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中学生 編
とある冬の一日 ④
しおりを挟む【 勇気side 】
真理姉が部屋に荷物を置いて茶の間に入ってきた。
楓
「 他の荷物は、後から送ってくるんですか ?
一応、お布団なら『お客様用』が ありますけど………」
真理愛
「 ニャハハハハハ、実は勝手に留学を取り止めて帰って来たから両親と喧嘩してしまったんだニャ、あまりお金が無いニャ。
お祖母ちゃんが、味方になってくれたから学費と お小遣いは、何とか成ったんだけど………………テヘッ 」
瞳
「 あまりにも無計画過ぎると思うのですが………それほど、仁の事が心配だったのですか ? 」
真理愛
「 友達から(無理やり)聞き出した時には、君たちの存在は知らなかったし、何よりもジットしていられなかったんだニャ 」
勇気
「 なら、しばらくは着替えしか荷物がないの 真理姉 ?」
真理愛
「 …………実は、もう一つ荷物というか、何というか………」
あれだけ自信満々で余裕綽々な感じの真理姉が、口ごもるなんて………と、思っていたら
「 ニャォ~ン ニャォ~ン ニャォ~ン 」
真理姉の部屋から猫の声がしてきた。
「 猫で~すね。 見つけて来ますで~す 」
アリスが声のする方に行ったかと思うと、直ぐに戻って来た………黒猫を抱いて。
「 あちゃー 見つかっちゃったかぁ~。
ねえ~ 仁ちゃん、お願いがあるんだけど………」
「 僕だけじゃなくて、皆に聞かないと駄目だけど 一匹くらいなら猫を飼っても良いと思うよ 」
もちろん、僕は賛成だけど 皆は………聞くまでもなく黒猫に魅了されていた。
「 後は、由利子先生とハルト先生の許可が必用かなぁ~ ?」
………仁は、この場に居ない由利子先生達を心配しているようだけど………
楓
「 仁くんが、良ければ問題なしだよ !アノ二人は、居候なんだから そこまで気にしなくても大丈夫だよ」
最近、由利子先生の扱いが『 雑 』になってきていると思うんだけど、今回は仕方ないよね。
仁
「 子猫みたいだけど、向こうから連れて来たの ? 」
真理愛
「 違うニャ、 ここに来る途中で拾ってきたんだニャ
段ボール箱に、二匹だけ残って居たニャ 」
勇気
「 じゃあ、もう一匹は どうしたの ? 」
真理愛
「 一緒に居た友人が引き取ってくれたニャ 」
楓
「 それじゃあ、名前は 名前は決まっているの ? 」
真理愛
「 まだニャ、 まずは飼って貰う許可を貰おうと思っていたから名前を決めていないニャ 」
仁
「…………真理姉ぇ~…………その『猫語 』は、いつまで続けるの ❓️ 昔は、そんな話し方をしていなかったよね 」
真理愛
「 ニャハハハハハ、意外と気にいっちゃったから もうしばらくは『 猫語 』を使う事にしたにゃ 」
そんな二人のやり取りを聞きながら僕達は、黒猫の名前を考えていたのだった。
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