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1 side晴翔
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凛音にプロポーズし、3月1日に入籍し結婚式を挙げると決めた俺。
だけど、凛音を京都から東京に連れ出してから、3ヶ月経っても清い関係を貫いていた。
長い間、一緒にいても、そんな関係にならないようにしていたからか、どうしても先に進めない。
普段暮らしてるマンションは流石にムードにかける。
大学院で手がけてる研究がひとまず終わり、次の研究に移る前のつかの間の休息に、教授に頼み込み1週間休みをとり、凛音と旅行する事にした。
とはいえ、海外は思いついてすぐに行けるわけなく、11月の終わりという微妙な季節で、結局は凛音とドライブしながら、知らない地に出向く、行き当たりバッタリツアーをする事にした。
1週間あれば、日本一周できるのか、先が見えない旅行を始めることにした。
「凛音、日本一周車で旅すると言ったけど、7日間では無理みたいなんだけど、どこか目的地を決めて、そこを往復しない?」
7日間の衣類等を準備する凛音の姿を見ながら、iPhoneで【日本一周車の旅】と検索、無謀な事に気づく。
海岸沿いを走り、走行距離が12000kmで時速60kmで走ったとすると、200時間かかる事になり、1日20時間車を走らせたとしても10日間かかる。
小学5年生の算数と社会の複合問題で、
「海岸沿いを車で走らせると通らない海無し県はなん件ある?答えは自分で調べて」
と、ジョークを交えて凛音に言うと無視された。
そして、邪魔だからと虫のように扱われた。
「わかった。関東地方にある温泉地巡りは?それなら7日間で6箇所どこか温泉旅館に泊まれるし楽しみながら車の旅ができるでしょ?」
季節的に11月だから、温泉旅館はもってこいの季節。
iPhoneで関東地方の温泉地を検索し、車で巡るプランと、口コミが良い温泉旅館に予約をする事にした。
「この手の観光プランを立てる問題、今後の中学入試で出る」
と、凛音はいう。
凛音は文学部で他言語と文化について学んでいて、上手く単位をとり、小学校教員の免許を取得していた。
小説ネタになる事を最近は調べてる。
学園ものとファンタジー限定だったのが、あれこれ、ネット検索をして調べ、イメージして。オフィスラブとか大人の話を描いたりしてる。
その小説は俺には見せてくれない。
見ようとしたら怒られる。
箱根に、熱海に、草津に、鬼怒川、那須に、四万、この6ヶ所に泊まろう。
一部中部地方だけど、泊まるなら有名所は制覇したい。
順番は、箱根→熱海→草津→四万→鬼怒川→那須で、車で温泉地を一周回るプランにする。
草津から那須まではあまり移動距離がない。
温泉地も多いから、色々湯巡りを楽しみたいと、計画プランをパパッとパソコンで作り印刷し、凛音に見せた。
凛音は満足そうに笑みを浮かべていたから、泊まる温泉宿を決め、インターネットか電話で予約していく。
俺も楽しみになってきた。
日本一周の旅だと、車泊でずっと車を走らせるだけで7日間が終わってたかもしれない。
本州だけなら、なんとか車を走らせ続けてたら7日間で回れるかもしれない。
俺がこの旅行の本来の目的は、無謀な過酷な挑戦ではない。
凛音と深い仲になる。
キス以上の事をしたい。
凛音が温泉巡りに変更してくれた事に、心の中でガッツポーズをした。
「ひよりを明日の朝、8時半に美咲ちゃんに預けるから、先に拓海のマンションに寄ってくれる?」
凛音が、LINEで拓海の婚約者の大島建設の御令嬢、美咲さんとやりとりをしている。
拓海は自分が会社のために決められた人と結婚をしないといけない事をわかっていた。
とはいえ、50人近くいる候補の中で一生添い遂げる相手を選ぶようで、何度かお見合いをしたらしい。
その中で、お嬢様だからとわがままでなく世界的なピアニストの美咲さんに一目ぼれし、でも相手にされなくて、プレイボーイな拓海なのに受け入れてもらうまで時間がかかったらしい。
自分の方が格下だからあらゆるアプローチをし、やっと射止めたらしい。
お相手の美咲さんは、凛音にかなり懐いている。
拓海よりも凛音の事の方が好きなのではというぐらい、凛音といると嬉しそうだ。
2歳年下の音大4年生の美咲さん、小学生時代に凛音と同じピアノ教室へ通って、凛音の腕前に尊敬をしていたらしい。
凛音が小説家デビューをしてからずっとファンだったようで、普段クールな感じらしいが、凛音といる時だけキャラ変する。
凛音がいると、拓海は存在を忘れられる。
今までに俺と拓海が側にいた事から、親しい女友達がいなかった凛音も、美咲さんと交流するようになり、楽しそうだ。
次の日、拓海のマンションに寄り、ひよりを美咲さんに預けた。
美咲さんは凛音と女子トークをしたそうだったのを拓海に止められ、俺と凛音の車で温泉地巡りの旅は半日短縮せずに済んだ。
拓海は高校時代から、将来は親の決めた候補の中の誰かと結婚しないといけない反感からか、俺と凛音と一緒にいない時に、恋愛関係を持たない条件でファンの女の子達と身体だけの関係を持っていた。
メジャーデビューしてからも、遊んでいたようだけど、相手はよく選んでいたからか、スキャンダルとして公にはならなかった。
全く女性とそういう行為をしなかった俺と、遊びで本能を発散していた拓海。
どちらが男として健全なのか…。
24歳にもなって経験が無い方が恥な気もする。
凛音も同じだと思う。
最初の目的地は湯河原。平日の昼間だから貸切状態かもしれないが、家族風呂を予約した。
有名どころには家族風呂が必ずある。
こじんまりとした露天風呂でも、変に写真を撮られ、ネット上に裸体画像をあげられたら大変な事になる。
こういう面も気をつけないといけないから芸能人は思うように羽を伸ばせない。
家族風呂を2時間予約した俺。
腐れ縁でもうすぐ12年側にいた事になるけど、恋人同士になってからは3ヶ月半しか経ってない。
凛音と一緒に温泉に入る度胸など無く、休憩するための部屋付きの露天風呂を調べて予約した段取りの良さ。
先に凛音に入って貰って、iPhoneでネット検索やゲームアプリをして過ごす。
凛音が1時間ほどして戻って来て、湯上りの色っぽさは目の毒だから、入れ替わりに露天風呂に入る。
凛音と身体を繋いだとしても、真っ昼間の明るい中で一緒に露天風呂に入るのは無理だな。
日本一周車の旅の方が、近場温泉地巡りよりも気持ち的に楽だったかもしれない。
凛音と温泉地を巡るたびに、本能と闘わないといけない。
宿泊する旅館ならそのまま部屋で…は自然な流れでも、真っ昼間の温泉巡りではまずい、まずすぎる。
温泉から上がると、凛音はノートパソコンを開いて小説を執筆していた。
2時間予約しているから、出る時間まではそっとしていた。
温泉地をぶらりと歩く。
昔の街並みや大自然に囲まれた地で、疲れた身体と心が癒される。
凛音は美咲さんに、ひよりを預かってくれた御礼に各地で温泉の素を買ってお土産にすると言った。
温泉の素か…、俺と凛音の方が仲良く見えても、拓海と美咲さんの方が大人の関係を持って深い仲だから…。
拓海も喜ぶだろうな、温泉の素。
嫌、美咲さんじゃなく、拓海が喜ぶだろう。
美咲さんは、物より凛音と一緒に居たい感じがする。
週末に時々、夕方に拓海とやってきて、凛音と料理をする美咲さんは楽しそうだ。
拓海が夕食に高級レストランや料亭に誘っても、美咲さんの望みはうちで凛音とご飯を作って食べる事。
拓海は凛音に美咲さんがとられることと、俺に対する申し訳なさを感じてか、大学で昼に落ち合い学食を共にする際、いつも謝られる。
温泉の素を土産屋によるたびに購入する凛音。
自宅用もあるようで、この温泉地巡りで1年分の入浴剤を買うつもりなのか、次々と買う。
凛音は毎日必ず浴槽にお湯をため、入浴剤を入れて浸かるのが趣味だ。
気分によって、毎日の入れる入浴剤を決めて入れて、楽しんでいる。
初日の宿泊温泉旅館についた。
箱根の老舗旅館で、専用露天風呂がある離れを予約した。
箱根には夕方には着いた。
配膳と布団の準備を早目にお願いした。
夕方に旅館に着き、交代で、専用露天風呂に入る。
本日、2度目の温泉。
ただ、違うのは宿泊旅館だから、温泉の後に旅館に備え付けの浴衣に着替える。
浴衣が選べるシステムで、俺が選んださくら色の浴衣を着た凛音の色気の威力に理性が壊されかけ、また、凛音と入れ替わりで専用露天風呂に逃げ込んだ俺。
凛音は俺の恋人で3月に俺の奥さんになる。
でも、まだ、中学生並の関係しか持ってない。
お互い初めてだから、大事に良い思い出にしたい。
俺は、なんとか、理性を抑えた。
せめて、夕食を終え、布団の準備が終わるまでは耐えよう。
露天風呂からあがると、凛音はノートパソコンを開いて小説を執筆していた。
俺はかなり緊張しているのに、凛音はのほほんとしていた。
温泉旅館の豪華なお造りや天ぷら、すき焼きに喜んでいて、いつも通り。
腐れ縁で12年ぐらい近くにいたからか、気を使わない。
修学旅行のように、俺が作った旅行行程表を思い出し、旅行を楽しんでる。
食事を終え、片付けと布団を敷いて貰う。
せっかくだからと凛音は仲居さんが部屋を出て行った後に、もう1度専用露天風呂に入ると言っていた。
「晴翔、せっかくだから、一緒に入ろう」
凛音が1人で入ると思ってたら、まさか誘われ、キョドッてしまう俺。
日が暮れた専用露天風呂は最低限の暗いライトしかない。
自然の月と星の明かりを足しても、暗い。
凛音はそれをわかってる。だから、
「先に入るから、来てね」
と、専用露天風呂の前の脱衣場に入った。
凛音が誘ってくれたのを無下にはできない。
凛音が露天風呂の中に入った頃合いをみて、俺も脱衣場へ入った。
だけど、凛音を京都から東京に連れ出してから、3ヶ月経っても清い関係を貫いていた。
長い間、一緒にいても、そんな関係にならないようにしていたからか、どうしても先に進めない。
普段暮らしてるマンションは流石にムードにかける。
大学院で手がけてる研究がひとまず終わり、次の研究に移る前のつかの間の休息に、教授に頼み込み1週間休みをとり、凛音と旅行する事にした。
とはいえ、海外は思いついてすぐに行けるわけなく、11月の終わりという微妙な季節で、結局は凛音とドライブしながら、知らない地に出向く、行き当たりバッタリツアーをする事にした。
1週間あれば、日本一周できるのか、先が見えない旅行を始めることにした。
「凛音、日本一周車で旅すると言ったけど、7日間では無理みたいなんだけど、どこか目的地を決めて、そこを往復しない?」
7日間の衣類等を準備する凛音の姿を見ながら、iPhoneで【日本一周車の旅】と検索、無謀な事に気づく。
海岸沿いを走り、走行距離が12000kmで時速60kmで走ったとすると、200時間かかる事になり、1日20時間車を走らせたとしても10日間かかる。
小学5年生の算数と社会の複合問題で、
「海岸沿いを車で走らせると通らない海無し県はなん件ある?答えは自分で調べて」
と、ジョークを交えて凛音に言うと無視された。
そして、邪魔だからと虫のように扱われた。
「わかった。関東地方にある温泉地巡りは?それなら7日間で6箇所どこか温泉旅館に泊まれるし楽しみながら車の旅ができるでしょ?」
季節的に11月だから、温泉旅館はもってこいの季節。
iPhoneで関東地方の温泉地を検索し、車で巡るプランと、口コミが良い温泉旅館に予約をする事にした。
「この手の観光プランを立てる問題、今後の中学入試で出る」
と、凛音はいう。
凛音は文学部で他言語と文化について学んでいて、上手く単位をとり、小学校教員の免許を取得していた。
小説ネタになる事を最近は調べてる。
学園ものとファンタジー限定だったのが、あれこれ、ネット検索をして調べ、イメージして。オフィスラブとか大人の話を描いたりしてる。
その小説は俺には見せてくれない。
見ようとしたら怒られる。
箱根に、熱海に、草津に、鬼怒川、那須に、四万、この6ヶ所に泊まろう。
一部中部地方だけど、泊まるなら有名所は制覇したい。
順番は、箱根→熱海→草津→四万→鬼怒川→那須で、車で温泉地を一周回るプランにする。
草津から那須まではあまり移動距離がない。
温泉地も多いから、色々湯巡りを楽しみたいと、計画プランをパパッとパソコンで作り印刷し、凛音に見せた。
凛音は満足そうに笑みを浮かべていたから、泊まる温泉宿を決め、インターネットか電話で予約していく。
俺も楽しみになってきた。
日本一周の旅だと、車泊でずっと車を走らせるだけで7日間が終わってたかもしれない。
本州だけなら、なんとか車を走らせ続けてたら7日間で回れるかもしれない。
俺がこの旅行の本来の目的は、無謀な過酷な挑戦ではない。
凛音と深い仲になる。
キス以上の事をしたい。
凛音が温泉巡りに変更してくれた事に、心の中でガッツポーズをした。
「ひよりを明日の朝、8時半に美咲ちゃんに預けるから、先に拓海のマンションに寄ってくれる?」
凛音が、LINEで拓海の婚約者の大島建設の御令嬢、美咲さんとやりとりをしている。
拓海は自分が会社のために決められた人と結婚をしないといけない事をわかっていた。
とはいえ、50人近くいる候補の中で一生添い遂げる相手を選ぶようで、何度かお見合いをしたらしい。
その中で、お嬢様だからとわがままでなく世界的なピアニストの美咲さんに一目ぼれし、でも相手にされなくて、プレイボーイな拓海なのに受け入れてもらうまで時間がかかったらしい。
自分の方が格下だからあらゆるアプローチをし、やっと射止めたらしい。
お相手の美咲さんは、凛音にかなり懐いている。
拓海よりも凛音の事の方が好きなのではというぐらい、凛音といると嬉しそうだ。
2歳年下の音大4年生の美咲さん、小学生時代に凛音と同じピアノ教室へ通って、凛音の腕前に尊敬をしていたらしい。
凛音が小説家デビューをしてからずっとファンだったようで、普段クールな感じらしいが、凛音といる時だけキャラ変する。
凛音がいると、拓海は存在を忘れられる。
今までに俺と拓海が側にいた事から、親しい女友達がいなかった凛音も、美咲さんと交流するようになり、楽しそうだ。
次の日、拓海のマンションに寄り、ひよりを美咲さんに預けた。
美咲さんは凛音と女子トークをしたそうだったのを拓海に止められ、俺と凛音の車で温泉地巡りの旅は半日短縮せずに済んだ。
拓海は高校時代から、将来は親の決めた候補の中の誰かと結婚しないといけない反感からか、俺と凛音と一緒にいない時に、恋愛関係を持たない条件でファンの女の子達と身体だけの関係を持っていた。
メジャーデビューしてからも、遊んでいたようだけど、相手はよく選んでいたからか、スキャンダルとして公にはならなかった。
全く女性とそういう行為をしなかった俺と、遊びで本能を発散していた拓海。
どちらが男として健全なのか…。
24歳にもなって経験が無い方が恥な気もする。
凛音も同じだと思う。
最初の目的地は湯河原。平日の昼間だから貸切状態かもしれないが、家族風呂を予約した。
有名どころには家族風呂が必ずある。
こじんまりとした露天風呂でも、変に写真を撮られ、ネット上に裸体画像をあげられたら大変な事になる。
こういう面も気をつけないといけないから芸能人は思うように羽を伸ばせない。
家族風呂を2時間予約した俺。
腐れ縁でもうすぐ12年側にいた事になるけど、恋人同士になってからは3ヶ月半しか経ってない。
凛音と一緒に温泉に入る度胸など無く、休憩するための部屋付きの露天風呂を調べて予約した段取りの良さ。
先に凛音に入って貰って、iPhoneでネット検索やゲームアプリをして過ごす。
凛音が1時間ほどして戻って来て、湯上りの色っぽさは目の毒だから、入れ替わりに露天風呂に入る。
凛音と身体を繋いだとしても、真っ昼間の明るい中で一緒に露天風呂に入るのは無理だな。
日本一周車の旅の方が、近場温泉地巡りよりも気持ち的に楽だったかもしれない。
凛音と温泉地を巡るたびに、本能と闘わないといけない。
宿泊する旅館ならそのまま部屋で…は自然な流れでも、真っ昼間の温泉巡りではまずい、まずすぎる。
温泉から上がると、凛音はノートパソコンを開いて小説を執筆していた。
2時間予約しているから、出る時間まではそっとしていた。
温泉地をぶらりと歩く。
昔の街並みや大自然に囲まれた地で、疲れた身体と心が癒される。
凛音は美咲さんに、ひよりを預かってくれた御礼に各地で温泉の素を買ってお土産にすると言った。
温泉の素か…、俺と凛音の方が仲良く見えても、拓海と美咲さんの方が大人の関係を持って深い仲だから…。
拓海も喜ぶだろうな、温泉の素。
嫌、美咲さんじゃなく、拓海が喜ぶだろう。
美咲さんは、物より凛音と一緒に居たい感じがする。
週末に時々、夕方に拓海とやってきて、凛音と料理をする美咲さんは楽しそうだ。
拓海が夕食に高級レストランや料亭に誘っても、美咲さんの望みはうちで凛音とご飯を作って食べる事。
拓海は凛音に美咲さんがとられることと、俺に対する申し訳なさを感じてか、大学で昼に落ち合い学食を共にする際、いつも謝られる。
温泉の素を土産屋によるたびに購入する凛音。
自宅用もあるようで、この温泉地巡りで1年分の入浴剤を買うつもりなのか、次々と買う。
凛音は毎日必ず浴槽にお湯をため、入浴剤を入れて浸かるのが趣味だ。
気分によって、毎日の入れる入浴剤を決めて入れて、楽しんでいる。
初日の宿泊温泉旅館についた。
箱根の老舗旅館で、専用露天風呂がある離れを予約した。
箱根には夕方には着いた。
配膳と布団の準備を早目にお願いした。
夕方に旅館に着き、交代で、専用露天風呂に入る。
本日、2度目の温泉。
ただ、違うのは宿泊旅館だから、温泉の後に旅館に備え付けの浴衣に着替える。
浴衣が選べるシステムで、俺が選んださくら色の浴衣を着た凛音の色気の威力に理性が壊されかけ、また、凛音と入れ替わりで専用露天風呂に逃げ込んだ俺。
凛音は俺の恋人で3月に俺の奥さんになる。
でも、まだ、中学生並の関係しか持ってない。
お互い初めてだから、大事に良い思い出にしたい。
俺は、なんとか、理性を抑えた。
せめて、夕食を終え、布団の準備が終わるまでは耐えよう。
露天風呂からあがると、凛音はノートパソコンを開いて小説を執筆していた。
俺はかなり緊張しているのに、凛音はのほほんとしていた。
温泉旅館の豪華なお造りや天ぷら、すき焼きに喜んでいて、いつも通り。
腐れ縁で12年ぐらい近くにいたからか、気を使わない。
修学旅行のように、俺が作った旅行行程表を思い出し、旅行を楽しんでる。
食事を終え、片付けと布団を敷いて貰う。
せっかくだからと凛音は仲居さんが部屋を出て行った後に、もう1度専用露天風呂に入ると言っていた。
「晴翔、せっかくだから、一緒に入ろう」
凛音が1人で入ると思ってたら、まさか誘われ、キョドッてしまう俺。
日が暮れた専用露天風呂は最低限の暗いライトしかない。
自然の月と星の明かりを足しても、暗い。
凛音はそれをわかってる。だから、
「先に入るから、来てね」
と、専用露天風呂の前の脱衣場に入った。
凛音が誘ってくれたのを無下にはできない。
凛音が露天風呂の中に入った頃合いをみて、俺も脱衣場へ入った。
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