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愛されてるけど物足りない
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「結花、起きて」
ダブルベットで布団にくるまってまだ眠っていたいわたしのおデコにキスを落とし、起こす愛しい彼。
「……おはようございます」
昨日も少しだけのつもりが盛り上がって、朝日が昇る時間まで身体を合わせてしまった。
7時15分、ガバッと起き上がり、シャワーを浴びに行った理人さんに朝食用に昨日焼いて置いた鮭と梅干しを入れたおにぎりを作り、水筒にお茶を入れる。
シャワーを浴びてスーツに着替えた理人さんが鞄を持ったタイミングで朝ごはん用のおにぎりを3個と水筒を入れたお弁当バックを持って、玄関まで理人さんを見送りにいく。
「昨日無理させた。結花が可愛すぎてついつい、いつもありがとう」
理人さんがわたしからお弁当バックを受け取り、わたしを抱き寄せ、軽く唇にキスをする。
「行ってきます」
「行ってらっしゃい」
毎朝のルーティン。
理人さんと出逢い付き合い始めて1ヶ月後に、一緒にいる時間を作りたいからと理人さんが名鉄知立駅の側の賃貸マンションに引っ越し、それを機に一緒に住むようになった。
家賃も光熱費は理人さんが支払ってくれて、ネットスーパーの引き落とし先も理人さんの口座で、完全に養われてるわたし。
毎日理人さんに甘やかされ可愛がって貰って過ごしてる。
『桐谷部長、社内1モテる男だからね。でもどんなにきれいでスタイルがいい子が言い寄ってもうまく断ってて入社してから誰とも付き合ってなかったらしいよ。
社内恋愛をしない主義なのかなと思ってたけど、仕事で関わり深いデンタの結花と付き合うぐらいだから、単に社内にタイプの子がいなかったのかも』
トミタのパワートレイン開発部システム設計課でエンジニアをしてる大学からの親友 天沢 咲香 (あまざわ さきか)ちゃんが、理人さんの社内での立場や仕事の業績などを教えてくれた。
理人さんは画期的なエンジンを開発し、その業績から28歳でパワートレインシステム開発部長になった。
仕事だけではなく、端正な知的な顔立ちをしていて背も高く引き締まった身体をしてる。
理人さんはとても素敵な人。
理人さんの恋人になれて、理人さんに愛され甘やかされ可愛がって貰える事を幸せに感じてる。
理人さんと出会った日の事を今でも覚えてる。
わたしは初仕事でトミタのハイブリッドのプリセスの制御ECUシステムを任され、とんでもないミスをした。
システム入力をしてハードと合わせて確認し、問題ないと思い試作部に出した。
そして試作が完成し、トミタに納品したら、トミタでエンジン本体に取り付け車にのせてテストをしたら動かないという不具合を出してしまった。
理人さんも咲香ちゃんもよくある事だと言っていたけれど、自動車部品メーカーは他にもあり、このミスが理由で他のメーカーに乗り換えられたらどうしようと心配になった。
原因がわからずに途方に暮れていたら、パワートレイン開発部部長の理人さんが来てくれて、アドバイスをくれ、その日のうちに問題解決はできた。
デンタに戻ろうとトミタのパワートレイン試作工場を出てすぐに、理人さんに声をかけられ、『後でプライベートのアドレスに連絡して欲しい』と名刺を渡された。
嬉しかった。
退社後に理人さんのLINEアドレスに、
“デンタの初瀬結花です。今日はありがとうございました”
とメッセージを送ったら22時過ぎに、
“結花さん、貴方に一目惚れしました。
俺と付き合って下さい”
と返ってきた。もちろん……、
“嬉しいです。わたしも一目で貴方のことを好きになりました”
と返信し、理人さんと付き合う事になった。
毎日平日は朝7時45分に家を出て22時過ぎに帰宅に帰ってくる理人さん。
それから一緒にご飯を食べながら仕事関係の話をして、理人さんがシャワーを浴びてる間にお片づけをして、理人24時前に一緒に就寝。
理人さんの気まぐれで抱かれ、疲れてる時は抱き枕にされる。
土曜日も仕事で20時過ぎに帰って来るけど日曜日は休みで、一緒にお出かけしたりしてリフレッシュしてる。
この生活に不満は無い。
理人さんに対しても不満は無い。
でも物足りなさを感じてるわたしがいた。
ダブルベットで布団にくるまってまだ眠っていたいわたしのおデコにキスを落とし、起こす愛しい彼。
「……おはようございます」
昨日も少しだけのつもりが盛り上がって、朝日が昇る時間まで身体を合わせてしまった。
7時15分、ガバッと起き上がり、シャワーを浴びに行った理人さんに朝食用に昨日焼いて置いた鮭と梅干しを入れたおにぎりを作り、水筒にお茶を入れる。
シャワーを浴びてスーツに着替えた理人さんが鞄を持ったタイミングで朝ごはん用のおにぎりを3個と水筒を入れたお弁当バックを持って、玄関まで理人さんを見送りにいく。
「昨日無理させた。結花が可愛すぎてついつい、いつもありがとう」
理人さんがわたしからお弁当バックを受け取り、わたしを抱き寄せ、軽く唇にキスをする。
「行ってきます」
「行ってらっしゃい」
毎朝のルーティン。
理人さんと出逢い付き合い始めて1ヶ月後に、一緒にいる時間を作りたいからと理人さんが名鉄知立駅の側の賃貸マンションに引っ越し、それを機に一緒に住むようになった。
家賃も光熱費は理人さんが支払ってくれて、ネットスーパーの引き落とし先も理人さんの口座で、完全に養われてるわたし。
毎日理人さんに甘やかされ可愛がって貰って過ごしてる。
『桐谷部長、社内1モテる男だからね。でもどんなにきれいでスタイルがいい子が言い寄ってもうまく断ってて入社してから誰とも付き合ってなかったらしいよ。
社内恋愛をしない主義なのかなと思ってたけど、仕事で関わり深いデンタの結花と付き合うぐらいだから、単に社内にタイプの子がいなかったのかも』
トミタのパワートレイン開発部システム設計課でエンジニアをしてる大学からの親友 天沢 咲香 (あまざわ さきか)ちゃんが、理人さんの社内での立場や仕事の業績などを教えてくれた。
理人さんは画期的なエンジンを開発し、その業績から28歳でパワートレインシステム開発部長になった。
仕事だけではなく、端正な知的な顔立ちをしていて背も高く引き締まった身体をしてる。
理人さんはとても素敵な人。
理人さんの恋人になれて、理人さんに愛され甘やかされ可愛がって貰える事を幸せに感じてる。
理人さんと出会った日の事を今でも覚えてる。
わたしは初仕事でトミタのハイブリッドのプリセスの制御ECUシステムを任され、とんでもないミスをした。
システム入力をしてハードと合わせて確認し、問題ないと思い試作部に出した。
そして試作が完成し、トミタに納品したら、トミタでエンジン本体に取り付け車にのせてテストをしたら動かないという不具合を出してしまった。
理人さんも咲香ちゃんもよくある事だと言っていたけれど、自動車部品メーカーは他にもあり、このミスが理由で他のメーカーに乗り換えられたらどうしようと心配になった。
原因がわからずに途方に暮れていたら、パワートレイン開発部部長の理人さんが来てくれて、アドバイスをくれ、その日のうちに問題解決はできた。
デンタに戻ろうとトミタのパワートレイン試作工場を出てすぐに、理人さんに声をかけられ、『後でプライベートのアドレスに連絡して欲しい』と名刺を渡された。
嬉しかった。
退社後に理人さんのLINEアドレスに、
“デンタの初瀬結花です。今日はありがとうございました”
とメッセージを送ったら22時過ぎに、
“結花さん、貴方に一目惚れしました。
俺と付き合って下さい”
と返ってきた。もちろん……、
“嬉しいです。わたしも一目で貴方のことを好きになりました”
と返信し、理人さんと付き合う事になった。
毎日平日は朝7時45分に家を出て22時過ぎに帰宅に帰ってくる理人さん。
それから一緒にご飯を食べながら仕事関係の話をして、理人さんがシャワーを浴びてる間にお片づけをして、理人24時前に一緒に就寝。
理人さんの気まぐれで抱かれ、疲れてる時は抱き枕にされる。
土曜日も仕事で20時過ぎに帰って来るけど日曜日は休みで、一緒にお出かけしたりしてリフレッシュしてる。
この生活に不満は無い。
理人さんに対しても不満は無い。
でも物足りなさを感じてるわたしがいた。
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