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嫁取り騒動 ②

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   確かに 囲まれている

「 おい   ! あんたが 隊長か   ?  あんたも騎士なら
名前位  名乗ったらどうなんだ   ? 」

   王子が 怒りながら言った

「 貴様のような 平民に名乗る必要は ない   !」
ドヤ顔で 言い切る隊長騎士

「 なら 貴方の事を 『ゴン 』と 呼ぶね
『名無しの ゴンベイ』から 取ったんだけど それで
いいよね   ! 」
   茜が 挑発するように言うと

「 良いわけあるかぁ   !   俺の名前は
『 クラーク = ビックストーン』だ   ! 」


「 クラークねぇ    なら『クラちゃん』と 略しちゃうけど  いいよね  !」
   茜が からかうように言った

「 良いわけあるかぁー  !   さっさと その二人を渡すんだ   !   」
   手を 伸ばすクラークに 対して

「 させるわけないだろう   !  」
   王子が 立ちはだかった


「 そこを どけ   平民  ! 退かぬなら 力ずくで 退かせるぞ」
   クラークが 怒りながら 怒鳴った

「 オマエには できない 」

   王子に 言われ 切れたクラークが 剣を 抜いた

「 なら  死ねぇー  ! 」

   クラークの 剣は 王子に当たった瞬間に砕け散った

「 なっ   馬鹿な   !    俺の聖剣『 アックスボンバー』が 砕け散るなんて ありえない………」
   クラークが、唖然としていると

「 あれが 聖剣   ?   この間の ミスリルの剣の方が
固かったような気がするんだが ………」

「 アッハハハハハ    多分 偽物だったんじゃないの
いや~    みごとに 砕けたねぇ  」
   茜が 笑って言った


「 クッ  お前達 黙って見てないで この平民を殺せ!」

   クラークの後ろにいた 六人の騎士が 一斉に抜剣して
襲いかかってきた

「 死ね ! 」「 くたばれ  ! 」「 平民の分際がぁ  !」
「くそガキがぁ  ! 」「 死ねぇ  !」
「  この剣  まだ ローンが 残っているのにぃー 」


   王子に 当たった瞬間 みな砕け散った

「「「「「………………………」」」」」
「 俺の ローンがぁ~」

   それぞれが ショックを 受けていた




[ クラークside]



「 はっ   !   まだ 外には 仲間が いるんだった」
   クラークは 外に向けて 怒鳴った


「 外で 待機している騎士達よ   !  今すぐ 全員集合せよ   ! 」

   しかし 何の反応もない

「 何をしているのだ   !命令だ    集まれ  ! 」


    
「 無駄   !  みんな オネンネしてる  」
    店に いたはずの女が 静かに歩いてきた

「食後の 運動に丁度良かった  」
    平然と言ってのける女の 背中越しに見ると 俺の部隊の騎士達
が 全員 伸びていた



    もしかして 俺達は とんでもない奴らを 相手にしているのか


[葵side]


   全く あの娘(アザミ)たら しょうがないわねぇ
妙に 静かだから おかしいと思ってたんだけど………


「 そう言えば さっき 『食後の運動を してくる』とか 言ってたようなぁ…………」
   茜が 思い出したように 言っている


   全く みんな 血の気が 多いんだから   !


「 覚えておけよ~ 」
   クラークは 逃げ出した
それにつられて 他の とりまき の騎士達もにげだした

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