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高校生 編
子猫(タビ)に逢いたい ! 後編
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【洋子side 】
わかっていたけど………勝手に飛び出していかないように抱き上げたコロッケは他人事のような顔して尻尾を揺らしていた。
猫の表情は判りにくいけど、子猫の頃から一緒に暮らしてきた私には判る。
コロッケは反省していないわ !
「 やっぱり『去勢』しようかなぁ~ 」
ボソッ と私が呟くと『 ビクッ 』として、私の方を向いて
「 ニャァーン ニャァーン 」
と、鳴いた………意味、判っているのかしら ?
「 いつまでも玄関に居ないで中に入りなよ ! 皆も騒いでいないで、お茶にするよ ! 」
勇気さんが家の奥から出て来て迎えてくれた。
♟♞♝♜♛♚♙♘♗♖♕♔
茶の間に入ると由利子先生とハルト先生が酒盛りをしていた。
「 おー 良く来たな、洋子 !………ずいぶんと太った猫だなぁ~
もしかして洋子のウチの猫か ? 」
「 はい、ウチの猫で『 コロッケ 』です。」
「 そうか、だがウチの『 タビ 』はやらんぞ ! 」
何を言っているの、この酔っぱらいは !
「 由利子先生、洋子は『 タビ 』に逢いに来ただけなんですよ ! 」
勇気さんの言葉に納得したのか、
「 スマン、洋子 ! てっきり『 見合い』かと思ったんだよ、ウチの『タビ 』と そのデブ猫の ! 」
由利子先生は、コロッケのことを『ジィッー 』と見てから
「 洋子の処の猫と云う事は『 オキク 』の子供か ? 確か、三匹程 子猫を産んだ後に居なく成ったと聞いたんだが………」
「 はい、そのうちの1匹が『コロッケ』です。
残りの2匹は、隅田川さんに貰われて行きました」
「 隅田川さんって、『 ボクササイズ教室 』の隅田川さんか ? 確か、元々は『ボクシングジム 』だったんだよな ? 」
「 そうですよ 只、ボクシングジムでは経営が苦しいから ボクササイズ教室に転向したらしいそうだけど……」
「 そうか、少子化だから仕方ないのかも知れないなぁ~
隅田川 丈二 こと 『 ジョー ・ スミダ 』は凄い選手で、もう少しで『 世界チャンピオン 』に成る程だったんだがなぁ~
時代は残酷だなぁ~ 」
「 そうなんですか ? 今は凄い人気の『 ボクササイズ教室 』なんですよ !
奥様の『 白銀 葉子』さんの手腕のお陰ですね ! 」
「 ちなみに、他の2匹の猫の名前は何なんだ ? 『 メンチカツ 』や『エビフライ 』なんて名前では無いんだろう 」
「 由利子先生は誤解しているようですけど、『コロッケ』と名付けたのは 私じゃ無くて お父さん なんですよ ! 『 ウチの看板猫には、ピッタリだ ! 』と言っていましたけど………それと、貰われて行った猫の名前は『 ゲンキ 』と『 イッポ 』ですよ ! 三匹共、雄猫なんて珍しいですけどね 」
そんな事より『 タビちゃん 』は何処かなぁ~
私が キョロキョロしていると、
「 ここに居るよ、ジンの背中に張り付いて隠れているよ 」
勇気さんの言葉に 大江戸先輩の方を見ると肩ごしに 此方を覗いていた。
【 勇気side 】
「 うわぁぁぁ ! 可愛いなぁー ! 」
洋子がコロッケを落として ジンに張り付いている『タビ 』に近づくと、タビは ジンの服の中に隠れてしまった。
僕は、慌てて『コロッケ 』を捕獲したけど………重っ !
一体 何キロあるんだろうか ? うん、『タビは 太り過ぎないようにしよう』と決めた。
ジンがタビを捕まえて洋子に渡すと、
「 わぁー ! 本当に『靴下』………『足袋』を履いているみたいですね !
黒猫も可愛いなぁ~ 」
洋子の言葉が判るのか、僕が抱いているコロッケが、
「 ………ニャア ! 」と鳴きながら尻尾をブンブン振っていた。
飼い猫だからか僕が抱いても嫌がらないなぁ~
抱き心地は良いんだけで健康が心配だよね !
「 なあ、勇気 私にも抱かせてくれないか ? タビは私達が抱くのを嫌がるから、あまり猫をモフモフ出来ないからな 」
瞳が言うと、楓やアリスに真理姉までもが コロッケを抱きたがっていた。
洋子を見ると、
「 コロッケなら女の子が大好きですから、好きにしてくれて良いですよ !」
その言葉に皆してコロッケをモフモフし始めた。
「 モテモテだね、コロッケ ! 」
僕が言うと、
「 ウニャアー ! 」
と、返事をしてくれた。
タビがジンに、ベッタリだから 皆 我慢していたんだろうなぁ~
しばらくしたら、コロッケは皆に構われたせいか グッタリしていた。
最初、警戒していたタビも興味を持ったのか自分からコロッケに近づいて 匂いを嗅いだ後にコロッケの毛繕いを始めた。
タビにとっては初めての友達に成るのかな ?
お婿さんには早いけど、本人同士………本猫同士が良いなら、良いのかな。
「 ニャア ニャァーン ! 」
勝ち誇ったように鳴くコロッケは気になったけど………気のせいだよね。
わかっていたけど………勝手に飛び出していかないように抱き上げたコロッケは他人事のような顔して尻尾を揺らしていた。
猫の表情は判りにくいけど、子猫の頃から一緒に暮らしてきた私には判る。
コロッケは反省していないわ !
「 やっぱり『去勢』しようかなぁ~ 」
ボソッ と私が呟くと『 ビクッ 』として、私の方を向いて
「 ニャァーン ニャァーン 」
と、鳴いた………意味、判っているのかしら ?
「 いつまでも玄関に居ないで中に入りなよ ! 皆も騒いでいないで、お茶にするよ ! 」
勇気さんが家の奥から出て来て迎えてくれた。
♟♞♝♜♛♚♙♘♗♖♕♔
茶の間に入ると由利子先生とハルト先生が酒盛りをしていた。
「 おー 良く来たな、洋子 !………ずいぶんと太った猫だなぁ~
もしかして洋子のウチの猫か ? 」
「 はい、ウチの猫で『 コロッケ 』です。」
「 そうか、だがウチの『 タビ 』はやらんぞ ! 」
何を言っているの、この酔っぱらいは !
「 由利子先生、洋子は『 タビ 』に逢いに来ただけなんですよ ! 」
勇気さんの言葉に納得したのか、
「 スマン、洋子 ! てっきり『 見合い』かと思ったんだよ、ウチの『タビ 』と そのデブ猫の ! 」
由利子先生は、コロッケのことを『ジィッー 』と見てから
「 洋子の処の猫と云う事は『 オキク 』の子供か ? 確か、三匹程 子猫を産んだ後に居なく成ったと聞いたんだが………」
「 はい、そのうちの1匹が『コロッケ』です。
残りの2匹は、隅田川さんに貰われて行きました」
「 隅田川さんって、『 ボクササイズ教室 』の隅田川さんか ? 確か、元々は『ボクシングジム 』だったんだよな ? 」
「 そうですよ 只、ボクシングジムでは経営が苦しいから ボクササイズ教室に転向したらしいそうだけど……」
「 そうか、少子化だから仕方ないのかも知れないなぁ~
隅田川 丈二 こと 『 ジョー ・ スミダ 』は凄い選手で、もう少しで『 世界チャンピオン 』に成る程だったんだがなぁ~
時代は残酷だなぁ~ 」
「 そうなんですか ? 今は凄い人気の『 ボクササイズ教室 』なんですよ !
奥様の『 白銀 葉子』さんの手腕のお陰ですね ! 」
「 ちなみに、他の2匹の猫の名前は何なんだ ? 『 メンチカツ 』や『エビフライ 』なんて名前では無いんだろう 」
「 由利子先生は誤解しているようですけど、『コロッケ』と名付けたのは 私じゃ無くて お父さん なんですよ ! 『 ウチの看板猫には、ピッタリだ ! 』と言っていましたけど………それと、貰われて行った猫の名前は『 ゲンキ 』と『 イッポ 』ですよ ! 三匹共、雄猫なんて珍しいですけどね 」
そんな事より『 タビちゃん 』は何処かなぁ~
私が キョロキョロしていると、
「 ここに居るよ、ジンの背中に張り付いて隠れているよ 」
勇気さんの言葉に 大江戸先輩の方を見ると肩ごしに 此方を覗いていた。
【 勇気side 】
「 うわぁぁぁ ! 可愛いなぁー ! 」
洋子がコロッケを落として ジンに張り付いている『タビ 』に近づくと、タビは ジンの服の中に隠れてしまった。
僕は、慌てて『コロッケ 』を捕獲したけど………重っ !
一体 何キロあるんだろうか ? うん、『タビは 太り過ぎないようにしよう』と決めた。
ジンがタビを捕まえて洋子に渡すと、
「 わぁー ! 本当に『靴下』………『足袋』を履いているみたいですね !
黒猫も可愛いなぁ~ 」
洋子の言葉が判るのか、僕が抱いているコロッケが、
「 ………ニャア ! 」と鳴きながら尻尾をブンブン振っていた。
飼い猫だからか僕が抱いても嫌がらないなぁ~
抱き心地は良いんだけで健康が心配だよね !
「 なあ、勇気 私にも抱かせてくれないか ? タビは私達が抱くのを嫌がるから、あまり猫をモフモフ出来ないからな 」
瞳が言うと、楓やアリスに真理姉までもが コロッケを抱きたがっていた。
洋子を見ると、
「 コロッケなら女の子が大好きですから、好きにしてくれて良いですよ !」
その言葉に皆してコロッケをモフモフし始めた。
「 モテモテだね、コロッケ ! 」
僕が言うと、
「 ウニャアー ! 」
と、返事をしてくれた。
タビがジンに、ベッタリだから 皆 我慢していたんだろうなぁ~
しばらくしたら、コロッケは皆に構われたせいか グッタリしていた。
最初、警戒していたタビも興味を持ったのか自分からコロッケに近づいて 匂いを嗅いだ後にコロッケの毛繕いを始めた。
タビにとっては初めての友達に成るのかな ?
お婿さんには早いけど、本人同士………本猫同士が良いなら、良いのかな。
「 ニャア ニャァーン ! 」
勝ち誇ったように鳴くコロッケは気になったけど………気のせいだよね。
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