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新学期 ⑦
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───職員室───
【由利子side】
「ハァー!」
想わずため息を出したら、
「どうしたのよ、由利子。
旦那と喧嘩でもしたの?」
同僚で親友の浦和真知子が声をかけてきた。
「由利子ちゃ~ん、ため息をしていると『幸せ』が逃げちゃうよぉ」
同じく同僚で親友の館林瑠奈も心配そうに声をかけてくる。
この二人は大学時代からの親友で同じ菖蒲学園中等部の教師をしている。
一時期は、人手不足の為に高等部を担当していたのだが、私達が産休で休んだ後、復職する時に中等部担当へと辞令が出たのだ。
「実は、ウチの娘なんだが……
「あらぁ~、由利凛ちゃん達なのぅ ?
とっても良い娘だよぉ。 授業態度は真面目だし宿題もキチンと提出しているわよぉ。
たまぁ~に、お痛をするけれどもねぇ~」
そういえば、由利凛たちの担任教師は 瑠奈だったか。
「………ウチの娘が何かヤラカシタか? 」
「ちょっ~と、悪どい商売をしていたみたいだけど、ギリギリ許容範囲よぉ」
………聞かなかった事にしよう。
まったく、誰に似たのか 笑えないイタズラをするんだよなぁ~、あの娘は。
「うむ 実はな、長女の天音が自分の部屋に引き籠もって居るんだよ』
「「えぇっ、あの優等生の天音ちゃんがぁーー!」
誰に似たのか、何重にも猫を被って優等生キャラを演じている娘に頭が痛く成る。
赤ん坊の時は、女神様かと思う程に可愛かったのになぁ~。
むろん、今でも可愛いのだが……どうして、ああ物臭に成ってしまったのか?
育て方を間違えたかなぁ~
♟♞♝♜♛♚♙♘♗♖♕♔
一方、大江戸家では
【天音side】
MMOゲーム機のヘルメットを外して、トイレ休憩と軽食を取る為に部屋を出た。
「キャラメイクに凝ったけど、頑張ったかいがあったわね。
ちょっと休憩したらゲームに戻らないと、あの子達が待っているからね」
皆が真面目に学園に行く中で、サボってゲームをするのは最高ね!
こんなことを言うと、お母さんが発狂して怒りそうだけど仕方がないよね。
きちんと出席日数は把握しているので、落第はしないわよ。
将来のお仕事もお家で出来る仕事を探そうかなぁ~。
とりあえず、腹ごしらえしないとね。
冷蔵庫に入っているオカズを取り出してから、ケトルのスイッチを入れた。
インスタントの吸い物を用意して、ご飯を盛ろうとしたらタビとボンドが居間から起きて来て
「ニャァ~」「ニャァ~」
と、餌を要求してきた。
私より年上の猫達は、年齢のわりには元気なのよねぇ。
戸棚からシニア用キャットフードを出して皿に入れると食べ始めた。
「さ~ぁて、私も早くご飯を食べてゲームに戻らなきゃ、あの子達が待っているわ!」
そんな私を猫たちは、冷たい目で見ていた。
タビもボンドも私の事を妹みたいに思っている節があるのよね。
他所から拾って来た子猫達は、外に遊びに行ったようだし、今は私とタビやボンドだけだ。
なんだか、兄や姉に小言を言われる気がして、私は急いでご飯を食べたのだった。
【由利子side】
「ハァー!」
想わずため息を出したら、
「どうしたのよ、由利子。
旦那と喧嘩でもしたの?」
同僚で親友の浦和真知子が声をかけてきた。
「由利子ちゃ~ん、ため息をしていると『幸せ』が逃げちゃうよぉ」
同じく同僚で親友の館林瑠奈も心配そうに声をかけてくる。
この二人は大学時代からの親友で同じ菖蒲学園中等部の教師をしている。
一時期は、人手不足の為に高等部を担当していたのだが、私達が産休で休んだ後、復職する時に中等部担当へと辞令が出たのだ。
「実は、ウチの娘なんだが……
「あらぁ~、由利凛ちゃん達なのぅ ?
とっても良い娘だよぉ。 授業態度は真面目だし宿題もキチンと提出しているわよぉ。
たまぁ~に、お痛をするけれどもねぇ~」
そういえば、由利凛たちの担任教師は 瑠奈だったか。
「………ウチの娘が何かヤラカシタか? 」
「ちょっ~と、悪どい商売をしていたみたいだけど、ギリギリ許容範囲よぉ」
………聞かなかった事にしよう。
まったく、誰に似たのか 笑えないイタズラをするんだよなぁ~、あの娘は。
「うむ 実はな、長女の天音が自分の部屋に引き籠もって居るんだよ』
「「えぇっ、あの優等生の天音ちゃんがぁーー!」
誰に似たのか、何重にも猫を被って優等生キャラを演じている娘に頭が痛く成る。
赤ん坊の時は、女神様かと思う程に可愛かったのになぁ~。
むろん、今でも可愛いのだが……どうして、ああ物臭に成ってしまったのか?
育て方を間違えたかなぁ~
♟♞♝♜♛♚♙♘♗♖♕♔
一方、大江戸家では
【天音side】
MMOゲーム機のヘルメットを外して、トイレ休憩と軽食を取る為に部屋を出た。
「キャラメイクに凝ったけど、頑張ったかいがあったわね。
ちょっと休憩したらゲームに戻らないと、あの子達が待っているからね」
皆が真面目に学園に行く中で、サボってゲームをするのは最高ね!
こんなことを言うと、お母さんが発狂して怒りそうだけど仕方がないよね。
きちんと出席日数は把握しているので、落第はしないわよ。
将来のお仕事もお家で出来る仕事を探そうかなぁ~。
とりあえず、腹ごしらえしないとね。
冷蔵庫に入っているオカズを取り出してから、ケトルのスイッチを入れた。
インスタントの吸い物を用意して、ご飯を盛ろうとしたらタビとボンドが居間から起きて来て
「ニャァ~」「ニャァ~」
と、餌を要求してきた。
私より年上の猫達は、年齢のわりには元気なのよねぇ。
戸棚からシニア用キャットフードを出して皿に入れると食べ始めた。
「さ~ぁて、私も早くご飯を食べてゲームに戻らなきゃ、あの子達が待っているわ!」
そんな私を猫たちは、冷たい目で見ていた。
タビもボンドも私の事を妹みたいに思っている節があるのよね。
他所から拾って来た子猫達は、外に遊びに行ったようだし、今は私とタビやボンドだけだ。
なんだか、兄や姉に小言を言われる気がして、私は急いでご飯を食べたのだった。
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