上 下
246 / 290
高校生 編

妹は大変だよ! ニートの龍さんと妹、秋桜ちゃん ③

しおりを挟む
【龍太郎side】

   試験当日、何故か『寒気』がした。
風邪でも引いたかな ? ………この時は単純にそう思っていたんだ。
   そう、俺は信じれば良かったんだ 自分の『第七感セブンセンシズ』を !


   メールに指示された通りに保健室に入ると保険医の『神田明神かんだみょうじん 桜花さくら』先生が居た。

「 桜花先生、おはようございます。
今日から3日間ですが、よろしくお願いいたします」

「了解した。 しかし我が校で、ただ一人の『通信科』か !
『普通科』では、やはり駄目なのか ? 」

「 はい、スミマセン。 編集者と頻繁ひんぱんにやり取りをしたり、
一度載せた物語の手直しや物語の続きを執筆するのに時間が足りないんですよ」

   俺が書籍化デビューしたのを知っている数少ない大人が桜花先生だ。
後、知っている教師は 学園長と教頭先生、従姉の由利子姉ちゃんだけだ。
学園長と由利子姉ちゃんは、俺が小説家に成ることを応援してくれたが、教頭先生は反対していた。
   まあ、反対する理由も俺の為を思っての事なので腹はたたないけどね。

   今日は、数学Ⅰ 、地理、理科Ⅰ、の三教科だ。
一応、オンライン授業 で勉強していたから大丈夫だと思うけど………と考えていたら机が少し離れて二つあった。

「 桜花先生、俺の他に保険室で試験を受ける生徒が居るんですか ?」

「うむ、体調が悪いと理由で、一年生の女子生徒がここ保健室で試験を受けるのだ !
   お主は、二年生なのだから後輩には優しくするのだぞ !」

   ふと、保健室のベッドを見ると 確かに女子生徒らしい娘が横に成っていた。
身体が弱いのかなぁ~ ………イカン イカン  女の子のプライベートに踏み込むのはマナー違反だぞ !

   試験が始まる 5分前には、ベッドから女子生徒も起き出し試験を受ける準備を始めた。


♟♞♝♜♛♚♙♘♗♖♕♔

しずくside 】


   間違い無い !   IBARAKISAIKO先生だ !


「はい、スミマセン。 編集者と頻繁ひんぱんにやり取りをしたり、
一度載せた物語の手直しや物語の続きを執筆するのに時間が足りないんですよ」

   神田明神先生とのやり取りで確信したわ !
同じ学校に、何人も小説家に成っている生徒が居るとは思え無いものね。

「 僕は『通信科』の二年生 潮来いたこ 龍太郎です。
よろしくお願いいたしますね 」

「 私は『普通科』一年A組  由比ヶ浜ゆいがはま 雫です。
末長くよろしくお願いいたしますね、龍太郎先輩 !」

「末長く ? 」

「 言葉のあやですよ、気にしないで下さいね、龍太郎先輩」

   チャイムが鳴り、私達は机に着いて試験に取り掛かった。
ついに ついに私の『運命のつがい』を見つけたわ !
絶対に 絶対に 逃がさないからね、龍太郎先輩 !
私達の『運命の赤い糸』は、誰にも断ち切れないんだから………フッフフフ

   想像していたより優しそうで良かったわ、顔も私好みで中性的だし体型もせすぎず太り過ぎず中肉中背だわ。

   小説家の妻に成って龍太郎さんを支えるのも良いわね。
まずは、あせらずに可愛い後輩から仲良く成っていくのが ベターね。  


───ロック・オンされた龍太郎の運命は、いかに !逃げられる訳ないだろう !───
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

君はプロトタイプ

真鳥カノ
ライト文芸
西暦21XX年。 大地も海も空も、命すらも作り物の世界。 天宮ヒトミは、『天宮 愛』のクローンとして生まれ育った。 生涯を愛に尽くすために存在すると思っていたけれど、それはかなわなくなってしまった。 自分が『ヒトミ』なのか『愛』なのか、迷う曖昧な心を持て余す中、一人の少年と出会う。 以前、『愛』が想いを寄せていた少年『深海尚也』だ。 そう思っていたけれど、少し様子が違う。 彼もまた、尚也のクローンだったのだ。 オリジナルを失ったクローンの二人が目指すものは、オリジナルの完全複製か、それとも……? 目指すものすら曖昧な未完成のクローンたちの生きる道とは……。 ※こちらの作品はエブリスタ様、Solispia様にも掲載しております。

大喜利3答から始まる物語

DZ
ライト文芸
最初に作者が大喜利に何も考えずに3つ答え、その答えから無理矢理物語を作ってみた実験作品。

(続)人斬り少女は逃がさない

tukumo
ライト文芸
短編小説 人斬り少女は逃がさない なんとも中途半端で続きを書きたくなったので数話連続小説として帰ってきた あ、作者の気まぐれで投稿頻度は早かったり遅かったりするのはご愛嬌ということで良ければ緩利と読んでみて下さいまし~by tukumo

その後の愛すべき不思議な家族

桐条京介
ライト文芸
血の繋がらない3人が様々な困難を乗り越え、家族としての絆を紡いだ本編【愛すべき不思議な家族】の続編となります。【小説家になろうで200万PV】 ひとつの家族となった3人に、引き続き様々な出来事や苦悩、幸せな日常が訪れ、それらを経て、より確かな家族へと至っていく過程を書いています。 少女が大人になり、大人も年齢を重ね、世代を交代していく中で変わっていくもの、変わらないものを見ていただければと思います。 ※この作品は小説家になろう及び他のサイトとの重複投稿作品です。

揺れる波紋

しらかわからし
ライト文芸
この小説は、高坂翔太が主人公で彼はバブル崩壊直後の1991年にレストランを開業し、20年の努力の末、ついに成功を手に入れます。しかし、2011年の東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故によって、経済環境が一変し、レストランの業績が悪化。2014年、創業から23年の55歳で法人解散を決断します。 店内がかつての賑わいを失い、従業員を一人ずつ減らす中、翔太は自身の夢と情熱が色褪せていくのを感じます。経営者としての苦悩が続き、最終的には建物と土地を手放す決断を下すまで追い込まれます。 さらに、同居の妻の母親の認知症での介護が重なり、心身共に限界に達した時、近所の若い弁護士夫婦との出会いが、レストランの終焉を迎えるきっかけとなります。翔太は自分の決断が正しかったのか悩みながらも、恩人であるホテルの社長の言葉に救われ、心の重荷が少しずつ軽くなります。 本作は、主人公の長年の夢と努力が崩壊する中でも、新たな道を模索し、問題山積な中を少しずつ幸福への道を歩んでいきたいという願望を元にほぼ自分史の物語です。

外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~

そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」 「何てことなの……」 「全く期待はずれだ」 私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。 このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。 そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。 だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。 そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。 そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど? 私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。 私は最高の仲間と最強を目指すから。

“うた”

西野低気圧
ライト文芸
詩のごみ溜め。だらだらと書き留められた“うた”をただただ羅列していく、そんな場所。(※小説ではありません。)

ズボラ通販生活

ice
ファンタジー
西野桃(にしのもも)35歳の独身、オタクが神様のミスで異世界へ!貪欲に通販スキル、時間停止アイテムボックス容量無限、結界魔法…さらには、お金まで貰う。商人無双や!とか言いつつ、楽に、ゆるーく、商売をしていく。淋しい独身者、旦那という名の奴隷まで?!ズボラなオバサンが異世界に転移して好き勝手生活する!

処理中です...