略奪溺愛〜起業家社長な元カレに拉致られ監禁されちゃいました〜

厳重な警戒下での自粛生活 side 遥輝

羽島夫婦と岩瀬夫婦から、凛子の継母が何しでかしてくるかわからないから警戒するようアドバイスを受け、探偵に依頼し凛子の実家を監視し、ボディーガードも雇った。

アメリカで借りているマンションは引き払ってなく、凛子はアメリカに戻るつもりでいる気がする。

凛子が俺の前からまた居なくならないよう自宅マンションの部屋に監禁する口実が欲しくて、彼らのお家騒動を凛子に話し、外出自粛を促した。

凛子の父親はかなりの悪党だったが、継母は弱い犬が吠えるのと同じで、キャンキャンと会社に電話をかけてきたが、それだけで、何もしてこない。

鷹司財閥の犯した罪は夫の光雄氏と誠治氏の逮捕で解決した。
社会的信用が落ち、業績悪化し、子会社を手放し換金してなんとか財閥壊滅をまのがれている。

羽島氏からの情報によると、鷹司財閥の現総帥の篤氏は計画的に子会社を手放し、財閥解体させようとしているらしい。
28社あった子会社は現在、12社に減り、その子会社の経営権を身内で争っているらしく、罪を犯して逮捕された光雄氏の妻の立場の継母と娘達はカタチだけの取締役員をして報酬を得てるだけで、その子会社が近いうちに売却される事に気づいてなく、呑気にその日暮らしをしている。


凛子を安田財閥の御曹司に嫁がせようとしたのは、篤氏の御膳立てで、凛子の不遇を知っていた彼が凛子の幸せを思い、縁談を進めたらしい。

凛子の継母が凛子を監禁し無理やり結婚させようとするとは思っていなかったらしい。

縁談相手の安田怜士氏はビジネスで付き合いがあり、事前に結婚式に乗り込み花嫁を攫っていく了承を得て、話をつけた。
鷹司財閥の創始者一族の人間性はかなり疑われている。
安田財閥側としては鷹司篤氏にお世話になった恩と、子会社を10社、友好的買収で事業譲渡するために縁談を受けただけで、怜士氏的に結婚のぶち壊しは縁故無しで子会社が手に入るからありがたかったらしい。

凛子の継母が何かしでかしてくる気配は今のところない。
これ以上犯罪行為を犯して欲しくない鷹司篤総帥は六本木にBARを開き、継母と娘達に経営を任し、凛子から興味を反らせたのもある。

「鷹司の継母、何かしでかして来てないですか？」

「大丈夫。ここに居れば安全だから」

結衣さんと伽乃さんから大悲惨なお家騒動の話を聞いたからか、凛子はかなり不安がっている。

マンションの部屋から一歩も出ず、大人しく引きこもっていてくれるから安心していた。