気の持ち主でしたな。
洗練――されているというか、幾ばくか育ちが良さそうというか、見るからに"好青年"という印象を受けました」
茶碗へと手を伸ばし、丁寧にそれを回し終えるまでに、ヨシノブはソウタへの短評をそう述べる。
「私と、ほぼ同じ感想の様ですね。
例のアヤコの活動は、こういう形で実を結んだのですね」
ユリは頬を緩め、口元を抑えながら上品に笑う。
「――ですが、"やはり刀聖"という面も、見せ付けられました。
剣の腕や、戦闘の素養は言わずもがなですが、二十歳で、あの落ち着き様――流石は、先世の教えの賜物か、それとも、心根から『何か』が欠落しているのか……戦いに対し、呆れに似た感情を覗かせる所は、先世そっくりでした」
ヨシノブは、ソウタがヤヒコを沈めて見せた時の様子を思い出し、額に冷や汗を滲ませる。
「実に、優しい気遣いを見せてくれる青年だったと、シオリも嬉しそうに語っていましたから、リョウゴが粗暴な振る舞いの下に、心根の優しさを秘めていた様に――"その辺り"も、きっと似ているのでしょうね」
ユリは、自分へと立てた茶を一口飲み、また嬉しそうに微笑む。
「――で?、何時、お会いになるので?」
ヨシノブは、飲み干した茶碗を、ユリの前へ差し出しながら、ソウタとの会談について尋ねる。
「明日の午後、この部屋に招く旨を、先程シオリに伝えました。
丁度、公邸に帰って、その旨を彼に伝達している頃でしょう」
ユリは、茶室の欄間から見える、夕焼けが滲む赤い空を見上げ、茶をもう一口飲んだ。
「くそぉっ!」
同じ頃――本陣にある隊長級の者に宛がわれている一室で、壁を叩いて悔しがっているのは、ソウタへの無謀な挑戦で、恥を晒したヤヒコである。
「――つぅ!?、痛てててっ……!」
壁を叩いた振動が、ソウタの胴払いを喰らったみぞおち付近へと伝わり、ヤヒコは奔った痛みに苦悶の表情を浮べる。
痛みが少しずつ止んで行く中、ヤヒコは、ソウタとの対峙から斬撃を喰らうまでの一連を思い出す。
(まったく、見えなかったワケじゃないし、防御に周った俺の選択は正しかったはず――でも、アイツの一撃は、俺の想像を易々と超えた重さだった)
ヤヒコは、壁に立て掛けてある、圧し折られた竹刀の残骸を見やり、ゴクリと一息に唾を呑む。
「――あれが、刀聖……」
そう、呟きながらヤヒコは、ギリっと歯を軋らせ、みぞおちに響く痛みなど構う事無く、またも悔しげに数回壁を叩く。
壁を叩くヤヒコの脳裏へと次に浮かんだのは、ソウタの一撃に因る卒倒から意識を取り戻した、この部屋にやって来たヨシノブの姿へと変わる――
『――無様であったな。
これで少し、身の丈というモノを思い知ったであろう……』
そう、蔑む様な目線で自分を一瞥し、吐き捨てる様にそう言った、ヨシノブの冷淡な表情に続き――
『――ホント、バカとしか言い様無いわっ!
ただでさえ、歳が同じだからって、一纏めにされてるのにぃっ!、アンタは士団の恥晒しよ!』
――ヨシノブに連れなって来た、ハルの罵倒が耳に木霊する。
そして――
『――ヤヒコ様、余りお気を落とさずに……』
――と、帰り際に見舞いに来た、シオリの優しげな声音と、その時、右手を握ってくれた彼女の柔らかい手の感触を思い出し、ヤヒコはそれを慰みにして、猛る心を収めようとする。
「――荒れてるね」
悔しげに上半身を震わせているヤヒコに、背後から声を掛けたのは、いつの間にか部屋の入り口に寄りかかっていたショウである。
「……なんスか?」
ヤヒコは、横目にショウを見やり、捻くれた一言で応じてみせる。
「いやぁ、壁を叩く音が聞こえたから、何事かと思ってね」
ショウは、飄々とそう答え、ゆっくりとヤヒコが居る一室へと足を踏み入れる。
「今度はショウさんかぁ……さて、俺にナニを言いに来たんスか?
団長みたいな侮蔑ですか?、それともハルみてぇな罵倒っスか?」
ヤヒコは、またギリっと歯を軋らせ、苛立ち全開でショウに絡んだ。
「ふむ――私は、そうだねぇ……」
ショウは、ナマイキなヤヒコの言動や振る舞いには一切触れず、ココにおいても飄々とした態度を崩さずに、顎へ手を当て――
「――オゴるから、一緒に呑みに行かないかい?、そんなお誘いかな?」
――と、ニヤッとした含みのある笑顔を見せながら、そう言った。
「――大巫女様、刀聖様をお連れしました」
翌日の午後、ソウタはシオリに連れられ、ユリが待つという茶室の前まで来ていた。
「どうそ、お入りなさい――ソウタ」
茶室の中から、シオリの申し出に応え、中に居るユリの優しげな声が響く。
「はい、失礼致します」
ソウタが、茶室への障子に手を伸ばすと――
「大巫女様、刀聖様――では、私はこれにて……」
――シオリは、緊張気味に畏まり、ソウタへと頭を垂れた。
「へっ?、一緒に――来ないんですか?」
テンラクに着いた一昨日から、基本的には常にソウタに付き従っていたシオリが、場を去ると聞き、ソウタは一抹の寂しさを感じさせる面持ちと口調で、シオリにその理由を問うた。
「えっ!?」
ソウタの面持ちと口調を見聞きし、シオリは少し、頬を赤らませ、驚きの声を漏らす。
「こっ!、茶室は――大巫女様が、大事なお客様をもてなし、大事な会談をする場所ですので、私などが、安易に同席出来る場所ではないのです」
シオリは、恥ずかしそうに俯き、声を震わせながら返答する。
「……そっかぁ、なるほど」
ソウタは、それがきっと、"神言の間"と同質の理由であるのだと合点し、納得して頷く。
「あらぁ?、四十路のおばさんだけでは、ご不満かしら?」
――が、ソウタの残念そうに聞こえた口調を冷やかす様に、そうツッコンだのは、茶室内のユリだ。
「大巫女様……ただ単に、士団長との謁見にも同席されていたからですよ。
深い意味は無いですって!」
ソウタが、呆れ気味にそう返すと、シオリは落胆と安堵が入り混じった表情を見せ――
「でっ!、では、失礼致します――大巫女様、刀聖様」
――と、シオリは困惑気味にそう言って、逃げる様に場から去って行く。
(――これまで一切、色恋に興味を見せなかった、あのシオリが……うふふ♪、何だかとっても、新鮮で意外な反応ね♪)
茶室の中で、茶釜の湯を汲みながらユリは、楽しそうに口元を覆って笑う。
「さあ、立って居ないで、お入りなさい。
積もる話がある故、私は召喚したのですし、貴方の方も……"それ"が有るから、快く応じたのでしょうから」
ユリはそう言って、茶釜の上に杓子をトンっと置いた。
茶室に入り、早速ユリが立てた一服を、ソウタは作法どおりに丁寧に飲み干し、茶碗をスッと彼女の前に差し出した。
「――なかなか、堂に入った作法でしたね、感心しました」
「恐れ入ります――」
ユリは、口元に手を置き感嘆の意を言葉に示し、ソウタはそれをありがたく受けた。
「――先世だなんて、"盛っ切り酒"をガブ飲みをする様に飲んだというのに……うふふ♪、本当に、時世は変わったのだと実感しますね」
ユリは、嬉しそうに微笑み、もう一服を立て始める。
「よくご存知ですね、"盛っ切り酒"なんてモノを……」
「ええ、リョウゴたちに――忍んでは、市街に連れて行かれて、イロイロと教わりましたから」
ユリは、懐かしそうにそう言って、ふと中空を見上げる。
「言葉使いや、作法を教えたのは――アヤコかしら?」
「はい、ツツキを出ても困らない様にと、アヤコ様の慈悲に触れた孤児たちは、みっちりと礼儀作法を仕込まれたモノですから。
私の様な、下賎な出自の者にとっては――先世との剣の修行の方が、楽だと思ってしまうほどでしたよ」
ユリの問いに、ソウタはジョークも交えて応じた。
ユリが、昨日のヨシノブとの会談で触れた、"アヤコの活動"というのは、北方の僻地――ツツキの領地経営という難儀な労務とは別に、彼女は自分の父が引き起こした先の大戦で生じた、戦災孤児たちを率先して手元に引き取り、蟄居先のツツキへ同伴させて育て上げる事を"もう一つの贖罪"としていた。
ソウタは、厳密に言えば、戦災孤児ではないのだが――
『――もう、一人が増えたトコロで、何の問題ではありませんし、リョウゴ様に育てられては、とんでもない大人にされかねませんっ!』
――と、幼いソウタを夜盗から助けたリョウゴが、とりあえずに連れて来た際、ソウタも孤児たちと共に育てると言い出したのが、ソウタとアヤコの縁の始まりなのである。
「――さて、では、本題と参りましょうか?」
二服目を差し出した所で、ユリはスッとソウタの方へと身を正し、そう言って彼の顔を真剣に見据えた。
御船板の館の奥に設けられている茶室で、一服立てて見せた大巫女ユリは、その茶を目の前に座する士団長――ヨシノブへと差し出した。
「先世殿とは……少し、趣きが違う雰囲気の持ち主でしたな。
洗練――されているというか、幾ばくか育ちが良さそうというか、見るからに"好青年"という印象を受けました」
茶碗へと手を伸ばし、丁寧にそれを回し終えるまでに、ヨシノブはソウタへの短評をそう述べる。
「私と、ほぼ同じ感想の様ですね。
例のアヤコの活動は、こういう形で実を結んだのですね」
ユリは頬を緩め、口元を抑えながら上品に笑う。
「――ですが、"やはり刀聖"という面も、見せ付けられました。
剣の腕や、戦闘の素養は言わずもがなですが、二十歳で、あの落ち着き様――流石は、先世の教えの賜物か、それとも、心根から『何か』が欠落しているのか……戦いに対し、呆れに似た感情を覗かせる所は、先世そっくりでした」
ヨシノブは、ソウタがヤヒコを沈めて見せた時の様子を思い出し、額に冷や汗を滲ませる。
「実に、優しい気遣いを見せてくれる青年だったと、シオリも嬉しそうに語っていましたから、リョウゴが粗暴な振る舞いの下に、心根の優しさを秘めていた様に――"その辺り"も、きっと似ているのでしょうね」
ユリは、自分へと立てた茶を一口飲み、また嬉しそうに微笑む。
「――で?、何時、お会いになるので?」
ヨシノブは、飲み干した茶碗を、ユリの前へ差し出しながら、ソウタとの会談について尋ねる。
「明日の午後、この部屋に招く旨を、先程シオリに伝えました。
丁度、公邸に帰って、その旨を彼に伝達している頃でしょう」
ユリは、茶室の欄間から見える、夕焼けが滲む赤い空を見上げ、茶をもう一口飲んだ。
「くそぉっ!」
同じ頃――本陣にある隊長級の者に宛がわれている一室で、壁を叩いて悔しがっているのは、ソウタへの無謀な挑戦で、恥を晒したヤヒコである。
「――つぅ!?、痛てててっ……!」
壁を叩いた振動が、ソウタの胴払いを喰らったみぞおち付近へと伝わり、ヤヒコは奔った痛みに苦悶の表情を浮べる。
痛みが少しずつ止んで行く中、ヤヒコは、ソウタとの対峙から斬撃を喰らうまでの一連を思い出す。
(まったく、見えなかったワケじゃないし、防御に周った俺の選択は正しかったはず――でも、アイツの一撃は、俺の想像を易々と超えた重さだった)
ヤヒコは、壁に立て掛けてある、圧し折られた竹刀の残骸を見やり、ゴクリと一息に唾を呑む。
「――あれが、刀聖……」
そう、呟きながらヤヒコは、ギリっと歯を軋らせ、みぞおちに響く痛みなど構う事無く、またも悔しげに数回壁を叩く。
壁を叩くヤヒコの脳裏へと次に浮かんだのは、ソウタの一撃に因る卒倒から意識を取り戻した、この部屋にやって来たヨシノブの姿へと変わる――
『――無様であったな。
これで少し、身の丈というモノを思い知ったであろう……』
そう、蔑む様な目線で自分を一瞥し、吐き捨てる様にそう言った、ヨシノブの冷淡な表情に続き――
『――ホント、バカとしか言い様無いわっ!
ただでさえ、歳が同じだからって、一纏めにされてるのにぃっ!、アンタは士団の恥晒しよ!』
――ヨシノブに連れなって来た、ハルの罵倒が耳に木霊する。
そして――
『――ヤヒコ様、余りお気を落とさずに……』
――と、帰り際に見舞いに来た、シオリの優しげな声音と、その時、右手を握ってくれた彼女の柔らかい手の感触を思い出し、ヤヒコはそれを慰みにして、猛る心を収めようとする。
「――荒れてるね」
悔しげに上半身を震わせているヤヒコに、背後から声を掛けたのは、いつの間にか部屋の入り口に寄りかかっていたショウである。
「……なんスか?」
ヤヒコは、横目にショウを見やり、捻くれた一言で応じてみせる。
「いやぁ、壁を叩く音が聞こえたから、何事かと思ってね」
ショウは、飄々とそう答え、ゆっくりとヤヒコが居る一室へと足を踏み入れる。
「今度はショウさんかぁ……さて、俺にナニを言いに来たんスか?
団長みたいな侮蔑ですか?、それともハルみてぇな罵倒っスか?」
ヤヒコは、またギリっと歯を軋らせ、苛立ち全開でショウに絡んだ。
「ふむ――私は、そうだねぇ……」
ショウは、ナマイキなヤヒコの言動や振る舞いには一切触れず、ココにおいても飄々とした態度を崩さずに、顎へ手を当て――
「――オゴるから、一緒に呑みに行かないかい?、そんなお誘いかな?」
――と、ニヤッとした含みのある笑顔を見せながら、そう言った。
「――大巫女様、刀聖様をお連れしました」
翌日の午後、ソウタはシオリに連れられ、ユリが待つという茶室の前まで来ていた。
「どうそ、お入りなさい――ソウタ」
茶室の中から、シオリの申し出に応え、中に居るユリの優しげな声が響く。
「はい、失礼致します」
ソウタが、茶室への障子に手を伸ばすと――
「大巫女様、刀聖様――では、私はこれにて……」
――シオリは、緊張気味に畏まり、ソウタへと頭を垂れた。
「へっ?、一緒に――来ないんですか?」
テンラクに着いた一昨日から、基本的には常にソウタに付き従っていたシオリが、場を去ると聞き、ソウタは一抹の寂しさを感じさせる面持ちと口調で、シオリにその理由を問うた。
「えっ!?」
ソウタの面持ちと口調を見聞きし、シオリは少し、頬を赤らませ、驚きの声を漏らす。
「こっ!、茶室は――大巫女様が、大事なお客様をもてなし、大事な会談をする場所ですので、私などが、安易に同席出来る場所ではないのです」
シオリは、恥ずかしそうに俯き、声を震わせながら返答する。
「……そっかぁ、なるほど」
ソウタは、それがきっと、"神言の間"と同質の理由であるのだと合点し、納得して頷く。
「あらぁ?、四十路のおばさんだけでは、ご不満かしら?」
――が、ソウタの残念そうに聞こえた口調を冷やかす様に、そうツッコンだのは、茶室内のユリだ。
「大巫女様……ただ単に、士団長との謁見にも同席されていたからですよ。
深い意味は無いですって!」
ソウタが、呆れ気味にそう返すと、シオリは落胆と安堵が入り混じった表情を見せ――
「でっ!、では、失礼致します――大巫女様、刀聖様」
――と、シオリは困惑気味にそう言って、逃げる様に場から去って行く。
(――これまで一切、色恋に興味を見せなかった、あのシオリが……うふふ♪、何だかとっても、新鮮で意外な反応ね♪)
茶室の中で、茶釜の湯を汲みながらユリは、楽しそうに口元を覆って笑う。
「さあ、立って居ないで、お入りなさい。
積もる話がある故、私は召喚したのですし、貴方の方も……"それ"が有るから、快く応じたのでしょうから」
ユリはそう言って、茶釜の上に杓子をトンっと置いた。
茶室に入り、早速ユリが立てた一服を、ソウタは作法どおりに丁寧に飲み干し、茶碗をスッと彼女の前に差し出した。
「――なかなか、堂に入った作法でしたね、感心しました」
「恐れ入ります――」
ユリは、口元に手を置き感嘆の意を言葉に示し、ソウタはそれをありがたく受けた。
「――先世だなんて、"盛っ切り酒"をガブ飲みをする様に飲んだというのに……うふふ♪、本当に、時世は変わったのだと実感しますね」
ユリは、嬉しそうに微笑み、もう一服を立て始める。
「よくご存知ですね、"盛っ切り酒"なんてモノを……」
「ええ、リョウゴたちに――忍んでは、市街に連れて行かれて、イロイロと教わりましたから」
ユリは、懐かしそうにそう言って、ふと中空を見上げる。
「言葉使いや、作法を教えたのは――アヤコかしら?」
「はい、ツツキを出ても困らない様にと、アヤコ様の慈悲に触れた孤児たちは、みっちりと礼儀作法を仕込まれたモノですから。
私の様な、下賎な出自の者にとっては――先世との剣の修行の方が、楽だと思ってしまうほどでしたよ」
ユリの問いに、ソウタはジョークも交えて応じた。
ユリが、昨日のヨシノブとの会談で触れた、"アヤコの活動"というのは、北方の僻地――ツツキの領地経営という難儀な労務とは別に、彼女は自分の父が引き起こした先の大戦で生じた、戦災孤児たちを率先して手元に引き取り、蟄居先のツツキへ同伴させて育て上げる事を"もう一つの贖罪"としていた。
ソウタは、厳密に言えば、戦災孤児ではないのだが――
『――もう、一人が増えたトコロで、何の問題ではありませんし、リョウゴ様に育てられては、とんでもない大人にされかねませんっ!』
――と、幼いソウタを夜盗から助けたリョウゴが、とりあえずに連れて来た際、ソウタも孤児たちと共に育てると言い出したのが、ソウタとアヤコの縁の始まりなのである。
「――さて、では、本題と参りましょうか?」
二服目を差し出した所で、ユリはスッとソウタの方へと身を正し、そう言って彼の顔を真剣に見据えた。
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