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ママにとって娘の理想的な夫

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「凛太郎くん、お疲れ様。食べて、食べて!!」

行きつけの料亭からお寿司や揚げたての天ぷら、おばん菜を買ってきたママ。
有馬先生から凛太郎くんと呼び方が変わっていて、戸惑う。
昼間は先天性疾患のある超超未熟児のオペで分刻みでスケジュールが埋まっていて、夜は救命救急センターのヘルプで心筋梗塞や脳卒中の緊急オペをこなしている有馬先生。
ママが洗濯物を洗ったり、食事を気遣ったりしているらしい。

容姿端麗過ぎる優秀な外科医だから、彼を狙ってる女性は多い。
言い方が悪いが副院長という立場を悪用して、彼の世話をしている。

「凛太郎、家は大学病院まで徒歩5分だ。仮眠室に寝泊まりせずに、ここで生活しないか!!」

一輝おじさんも彼を気に入って、しょっちゅう家に連れ込み、泊まらせてる。

ママと一輝おじさんは両親の再婚で血の繋がらない義兄妹の関係になった。

立場的に義兄妹だけど、2人は仕事のパートナーだけでなく、愛し合ってると思う。

いつも寄り添っていて、仲が良すぎて、思春期に戸惑った時期がある。

「有馬先生、すみません、母と叔父が」

強制的に泊まらされる有馬先生に対して、申し訳なくなる。

「仮眠室のベッドより寝心地がいいし、上げ膳下げ膳で食べさせてくれるから、助かってる」

有馬先生がそう言ってくれるのが、せめてもの救い。

「院長も副院長も、俺と愛花をくっつけようとしてるよな」

薄々は感じてる。
私も29歳になるから、そろそろ結婚しないとまずい歳。

加齢による卵子の老化を危惧し、20歳を過ぎてから毎月の、大学附属の産婦人で毎月卵子の凍結した。
子供を持つにあたり、自然なカタチで子供を作りたいと思いつつ、知識からか自然妊娠が怖かったりする。

染色体異常で産まれた子が可哀想で、治療にあたるママと叔父さんを見て育ったから、健康な子供を産みたいと思ってしまう。

でも、リスク回避で卵子保存をした。

「俺は愛花さんと付き合いたいと思ってるよ。人類の歴史の長さによる血液の濃さによる弊害に対し、遺伝子的な対処をしようと研究してるとこ、尊敬する」

ふと、人の歴史の長さに、そろそろ滅亡の日が近いのではと頭によぎる。

世界的に不妊症とウイルス疾患の大流行で人口が減少傾向で、自然災害も多発していて、地球滅亡が囁かれている。

「愛花さん、俺と結婚前提で付き合わない?」

軽い感じで言われ、戸惑う。
ママと一輝おじさんは有馬先生と普段関わりがあるから評価して好意を持っているけど、私のは全くの叩け違いで関わりがないから何とも言えない。

「……考えときます」

だけど、有馬先生が将生くんの親友だから、信用できる人な気がして、曖昧に返答する。

ママと一輝おじさんは、私と将生くんがくっつく事が理由は分からないけど、嫌みたいだった。

家族ぐるみの付き合いが疎遠になり、喪失感に苛まれたけど、何か理由がある気がして、気持ちをセーブしていた。

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