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竜の棲む穴
逝く竜の願い
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(――って、話をしながら、みるみると擬人化変身をして行くから、途中からは回想のイメージが滅茶苦茶になっちゃったぜ……)
コータは、回想中に目の前で起きた面倒な様相に、顔をしかめながらそんな苦言を吐露する。
(何を言うか、お前が解り易くなる様に、我がせっかく気を廻したというのにぃ……
さて、確かに、情状酌量の余地があった事は認めるが――心臓を突かれる前に、コータが言った様に、お前は何も知らぬ大勢の人を殺めておる……ならば、コータがこうした事の意味は解るな?)
サラキオスは、不満気にコータへツッコミを入れてから、厳しめの声音で、レオナに自分が行った事への覚悟を確かめた。
(――はい、人間の卵狩りは、このクートフィリアでデュルゴと人が共存して行く上で、我らデュルゴが増え過ぎないための必要悪だと、よく理解はしております。
今回の私が行った殺戮は、それらへの激情性な報復に当ると解釈したとしても、過剰であった事は否めません……
それに人らは、母デュルゴの育児放棄の末に孤児となった子たちなども保護し、飼い慣らす形で生育し、生存機会を与えてくれている……我らデュルゴにとって、大事なパートナーであると重々理解しております。
この、我ら魔竜族の始祖で在られる、ゴグドヴァーノ様が諭した教えを思えば、此度の私の行為は、依り代殿に裁かれて当然にございます)
そう言って、人間体レオナは本当に申し訳なさそうな表情で、一筋の涙を両目から漏らす。
(その上で、死する前に、是非ともサラキオス様と依り代殿にお伝えしたい――いえ、『お願い』したい議とは、孵化寸前であると告げた、私が産んだ卵の事にございます)
決意が篭った口調でそう言ったレオナは、沈痛な面持ちを浮かべながら、縋る様にコータの前へと一歩出る。
(もうすぐ、生れ落ちるであろう我が子を、人の手で保護して貰える様に取り計らって欲しいのですっ!
あの子は――我ら魔竜族全体にとって、種の存続を担う大事な子なのです!)
レオナは、声色を高く上げ、懇願する体でコータの前への平伏する。
(――なに?、付属の理由の意味がどうにも解せぬ……
確かに、デュルゴの中でも、輝く鱗の魔竜族は希少種だろうが……我が知る上では、種の存亡云々に追いやられるほどの少なさや、性別の偏りはまだ無かったはずだが?)
――と、レオナの必死ぶりに、目の前のコータより先に口を挟んだのはサラキオス。
魔神は、レオナの言い分にそんな疑問を呈して、訝し気にそう尋ねた。
(問題なのは、種族の個体数ではなく――代を重ねた事で、ゴグドヴァーノ様の魔竜の血脈が薄れている事なのです。
それで――それで、ですねぇ……)
レオナは、そこまで告げると――何故か急に、モジモジと恥ずかしそうに俯き……
(……その解決のため、我ら末裔は――ゴグドヴァーノ様に、神界から一旦の降臨を願い出たのです。
そして、わっ!、私はその際――種の存続のために、ゴグドヴァーノ様との、こっ!、交尾をぉ……願い出た7頭の雌の内の一頭なのです)
――擬人化済みの美少女顔を、真っ赤に染めながら、彼女は驚く様なカミングアウトをした。
(えぇぇぇぇぇっ⁉、ソレってつまり、いわゆる近親……)
(――には当たるまい?、何せ、このデュルゴ娘は、ざっと20世代は経た末の子孫じゃろうしな)
レオナの言葉から、何やら早合点をしているコータに、サラキオスは冷静に状況を解説する。
(――しっかし、あの助平デュルゴめ。
子孫からの懇願とはいえ、随分とお盛んな事じゃなぁ……)
サラキオスは、呆れた様な口調で、溜め息混じりにそう呟いた。
(一族の始祖が、子孫とって事は……ヨボヨボ爺さんと、若い娘ってワケ?
どんなマニアックAVなんだよ……)
コータは、言葉尻から幾分かの妄想を膨らませ、彼の場合は呆れた様子に嫌悪も付与した表情で苦笑する。
(えっ、『えーぶい』とやらが、なんなのかは解りかねますが……数万年前から生きる始祖様と言う事でしたから、私もてっきり、同様の懸念を思ってはおりましたけれど、前にしたゴグドヴァーノ様の御身は実に若々しく、精力の方も思いのほか……)
レオナは、恥ずかしそうに目を逸らし、彼女は更に頬を紅潮させ、モジモジと身体をくねらせながら説明を続ける……
(――じゃろうなぁ。
『生物が神界に上る』という事は、その時点で老いは止まるし、むしろ全盛期と言える身体へと昇華する事となる故、必然的に『アッチ』の方も、永久不滅に現役という事になるであろうからなぁ♪)
(……もう、もう、このハナシは止めよう。
これ以上詳しく語られちゃあ、俺がポリシーとしている『STOP!、18禁展開!!』に抵触する……
――で、要は、その孵化寸前の卵……いや、そこから生まれる子竜の事を、俺に頼みたいワケだな?)
コータは、ニヤニヤとした声音で話を拡げようとするサラキオスを制し、話題を要点の根幹へと一気に反転させる。
(はい、そのとおりにございます――依り代殿。
殺戮を犯した者の不躾な願いかとは存じますが、どうか……どうかぁっ!)
レオナは、擬人化している事を用い、静々と土下座をしてコータに懇願する。
(――解った。
生まれて来る子竜に罪はないしな)
(ありがとう、ございますぅ……これで私は、思い残す事無くぅ……)
コータからの快諾を聞いたレオナは、目に涙を浮かべながらそう言うと、彼女の思念体の末梢が、徐々に色を失って行き……
(――依り代殿。
そして何より、私が殺めてしまった人の皆様……誠に、申し訳ございませんでした)
――と、謝罪の言葉と共に擬人化も解かれ、彼女は竜の姿へと戻って行き、その思念体はゆっくりと、精神世界の空間に溶けて行く様に消えて行った。
コータは、回想中に目の前で起きた面倒な様相に、顔をしかめながらそんな苦言を吐露する。
(何を言うか、お前が解り易くなる様に、我がせっかく気を廻したというのにぃ……
さて、確かに、情状酌量の余地があった事は認めるが――心臓を突かれる前に、コータが言った様に、お前は何も知らぬ大勢の人を殺めておる……ならば、コータがこうした事の意味は解るな?)
サラキオスは、不満気にコータへツッコミを入れてから、厳しめの声音で、レオナに自分が行った事への覚悟を確かめた。
(――はい、人間の卵狩りは、このクートフィリアでデュルゴと人が共存して行く上で、我らデュルゴが増え過ぎないための必要悪だと、よく理解はしております。
今回の私が行った殺戮は、それらへの激情性な報復に当ると解釈したとしても、過剰であった事は否めません……
それに人らは、母デュルゴの育児放棄の末に孤児となった子たちなども保護し、飼い慣らす形で生育し、生存機会を与えてくれている……我らデュルゴにとって、大事なパートナーであると重々理解しております。
この、我ら魔竜族の始祖で在られる、ゴグドヴァーノ様が諭した教えを思えば、此度の私の行為は、依り代殿に裁かれて当然にございます)
そう言って、人間体レオナは本当に申し訳なさそうな表情で、一筋の涙を両目から漏らす。
(その上で、死する前に、是非ともサラキオス様と依り代殿にお伝えしたい――いえ、『お願い』したい議とは、孵化寸前であると告げた、私が産んだ卵の事にございます)
決意が篭った口調でそう言ったレオナは、沈痛な面持ちを浮かべながら、縋る様にコータの前へと一歩出る。
(もうすぐ、生れ落ちるであろう我が子を、人の手で保護して貰える様に取り計らって欲しいのですっ!
あの子は――我ら魔竜族全体にとって、種の存続を担う大事な子なのです!)
レオナは、声色を高く上げ、懇願する体でコータの前への平伏する。
(――なに?、付属の理由の意味がどうにも解せぬ……
確かに、デュルゴの中でも、輝く鱗の魔竜族は希少種だろうが……我が知る上では、種の存亡云々に追いやられるほどの少なさや、性別の偏りはまだ無かったはずだが?)
――と、レオナの必死ぶりに、目の前のコータより先に口を挟んだのはサラキオス。
魔神は、レオナの言い分にそんな疑問を呈して、訝し気にそう尋ねた。
(問題なのは、種族の個体数ではなく――代を重ねた事で、ゴグドヴァーノ様の魔竜の血脈が薄れている事なのです。
それで――それで、ですねぇ……)
レオナは、そこまで告げると――何故か急に、モジモジと恥ずかしそうに俯き……
(……その解決のため、我ら末裔は――ゴグドヴァーノ様に、神界から一旦の降臨を願い出たのです。
そして、わっ!、私はその際――種の存続のために、ゴグドヴァーノ様との、こっ!、交尾をぉ……願い出た7頭の雌の内の一頭なのです)
――擬人化済みの美少女顔を、真っ赤に染めながら、彼女は驚く様なカミングアウトをした。
(えぇぇぇぇぇっ⁉、ソレってつまり、いわゆる近親……)
(――には当たるまい?、何せ、このデュルゴ娘は、ざっと20世代は経た末の子孫じゃろうしな)
レオナの言葉から、何やら早合点をしているコータに、サラキオスは冷静に状況を解説する。
(――しっかし、あの助平デュルゴめ。
子孫からの懇願とはいえ、随分とお盛んな事じゃなぁ……)
サラキオスは、呆れた様な口調で、溜め息混じりにそう呟いた。
(一族の始祖が、子孫とって事は……ヨボヨボ爺さんと、若い娘ってワケ?
どんなマニアックAVなんだよ……)
コータは、言葉尻から幾分かの妄想を膨らませ、彼の場合は呆れた様子に嫌悪も付与した表情で苦笑する。
(えっ、『えーぶい』とやらが、なんなのかは解りかねますが……数万年前から生きる始祖様と言う事でしたから、私もてっきり、同様の懸念を思ってはおりましたけれど、前にしたゴグドヴァーノ様の御身は実に若々しく、精力の方も思いのほか……)
レオナは、恥ずかしそうに目を逸らし、彼女は更に頬を紅潮させ、モジモジと身体をくねらせながら説明を続ける……
(――じゃろうなぁ。
『生物が神界に上る』という事は、その時点で老いは止まるし、むしろ全盛期と言える身体へと昇華する事となる故、必然的に『アッチ』の方も、永久不滅に現役という事になるであろうからなぁ♪)
(……もう、もう、このハナシは止めよう。
これ以上詳しく語られちゃあ、俺がポリシーとしている『STOP!、18禁展開!!』に抵触する……
――で、要は、その孵化寸前の卵……いや、そこから生まれる子竜の事を、俺に頼みたいワケだな?)
コータは、ニヤニヤとした声音で話を拡げようとするサラキオスを制し、話題を要点の根幹へと一気に反転させる。
(はい、そのとおりにございます――依り代殿。
殺戮を犯した者の不躾な願いかとは存じますが、どうか……どうかぁっ!)
レオナは、擬人化している事を用い、静々と土下座をしてコータに懇願する。
(――解った。
生まれて来る子竜に罪はないしな)
(ありがとう、ございますぅ……これで私は、思い残す事無くぅ……)
コータからの快諾を聞いたレオナは、目に涙を浮かべながらそう言うと、彼女の思念体の末梢が、徐々に色を失って行き……
(――依り代殿。
そして何より、私が殺めてしまった人の皆様……誠に、申し訳ございませんでした)
――と、謝罪の言葉と共に擬人化も解かれ、彼女は竜の姿へと戻って行き、その思念体はゆっくりと、精神世界の空間に溶けて行く様に消えて行った。
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