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御前会議
宿探し
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御所を後にしたソウタは、オウクの支店に預けていた愛馬の身柄と荷物を受け取り、1人と1頭で、疲れきった情けない表情を晒し、オウクの街中をぶらぶらと歩いていた。
護衛衆に加わっていた縁もあり、昨日までは遠慮なく支店の寮で一泊させて貰っていたが――トウベイ以下、本店の商隊員たちも昼までにはオウビへの帰路に着くと聞いていたので、寮に連泊させて貰うのは、流石にマズいと思ったソウタは、義兵の募集が始まるまでの拠を求め、アテも無く彷徨っているのである。
(義兵用の兵舎を用意出来るには、四日は掛かると大将にも聞いたけど……さて、どうしたもんかねぇ~?)
――と、ソウタは義兵の募集が始まる4日の間、どうやってそれまでの生活をシノぐか、頭を捻っていた。
もちろん、ソウタはカツトシから――
「兵舎が設けられるまで、ワシの屋敷に逗留すると良い!」
――と、薦められたのだが、ソウタは――
「――いや、私は義兵として参戦すると申した以上、そういう特別扱いは無用です」
――と、格好を付けて固辞していた。
――だが、宿を探してはみたが、行く所行く所どこも満室で、宿泊を断われ続けており、疲れきった情けない表情の理由は、拠が未だ定まらないからである。
(こう、どこも、宿が満室揃いとはなぁ~……あ~あ、今日はもうダメだな、潔く野宿の場所でも探すかぁ)
そう、ソウタが宿泊を諦めかけていた、その時――
「――はえっ?、ほうは?」
――と、猫耳を震わせ、串に刺さっている"何か"を食べながら、歩いていたタマが声を掛けて来た。
「――ん?、タマ……お前、まだオウクに居たのか?」
ソウタは、彼女の登場をキョトンと見詰め、意外そうにそう尋ねた。
タマは、口の中にあるその"何か"を、咀嚼して飲み込み――
「うん――とりあえず、何日かはオウクを見物して、それから、どこに向うかを考えようかと思ってね」
――と、オウクに留まっている理由を説明した。
タマは今朝、ソウタが御所に向う前に荷物をまとめ、早々に支店の商隊用宿舎を出ていた――なので、ソウタはてっきり、修行の旅を自称している彼女は、既にどこかに旅立ったのだろうと思い込んでいたのである。
「あれれ~?、今日の逢引は、随分、早く終わったんだねぇ~?
昨日は、日が暮れるぐらいまで、恋人のトコに入り浸っていたのにぃ~!、今日はまだ、お日様が出てるよぉ~?」
――と、タマは嫌味タップリに、ソウタが昨日話していた、例の"会わなければならない女性"の元で、逢瀬を交わしていたのだろうと、ニヤニヤと冷やかす様に言う。
「――だからぁ、そんなんじゃねぇっての!、
まあ、今日も呼ばれて会って来たのは確かだが……お前、随分とそのコトを気にしてるよなぁ?」
ソウタは、怪訝な表情を造って、タマに問い返す。
「別にぃ~?、単なる"乙女のキョーミ"だよぉ~!
――で、ソウタこそ、どーしたのさ?、こんなトコに、馬まで連れてさぁ?」
タマは、テンの鼻面を撫でながら、ソウタがこんなトコロを歩いている理由を問うた。
「ああ、ちょいとココに逗留する事になったんで、宿を取ろうと思ったんだが……どこもかしこも、当たったトコはどれも満室でな」
「あ~っ……そっかぁ、おじさんたちも、今日発っちゃうから、宿舎に泊めて貰い難いもんねぇ。
アタシも、そう思って、行き倒れになっちゃったのを教訓に、贅沢をしちゃあダメだから、安上がりな"詰め込み宿"を探したんだけど……思う様に見つからなくて、結局、奮発して一部屋借りれるトコにしちゃったよ」
"詰め込み宿"とは、ツクモの旅人の間ではポピュラーな、大部屋を提供して雑魚寝をさせる安価な宿の事を指す。
「ココは、上品な町だしな、詰め込み宿を探すのは無茶だぜ――しっかし、お前、仮にも齢十六の若い娘が、詰め込み宿に躊躇無く泊まるのはダメだろ?」
ソウタは、怪訝な表情を見せて、タマの軽率な行いを諌める。
「えー!、なんで?、宿代安いのにぃ!」
「あったり前だろ!、痴漢されたり、陵辱されたりしたらどうすんだ!、お前みたいな"幼く見える娘"を好む奴だって、少なからず居るんだからなっ!?」
ソウタは、真剣な表情でタマを叱る。
「あー!、心配してくれたのかと思ったら"幼く見える娘を好む”なんて!、その理由はナニよぉ!」
タマは、頬を膨らませて、ソウタの発言に抗議する。
「はは。
まあ、今日はちゃんとしたトコに泊まってるんなら、心配ねぇな」
ソウタは笑らいながら、タマの頭を撫でてやる。
――すると、タマは嬉しそうに、先程の抗議を忘れたかの様に、ニヤけた笑顔を見せた。
猫族は、頭を撫でられるコトを、とても好む傾向があり、それが他人種の愛玩感をくすぐる大きな要因でもある。
「それにしても――お前は、部屋を取れて良いよなぁ……これから野宿の場所を探す者としちゃあ、羨ましい限りだぜ」
ソウタは、溜め息も混ぜながら、情けなさそうに現状を悔いた。
「――って、そういえば……何で宿探し?、彼女のトコに泊めて貰えないの?」
ソウタの恋人が、オウクに居ると思い込んでいるタマは、不思議そうに尋ねる。
「その皮肉――いい加減にしろよ?
そーいう相手じゃねぇし、泊めて……は、貰えると思うが、イロイロあって、そーいうワケには行かないの!」
確かに――サトコに宿泊先の事を話したら、彼女は両手を挙げて歓迎してくれるだろう。
だが、もう既に、立場が違うのだからと、自分から言い出した手前――彼女に泣きつくワケには行かないと、ソウタは思っていた。
「そうなんだ……じゃ、アタシと一緒に泊まる?」
――と、タマは何だか嬉しそうに、驚きの提案を唐突に申し出た。
「はぁっ?!、いっ!、いきなりナニを言い出すんだ?!」
ソウタは心底驚き、激しく狼狽する。
「だって、ソウタは別に、"幼く見える娘を好むヒト"じゃないんでしょ?」
タマはまた、皮肉っぽくそう言って――
「――それに、"ギンも一緒"だから、ワリカン相手が増えるの、ありがたいしね♪」
――と、イタズラっぽい笑顔を見せながら、もう一つの重要な事柄も付け加えた。
「へっ?、ギンもって……?」
ソウタは何だか、ちょっと安心した様子で、タマの言葉の意味を問い返す。
「実は――宿代は妥協したけど、今度は外見のせいで宿を取れなくてね――で、今みたく偶然、市場でギンと出会って、一緒に旅をしているフリをして貰ったのよ」
「そうだったのか……」
「ギンも、せっかくだからもう一泊して――食料の買出しを、オウビに戻らないでココで済ますんだってさ」
タマは、手元の串に刺さっている"何か"――近くで見た限りでは、焼けた鶏肉らしきモノを見て――
「――だから、アタシはこうして、ギンが買う食料の吟味をして歩いているってワケ!」
――と、誇らしげに残りの鶏肉を頬張った。
「いや、それは只の食べ歩きだから」
ソウタのそんなツッコミを、タマは完全に無視し――…
「――ホント、ココって美味しい物が沢山あるよねぇ~!」
――と、振り返って辺りの出店を見渡す。
「ココは、ツクモの丁度真ん中だから、モノが集まり易いし、気候も良いから、野菜や畜産も盛んらしい……内陸だから、海産物には欠けるけどな」
「へぇ~。
だから、美味しいんだね」
タマは、ソウタの解説をうんうんと頷く。
「まあ、とりあえず――アタシたちの宿においでよ!、アタシも、部屋に戻るつもりだったしさ」
タマはそう言うと、ヒョイッとテンの鞍に飛び乗り――
「――さっ!、行こう、行こう!」
――と、乗って行く気満々で、宿のある方を指差す。
「わかったよ、じゃあ行くか」
ソウタはポリポリと頭を掻き、宿のある方にテンの馬首を返して、長手綱を軽く引いた。
護衛衆に加わっていた縁もあり、昨日までは遠慮なく支店の寮で一泊させて貰っていたが――トウベイ以下、本店の商隊員たちも昼までにはオウビへの帰路に着くと聞いていたので、寮に連泊させて貰うのは、流石にマズいと思ったソウタは、義兵の募集が始まるまでの拠を求め、アテも無く彷徨っているのである。
(義兵用の兵舎を用意出来るには、四日は掛かると大将にも聞いたけど……さて、どうしたもんかねぇ~?)
――と、ソウタは義兵の募集が始まる4日の間、どうやってそれまでの生活をシノぐか、頭を捻っていた。
もちろん、ソウタはカツトシから――
「兵舎が設けられるまで、ワシの屋敷に逗留すると良い!」
――と、薦められたのだが、ソウタは――
「――いや、私は義兵として参戦すると申した以上、そういう特別扱いは無用です」
――と、格好を付けて固辞していた。
――だが、宿を探してはみたが、行く所行く所どこも満室で、宿泊を断われ続けており、疲れきった情けない表情の理由は、拠が未だ定まらないからである。
(こう、どこも、宿が満室揃いとはなぁ~……あ~あ、今日はもうダメだな、潔く野宿の場所でも探すかぁ)
そう、ソウタが宿泊を諦めかけていた、その時――
「――はえっ?、ほうは?」
――と、猫耳を震わせ、串に刺さっている"何か"を食べながら、歩いていたタマが声を掛けて来た。
「――ん?、タマ……お前、まだオウクに居たのか?」
ソウタは、彼女の登場をキョトンと見詰め、意外そうにそう尋ねた。
タマは、口の中にあるその"何か"を、咀嚼して飲み込み――
「うん――とりあえず、何日かはオウクを見物して、それから、どこに向うかを考えようかと思ってね」
――と、オウクに留まっている理由を説明した。
タマは今朝、ソウタが御所に向う前に荷物をまとめ、早々に支店の商隊用宿舎を出ていた――なので、ソウタはてっきり、修行の旅を自称している彼女は、既にどこかに旅立ったのだろうと思い込んでいたのである。
「あれれ~?、今日の逢引は、随分、早く終わったんだねぇ~?
昨日は、日が暮れるぐらいまで、恋人のトコに入り浸っていたのにぃ~!、今日はまだ、お日様が出てるよぉ~?」
――と、タマは嫌味タップリに、ソウタが昨日話していた、例の"会わなければならない女性"の元で、逢瀬を交わしていたのだろうと、ニヤニヤと冷やかす様に言う。
「――だからぁ、そんなんじゃねぇっての!、
まあ、今日も呼ばれて会って来たのは確かだが……お前、随分とそのコトを気にしてるよなぁ?」
ソウタは、怪訝な表情を造って、タマに問い返す。
「別にぃ~?、単なる"乙女のキョーミ"だよぉ~!
――で、ソウタこそ、どーしたのさ?、こんなトコに、馬まで連れてさぁ?」
タマは、テンの鼻面を撫でながら、ソウタがこんなトコロを歩いている理由を問うた。
「ああ、ちょいとココに逗留する事になったんで、宿を取ろうと思ったんだが……どこもかしこも、当たったトコはどれも満室でな」
「あ~っ……そっかぁ、おじさんたちも、今日発っちゃうから、宿舎に泊めて貰い難いもんねぇ。
アタシも、そう思って、行き倒れになっちゃったのを教訓に、贅沢をしちゃあダメだから、安上がりな"詰め込み宿"を探したんだけど……思う様に見つからなくて、結局、奮発して一部屋借りれるトコにしちゃったよ」
"詰め込み宿"とは、ツクモの旅人の間ではポピュラーな、大部屋を提供して雑魚寝をさせる安価な宿の事を指す。
「ココは、上品な町だしな、詰め込み宿を探すのは無茶だぜ――しっかし、お前、仮にも齢十六の若い娘が、詰め込み宿に躊躇無く泊まるのはダメだろ?」
ソウタは、怪訝な表情を見せて、タマの軽率な行いを諌める。
「えー!、なんで?、宿代安いのにぃ!」
「あったり前だろ!、痴漢されたり、陵辱されたりしたらどうすんだ!、お前みたいな"幼く見える娘"を好む奴だって、少なからず居るんだからなっ!?」
ソウタは、真剣な表情でタマを叱る。
「あー!、心配してくれたのかと思ったら"幼く見える娘を好む”なんて!、その理由はナニよぉ!」
タマは、頬を膨らませて、ソウタの発言に抗議する。
「はは。
まあ、今日はちゃんとしたトコに泊まってるんなら、心配ねぇな」
ソウタは笑らいながら、タマの頭を撫でてやる。
――すると、タマは嬉しそうに、先程の抗議を忘れたかの様に、ニヤけた笑顔を見せた。
猫族は、頭を撫でられるコトを、とても好む傾向があり、それが他人種の愛玩感をくすぐる大きな要因でもある。
「それにしても――お前は、部屋を取れて良いよなぁ……これから野宿の場所を探す者としちゃあ、羨ましい限りだぜ」
ソウタは、溜め息も混ぜながら、情けなさそうに現状を悔いた。
「――って、そういえば……何で宿探し?、彼女のトコに泊めて貰えないの?」
ソウタの恋人が、オウクに居ると思い込んでいるタマは、不思議そうに尋ねる。
「その皮肉――いい加減にしろよ?
そーいう相手じゃねぇし、泊めて……は、貰えると思うが、イロイロあって、そーいうワケには行かないの!」
確かに――サトコに宿泊先の事を話したら、彼女は両手を挙げて歓迎してくれるだろう。
だが、もう既に、立場が違うのだからと、自分から言い出した手前――彼女に泣きつくワケには行かないと、ソウタは思っていた。
「そうなんだ……じゃ、アタシと一緒に泊まる?」
――と、タマは何だか嬉しそうに、驚きの提案を唐突に申し出た。
「はぁっ?!、いっ!、いきなりナニを言い出すんだ?!」
ソウタは心底驚き、激しく狼狽する。
「だって、ソウタは別に、"幼く見える娘を好むヒト"じゃないんでしょ?」
タマはまた、皮肉っぽくそう言って――
「――それに、"ギンも一緒"だから、ワリカン相手が増えるの、ありがたいしね♪」
――と、イタズラっぽい笑顔を見せながら、もう一つの重要な事柄も付け加えた。
「へっ?、ギンもって……?」
ソウタは何だか、ちょっと安心した様子で、タマの言葉の意味を問い返す。
「実は――宿代は妥協したけど、今度は外見のせいで宿を取れなくてね――で、今みたく偶然、市場でギンと出会って、一緒に旅をしているフリをして貰ったのよ」
「そうだったのか……」
「ギンも、せっかくだからもう一泊して――食料の買出しを、オウビに戻らないでココで済ますんだってさ」
タマは、手元の串に刺さっている"何か"――近くで見た限りでは、焼けた鶏肉らしきモノを見て――
「――だから、アタシはこうして、ギンが買う食料の吟味をして歩いているってワケ!」
――と、誇らしげに残りの鶏肉を頬張った。
「いや、それは只の食べ歩きだから」
ソウタのそんなツッコミを、タマは完全に無視し――…
「――ホント、ココって美味しい物が沢山あるよねぇ~!」
――と、振り返って辺りの出店を見渡す。
「ココは、ツクモの丁度真ん中だから、モノが集まり易いし、気候も良いから、野菜や畜産も盛んらしい……内陸だから、海産物には欠けるけどな」
「へぇ~。
だから、美味しいんだね」
タマは、ソウタの解説をうんうんと頷く。
「まあ、とりあえず――アタシたちの宿においでよ!、アタシも、部屋に戻るつもりだったしさ」
タマはそう言うと、ヒョイッとテンの鞍に飛び乗り――
「――さっ!、行こう、行こう!」
――と、乗って行く気満々で、宿のある方を指差す。
「わかったよ、じゃあ行くか」
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