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元彼上司に引き渡されたわたし

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心菜ちゃんが女性らしい格好に目覚めくれてわたしは嬉しかった。
クローゼットの奥にしまっておいたバストがきつくて着れないワンピースとブラウスを出してきて、心菜ちゃんの愛される女性に変貌させるプロジェクトを1人企んだ。

アンダーバストは62cmなのにトップバストが92cmもあるIカップもあるわたしの胸。
この胸のせいで細身のワンピースが似合わなくて着たい服が着れなくて、クローゼットの中に12着ほどコレクション化した可愛い服が眠ってる。

心菜ちゃんがこの服を着てくれると思うと箪笥の肥やしじゃなくなり無駄遣いだけど役に立つから嬉しい。

明日の土曜日、心菜ちゃんの服を買いに名古屋駅付近のショップ巡りをする事にしてる。
このブラウスに合うスカートとパンプスと、たぶんサイズが合ってない下着を購入してと、わたしはあれこれ企んでた。

次の日、名古屋駅付近のショップを巡る。まず先に下着メーカーの最大手【ワコーム】で心菜ちゃんの下着を購入。
心ちゃん、アンダーバストが65cmのトップバストが80cmでCカップなのに、70Aのブラをつけてた。
谷間がない事を嘆いてたけど、ブラのサイズを間違えてたからだった。

名古屋にはわたしの好きなブランドのショップが無いから、色々回って色違いのお揃いで3枚スカートを購入し、心菜ちゃんの女性らしい服に合うパンプスをシャネルで一足購入して買い物を終えた。

「お腹すいたね。味噌カツを食べに行こう!!」

名古屋駅周辺のショッピングモールとデパート内をランチを取らずに歩き回りお腹が空いたから、17時過ぎに味噌カツが有名な居酒屋に入って早い夕食を食べる事にした。

17時過ぎに店内に入ったからまだ行列はできてなく、すぐに席に座れた。

味噌カツ丼と手羽先を注文しようとしたら、トミタの益田くんが心菜ちゃんの想い人の真宮主任を連れて食べにきてた。
京都大学の工学部の博士課程卒業の益田くん。真宮主任と大学時代からの親友らしく、週末につるんでるらしい。

久しぶりに会った益田くんはまだ30歳なのに髪の毛が寂しくなり、お腹も出ていた。
隣にいる中性的な整った顔立ちをしてるアンドロイド真宮主任は、高身長で身体つきもすらっとしてる。
もちろん、髪の毛もふさふさ。
益田くんを見て、思わず、『老けたね』と言ってしまった。

益田くんだけだったら飲み会の提案はお断りするところだけど、心菜ちゃんの意中の人、真宮主任がいるから、4人で飲み会をする事にした。

昨晩、心菜ちゃんをどう変身させるかを考えて、それが楽して興奮して眠れなかったわたし。

元々アルコールに弱いのに、塩辛い料理ばかりで喉が渇くからと酎ハイとサワーを5杯も飲んでしまい、潰れてしまった……。

心菜ちゃんがノンアルコールドリンクを勧めてくれたのに、それを無視してお酒を飲んだわたし、なんとかタクシーまでは歩いて乗り込んだけど、すぐに意識を飛ばして眠ってしまった。

タクシーの中で眠ってしまったわたし。
誰かに抱きしめられてる感覚で嫌な予感がして目を開く……。

「結弦。なんでわたし、また、結弦のうちで結弦に抱きしめられて寝てるわけ?」

「……タクシーの中で理子が寝ちゃって連れて上がるのに心菜ちゃんに呼ばれたの。で、心菜ちゃんは真宮くんと2人きりになりたそうだったから、俺が気を利かせて理子をここに連れてきた」

タクシーに乗るまでの事を思い出す。

益田くんは土橋駅付近に住んでいるからJRで帰宅し、真宮主任はわたし達と同じ刈谷駅付近に住んでるから一緒にタクシーに乗った。

「真宮くんがいるのにわざわざ理子を担いで連れて上がるのに俺を呼んだのは、たぶん真宮くんに自分以外の女性を抱き上げさせたくなかったんだろうな。心ちゃん、相当、真宮くんの事が好きだろう。あの子わかりやすいからすぐにわかった。真宮くんも満更でも無さそうだし、2人今頃、できあがってるんじゃないかな」

確かに真宮主任、飲み会の時に心菜ちゃんをずっと見つめてた。
しかも、いつものアンドロイドみたいな無表情ではなく、愛しい人を見つめる目だった。

「……だからと言って、なんで結弦のうちに連れて行かれて結弦に抱きしめられて寝ないといけないわけ?」

「理子、いい加減、素直になれよ。俺を拒絶してるつもりかもしれないけど、ただ子供みたいにムキになって自分の気持ちを誤魔化してるだけだろ。理子は本心は俺の事をまだ好きなはずだ」

結弦に抱きしめられたままの顔の位置が近い状態で真剣な表情で結弦に言われ、ドキッとしてしまった。

「理子、いい加減、俺を受け入れて。そして、結婚しよう」

結弦がわたしと寄りを戻したくてデルタに転職してきたのは確かで、わたしにたびたび復縁を迫ってきてたからプロポーズされるのはおかしくない。

ふと左手の薬指を見たらダイヤモンドがついた綺麗な指輪がはめられてた。

「4年前、理子がトミタに就職できなくて辛かった時に側にいられなくて悪かった。
9月からハイブリッドのエンジンの開発で不具合の対応で休む暇も無くて理子の事を支える事ができなかった。
実はさ、俺、デンタの跡取りなんだ。トミタには修行と実績を上げデンタを今後も贔屓して貰うために勤めてた。
だから、理子がデンタに就職したと知って嬉しかった。
理子が俺の元を去ってから、理子が、デンタで活躍してるのを知って嬉しかった。
理子のエンジン制御ECU等の知識は俺が1から教えてきた。だから、誇らしかった。
理子、俺と結婚して一緒にデンタを大きくして行こう。
これからは理子の側にいて支えるから、理子も俺を支えて欲しい。
理子の事を愛してる。
だから、俺と結婚して下さい」

結弦にここまで言われたら、もう、結婚を承諾するしかなかった。
実際に、わたしは結弦と復縁なんてしないと強がっていたけれど、心の底ではずっと結弦の事を愛してた。
トミタに就職できなかったわたしが不甲斐なくて結弦と別れ、結弦がトミタを辞めてデンタに転職してきてわたしに何度も求愛してくれたのを、わたしから別れを切り出したからと素直になれず拒み続けた。

「……理子、理子を抱いていい?理子が可愛すぎて、俺、我慢できない」

結弦がわたしがプロポーズを受けたからと朝っぱらからいやらしい事をしてこようとしたから、頬っぺたをつねってやった。

「いいだろ。俺、理子と別れてから他の女とは付き合ってないし、ずっと理子の事だけを思ってたんだから」

「わたしも、結弦と離れてからは誰とも付き合ってない。仕事が忙しかったし、心菜と気ままな女2人の生活が楽しかったし……」

結弦もわたしと同じで、他の異性と付き合ってなかったとわかって嬉しかった。
結弦が朝っぱらからやらかしたくて、わたしの首すじから耳たぶを唇で刺激していく。

そして、突然辞めた。

「……理子、俺、今日から理子とここで一緒に暮らしたい。心菜ちゃんも今頃真宮くんと仲良くやってるだろうし、女2人で暮らすのは解消して、カップルで暮らそう」




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