貴方と2度目の結婚

鳴宮鶉子

文字の大きさ
上 下
2 / 7

出会いと結婚

しおりを挟む

「咲愛、これからはコイツに勉強を見て貰え!!」

コロンビア大学に留学が決まった8歳年上の朔弥兄が、私の家庭教師として連れてきたのが創志さんだった。
私立中高一貫男子校の親友で、全国模試等の試験は常に満点トップだった創志さんに、朔弥さんは理解力が弱いできの悪い私の中学受験のサポートをお願いしてくれて、水曜日の夜と日曜日に創志さんは私にみっちり勉強を教えてくれた。

初めて会ったのは小学5年生の時。
容姿端麗で頭脳明晰なハイスペックな創志さんに、私は一目惚れをし、8年間、片想いをしてた。

付き合い始めたきっかけは、生徒と家庭教師の関係が終わる日に、私から告白をした。
第一希望の創志さんが通ってる国立最難関の大学の理系コースに合格したご褒美に、3泊4日で北海道旅行に連れて行って貰った私は、そこで彼に迫り恋人にして貰った。

でも、私が未成年だからと、恋人らしい事は啄むキスとハグと手を繋ぐぐらいで、デートも映画鑑賞もしくはショッピング、時々高級レストランに連れて行って貰うぐらいで、健全すぎるる交際が私の20歳の誕生日まで続いた。
車を運転するのを言い訳にお酒を一滴も飲まないし、私にも飲ませない。
乾杯は、いつもミネラルウォーターだった。
中学生カップルでも、もっと進んでると思う。
『咲愛の20歳の誕生日、グランドプリンセスホテルの最上階にある鉄板焼きレストランで祝おう』

瀬戸工コーポレーションの本社オフィスビル側にできたタワーマンションの最上階にある6LDKの部屋を購入した創志さんは、私に合鍵を渡してくれて、家具や家電などのインテリアを私に選ばせてくれて、そして自由に出入りしていいと言われたから、半同棲のような生活を10ヶ月も間過ごしてたけど、軽いキス以上の事はしてくれなかった。

親友の妹で勤めてる会社の御令嬢なのもあり、大事にされていると思う。
でも、子ども扱いされているようで私に女性としての魅力がないのかもしれないと悲しかったりした。

飲酒ができる歳になったから、シャンパンとワインを飲みながら食事をし、その後、美味しいカクテルを飲みにBARに連れて行ってくれるかもしれない。
その後、洋服やアクセサリーをプレゼントされて終わりだと思ってた。

****
「咲愛、20歳の誕生日おめでとう!!」

3月15日金曜日の夜。
創志さんは私の家庭教師になった年から、毎年、祝ってくれた。
プレゼントで貰ったシャープペンシルと参考書は今だに宝物として保管してる。

付き合い始めて3度目の誕生日。
さすがに付き合い始めてからは、プレゼントは勉強関係ではなく、アクセサリーや創志さんが選んでくれたフルコーディネートの服。

高級レストランで夜景を観ながらバースデーディナーを楽しみ、事前にレストランにお願いしてサプライズで用意して貰った小さなバースデーケーキにろうそくを立て祝ってくれた。

いつもはミネラルウォーターか、フルーツジュースを頼むのに、シャンパンで乾杯し、目の前でシュフが豪快に焼いてくれたミディアムレアのA5ランクのサーロインステーキを口にしながら赤ワイン、伊勢海老と鮑の鉄板焼きには白ワイン、前菜にはシャンパンと、3杯も飲んでしまった。

「綺麗な大人の女性に成長したな」

中高一貫校時代に創志さんは家によく遊びにきていたらしい。
ベ朔弥兄が友人を呼ぶ時間は、私はベビーシッターから英才教育を受けてた。
だから、朔弥兄の友人が家に連れてきてる事にも気づいてなかった。

歳の差が8歳もあり、幼い5歳の時から私の成長を見ていたから、20歳過ぎても今だに子供に思えてしまうのかもしれない。

デザートにレモンシャーベットとすとろべりあレアチーズケーキを食べ終える。
お酒を飲みながら食事をしたからか満腹でラストのバースデーケーキがお腹に入るかなと心配していたら、ホールスタッフの男性が真っ赤な薔薇の花束を持って現れ、『お連れ様からからです』と渡され、受け取ってキョトンとしてる私の前に創志さんは跪き、背広のポケットから指輪ケースを取り出しパカッと開けて私に見せてきた。
キラキラ輝く大きなダイヤがついた婚約指輪が入っていた。

「咲愛、俺と結婚して。学生の君にプロポーズするのはどうかとは思ったが俺の奥さんにして、咲愛の全てを俺は欲しい」

結婚するまでは私に手を出さないと決めてる真面目な創志さん。

「嬉しい。私も創志さんと結婚して、愛されたい」

左手を差し出し微笑むと、創志さんは薬指に指輪をはめた。
瀬戸工コーポレーション社長令嬢と、公共施設や海外のコンペに何度もデザインが選ばれ入社してから4年連続で社長賞も受賞した優秀な建築士の創志さんの結婚だから、瀬戸工コーポレーションが建設した格式が高いハリウッドホテル銀座の最上階のホールで大々的な結婚披露宴が行われる事になった。

左薬指にはめたお揃いのmarriage ring。
3ヶ月後の6月15日に結婚式をあげ、籍を入れ、夫婦になった事で、創志さんとやっと深くて熱い愛欲の繋がりが持てる間柄になれた。

「今日から……神崎咲愛だな」

国内外から会社関係でお世話になってる重役が披露宴に駆けつけて下さり、ハリウッドホテル銀座に宿泊されるからなんだか落ち着かず、スイートルームには泊まらず、2人の愛の巣、芝のタワーマンションに戻った。

創志さんがこのタワーマンションの外装デザインを手がけ、内装に関しても、私と暮らす事を考えていたからか私の理想をたびたび聞いてくれて、それを叶えてくれた。

一面ガラス張りのリビングから見てるオレンジとブルーのチカチカと光るネオン。
48階からの都内中心部が見渡せる夜景はいつ観ても美しい。

窓に手をつき、夜景に見惚れていたら、創志さんが近づいてきて、後ろからぎゅと抱きつき、耳裏から首筋に唇を這わせてきた。

今までこんな事をされた事が1度もなかったから、心臓がドクドクと大きく鼓動を打ち、ぞくりと身体の力が抜けそうになった。

後ろを振り向くと、下顎をクイっとされ、唇を重なるとすぐに、少し開いていた唇をこじ開けるように熱い舌が押し込まれ、驚く。

今まで啄むキスしかした事がなかった。
舌が絡み合わせ、溢れ出る互いの唾液が混ざり合い中和され、それを貪るように体内に取り込む濃厚なキスに酔う。

上顎や頬の内側を舌でなぞられ、舌先で舌の根をぐりぐりされ、キスだけで電流が走ったように全身がゾワゾワして、肌が粟立った。

口内を堪能した後、何度か唇を咥え吸い付き、耳朶を食まれ、耳の内側をぴちゃぴちゃと舐りながら、『咲愛としたい』と囁かれた。

どう応えたらいいか初めてだからわからず、ぎゅっと抱きつく。
私をお姫様抱っこをし、創志さん寝室まで連れていくと、ダブルベッドの上に下ろした。

「痛くないように大事に抱く」

私を身体の上に覆いかぶさるように組み敷くと、処女の私に気遣いの言葉をかけ、すぐに貪るような激しいキスをしかけてきた。

ちゅっと吸われたかと思ったら、すぐに肉厚な少舌が割り入ってきて、舌が息ができないぐらい激しく絡めてくる。
舌の裏を優しく舌先で撫でられたかと思ったらキツく吸われ、甘い痺れに私の脳内は蕩けてしまった。
創志さんの唇と舌に翻弄され、快感が背を走り、腰の辺りがブルリと震えた。

「咲愛、敏感で感じやすい身体なんだな」

熱っぽい眼差しで見つめられ、淫乱な子だと思われた気がして恥ずかしくなり、目線を反らす。
キスを辞め、創志さんが私の耳裏から首筋、胸元に唇を這わせていく。
震えるほど気持ちがよくて、息があがってしまう。

創志さんは白いフリルとレースがふんだんに使われたワンピースの上から胸の膨らみを両手で掴んできた。

「……あ……んっ……」

直接触られてないのに、胸の先が熱く疼く。
ボタンをひとつずつ丁寧に外され、キャミソールを捲り上げ、ブラジャーから溢れ出てる膨らみにキスをされる。
唇を這わすでもなく、舌で舐めらるでもなく、吸いつくようなキスをされ、痛みと共に紅い薔薇のような痕をつけられた。

上半身に纏ってたものを全て剥ぎ取られた。
私のあらわになった両方の膨らみを下から持ちあげるように掴み、ふにょふにょと感触を愉しんでいた創志さんが急に立ち上がる。
ドレッサーの方へ歩いていくと、その椅子の背にスーツのジャケットとスラックスを掛け、ネクタイを緩め外し、Yシャツのボタンを外しながら戻ってきた。
Yシャツとアンダーシャツを脱ぎ捨てると、無駄な肉がついてないだけでなく身体を鍛えてないのに筋肉がついていて、肌もきれいで、見惚れてしまった。

ブラックのボクサーパンツ1枚の彼に、花柄の黒基調のフレアスカートとストッキングを脱がされた。

「……咲愛、俺の方を見て」

香り立つ男の色気を直視できない。
私が恥ずかしがってる事に気づいた創志さんが、寝室の電気を暗くしてくれた。

私の身体を組み敷き、情事が再開される。
むき出しになったふっくらとした胸掴まれ、先端を軽くチュッとされただけで、「はっ、あんっ……!」と喘ぎ、背を弓なりに反らしてしまった。

ずっと抱いて欲しかった愛する人との情事だからか、初めてなのに身体が昂まり、かなり敏感に感じてしまってた。


下から持ちあげるように、胸の柔らかさを堪能するように、胸を弄られ、唇で卑猥に立ち上がった実を摘まれ引っ張られ軽く甘噛みをされると、もう与えられる愉悦で、何も考えられなくなる。

ジンジンとした痺れが背筋まで駆け抜け、下肢の間を疼かせる。
熱をもった子宮からトロリと蜜が溢れでてるのがわかる。
堪らずもぞもぞと腿を擦り合わせてると、それに気づいた創志さんが、胸から恥骨まで唇を這わせていき、私の両腿を掴み開脚させると、内腿に唇を這わせながら、ショーツの中央を撫でた。

ショーツの上から秘裂によって上から下に優しく指で何度もなぞられ、クチョっと卑猥な音が聞こえ、羞恥で全身が緊張し、強張る。

「……咲愛、恥ずかしがらないで。感じて」

耳元で囁くと、啄むキスをし、脚の付け根に顔を近づけ、敏感な芽を強く擦り、強烈な痺れが走り、腰が跳ねてしまった。
カリカリとショーツの上から爪で引っかかれ、指の腹で押し潰されるから、脚をぴーんと伸ばし、与えられる快楽に身体を震わせた。

ぐちょぐちょになってしまったショーツを脱がされ、開かれた太腿の間に顔を埋めると、創志さんがぺろっとそこを舐めはじめた。

愛蜜でべちょべちょになっているそこを清めるように、秘裂に沿って舌を這わしたのちゆ、花襞を開き、奥へ侵入し、愛壺の中に舌を入れ、溢れる蜜を啜り始めた。

そして、敏感な芽もぺろっと舐められた後に口の中に含み、しゃぶられ、舌でひたすら擦られ甘噛みされた。

卑猥にひくひくしている蜜口にぷちゅっと指を差し込まれた。蜜が溢れ出ているから指を動かすたびに、くちゅくちゅといやらしい蜜音を奏でる。蜜を掻き出すように指で抽挿をされ、1本だった指が3本になり、圧迫感を感じるも、淫芽も一緒に刺激され、蜜が洪水のように溢れ出て、奥まで埋められても痛みはなく、ただ気持ちが良くて喘ぐ。
下腹部がきゅんと切なく収縮し、じんわりと快感が広がる。

「あっ……ゃあ、ひぃんん!!」

「ここをじっくりほぐしてないと痛い思いをさせてしまう事になるから、我慢して!!」

指の動きが早くなり、愛蜜が泡だっていくのがわかる。
そして、身体がびくびくっと激しく震え、ジンジンと痺れた。

「咲愛、挿れるよ」

脱力をして息が乱れてる私の目の前に、ボクサーパンツから解き放たれたパンツに収まるとは思えないぐらい太くて長いものが、硬く反り返っていた。

「……咲愛、学生時代に子供を産んで子育てをするんだよね。そのまま挿れて、ナカに出すよ」

いきり立つ獰猛そうな剛直のサイズに脅え、怖気つくも、首を縦にふる。

ガバッと勢いよく覆いかぶさると、熱い昂まった剛直を何度も私の蜜口を刺激するように上下に動かした後に、ゆっくりと私の中にグッと割り入ってくる。
引き裂かれるような痛みに顔が歪む。
強烈な圧迫感に身体が裂かれるんじゃないかと思った。
ジンジンとする破瓜の痛みに声を出さないように涙を流す。
破瓜の痛みを紛らわし慰めるようと、創志さんが唇にキスを落とす。
舌を絡め合わず濃厚なキスをしながら、創志さんはゆっくりと腰を揺すり出した。
しだいに愛蜜が溢れ出てきて、抽挿するとヌチュヌチュという潤った音を奏でた。

初めてはやっぱり痛く、シーツが純潔を証明する血で汚れてしまった。
しばらくの間は行為の初めは痛みを感じたけれど、身体を重ね繋がるこの行為をすると、とても幸せな気持ちになれたから、毎日のように、お互いの身体を求め合ってた。

結婚してからの1年間は、毎日が薔薇色のように幸せだった。

だけど、その幸せは、一瞬で砕け、壊れてしまう……。




しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

コワモテ軍人な旦那様は彼女にゾッコンなのです~新婚若奥様はいきなり大ピンチ~

二階堂まや
恋愛
政治家の令嬢イリーナは社交界の《白薔薇》と称される程の美貌を持ち、不自由無く華やかな生活を送っていた。 彼女は王立陸軍大尉ディートハルトに一目惚れするものの、国内で政治家と軍人は長年対立していた。加えて軍人は質実剛健を良しとしており、彼女の趣味嗜好とはまるで正反対であった。 そのためイリーナは華やかな生活を手放すことを決め、ディートハルトと無事に夫婦として結ばれる。 幸せな結婚生活を謳歌していたものの、ある日彼女は兄と弟から夜会に参加して欲しいと頼まれる。 そして夜会終了後、ディートハルトに華美な装いをしているところを見られてしまって……?

何も言わないで。ぎゅっと抱きしめて。

青花美来
恋愛
【幼馴染×シークレットベビー】 東京に戻ってきた私には、小さな宝物ができていた。

彼氏が完璧すぎるから別れたい

しおだだ
恋愛
月奈(ユエナ)は恋人と別れたいと思っている。 なぜなら彼はイケメンでやさしくて有能だから。そんな相手は荷が重い。

彼と私と甘い月 番外編 ーその後の二人の甘い日々ー

藤谷藍
恋愛
白河花蓮は26歳のOL。フィアンセの、橘俊幸、31歳、弁護士とお互い一目惚れし、結婚を前提のお付き合いのラブラブ生活を送っていたが、早く花蓮と結婚式をあげたい俊幸にブレーキをかけるのも大変で・・・ このお話は、前に掲載された「彼と私と甘い月」で、リクエストを頂いた番外編です。「彼と私と甘い月」の話の続き、短編となります。楽しんでいただけると嬉しいです。 この作品はムーンライトノベルズと同時掲載されました。

若き社長は婚約者の姉を溺愛する

椿蛍
恋愛
★宮ノ入シリーズ第1弾 【注意】改稿のため、一部非公開になります。(2023.5~) 継母と異母妹は前妻の子である姉の美桜を家政婦として扱っていた。 家を出ようとしても継母の実家の力で住む場所も決めることができず、友達は嫌がらせを受けてしまい、美桜は自分から自然と距離を置いた。 28歳になっても家から出してはくれず、黙々と家事をこなしていた。 23歳になった妹には見合い話がたくさんくるにも関わらず、美桜にはお見合い話はこない。 妹の梨沙は自慢げにお見合い話を美桜に見せつけていた。 欲しいのはそんなものではなく、自由なのに―――美桜はそれをなんの感情もなく見つめていた。 けれど、そんな美桜に一つだけ見合い話が持ち込まれた。 【初出】2020.8.3

ひと夏だけと思ってたアバンチュール

鳴宮鶉子
恋愛
ワンナイトLOVEじゃなくひと夏のアバンチュール。遊びのつもりだった。ヤケを起こしてただけだった。

【完結】誰にも知られては、いけない私の好きな人。

真守 輪
恋愛
年下の恋人を持つ図書館司書のわたし。 地味でメンヘラなわたしに対して、高校生の恋人は顔も頭もイイが、嫉妬深くて性格と愛情表現が歪みまくっている。 ドSな彼に振り回されるわたしの日常。でも、そんな関係も長くは続かない。わたしたちの関係が、彼の学校に知られた時、わたしは断罪されるから……。 イラスト提供 千里さま

With you forever

鳴宮鶉子
恋愛
ずっと一緒にいたかった。でも、わたしには親が決めた許嫁がいた。いけない事だとはわかってる。それでもあなたに逢いにいく。

処理中です...