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04.まだ、続いています
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断罪の処罰についての駄目出しが一通り終わり、カロリーナ様も満足気だったのですが、ふと、我に返ったお顔をされました。
あ、これは、話し過ぎたと思ったのでしょうか。
もしくは、カロリーナ様のスペックが高すぎるが故の偏った意見だったことに気づかれたのでしょうか。
いえ、わたくしはカロリーナ様のご意見もアリだと思っておりますよ?
本当に何にでも対応できる方なのだと、ますます尊敬してしまいます。
優秀過ぎる推し、素敵ですわ。
「それはそうと、そちらのご令嬢は平民とのことなのですが」
気を取り直したように、カロリーナ様が新たなお話を始められたのですが。
身分の話が出たからでしょうか。
王子たちがいきり立っているのが見えます。
「この国で王妃になれるのは、伯爵以上の爵位を持つ家のご令嬢だけだというのは御存じでして?」
ああ、身分違いを糾弾するのではなく、王妃になるための条件のお話ですね。
そんなことまで教えてあげるだなんて、カロリーナ様はなんてお優しい方なのでしょう。
ただ、そう言ったことは既にご存じなのではないでしょうか。
平民はわかりませんが、貴族であれば、知っているお話だと思うのですが。
あら。まさかの驚愕顔をされている方がいらっしゃいますね。
一体、どんな教育を受けてきたのでしょう。
「養子になるにしても、根回しが大変でしてよ?」
そうですよね。
王子の後ろ盾にもならなくてはいけませんから、それなりの財力と権力が必要ですよね。そのような家に養子にしてもらうとなれば、根回しは必須です。
カロリーナ様の弟君が王子の取り巻きですから、シュヴィレール公爵家に養子に出す、という手があるのかもしれませんが、了承いただけますかね?
「まあ、そんなことは勿論、想定していらっしゃるでしょうけど」
いえ、王子たちのお顔を見る限り、全く考えていなかったようです。
「後ですね、実は、王妃教育には最後に試験がございますのよ?わたくしも、つい先日合格したばかりなんですけれど、今から教育を受けたら、試験に合格するのはいつになることでしょうね?」
ああ、そうだったのですね。
王妃になるためには、礼儀作法はもちろんのこと、教養も必要ですしね。
それも、自国だけでなく周辺諸国の事まで学ばなくてはなりませんよね。
きちんと身についているかを試験して確かめるだなんて、この国の王家はなかなかに厳しいようです。しかも、カロリーナ様がやっと合格できたなんて、どんなに難しかったことでしょう。
あのヒロインには、きっと無理ですわね。
学園の試験でさえ、あまり良い成績を修めていませんでしたから、合格はおろか、最初の数日で逃げ出してしまいそうです。
「ああ、そうそう。王妃になるための条件は他にもありますのよ?婚姻時には純潔でなくてはいけないのです。ご存じでして?まあ、これは、王妃に限らず、王子の妃ならば皆そうなのですけれど」
それは、もちろん当然ですよね。
結婚前から不純な関係というのもいただけないですが、誰の子がわからないような御子を身籠っていたら、それこそ大変ですから。
王家を継ぐ者が他所の血の者だなんてことは、避けなくてはなりません。
「ですが、そちらのご令嬢は随分と奔放な方のようですわ。同時に複数の男性とお付き合いするだなんて、好色が過ぎましてよ?」
ああ、確かに、ヒロインは逆ハー狙いでした。
あちこちで都合のいいことを言いまくっていましたね。
結構あからさまだったと思うのですが、王子も取り巻きも驚いた顔でヒロインを見ているということは、気づいていなかったのでしょうか。
随分とおめでたいことでございますわね。
「しかも、方々で自由に楽しみながらも、実際に関係を持ったのは、殿下と同じ金髪碧眼の男性だけだなんて、よく考えましたわね?」
まあ!なんてことでしょう。
これには、わたくしもさすがに言葉を失いますわ。
実際に生まれた御子の目と髪の色が王子と同じであれば、王子の子でなくとも、王子の子だと誤魔化せる、ということですよね?
学業の成績は残念でしたのに、そんなところは計算高いのですね。
王子は絶句したまま、さっきよりも目を見開いてヒロインを見ていますし、金髪碧眼であるカロリーナ様の弟君は顔を青くしています。
これは、黒、ですね。
今、取り巻きとして後ろに控えてはいませんが、確か、騎士にもそのような色合いの方がいらっしゃったと思いますし、この様子では、わたくしが知らない人とも関係がありそうですわ。
そんな娼婦のようなヒロインですが、彼女は顔を赤くして、また反論をしようとしているようです。
「そんなに噛みつくようなお顔をなさらないでくださいな。証拠もありますから、言い逃れはできませんわよ?」
そのような証拠は見たくもありませんが。
やっぱり、さすがカロリーナ様ですね。
抜かりありません。
「もしや、証拠があることに驚いているのですか?一体、何を驚くことがあるのです。殿下に付きまとう女性にも影が付いているに決まっているでしょう?貴方の生活だって筒抜けですわよ」
あああ。影の皆さま、本当にご苦労様でございますわね。
見たくもないものまで見なくてはいけないお仕事って、本当に大変だと思います。
「そちらのご令嬢が純潔を失っていることは明白なのですわ。となれば、王妃になることはできませんわね?」
王妃教育を受けるまでもなく、ここでばっさりと切られましたね。
でも、自業自得です。
「ですから、殿下。彼女を新たな婚約者として迎えるのであれば、王位継承権を放棄して、王籍から抜けなくてはなりませんわ。臣籍降下ならまだしも、平民に落とされてしまったらそれこそ大変ですわね?今のような生活はできませんことよ?」
王子もばっさりと切られました。
本来は、平民を娶るとなればそのくらいは覚悟の上だと思うのですが、王子はまったく想定していなかったようですね。
これ以上ないくらいに目を見開いて固まっています。
「皆さまの今日の計画がいかに馬鹿げていて、無意味だったことか、ある程度はご説明できたと思うのですけれど、ご理解いただけましたかしら?」
わたくしは、始まる前から理解しておりましたが、カロリーナ様のおかげで、理解を深めることができましたわ。
ありがとうございます。
それにしても、乙女ゲームというのは、本当に現実的ではありませんね。
貴族社会についての常識が全く考慮されていないのですから。
前世ではゲームを楽しみましたが、やっぱりあれは妄想の世界なのです。
妄想ならば、いくらでもあり得ないことが起きても構いませんが、リアルではそうはいかないということですよね。
ヒロインもこの世界で生活していたならば、それに気づくべきでした。
あ、これは、話し過ぎたと思ったのでしょうか。
もしくは、カロリーナ様のスペックが高すぎるが故の偏った意見だったことに気づかれたのでしょうか。
いえ、わたくしはカロリーナ様のご意見もアリだと思っておりますよ?
本当に何にでも対応できる方なのだと、ますます尊敬してしまいます。
優秀過ぎる推し、素敵ですわ。
「それはそうと、そちらのご令嬢は平民とのことなのですが」
気を取り直したように、カロリーナ様が新たなお話を始められたのですが。
身分の話が出たからでしょうか。
王子たちがいきり立っているのが見えます。
「この国で王妃になれるのは、伯爵以上の爵位を持つ家のご令嬢だけだというのは御存じでして?」
ああ、身分違いを糾弾するのではなく、王妃になるための条件のお話ですね。
そんなことまで教えてあげるだなんて、カロリーナ様はなんてお優しい方なのでしょう。
ただ、そう言ったことは既にご存じなのではないでしょうか。
平民はわかりませんが、貴族であれば、知っているお話だと思うのですが。
あら。まさかの驚愕顔をされている方がいらっしゃいますね。
一体、どんな教育を受けてきたのでしょう。
「養子になるにしても、根回しが大変でしてよ?」
そうですよね。
王子の後ろ盾にもならなくてはいけませんから、それなりの財力と権力が必要ですよね。そのような家に養子にしてもらうとなれば、根回しは必須です。
カロリーナ様の弟君が王子の取り巻きですから、シュヴィレール公爵家に養子に出す、という手があるのかもしれませんが、了承いただけますかね?
「まあ、そんなことは勿論、想定していらっしゃるでしょうけど」
いえ、王子たちのお顔を見る限り、全く考えていなかったようです。
「後ですね、実は、王妃教育には最後に試験がございますのよ?わたくしも、つい先日合格したばかりなんですけれど、今から教育を受けたら、試験に合格するのはいつになることでしょうね?」
ああ、そうだったのですね。
王妃になるためには、礼儀作法はもちろんのこと、教養も必要ですしね。
それも、自国だけでなく周辺諸国の事まで学ばなくてはなりませんよね。
きちんと身についているかを試験して確かめるだなんて、この国の王家はなかなかに厳しいようです。しかも、カロリーナ様がやっと合格できたなんて、どんなに難しかったことでしょう。
あのヒロインには、きっと無理ですわね。
学園の試験でさえ、あまり良い成績を修めていませんでしたから、合格はおろか、最初の数日で逃げ出してしまいそうです。
「ああ、そうそう。王妃になるための条件は他にもありますのよ?婚姻時には純潔でなくてはいけないのです。ご存じでして?まあ、これは、王妃に限らず、王子の妃ならば皆そうなのですけれど」
それは、もちろん当然ですよね。
結婚前から不純な関係というのもいただけないですが、誰の子がわからないような御子を身籠っていたら、それこそ大変ですから。
王家を継ぐ者が他所の血の者だなんてことは、避けなくてはなりません。
「ですが、そちらのご令嬢は随分と奔放な方のようですわ。同時に複数の男性とお付き合いするだなんて、好色が過ぎましてよ?」
ああ、確かに、ヒロインは逆ハー狙いでした。
あちこちで都合のいいことを言いまくっていましたね。
結構あからさまだったと思うのですが、王子も取り巻きも驚いた顔でヒロインを見ているということは、気づいていなかったのでしょうか。
随分とおめでたいことでございますわね。
「しかも、方々で自由に楽しみながらも、実際に関係を持ったのは、殿下と同じ金髪碧眼の男性だけだなんて、よく考えましたわね?」
まあ!なんてことでしょう。
これには、わたくしもさすがに言葉を失いますわ。
実際に生まれた御子の目と髪の色が王子と同じであれば、王子の子でなくとも、王子の子だと誤魔化せる、ということですよね?
学業の成績は残念でしたのに、そんなところは計算高いのですね。
王子は絶句したまま、さっきよりも目を見開いてヒロインを見ていますし、金髪碧眼であるカロリーナ様の弟君は顔を青くしています。
これは、黒、ですね。
今、取り巻きとして後ろに控えてはいませんが、確か、騎士にもそのような色合いの方がいらっしゃったと思いますし、この様子では、わたくしが知らない人とも関係がありそうですわ。
そんな娼婦のようなヒロインですが、彼女は顔を赤くして、また反論をしようとしているようです。
「そんなに噛みつくようなお顔をなさらないでくださいな。証拠もありますから、言い逃れはできませんわよ?」
そのような証拠は見たくもありませんが。
やっぱり、さすがカロリーナ様ですね。
抜かりありません。
「もしや、証拠があることに驚いているのですか?一体、何を驚くことがあるのです。殿下に付きまとう女性にも影が付いているに決まっているでしょう?貴方の生活だって筒抜けですわよ」
あああ。影の皆さま、本当にご苦労様でございますわね。
見たくもないものまで見なくてはいけないお仕事って、本当に大変だと思います。
「そちらのご令嬢が純潔を失っていることは明白なのですわ。となれば、王妃になることはできませんわね?」
王妃教育を受けるまでもなく、ここでばっさりと切られましたね。
でも、自業自得です。
「ですから、殿下。彼女を新たな婚約者として迎えるのであれば、王位継承権を放棄して、王籍から抜けなくてはなりませんわ。臣籍降下ならまだしも、平民に落とされてしまったらそれこそ大変ですわね?今のような生活はできませんことよ?」
王子もばっさりと切られました。
本来は、平民を娶るとなればそのくらいは覚悟の上だと思うのですが、王子はまったく想定していなかったようですね。
これ以上ないくらいに目を見開いて固まっています。
「皆さまの今日の計画がいかに馬鹿げていて、無意味だったことか、ある程度はご説明できたと思うのですけれど、ご理解いただけましたかしら?」
わたくしは、始まる前から理解しておりましたが、カロリーナ様のおかげで、理解を深めることができましたわ。
ありがとうございます。
それにしても、乙女ゲームというのは、本当に現実的ではありませんね。
貴族社会についての常識が全く考慮されていないのですから。
前世ではゲームを楽しみましたが、やっぱりあれは妄想の世界なのです。
妄想ならば、いくらでもあり得ないことが起きても構いませんが、リアルではそうはいかないということですよね。
ヒロインもこの世界で生活していたならば、それに気づくべきでした。
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