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初交際は戸惑いばかり
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3ヶ月後に結婚が決まったわたし。
誰とも交際した事が無いわたしは、10歳年上の婚約者で夫になる神崎将輝さんに対して、どう歩み寄ればいいかわからなくて、話すこともままならなかった。
将輝さんは、多忙なのに唯一の休みの日曜日に、わたしをデートに連れて行ってくれた。
迷子にならないよう手を繋いでくれて、歩く速度を合わせてくれる将輝さん。
とても優しい人
兄と本当に仲が良いらしく、金曜日によく飲みにいく仲らしい。
将輝さんは、空吹工務店の跡取りだけでなく、一級建築士の資格を持ち、マンション建設の設計も手掛けてると言ってた。
兄も営業職として働いているけれど、理工学部を卒業しているから機械設計もできる。
いつかは、システムキッチンの設計を携わりたいと前に言ってた。
「愛子ちゃんって、お兄ちゃんっ子なんだね」
「そうだと思います。お兄ちゃん、わたしが小さい時、よく遊んでくれました」
将輝さんが予約してくれた料亭で、懐石料理を頂く。
兄は、わたしを喜ばしたり楽しませる事が上手だった。
それは、4歳年下の幼馴染で愛しい人と一緒に過ごした時間があるから手慣れてたんだと思う。
「これからは、俺が愛子ちゃんを大切にして楽しませるから。俺になんでもいって、甘えていいから」
兄と同い年の将輝さん。
大人で優しくて、わたしをリードしてくれるから頼もしい。
日曜日の午後に、車で迎えに来てくれて、両親に挨拶して、それから、デートをする。
日曜日が来るのが、楽しみになった。
土曜日の夕方、珍しく兄が実家に帰ってきた。
「このペンダントの中の写真、椎名社長と奥さんと……葵だと思うんだけど、父さん、どう思う?」
「間違いない、椎名だ……。どこで、これを?」
「よく行くクラブのホステスが持ってた。そのホステスが、クラブでは成宮の姓を名乗ってるのに間違えて俺の事を如月と呼んだから、たぶん、うちの会社で勤めてる。それか、俺が営業で顔を出してる会社の社員か…」
父と兄がリビングで真剣に話をしていた。
「社内に椎名葵という社員はいない。両親が自殺して会社が倒産したから、母方の名字に変更したのかもしれない」
兄が捜していた、最愛の人のあしどりがわかったようだった。
日曜日に将輝さんがわたしを迎えにきた時に、兄が実家に泊まってたのもあり、夕食に兄も同席した。
「百合さんが、捜していた人がだったんだ」
イタリアンレストランでパスタを食べながら、兄と将輝さんは話を弾ませた。
クラブにお酒を飲みによく行ってると知り、綺麗な女性に囲まれてる兄と将輝さんを想像し、嫌悪感に駆られる。
10歳年上の男性だから、そういうもんかもしれないけれど……。
「百合さんって他のホステスと違って、客をちゃんと見て対応してたよな。
商談の場として使う時に、ホステスがむやみに色気使ってくるのが、迷惑で、百合さんぐらいだよな、酒だけ作って、大人しく座ってるの」
わたしがムスッとしてるのに気がついて、将輝さんが言い訳のように言ってくる。
「愛子、クラブはいかがわしい店じゃない。ちょっと酒を飲みたい時に行くところだ」
わたしの知らない世界。
兄と将輝さんは誠実な人だとわかってるから、気にしない事にした。
誰とも交際した事が無いわたしは、10歳年上の婚約者で夫になる神崎将輝さんに対して、どう歩み寄ればいいかわからなくて、話すこともままならなかった。
将輝さんは、多忙なのに唯一の休みの日曜日に、わたしをデートに連れて行ってくれた。
迷子にならないよう手を繋いでくれて、歩く速度を合わせてくれる将輝さん。
とても優しい人
兄と本当に仲が良いらしく、金曜日によく飲みにいく仲らしい。
将輝さんは、空吹工務店の跡取りだけでなく、一級建築士の資格を持ち、マンション建設の設計も手掛けてると言ってた。
兄も営業職として働いているけれど、理工学部を卒業しているから機械設計もできる。
いつかは、システムキッチンの設計を携わりたいと前に言ってた。
「愛子ちゃんって、お兄ちゃんっ子なんだね」
「そうだと思います。お兄ちゃん、わたしが小さい時、よく遊んでくれました」
将輝さんが予約してくれた料亭で、懐石料理を頂く。
兄は、わたしを喜ばしたり楽しませる事が上手だった。
それは、4歳年下の幼馴染で愛しい人と一緒に過ごした時間があるから手慣れてたんだと思う。
「これからは、俺が愛子ちゃんを大切にして楽しませるから。俺になんでもいって、甘えていいから」
兄と同い年の将輝さん。
大人で優しくて、わたしをリードしてくれるから頼もしい。
日曜日の午後に、車で迎えに来てくれて、両親に挨拶して、それから、デートをする。
日曜日が来るのが、楽しみになった。
土曜日の夕方、珍しく兄が実家に帰ってきた。
「このペンダントの中の写真、椎名社長と奥さんと……葵だと思うんだけど、父さん、どう思う?」
「間違いない、椎名だ……。どこで、これを?」
「よく行くクラブのホステスが持ってた。そのホステスが、クラブでは成宮の姓を名乗ってるのに間違えて俺の事を如月と呼んだから、たぶん、うちの会社で勤めてる。それか、俺が営業で顔を出してる会社の社員か…」
父と兄がリビングで真剣に話をしていた。
「社内に椎名葵という社員はいない。両親が自殺して会社が倒産したから、母方の名字に変更したのかもしれない」
兄が捜していた、最愛の人のあしどりがわかったようだった。
日曜日に将輝さんがわたしを迎えにきた時に、兄が実家に泊まってたのもあり、夕食に兄も同席した。
「百合さんが、捜していた人がだったんだ」
イタリアンレストランでパスタを食べながら、兄と将輝さんは話を弾ませた。
クラブにお酒を飲みによく行ってると知り、綺麗な女性に囲まれてる兄と将輝さんを想像し、嫌悪感に駆られる。
10歳年上の男性だから、そういうもんかもしれないけれど……。
「百合さんって他のホステスと違って、客をちゃんと見て対応してたよな。
商談の場として使う時に、ホステスがむやみに色気使ってくるのが、迷惑で、百合さんぐらいだよな、酒だけ作って、大人しく座ってるの」
わたしがムスッとしてるのに気がついて、将輝さんが言い訳のように言ってくる。
「愛子、クラブはいかがわしい店じゃない。ちょっと酒を飲みたい時に行くところだ」
わたしの知らない世界。
兄と将輝さんは誠実な人だとわかってるから、気にしない事にした。
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