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力の違いを見せられ side 潤也
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「ツーリストインを買収されたんですね」
TOBの公表による株価上昇が全く起こらず、全ての株式を1ヶ月で回収しきった事に驚く。
「現社長の会社経営が目に余るからな」
藤坂社長と美香夫人、麗華は経営権剥奪された事を理解してないようだが、敵対的買収された事で他の取締役員が動き、臨時株主総会を開催し、ツーリストインはルポグループに完全子会社化された。
完全子会社化後、ツーリストイン株は整理銘柄に指定され、通常1か月間は市場での取引が可能になる。
個人株主から見放されていたために、TOB価格が245円と紙切れ状態になっていたため、藤坂社長が所有している5%の株式精算額は3千万円にしかない。
ツーリストイン株式とルポグループ株式の株式交換は行わず、スクイーズ・アウトで強制的に株式を回収し、藤坂社長と美香副社長、麗華常務をツーリストインから完全に追い出した。
「灯里が無事でよかったですが、危なかったですね。ネットニュースにあがった動画を見て焦りました」
灯里に対する麗華の卑劣な行為が隠し撮りされYouTubo投稿されていた。
「接触してくるタイミング読めてたから、灯里にバレないようにボディーガードはつけていた。麗華を警察に突き出すために、ぎりぎりまで泳がせたから、灯里に怖い思いをさせてしまったな」
麗華が灯里に危害を加える直前にボディーガードが出てきて阻止する現場も動画に納められていて、あれを見た時はひやひやした。
怪我を負わなかったために刑事事件にはならなかったが、あの動画をYouTuboに投稿され、麗華のヤバさが世界中に伝わった。
灯里を取り戻すためにルポグループに就職したが、灯里と接触しない子会社に俺は配属されるも、責任のあるやりがいのある仕事を任されたから、満足はしてる。
「ツーリストインが所有する物件、これから処理していかないといけない。建替物件21軒は修繕しようがないし、宿泊施設は足りてるから、ビジネスホテル跡地はマンションとオフィスビル建設で、旅館跡地は売却で売却先が見つからなかったら、コテージにでもするか。松田、計画を頼む」
ツーリストインを完全子会社して5年が経った。
ツーリストインの保有施設52軒のうち、任意売却物件のリゾート物件は早々にフライチャイズオーナーに売り飛ばし、建替物件に関しても従業員を近くのホテルもしくは旅館に異動させ、永峰グループ社長は更地にした。
敵対的買収に21億円かかり、1000億円近い負債を背負う事になるも、損失を5年で利益に変えた。
「……敵わないな」
ツーリストインから解放する事が、灯里にとっての最善だった。
俺は灯里と共に地獄に堕ちる道に進んでいた。
永峰グループ社長と結婚し、灯里はやっと不幸から抜け出し幸せを掴んだ。
「灯里が今週末、奥さん連れてBBQしに家に来いって!!」
3ヶ月前に、営業先で知り合った灯里に似た感じの水回り機器メーカーのインテリアプランナーな女の子と結婚した。
灯里はもう、俺の元には戻ってこない。
***」
「潤也さん、凛花さん、いらっしゃい」
乃木坂にある庭付きの一軒家。
永峰グループ社長が折りたたみコンロをセッティングして火を起こし、灯里がガーデンテーブルの上に肉と切った野菜をトレーを置いて準備をしていた。
「潤也さん、こんにちは!!」
「智司くん、こんにちは。ありがとう」
永峰グループ社長そっくりな3歳になる御子息が、俺と凛花にビールを差しだす。
温かい幸せな家庭を築いた灯里。
俺も凛花と幸せを掴もうと心に誓った。
TOBの公表による株価上昇が全く起こらず、全ての株式を1ヶ月で回収しきった事に驚く。
「現社長の会社経営が目に余るからな」
藤坂社長と美香夫人、麗華は経営権剥奪された事を理解してないようだが、敵対的買収された事で他の取締役員が動き、臨時株主総会を開催し、ツーリストインはルポグループに完全子会社化された。
完全子会社化後、ツーリストイン株は整理銘柄に指定され、通常1か月間は市場での取引が可能になる。
個人株主から見放されていたために、TOB価格が245円と紙切れ状態になっていたため、藤坂社長が所有している5%の株式精算額は3千万円にしかない。
ツーリストイン株式とルポグループ株式の株式交換は行わず、スクイーズ・アウトで強制的に株式を回収し、藤坂社長と美香副社長、麗華常務をツーリストインから完全に追い出した。
「灯里が無事でよかったですが、危なかったですね。ネットニュースにあがった動画を見て焦りました」
灯里に対する麗華の卑劣な行為が隠し撮りされYouTubo投稿されていた。
「接触してくるタイミング読めてたから、灯里にバレないようにボディーガードはつけていた。麗華を警察に突き出すために、ぎりぎりまで泳がせたから、灯里に怖い思いをさせてしまったな」
麗華が灯里に危害を加える直前にボディーガードが出てきて阻止する現場も動画に納められていて、あれを見た時はひやひやした。
怪我を負わなかったために刑事事件にはならなかったが、あの動画をYouTuboに投稿され、麗華のヤバさが世界中に伝わった。
灯里を取り戻すためにルポグループに就職したが、灯里と接触しない子会社に俺は配属されるも、責任のあるやりがいのある仕事を任されたから、満足はしてる。
「ツーリストインが所有する物件、これから処理していかないといけない。建替物件21軒は修繕しようがないし、宿泊施設は足りてるから、ビジネスホテル跡地はマンションとオフィスビル建設で、旅館跡地は売却で売却先が見つからなかったら、コテージにでもするか。松田、計画を頼む」
ツーリストインを完全子会社して5年が経った。
ツーリストインの保有施設52軒のうち、任意売却物件のリゾート物件は早々にフライチャイズオーナーに売り飛ばし、建替物件に関しても従業員を近くのホテルもしくは旅館に異動させ、永峰グループ社長は更地にした。
敵対的買収に21億円かかり、1000億円近い負債を背負う事になるも、損失を5年で利益に変えた。
「……敵わないな」
ツーリストインから解放する事が、灯里にとっての最善だった。
俺は灯里と共に地獄に堕ちる道に進んでいた。
永峰グループ社長と結婚し、灯里はやっと不幸から抜け出し幸せを掴んだ。
「灯里が今週末、奥さん連れてBBQしに家に来いって!!」
3ヶ月前に、営業先で知り合った灯里に似た感じの水回り機器メーカーのインテリアプランナーな女の子と結婚した。
灯里はもう、俺の元には戻ってこない。
***」
「潤也さん、凛花さん、いらっしゃい」
乃木坂にある庭付きの一軒家。
永峰グループ社長が折りたたみコンロをセッティングして火を起こし、灯里がガーデンテーブルの上に肉と切った野菜をトレーを置いて準備をしていた。
「潤也さん、こんにちは!!」
「智司くん、こんにちは。ありがとう」
永峰グループ社長そっくりな3歳になる御子息が、俺と凛花にビールを差しだす。
温かい幸せな家庭を築いた灯里。
俺も凛花と幸せを掴もうと心に誓った。
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