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元彼上司、わたしの親友を味方につけ

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「理子ーーと新田心菜さん、こんにちは」

土曜日のお昼前、心菜とランチを食べに出かけようとしたら結弦に遭遇してしまった。

「俺、先週の日曜日にここに引っ越してきたんだ。車通勤でもこの辺はどうしても通勤ラッシュで渋滞にはまるから時間ロスしたくないからここの中古物件を見つけて購入した」

刈谷駅から徒歩で10分、会社まで徒歩20分ほどの所にあるマンション。
立地から賃貸で2LDKが月額10万円もする物件だから、ここの高層階の4LDKは中古でも5000万円以上はするだろう。

「今からお出かけ?」

「はい、これからランチに行きます。久しぶりに美味しいひつまぶしを食べに行きたいなと思いまして」

「店はもう決めたの?」

「いえ、名古屋駅まで出て、その辺でぶらりと目に付いた店に入ろうかと」

「俺、ひつまぶしが美味しい店を知ってるんだけど。これから一緒に行かない?」

結弦と心菜ちゃんがランチを食べに行く話で盛り上がっていて、グルメな心菜ちゃんが結弦の話に食いつき、行きたそうにわたしを見てきた。

「もちろん奢るよ。車で30分ぐらいかかるけど、おすすめ。行くなら電話で予約入れるよ」

「理子ちゃん、せっかくだから連れて行って貰おう!!」

心菜ちゃんが目をキラキラしせて心底行きたそうな表情をしていたから結弦の誘いに乗る事にした。


結弦のブラックのクラウンの後部座席に心菜ちゃんと乗り込む。
結弦は生粋の車好きでクラウン意外にも走り屋使用の車をもう1台所有してる。
わたしと付き合ってた時に週末に遠出するときはスープラで出かけ、普段使用にクラウンを使ってた。

車で揺られる事30分で高級な日本料亭
に着いた。

車から降りて店内に入ると着物を着た女将さんが出迎えてくれて、座敷に案内された。

座敷から見える純日本風の池に橋のかかった風情のある中庭があった。

結弦が電話で予約を入れてくれてたから、ひつまぶしを含むコース料理を仲居さんがすぐに持ってきてくれて、3人で味わって頂く。

「美味しい。今までに食べたひつまぶしの中で1番かも!!」

心菜がとろけるように柔らかく甘辛いタレと鰻の味がマッチしたひつまぶしに感動してた。

手羽先の唐揚げ、野菜の煮物と鯛のお吸い物がついていてどれも絶品で美味しかった。

1人あたり1万円以上しそうなコース料理の支払いは、結弦がしてくれた。

「ご馳走様でした。今日はありがとうございました」

マンションに着き、心菜が結弦に丁寧に御礼を言ってた。
ひつまぶしのコース料理を堪能した後に中庭を散歩し、流れで名古屋城に観光へ行った。

「橘課長、すごくいい人じゃん。大人で話も面白くて、理子ちゃんがインターシップで出会って惹かれてその日に付き合った人なだけある。理子ちゃん、橘課長と復縁したら?」

心菜ちゃんは結弦の味方になってた。

次の日、昨日のランチの御礼と心菜ちゃんとモツ鍋と唐揚げと海老フライを作って夕飯に結弦を招待した。

普段は飲まない心菜ちゃん、結弦が飲むから一緒にビールを飲み、3人で楽しい時間を過ごした。


結弦にひつまぶしを食べに料亭に連れて行って貰ってから、月に何回か、いつのまにか心菜ちゃんと結弦が約束を取り付け3人で結弦が運転する車で美味しいご飯を求めて遠出した。

わたしと心菜ちゃんが女子トークをするのを見守る大人な結弦。

伊勢神宮で名店で伊勢名物の【てこね寿し】や国産うなぎの【ひつまぶし】を堪能して、観光を楽しんだ。


「理子ちゃん、橘課長と寄りを戻したら?」

心菜ちゃんにとって結弦は大人な頼れる人的な存在になってた。

男性が苦手な心菜ちゃんだったけど、結弦の心菜ちゃんの前では紳士的大人な頼れる態度に男性に対する拒絶感が無くなっていった気がした。

そんな心菜ちゃんが【アンドロイド主任】と苦手意識を持っていた真宮主任に恋をした。
心菜ちゃんとは10年間の付き合いがあり、その間、心菜ちゃんに彼氏という存在はいなかった。

大学時代はシャツにジーンズやチノパンをかっこよく着こなしてた心菜ちゃん。
就職してからも【INDIVI】のパンツスーツを愛着し、ストレートの黒髪と長身の心菜ちゃんはカッコいいエレガントな大人な女性だった。

カッコいい大人な女性の心菜ちゃんは近寄り難いイメージがあり、恋した心菜ちゃんに守りたくなるような女性らしいファッションをさせてみようとインターネットで購入してバストがきつくてタンスの肥やしにしていた、【アピワイザーリッシェ】のホワイト✖️桜色の清楚な感じのワンピースを着せて、長い黒髪をポニーテールにしてみた。
清楚で綺麗なスーパーモデルのような姿になった心菜ちゃんに、わたしは大満足した。

会社でも、男性社員達が心菜ちゃんわちらちら見てた。

アンドロイド真宮主任も、心菜ちゃんのこの容姿に魅力されるだろうとわたしは確信していた。



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