【完結】大江戸くんの恋物語

中学生 編

それぞれの 『夏』 ④

[勇気side]

   明日から新学期だ  ！
僕達は 明日の用意をしていた………と 言っても
クリーニングから帰ってきた制服と 夏休みの宿題を カバンにつめるくらいだけど

   そろそろお昼ごはんを 用意しないといけない
時間だ

   僕が 台所に行くと 既にジンが 天婦羅の用意を
していた

   舞茸、茄子、さつま芋、玉ねぎ、牛蒡ゴボウと人参のかき揚げ  だ  

   楓が お味噌汁を用意していた、具はホウレン草だ

   瞳は ひたすら大根おろしを擦っている

「 ジン  ！  手伝うよ  」

「ありがとう   ユウキ      なら お皿を用意して
くれるかな
   天婦羅を盛るお皿と 天つゆを入れる 『トンスイ』で いいからお願いねぇー  ！ 」

   ジンが 天婦羅を 揚げている………
慣れているなぁー………僕は 油が恐くて 天婦羅を揚げた事はない
   普通に 炒め物なら 炒飯や 麻婆豆腐でも造るんだけどなぁ

   ジンが 揚げた野菜の天婦羅を お皿に盛っていく
    さつま芋の天婦羅を 一つ 摘まみ食いしてみた

   甘くて美味しい………キチンと揚がっている

「 アッー  ！  ズルイよぉ  勇気が 摘まみ食いしているー   私も、私もぉー  ！ 」
    楓に 見られていたかぁ

「 私も 一つだけ 味見をしたい  ！ 」
   瞳が 楓に 続けて言った

   楓が さつま芋、  瞳が 舞茸を 摘まみ食いした
二人共 美味しいのか満足そうだ


   出来上がった料理を 茶の間に運ぶと 由利子先生が 昼寝をしていた………傍らには 缶ビールが
転がっていた………ああいう大人には 成るまい……  

   由利子先生を 起こしてお昼ごはんにした
天つゆに 大根おろしを 多目にいれる

   揚げたての天婦羅をつけて食べると ご飯が
すすむ、時々 自家製の胡瓜きゅうりの ぬか漬けを食べる
    美味しいなぁー

   皆が 食べ終わる頃には 天婦羅のお皿は 綺麗に
かたずいていた

   先生は ご飯の変わりに 缶ビールを お代わり
していたけど 明日から新学期なのに 大丈夫なのかなぁー
   二日酔いとかに成らなければいいけど


[由利子side]

   揚げたての天婦羅には 冷えたビールが 良く合う
ビールが 進むなぁ  グビグビと 飲んでは 天婦羅を食べる………やがて 腹が満たされて 眠気がする
   もう一眠りするかぁ………

[由利子side  終わり]

子供達の 冷たい視線に気付かないまま由利子先生は 昼寝に戻っていった