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中学生 編

とある冬の一日 ①

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【 真理愛まりあside】

   ───菖蒲あやめ学園  高等部  1年B組───

「 やあ やあ  美夏みなつちゃん、
情報提供ありがとネ ! おかげで、仁ちゃんとのコンタクトに成功したよ ! 」

「 ふっ、 我が菖蒲学園情報部にかかれば雑作ぞうさもないことです。」

「 それよりわかっているんでしょうねぇ~
報酬の『 不九家の限定岩シュウ 』の詰め合わせセット
忘れては、困るわよ ! 」

「 わかっている  わかっているよ、由麻ゆまちゃん
アタシは、約束を守る良い娘ちゃんだからね。
既に、予約済みだよ。  だから安心してね 」

「 それなら良いのです。
妹の美冬みふゆも喜ぶでしょう 」

   あの夜叉ヤシャのように悪女顔の美夏ちゃんも
妹の美冬ちゃんの話になると優しい顔になるんだねぇ~。

   アタシがニマニマしながら美夏ちゃんを見ていると

「 ゴホン ゴホン  仕方ないだろう、年の離れた妹は可愛いものなのだからな 」

「 へぇ~  美冬ちゃんは、何年生なのかな ? 
きっと可愛い盛りなんだろうネェ~ 」

「 ウチの学園の小等部の二年生だ。
いいか、妹に手を出したら許さんからな ! 」

「 ニャハハハハハ、 アタシには、仁ちゃんがいるから美冬ちゃんには 興味が無いから安心してちょうだいな」

「その言葉、一応 信じてやる  !    行くぞ、由麻。
我々は忙しいから、これで失礼する 」

   そう言って、美夏ちゃんは去って行った。
いやぁ~  流石、 学園の裏を仕切っている『 竜神峡りゅうじんきょう 四姉妹 』の三女だけあってカリスマが凄いねぇ~。


───────放課後 ──────

【 忠夫side 】

   今日、蛍が仲の良い友達を連れて来ることになっているのだが …………

「   もし、蛍が男の子を連れて来たらどうしよう~ お絹ちゃん
まだ、男女交際は早いよね。   蛍は可愛いから絶対にモテると思うだ !   だけど、反対して蛍に嫌われるのもいやだし、お絹ちゃん  令子さん 上手く蛍に説明してくれるかなぁ~」


「 はい はい   大丈夫ですよ、忠夫さん。
蛍ちゃんが、大好きなお兄ちゃんの事を嫌うなんてありませんから ! 」

令子
「 自分は、アレだけ女の子好きの癖に………本当に妹には弱いわね 」

明日香
「………シスコン ……………デモ  チョッピリ  ウラヤマシイカモ 」


   そんな事を やり取りしていると……

   ピンポーン    ガチャリ

「 ただいまぁ~ 」

「「  おじゃましまぁ~す  」」

   蛍が帰ってきたようだ。

「 お兄ちゃん、ただいまぁ~。  お姉ちゃんたちも、ただいまぁ~。   友達を連れて来たよ  ! 」

   蛍に続いて入って来たのは、二人共 女の子だった。

「 良かったよ、蛍が連れて来たのが女の子だけで………
もし、男の子を連れて来ていたら、兄ちゃんは  兄ちゃんは……」

明日香
「 うわっ、キモッ !    シスコンもここまで極まっていると感心するわね 」


「 はい  はい    オヤツとジュースがあるから、蛍ちゃんもお友達も『 手 』を洗ってきてね 」

「「「 は~い 」」」

   三人共、手を洗いに洗面所に向かった。

忠夫
「 なぁ、  アノ内の一人 誰かに似ている気がするんだが、誰だろう ? 」

令子
「 アンタ、まさか  小学生にまで……………」


「 ……………忠夫さん、後で お話があります 」

明日香
「 アンタ、本当に見境 みさかいがないわねぇ~ !」

忠夫
「 誤解だ !  いや、本当に誰かに似ている気がしただけなんだよ 」

   三人の女の子達の目が痛い !……………理不尽りふじんすぎるぞ !

忠夫
「 そんなに、俺が悪いのか  ! 」

「「「 アンタ(忠夫さん)が、悪い  ! 」」」

   蛍達が、手洗いから戻って来るまで 針のむしろ状態だった。
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