【完結】大江戸くんの恋物語

中学生 編

瞳ちゃんの ターン と 友人達 ①

   親友   伊予の両親がやっている 釣具店で
レンタルの 釣具セットを 借りて  川にきた


「 瞳ちゃん      何を 釣るの    ？  」

   仁が 初めてだろうか 釣具を確認しながら
聞いてきた


「  恋……………『鯉』だ   ！  」

   落ち着け   私    女は『度胸どきょう』だ

   仕掛けを 確認して 場所を決めた
折り畳みの 小さな椅子を 並べてから 仁を呼んだ

「 仁   あの辺に 針 を落とすんだ 」
緊張しながら 仁が 針をポイントに 落とした


「 そんなに 気合いを入れて 竿を握っていたら
魚が 逃げてしまうぞ  気を抜いて 楽に 持つんだ

そう   楽に   楽に   」



[伊予side]

   やってる  ！  やってる  ！

だけど 釣りかぁ …………瞳らしい と言えば らしいんだけど もう少し 色気のある選択が 出来ないものかねぇ

「 頑張っているねぇ   瞳
珍しく 緊張しているよ   ！  」

「 瞳 も 乙女だったんだねぇ
うん  うん   私    感動しちゃた   ！  」

   聖子 と 秋奈も 一緒に見守っている
そう 見守っているのだ……けっして 面白がっている
訳ではない

「 あの 勇気が 一番リードしているからねぇ～
瞳も 焦るでしょうよ 」
   私が 言うと

「 そうだよね！   全く 色恋ごとに興味が 無かった
勇気が ああなるとは 私も 予想外だよ 」
   聖子の意見に同意してしまう

「 変われば 変わるもんだよね
いまじゃぁ    完全に 恋する乙女だもんね 」
   秋奈は 嬉しそうに言っている

   聖子 も秋奈も 勇気とは親友同士だから 心配してた
んでしょう


「 だけど  勇気に 先を越されるなんて ショクだよ」

「 私も  私も   勇気にだけは 負けないと 思っていたのに 私も カズくん（和彦かずひこ………秋奈の恋人候補）に アプローチしないと ダメだよね 」


「 伊予も 博人ひろとに アタックしないと
他の女に とられちゃうわよ   ！ 」


「 そういう 聖子こそ マー君（正雄……マサオ）とは
 進んでいるの～   ？   」

  



   私達が 騒いでいると  瞳が こちらを睨んでいた

やばぁ～    私達は 両手を 合わせて 謝った

   仁くんには 気付かれていないようね
釣りに 集中しているからかな

   とりあえず 私達は 撤退した