【完結】大江戸くんの恋物語

中学生 編

ヤキモチ そして、………

【 由利子side 】

    これは、もしかしてラブレター と云うモノか ？
初めて貰ったラブレターに私は戸惑っていた。

   ペーパーナイフで丁寧に封を切り中の手紙を読んで見た。
最初に前回の不審者から助けた事の御礼と私の撃退時の姿を見て感動した事
そして、私に一目惚れをして お付き合いをしたい事が思春期らしい純粋な文章で書いてあった。
   もし、私が彼鎌倉くんと同い年だったら…………
イカン  イカン  今の私は社会人、しかも教師なんだ ！
生徒を教え導みちびくのが教師なんだから生徒との『 恋 』なんて……
   禁断の恋…………駄目だ ！  駄目だ ！   私にはハルトが居るじゃないか ！

   遅れてきたモテ期に私は戸惑っていた。

    そして、そんな私をハルトが見詰めている事に この時は気がつかなかった。



【 深雪side 】


   悪夢だ………これは『夢』だと思いたかったが悲しい事に現実なのよね。
シューズボックスがある所で信太郎くんに追いついた。

   ハア ハア 息を乱して顔を紅あかくしているのは駆け足をした影響なのかラブレターを渡した恥ずかしさから来るものなのか判らないけど………

   だけど油断したわ ！
アノ由利子先生に アンナ必殺技があるなんて、勿論もちろん 格闘技の技じゃ無いわよ………アレはアレで恐ろしいけど。

      勝字菜かてじなを撃退した後に、逃げずに私達を守ろうとした信太郎くんに

「 良く頑張ったな ！  偉いぞ、私は君のような勇気 ・ ・ のある生徒を誇りに思うぞ ！」

   そう言って『 ニッコリ』笑って信太郎くんの頭を撫でていた。
信太郎くんが、顔を紅くして

「 先生～  僕、僕、 怖かったけど、逃げたかったけど、必死に彼女深雪を守ろうと思って………」

   涙ぐむ信太郎くんを由利子先生が抱きしめて

「 そうか、本当に頑張ったんだな ！  偉いぞ、偉い 偉い 」

   そう、信太郎くんを褒めていたけど…………

   『 ニコポ』『ナデポ』を普通に自然にやっていた。

   立場が逆のような気がするけど、この必殺コンボ技で信太郎くんは由利子先生の事を本気で好きに成ったみたい。


   そして、それは薫くんの興味を惹ひき

「 正直、男女交際には興味が無かったのだけど、彼女由利子先生となら退屈しないで楽しい事がありそうだね ！
確か、閣議決定では『 一夫多妻』だけでなく 男女平等の精神から『 多夫一妻』も認めて決定していたハズだから僕も立候補しようかな 」

   博子も涙目である ！


   どうして、こうなったの ！

   私達深雪、博子の明日は どっちなのよぉー ！