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子羊たちの大冒険 ③

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【ベルside】

 ボクの名前はベル !
 MMOゲーム、ドラゴン・ファンタジーに出て来る妖精さ。

 しかし、本当の正体は、スーパーコンピューター・オモイカネの一部、複数居るカーディナルの内の一体なんだ !


ポーン ♪ ポーン ♪



 やっぱり来たね、嵐たちが来るには早すぎる時間に二人が来た。

陽野芽ひのめちゃん、やっぱり誰も居ないよ!」

「やったね、星奈せなちゃん!にーにー達に内緒でレースが出来るね!」

「わたし達だって『眠れる羊たちスリーピングシープ』の一員なんだから、ゴーカートライダーの運転が上手に成った処を、にーにー達を驚かせようね!」

お兄ちゃん龍騎は、また反対するだろうから、学校から帰って来るまでにあそんじゃおう~」

 
 ……ボクが、チビッ子達の前に立つと、

「「アッ、ベルだ !
何で、このゲームに居るの ? 」」

「チビッ子達が来ると思って準備していたのさ ! 」

「案の定、コンバートせずに いきなりニューゲームを 始めたようだね !
 前のゲームからコンバートすると、いろいろ便利だから、一旦 前のゲーム『ドラゴン・ファンタジー』を選択して見てくれるかい。
 後は、ボクの方で手続きするから 任せてよ ! 」

「「 分かった ! 」」

 素直に信じて、一旦ログアウトする二人を見てから、カーディナル権限で準備していたゴーカートを用意した。
 あらためてコンバートした二人が戻って来た時には、二台のゴーカートが用意されていた。

「「ワァー、キツネさん とウサギさんのクルマだぁ~ 」」

 我ながら、可愛く改造出来たと思うんだよね !
タヌキチと云い、ボクって天才かしら !

「 チビッ子達の従魔、ドンチャンどん兵衛キツネデューク マーダーバニーだよ。
 このゲームは、カーディナルが監視しているから安全だと思うけど、全世界と繋がっているから、チビッ子達の安全を考えて用意したんだよ ! 
 ところで、相棒は決まっているのかい ? 」

 二人は気に入ったのか、既にゴーカートに乗っていた。

「「猫ちゃんが欲しい ! 」」

「あくまでもゲームだからね !
飼える訳じゃ無いから勘違いしないでね ! 」

 お母さんオモイカネのデーターバンクを漁ると丁度良い子が居た !
 データーからチビッ子達の相棒を創造してから、ロールアウトした。

「「ワァー、可愛い ! 」」

 スーパーコンピューターに記録されていた、昔 大江戸家の周辺を縄張りにしていたボス猫『にゃん太郎』と『ウッシー』を選んだんだよ !
 仲良くするんだよ ! 」

 二人が喜んでいるようで何よりだね。

「おい、おい、 ここはガキの来る所じゃ無いぞ !
 遊ぶゲームを間違えているんじゃないか ! 」

 三人の高校生くらいの子が絡んできた。
 この時間帯に来るとは、学校をサボっている悪い子達だね。
 何か悪さをしたら、カーディナル権限でアカウント停止にするからね !

 チビッ子達は震えるでも無く、ケロッ としている。
 それが気に食わなかったのか、尚もからんでこようとしたら、

『おい、ロリコン共 !  いい加減にしないと、MMOゲームから永久追放されるぞ !」

 声の方を見ると、ちょい悪風のお兄さんが居た。
 不利を感じたのか 三人組が立ち去ると、

「「ありがとう、 ! 」」

「グッ、おじちゃんは無いだろう !
だ ! 」

 結構、面白い人だなぁ~。
なんか、嵐に似ている気がするね。

「お嬢ちゃん達、の関係者だろう ? 」

 白々しく笑顔をする ちょい悪オヤジ……
前言撤回、嵐と違い コイツ悪い奴だ !


♟♞♝♛♚♜


 「勘違いするなよ !
俺は悪い奴じゃないさ………………たぶんな ! 」

 ちょい悪オヤジは、ボクがBANしようとしたら、途端に言い訳を始めた。

 どうにも嘘ぽいけど、一応 話を聞いてあげることにした。


 



 あきれた !

 ちょい悪オヤジは、自分が堕天使 兼 悪魔で嵐たちも元・神様だと言う。
 そして、とある出来事の仕返しの為にゲームを始めたとか……

「厨二病 ?」

ちがーう違ーう !  本当に本当なんだよ ! 」

「 とりあえず、チビッ子達に危害を加え無いなら見逃すけど…………ボク達は、何時でも何処でも見ているからね 」

 そう脅すと、

「まったく、どっちが悪魔か判らねえなぁ~」

「だけど、スパイスとして遊ぶなら見逃しても良いよ ! 」

 一瞬、目を大きくした ちょい悪オヤジ が、ため息をしながらログアウトして行った。


 ミッション・コンプリート !

 後で嵐に褒めて貰おうっと !
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