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第32話 ゴーストハンター高島聖の任務記録:スカイタワーの妖怪退治 前編
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【高島聖side】
霊和市陽海学園
ボクの転校先、新たな生活する場所……って ! また、来たくは無かったっス !
ゴーストハンター協会の理事で翠蓮さまの依頼と云う名の命令っス。 パワハラ、モノハラと抗議しても神様には通じないっス !
「世の中、理不尽っス !」 と、囁く声でしか愚痴を言えないのが悔しいっスよ。
翠蓮さまからの依頼は福岡田十八番くんの護衛と観察っス。
神が人の世に干渉するのは神々の規定で禁止されているので、ボクに白羽の矢が当たったのが運の尽き。
ゴーストハンター協会の工作で、エースくん達と一緒のクラスに成ったのは良いけど、経費として生活費と学費は協会が払ってくれるけど、ボクのお小遣いは含まれ無いのが辛いっスよ !
一応、B級ゴーストハンターとして、護衛の合間に仕事をして良いことに成っているけど、この平和な霊和市には、そもそも仕事が少ないので困っているっスよ。
残暑が厳しい中、外出するとお金がかかるので、ゴーストハンター協会で借り上げてくれたアパートの部屋でゴロゴロしていると、
ピンポーン
「MHKの者です」
部屋の外から聞こえてくる声。ボクは無言で立ち上がり
「うちはMHK見てないっスよ !」
見てなくても受信料払わないといけないんじゃ? と云う突っ込みはいらないっス !
「じゅ、受信料の取立てではなく依頼で来たんです」
外から聞こえる声にボクは振り返りざまに扉を開けて
「嘘だったら呪い殺すっスよ?」と忠告したっス。
「「は、はひ」」
依頼者を脅すGHって正直どうなんだろうと思うけど、背に腹はかえられいっスよ。
だけど腕が良いのも確かなので……個性として割り切ってもらうっス。
依頼者のMHKの社員二人に羊羹と日本茶を置く、当然ボクの前にも置いたっス。こういう接客も次に繋がるから大事っスよ。 当然、羊羹は経費で落とすっス。
「スカイタワーに妖怪?」
MHKの社員は鞄から写真を取り出しながら
「はい、これです。先日取材ヘリからの望遠カメラで撮影しました」
差し出された写真には大型の虎くらいの大きさの異形の姿が映っている。
翼のある小悪魔グレムリンっスね。
戦時中は飛行機とか戦車とかに悪戯をしてパイロットを恐怖させたっスよ。
実際グレムリンは危険とまでは言わないけど、警戒レベルの妖怪っス。
「別に悪い妖怪って訳じゃないっスよ。 攻撃性とかもほとんど無いし、機械弄りと悪戯が好きな妖怪っスね。多分今回もそれっスよ 」
態々人を苦しめようとかする妖怪ではない。地上ならF級でも除霊出来るような弱い妖怪っス。
「でもなんでこんな所に……」
「さあねえ?もしかして上って降りられなくなったとかじゃないっスか?」
猫じゃあるまいしとも思うが、その可能性も充分に考えられる。
「今のところ深刻な被害は出ておりませんが、衛星が壊れてしまえばMHKは勿論民放も衛星放送も大混乱です。費用はいくらでも出しますので何とかしていただけないでしょうか?」
スカイタワーとなると霊体でいく必要もあるし……危険手当とかもあるし……それに国からの依頼ならかなりの額を取れるっス。
「二億。びた一文まけないっス。それが嫌なら自衛隊でも警察にでも行くっスね」
社員は顔を青褪めさせたが、スカイタワーと言う超高所を考えれば、それくらいは普通っス。
「判りました。それではよろしくお願いします」
「この高島聖にお任せくださいっス」
少し渋るかと思ったけど、思ったよりも早く契約することが出来て良かったっス。
◇◇
【三人称side】
契約が終わると、聖は早速準備を始めた。
スカイタワーに向かうための道具を整え、必要な情報を集める。 聖は妖怪の存在を確認するために、幽体離脱での移動を考えた。
高所での作業は危険が伴うが、聖はそれを楽しみにしていた。
スカイタワーに到着すると、聖はその巨大な姿に圧倒された。周囲の景色を見渡しながら、聖は心の中で「これが東京のシンボルか……」と呟く。高層タワーの上に立つことで、聖は自分の存在を再確認した。
自分はただの高校生ではなく、ゴーストハンターなのだと。
タワーの中に入ると、エレベーターで上昇を始めた。途中、聖は自分の心拍数が上がっているのを感じた。高所恐怖症ではないが、こうした状況は緊張を伴う。エレベーターが止まり、扉が開くと、そこには異様な雰囲気が漂っていた。
「ここが妖怪のいる場所っスか……」と、聖はつぶやいた。彼女は周囲を見渡し、異常な気配を感じ取った。グレムリンがいるのは間違いない。聖は、慎重に行動を開始した。
幽体離脱した魂を元に戻すのは難しいし、魂の尾の維持をするの必要もあるので相棒が居るのだが……真雪やネイ、右京はボクとエースくんとの仲が縮まることを、警戒したのか断られてしまった。
代わりにエースくんの双子の姉である八重さんを紹介され、それを見た藤崎光さんを八重さんの影から跳び出したペガサスが咥えて捕獲したことにより、八重さんと光さんがボクを手伝ってくれることに成った。
びくびくしてる藤崎光さん。確かに素人の除霊だから怖いのは当然だけど……
「頑張るっス。今回はMHKが放送したいらしいから頑張れば英雄っスよ !」
二億を支払うが、除霊は撮影させてくれと言い出した。こう言う所はたくましいっスよね、TVクルーって。
霊和市陽海学園
ボクの転校先、新たな生活する場所……って ! また、来たくは無かったっス !
ゴーストハンター協会の理事で翠蓮さまの依頼と云う名の命令っス。 パワハラ、モノハラと抗議しても神様には通じないっス !
「世の中、理不尽っス !」 と、囁く声でしか愚痴を言えないのが悔しいっスよ。
翠蓮さまからの依頼は福岡田十八番くんの護衛と観察っス。
神が人の世に干渉するのは神々の規定で禁止されているので、ボクに白羽の矢が当たったのが運の尽き。
ゴーストハンター協会の工作で、エースくん達と一緒のクラスに成ったのは良いけど、経費として生活費と学費は協会が払ってくれるけど、ボクのお小遣いは含まれ無いのが辛いっスよ !
一応、B級ゴーストハンターとして、護衛の合間に仕事をして良いことに成っているけど、この平和な霊和市には、そもそも仕事が少ないので困っているっスよ。
残暑が厳しい中、外出するとお金がかかるので、ゴーストハンター協会で借り上げてくれたアパートの部屋でゴロゴロしていると、
ピンポーン
「MHKの者です」
部屋の外から聞こえてくる声。ボクは無言で立ち上がり
「うちはMHK見てないっスよ !」
見てなくても受信料払わないといけないんじゃ? と云う突っ込みはいらないっス !
「じゅ、受信料の取立てではなく依頼で来たんです」
外から聞こえる声にボクは振り返りざまに扉を開けて
「嘘だったら呪い殺すっスよ?」と忠告したっス。
「「は、はひ」」
依頼者を脅すGHって正直どうなんだろうと思うけど、背に腹はかえられいっスよ。
だけど腕が良いのも確かなので……個性として割り切ってもらうっス。
依頼者のMHKの社員二人に羊羹と日本茶を置く、当然ボクの前にも置いたっス。こういう接客も次に繋がるから大事っスよ。 当然、羊羹は経費で落とすっス。
「スカイタワーに妖怪?」
MHKの社員は鞄から写真を取り出しながら
「はい、これです。先日取材ヘリからの望遠カメラで撮影しました」
差し出された写真には大型の虎くらいの大きさの異形の姿が映っている。
翼のある小悪魔グレムリンっスね。
戦時中は飛行機とか戦車とかに悪戯をしてパイロットを恐怖させたっスよ。
実際グレムリンは危険とまでは言わないけど、警戒レベルの妖怪っス。
「別に悪い妖怪って訳じゃないっスよ。 攻撃性とかもほとんど無いし、機械弄りと悪戯が好きな妖怪っスね。多分今回もそれっスよ 」
態々人を苦しめようとかする妖怪ではない。地上ならF級でも除霊出来るような弱い妖怪っス。
「でもなんでこんな所に……」
「さあねえ?もしかして上って降りられなくなったとかじゃないっスか?」
猫じゃあるまいしとも思うが、その可能性も充分に考えられる。
「今のところ深刻な被害は出ておりませんが、衛星が壊れてしまえばMHKは勿論民放も衛星放送も大混乱です。費用はいくらでも出しますので何とかしていただけないでしょうか?」
スカイタワーとなると霊体でいく必要もあるし……危険手当とかもあるし……それに国からの依頼ならかなりの額を取れるっス。
「二億。びた一文まけないっス。それが嫌なら自衛隊でも警察にでも行くっスね」
社員は顔を青褪めさせたが、スカイタワーと言う超高所を考えれば、それくらいは普通っス。
「判りました。それではよろしくお願いします」
「この高島聖にお任せくださいっス」
少し渋るかと思ったけど、思ったよりも早く契約することが出来て良かったっス。
◇◇
【三人称side】
契約が終わると、聖は早速準備を始めた。
スカイタワーに向かうための道具を整え、必要な情報を集める。 聖は妖怪の存在を確認するために、幽体離脱での移動を考えた。
高所での作業は危険が伴うが、聖はそれを楽しみにしていた。
スカイタワーに到着すると、聖はその巨大な姿に圧倒された。周囲の景色を見渡しながら、聖は心の中で「これが東京のシンボルか……」と呟く。高層タワーの上に立つことで、聖は自分の存在を再確認した。
自分はただの高校生ではなく、ゴーストハンターなのだと。
タワーの中に入ると、エレベーターで上昇を始めた。途中、聖は自分の心拍数が上がっているのを感じた。高所恐怖症ではないが、こうした状況は緊張を伴う。エレベーターが止まり、扉が開くと、そこには異様な雰囲気が漂っていた。
「ここが妖怪のいる場所っスか……」と、聖はつぶやいた。彼女は周囲を見渡し、異常な気配を感じ取った。グレムリンがいるのは間違いない。聖は、慎重に行動を開始した。
幽体離脱した魂を元に戻すのは難しいし、魂の尾の維持をするの必要もあるので相棒が居るのだが……真雪やネイ、右京はボクとエースくんとの仲が縮まることを、警戒したのか断られてしまった。
代わりにエースくんの双子の姉である八重さんを紹介され、それを見た藤崎光さんを八重さんの影から跳び出したペガサスが咥えて捕獲したことにより、八重さんと光さんがボクを手伝ってくれることに成った。
びくびくしてる藤崎光さん。確かに素人の除霊だから怖いのは当然だけど……
「頑張るっス。今回はMHKが放送したいらしいから頑張れば英雄っスよ !」
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