上 下
2 / 7

02.父は、娘を心配する ―― side アナスタシア父

しおりを挟む
 アナスタシアがビクトルに婚約破棄を言い渡されている頃、アナスタシアの父であるムーンレイ伯爵家当主のバーナードは、夜会には出席せずに自邸で雑務を片付けていた。

 本日中にやらなくてはならない仕事は終わっているが、息子と娘に夜会を任せてしまった手前、自分だけ寛ぐのも気が引けて机に向かっていたのだが、使用人たちが動き始めた気配を感じて、バーナードは顔を上げた。

 息子たちが出かけてからは二時間も経っておらず、彼らが帰宅するにはまだ早いとは思うのだが、何かあったのだろうか。そう思って立ち上がりかけたところで、執務室のドアがノックされ、入室を許可すると、執事のジョンが入ってきた。

「お仕事中、失礼いたします。お嬢様がお戻りになりました」
「アナも夜会に行っていたのではないのか?随分と戻りが早いな」
「ええ、そうなのですが、旦那様にお話があるということでして」
「私に話?」
「はい。そう仰っておりました。ただ、お疲れのようでしたら、明日でも構わないということでしたが」
「そうか……。夜会を早々に抜け出してまで話したいことがあるというならば、急いだほうがいいだろう。ここに通してくれ」
「畏まりました」

 親の自分が言うのも何だが、早くに妻を亡くしたこともあり、子供の教育には行き届かないことも多かったというのに、娘のアナスタシアはよくできた子で、貴族としての在り方もきちんと弁えている。
 だから、夜会に行くともなれば、自分の役割をきちんと果たすため、見知った人たちへの挨拶や情報収集を怠ることはないのだが、こんなに早く帰ってくるとは。一体、何があったのだろうか。

 バーナードは娘の行動に嫌な予感を覚えながらも、アナスタシアを執務室に通したのだが、案の定、娘の表情は硬く、嫌な予感が当たったことを確信する。

「お父様、お疲れのところ、申し訳ありませんわ」
「いや、構わない。それよりも、こんなに早く夜会から帰ってくるだなんて、何かあったのか?」
「はい。あの、大変申し上げにくいのですけれど……。ビクトル様に婚約破棄を言い渡されました」
「……………は?」

 一瞬、娘が言ったことが理解できず、反応が遅れてしまったうえに、間抜けな声を出してしまった。

 バーナードは、てっきり、夜会での情報収集の過程で、我が家が経営している商会の商品に問題があったとか、残念なことではあるが、見知った人たちに何か不幸があったといった、当主である自分がすぐに動いたほうがいいだろう案件が発生したのだと思っていたのだ。
 いや、婚約を破棄されたとなれば、バーナードが動く案件ではあるのだが。

 アナスタシアの婚約相手はワイズ侯爵家の嫡男であり、将来的に侯爵夫人となるとあって、アナスタシアは学園の休みの度に侯爵家にお邪魔して花嫁修業をしていたはずだ。バーナード自身も時々侯爵夫妻と話をするが、娘のことを気に入ってくれているようで安心していたところだったのだが、ここにきて婚約破棄とは、どういうことなのだろうか。

「あの、わたくしが説明するよりも、どのようなことがあったのかを見ていただいたほうが早いと思いまして、帰りがけに王宮の警備室に寄って映像をお借りしてきましたの。ちょうど、録映機を設置していた場所での出来事でしたので」

 録映機とは、息子のブライアンとアナスタシアが共同開発した、目の前で起きた出来事を記録することができる画期的な魔道具だ。
 音声も記録されるため、過去の出来事をそっくりそのまま再現させることが可能とあって、その有効性は計り知れない。

 元々は、バーナードが高位貴族に言い逃れをされてしまったときに、今後の対策として、会話を録音できる魔道具を作ったことが始まりだった。
 その録音機のおかげで、言った言わないという、くだらない言い争いをすることがなくなって大変ありがたかったのだが、音を記録できるのであれば、目に映るものも記録することができるのではないか、とアナスタシアが言い始めて、ブライアンと知恵を出し合って完成させたのがこの録映機である。

 そして、先般、陛下に献上していたのだが、忍び込む不届き者を捕えるために、王宮のあちこちに設置することになったと聞いたのは記憶に新しい。
 試験的な設置ではあるが、かなりの数を購入いただき、設置にも立ち会ったのだが、まさか、娘が婚約を破棄された場面を記録していたとは。

 役に立ったと言えばそうなのだが、内容的に喜ぶ話でもないため、バーナードは、苦虫を咬み潰したような、何とも言えない顔をしてしまった。

「王宮の中庭で言い渡されてしまいましたの」

 なるほど。確かに、中庭に録映機を設置した記憶はある。
 だが、そんな場所で婚約を破棄するなど、ビクトルは一体何を考えているのか。

 そうは思いながらも記録された映像を確認して、バーナードは再度言葉を失うことになる。

「なんてことだ……」
「実は、この二人が仲睦まじいことは学園でも有名なんですの。ビクトル様に忠言したこともあるのですが、聞き入れていただけなくて。結局、このようなことになってしまいまして、本当に申し訳ありません」

 今日は本当に、まさか、の連続だ。
 バーナードはビクトルが不貞を犯していたとは夢にも思っていなかった。
 更に聞けば、ビクトルは、アナスタシアを随分と蔑ろにしていたらしい。

 アナスタシアの婚約は、侯爵家との縁を結べるとあって我がムーンレイ伯爵家にも利がないわけではないが、元々は、侯爵家からの打診による婚約だ。

 財政難だった侯爵家が、商売が順調で財力を蓄えていた我が家に目を付けたわけだが、援助の額は我が家を困窮させるほどのものではなかったし、財政難に陥ったのも先代の侯爵夫人が浪費家だったためであって、現侯爵夫妻は真面目に立て直しを図っていたから、アナスタシアの苦労も長くは続かないと踏んでの婚約だった。

 しかも、アナスタシアは、侯爵領の民のために様々な魔道具を開発しており、自動で畑を耕す魔道具である耕運機をはじめ、自動で糸を紡ぐ機械や自動機織り機などによって侯爵領にも活気が出てきたところだったのだ。
 先の天候不順では大打撃を受けたものの、領地経営自体はうまく行き始めていたのだから、時間はかかるだろうが侯爵家が巻き返す兆しも見えていたのに。

 それなのに、婚約者当人であるビクトルに問題があったとは。
 アナスタシアからはこれまで不平不満を聞いたことがなかっただけに、情報収集を怠っていた自分の不甲斐なさに、バーナードは嘆息した。

「どうして、今まで言ってくれなかったんだい?」
「申し訳ありません。学園を卒業すれば、ビクトル様も目が覚めるかと思っていたのですが、甘かったようです」
「そうか……。相談にも乗れなくて悪かったね」
「いえ、わたくしの見通しが甘かっただけですから。あの、勢いで婚約破棄を受け入れてしまったのですが、我が家に損失はありますか?」
「いや、問題はないよ」

 バーナードが即答した通り、実際のところ、ワイズ侯爵家との縁がなくなってもムーンレイ伯爵家は特に困ることはない。
 商売のおかげで我が家の顔も広くなってきたし、息子の婚約者であるレイチェル嬢は同じ伯爵家の令嬢であるが、かなりの情報通のため、それだけでも我が家にとっては願ってもない縁なのだ。

 だから、ムーンレイ伯爵家としては娘の婚約がなくなっても構わないのだが、バーナードは、むしろ、娘のほうが心配だった。

「我が家のことは気にしなくていい。だが、その、アナは大丈夫か……?」
「……何がですの?」
「いや、その……、ショックだったのではないかと思ってな。好きな相手に裏切られるは辛いだろう?」
「好きな相手?それこそ何のことですの?」
「は?アナは、ビクトル君のことを慕っていたのではないのか?」
「わたくし、そんなことを言ったことがありましたかしら」

 バーナードとしては、傷ついているだろう娘を慮ったつもりだったのだが、娘の反応が思いも寄らぬもので、困惑した。

「毎週のように、暇があればワイズ家に行っていただろう?ビクトル君に会いたくて行っていたのではないのか?」
「まさか!確かに頻繁に伺っておりましたが、ビクトル様に会うことはほとんどありませんでしたわ。夫人からしきたりを学び、侯爵から領地経営を学んでおりました。そもそも、わたくしが侯爵家にお邪魔している間、ビクトル様はいらっしゃらなかったのではないかしら。よく外出されていたようですわ」

 なんてことだ。
 先程、ビクトルに蔑ろにされていたとは聞いたが、アナスタシアは週末になると身なりを整えていそいそと出掛けていたから、てっきりビクトルに会いに行っていると思っていたバーナードは、実態を聞いて驚いた。

「侯爵家は古くからある由緒正しいお家だけあって、しきたりも初めて聞くものが多かったんですのよ。古き良き時代のお話を聞くのは楽しかったですわ。それに、ワイズ侯爵領は本当に大変なのです。それを何とかしようと画策されている侯爵様のお話も、物凄く為になりましたわ。新しい魔道具のヒントがたくさんあって!」

 活き活きと話をしてくれるのはいいのだが、話の内容は何かがおかしいと思う。
 そうは思うが、バーナードは自身の心身への負担を考えて、それ以上の思考を放棄して話を進めることにした。

「そ、そうか……。アナは、婚約を破棄して本当に構わないんだね?」
「破棄よりも解消のほうがいいと思うのですけれど、ビクトル様は破棄したいようでしたわ」

 言及するところはそこなのか。
 まあ、確かに、娘が言うことも一理あるのだが、バーナードが聞きたかったことはそれではなかった。

 とはいえ、そんな話ができるのであれば、娘もそこまで傷ついてはいないのだろうと、バーナードも少しだけホッとしたのだが。

「あ、そうですわ。ワイズ家で知り得た情報を悪用しないことを誓いますので、それを婚約破棄条項に加えていただけますか?」

 続いた話は物凄く事務的だった。
 バーナードは、そろそろ父として色々なことが不安になってきたのだが、悪くないと思っていた娘の婚約が、実は娘を傷つけていたことを知って申し訳ない気持ちでいっぱいだったため、否定することも意見することもなく、娘の話をそのまま受け入れることにした。

「あ、ああ。わかった。諸々の書類を用意して、ワイズ家に話を通しておこう」
「ありがとうございます。それはそうと、お父様。大変今更なのですが、今回のことで、わたくしは傷物となってしまいました。我が家にもご迷惑をおかけすることになりまして、本当に申し訳ありませんわ」

 まさか、そんなことを気にしていたとは。
 先程から何度も謝られているが、この婚約を取り決めたのはバーナードなのだし、娘に任せっきりで状況確認を怠っていた自分にも落ち度があったのだから、逆にバーナードの方が謝罪したいくらいである。

「そんなことを気に病む必要はない。まあ、確かにそう言う輩もいるだろうが、こちらに非はないのだから。今回の件は全面的にビクトル君の有責だよ」
「ビクトル様の瑕疵、ということに異論はありませんが、傷物は傷物ですわ。ですから、わたくし、貴族令嬢として、婚姻という形ではお役に立てませんでしたが、別の形でがんばりたいと思っております」

 今度は一体何を言い始めるのか。
 今日は思わぬ話の連続で、次は何の話かと内心は戦々恐々なのだが、話だけは聞いておこうとバーナードは娘の次の言葉を促した。

「と、言うと?」
「財力の確保の面でお役に立てるようにがんばる所存ですわ」

 財力の確保とは。
 それは、娘も商会を持ちたいということだろうか。
 傷心の娘のために、できるだけ娘の意向に沿うようにしてあげたいと思っているバーナードは、娘の話を聞き漏らさないように耳を傾けた。

「これまでも魔道具の開発を試みてきましたが、これからはより一層、その開発に励みたいと思いますの」
「…………そうか」
「録映機や録音機は王宮の方々にも好評をいただいておりますわ。ワイズ侯爵領で使っている耕運機や紡績機、機織り機も大変喜ばれております。そのような魔道具の有効性ももちろんわかっているのですが、わたくし、もっと身近な生活設備にこそ、魔道具の価値があると思っているんですの!」
「………なるほど」
「今よりももっと手軽に灯りを点すことができるようになったり、もっと簡単にお湯を沸かせたり、お料理をすることができたらいいと思いますのよ。お掃除だって、もっと手早くきれいすることができるようになれば、喜んでくれる人も多いと思うのです。ですから、」
「うん。アナ、そうだね。その通りだと思うよ」

 語り始めた娘の顔が、今まで見たこともないくらいに輝いている。
 放っておいたら、アナスタシアが今考えていることを朝まで語りかねないと思ったバーナードは、さすがに話を打ち切った。

「まあ!さすがお父様ですわ!わかっていただいて嬉しいです。では、わたくしも、結婚はできなくとも魔道具に生涯を捧げることを誓いますわ!」

 いや、バーナードとしては、生活魔道具が有効だということについて理解を示したつもりだったのだが、どうやら、娘は、魔道具造りに励むことを了承してもらったと受け取ったようだ。

 確かに、婚約がなくなり、ほとぼりが冷めるまでは好きなことをさせてあげようとは考えていたが、さすがに生涯独身を通されるとは思ってもいなかった。

「アナはもう結婚しないつもりなのかい?」
「はい。傷物のわたくしでは、我が家にご迷惑をおかけする婚姻しか望めないと思いますもの。ですから、結婚ではなく、仕事でお返ししたいと思うのですわ」

 きっぱりと言い切られ、バーナードは、娘の将来がかなり心配になってきた。
 今回は残念だったにしろ、娘には幸せな結婚をしてほしいと思っているのだ。

 だが、今は娘を止められる自信がない。この件については、時期を見てまた改めて話そうと思い、バーナードは今日のところはここで話をやめることにした。

「そうか。今日はアナも疲れただろう?後は私がやっておくから、アナはゆっくりと休んでくれ」
「はい。ありがとうございます。お任せしてしまって申し訳ありません。お父様も早くお休みくださいね」
「ああ、ありがとう」

 そう言って娘を執務室から送り出したものの、バーナードは、すぐにペンを取って婚約を解消するための書類を作り始めた。

 これまでは、婚約相手が格上の侯爵家だったから強く出れなかったが、娘から実態を聞いた後ではそうはいかない。娘にされた仕打ちを聞いて黙っている父親ではないのだ。

 今回のことはビクトルの暴走だろうし、侯爵夫妻としては、援助のこともあって婚約破棄を阻止しようとするだろう。

 だが、それが何だというのか。
 何としてでも、今回の婚約話をなかったことにしてやろうと誓ったバーナードは、恐ろしいスピードで必要書類を揃え、翌朝の早馬に乗せるべく、侯爵夫妻への手紙を認めた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

もう、終わった話ですし

志位斗 茂家波
ファンタジー
一国が滅びた。 その知らせを聞いても、私には関係の無い事。 だってね、もう分っていたことなのよね‥‥‥ ‥‥‥たまにやりたくなる、ありきたりな婚約破棄ざまぁ(?)もの 少々物足りないような気がするので、気が向いたらオマケ書こうかな?

悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。

三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。 何度も断罪を回避しようとしたのに! では、こんな国など出ていきます!

貧乏男爵家の末っ子が眠り姫になるまでとその後

空月
恋愛
貧乏男爵家の末っ子・アルティアの婚約者は、何故か公爵家嫡男で非の打ち所のない男・キースである。 魔術学院の二年生に進学して少し経った頃、「君と俺とでは釣り合わないと思わないか」と言われる。 そのときは曖昧な笑みで流したアルティアだったが、その数日後、倒れて眠ったままの状態になってしまう。 すると、キースの態度が豹変して……?

【完結】ああ……婚約破棄なんて計画するんじゃなかった

岡崎 剛柔
恋愛
【あらすじ】 「シンシア・バートン。今日この場を借りてお前に告げる。お前との婚約は破棄だ。もちろん異論は認めない。お前はそれほどの重罪を犯したのだから」  シンシア・バートンは、父親が勝手に決めた伯爵令息のアール・ホリックに公衆の面前で婚約破棄される。  そしてシンシアが平然としていると、そこにシンシアの実妹であるソフィアが現れた。  アールはシンシアと婚約破棄した理由として、シンシアが婚約していながら別の男と逢瀬をしていたのが理由だと大広間に集まっていた貴族たちに説明した。  それだけではない。  アールはシンシアが不貞を働いていたことを証明する証人を呼んだり、そんなシンシアに嫌気が差してソフィアと新たに婚約することを宣言するなど好き勝手なことを始めた。  だが、一方の婚約破棄をされたシンシアは動じなかった。  そう、シンシアは驚きも悲しみもせずにまったく平然としていた。  なぜなら、この婚約破棄の騒動の裏には……。

悪役令嬢のわたしが婚約破棄されるのはしかたないことだと思うので、べつに復讐したりしませんが、どうも向こうがかってに破滅してしまったようです。

草部昴流
ファンタジー
 公爵令嬢モニカは、たくさんの人々が集まった広間で、婚約者である王子から婚約破棄を宣言された。王子はその場で次々と捏造された彼女の「罪状」を読み上げていく。どうやら、その背後には異世界からやって来た少女の策謀があるらしい。モニカはここで彼らに復讐してやることもできたのだが――あえてそうはしなかった。なぜなら、彼女は誇り高い悪役令嬢なのだから。しかし、王子たちは自分たちでかってに破滅していったようで? 悪役令嬢の美しいあり方を問い直す、ざまぁネタの新境地!!!

婚約破棄されてしまった件ですが……

星天
恋愛
アリア・エルドラドは日々、王家に嫁ぐため、教育を受けていたが、婚約破棄を言い渡されてしまう。 はたして、彼女の運命とは……

私の代わりが見つかったから契約破棄ですか……その代わりの人……私の勘が正しければ……結界詐欺師ですよ

Ryo-k
ファンタジー
「リリーナ! 貴様との契約を破棄する!」 結界魔術師リリーナにそう仰るのは、ライオネル・ウォルツ侯爵。 「彼女は結界魔術師1級を所持している。だから貴様はもう不要だ」 とシュナ・ファールと名乗る別の女性を部屋に呼んで宣言する。 リリーナは結界魔術師2級を所持している。 ライオネルの言葉が本当なら確かにすごいことだ。 ……本当なら……ね。 ※完結まで執筆済み

【完結】6歳の王子は無自覚に兄を断罪する

土広真丘
ファンタジー
ノーザッツ王国の末の王子アーサーにはある悩みがあった。 異母兄のゴードン王子が婚約者にひどい対応をしているのだ。 その婚約者は、アーサーにも優しいマリーお姉様だった。 心を痛めながら、アーサーは「作文」を書く。 ※全2話。R15は念のため。ふんわりした世界観です。 前半はひらがなばかりで、読みにくいかもしれません。 主人公の年齢的に恋愛ではないかなと思ってファンタジーにしました。 小説家になろうに投稿したものを加筆修正しました。

処理中です...