6 / 18
私が副社長でいいんですか?
しおりを挟む
優司さんと結婚して、1ヶ月が経った。
挨拶回りを兼ねて、私を連れて、全国各地の支社と経営しているビジネスホテル、フランチャイズ契約を結んでいるラグジュアリーホテルを視察する。
「灯里にそろそろ役職つけて、仕事を任せないとな!!」
取締役会で私を代表取締役副社長に選任し、その後、緊急株式総会を開き、私は代表取締役副社長になった。
「灯里、ラポホテルの宣伝広告塔を頼む!!」
優司さんは経営関係の仕事で何かと忙しい。
浪費癖の激しい3代目社長と思っていたけど、頭がかなり切れる社長だった。
コロンウイルスが流行するこの世の中。
感染すると自宅待機なるため、家族に迷惑をかけられないと、ホテルに宿泊する人は多い。
客室稼働率65%以下のビジネスホテルを感染者専用ホテルにし、オーダー式の食事付きで、近くの個人病院の医師の医師が毎日診察に訪れる体制を整えた彼の取り組みに度肝を抜いた。
コロン感染者専用ビジネスホテルは、連泊で終日満席になり、売上高爆上がり。
時代に沿ったビジネスで、売上を伸ばしている優司さんの経営戦略、私には思いつかない。
「全国各地のホテルの視察と、ホテルごとの宿泊プランとOTAに掲載する広告作成をお願いしていい?」
OTAとはOnline Travel Agent(オンライン・トラベル・エージェント)の略で、オンライン上の旅行代理店、旅行サイトの事。
ホテル業界の集客チャネルはOTAが主流になっていて、現在、国内には8社の運営会社がある。
ホテルの予約の大半がじゃろんや楽笑トラベル、Yahaaトラベルなどの旅行サイトからの予約で、運営会社ごとに細かく契約を交わさないといけないから、かなり神経を擦り減る業務だったりする。
基本的に支店に任せているけど、それでは集客に結びつかず、定期的に視察で改善を行わないと収益に結びつかないから、本社の営業や取締役が交渉に当たる。
「灯里だから、任せられる。頼むな!!」
優司さんに拾われ、ホテル業界で働ける事をありがたく思う。
だけど、かなりきつい仕事を任された。
宿泊プランに関して、経営企画部からの提案を組みつつ、サービス向上で値上げをするかしないかなど、判断が難しく、苦悩した。
「素泊まりとサービス付きでプラン組んで、集客傾向を掴むしかないね」
朝食バイキングや飲み放題なBARなどのサービスをオプションにし、格安プランを組む。
出張で来たからたまには贅沢をとオプション付きのプランを予約する客が多く、嬉しく思う。
最高のおもてなしをし、リピートに繋がればと模索する。
「リゾート客率上がったな。予約が取れたから出張するって、ありがたい口コミだな」
旅行サイトの全体の評価の★は、4.9。
高評価な口コミのコメントも頂いて、嬉しく思う。
優司さんから、成果を褒められ、嬉しく思う。
ツーリストインで勤務していた時は赤字経営脱却で奮闘し、経営破綻を逃れるために必死なだけだった。
「灯里を奥さんに迎えて、幸せだ。ありがとう」
全国各地の系列ホテルを渡り歩き、滅多に帰ってこない私に、優司さんは満足している。
週末以外は系列ホテルに単独で宿泊している。
週末だけ、夫の優司さんと夫婦生活を送る。
仕事最優先で仕事に関連する話ばかりで、夫婦生活とは言えない。
「……灯里、抱かせて、灯里が恋しくて堪らない」
仕事の話をするか、ベッドもしくはソファで生殖を満たすだけの夫婦関係。
「……避妊はして。子供はルポグループのホテルを全店回ってから作りたい」
「……それ、達成させるとしたら、3年以上かかるぞ!!」
フランチャイズを合わせたら国内982のホテルをルポグループは展開している。
「灯里がそうしたいなら受け入れる。だが、平日ずっと視察で不在はつらい。俺が同行できたらいいんだけどな」
戦力として優司さんは私を嫁に迎えたと思っていたけれど、私の事を愛し、大切にしてくれてる気がする。
だけど、7年間交際していた初彼が異母妹とデキ婚したトラウマから不在が多い生活で浮気されてないか不安になる。
幼児体型で仕事しか取り柄がないから、父みたいに本命が私以外にいるのではないかと疑ってしまい、子供を作る気にはなれない。
だけど、ルポグループの副社長として務められる生活が心地よく、幸せで、この生活を失いたくなかった。
挨拶回りを兼ねて、私を連れて、全国各地の支社と経営しているビジネスホテル、フランチャイズ契約を結んでいるラグジュアリーホテルを視察する。
「灯里にそろそろ役職つけて、仕事を任せないとな!!」
取締役会で私を代表取締役副社長に選任し、その後、緊急株式総会を開き、私は代表取締役副社長になった。
「灯里、ラポホテルの宣伝広告塔を頼む!!」
優司さんは経営関係の仕事で何かと忙しい。
浪費癖の激しい3代目社長と思っていたけど、頭がかなり切れる社長だった。
コロンウイルスが流行するこの世の中。
感染すると自宅待機なるため、家族に迷惑をかけられないと、ホテルに宿泊する人は多い。
客室稼働率65%以下のビジネスホテルを感染者専用ホテルにし、オーダー式の食事付きで、近くの個人病院の医師の医師が毎日診察に訪れる体制を整えた彼の取り組みに度肝を抜いた。
コロン感染者専用ビジネスホテルは、連泊で終日満席になり、売上高爆上がり。
時代に沿ったビジネスで、売上を伸ばしている優司さんの経営戦略、私には思いつかない。
「全国各地のホテルの視察と、ホテルごとの宿泊プランとOTAに掲載する広告作成をお願いしていい?」
OTAとはOnline Travel Agent(オンライン・トラベル・エージェント)の略で、オンライン上の旅行代理店、旅行サイトの事。
ホテル業界の集客チャネルはOTAが主流になっていて、現在、国内には8社の運営会社がある。
ホテルの予約の大半がじゃろんや楽笑トラベル、Yahaaトラベルなどの旅行サイトからの予約で、運営会社ごとに細かく契約を交わさないといけないから、かなり神経を擦り減る業務だったりする。
基本的に支店に任せているけど、それでは集客に結びつかず、定期的に視察で改善を行わないと収益に結びつかないから、本社の営業や取締役が交渉に当たる。
「灯里だから、任せられる。頼むな!!」
優司さんに拾われ、ホテル業界で働ける事をありがたく思う。
だけど、かなりきつい仕事を任された。
宿泊プランに関して、経営企画部からの提案を組みつつ、サービス向上で値上げをするかしないかなど、判断が難しく、苦悩した。
「素泊まりとサービス付きでプラン組んで、集客傾向を掴むしかないね」
朝食バイキングや飲み放題なBARなどのサービスをオプションにし、格安プランを組む。
出張で来たからたまには贅沢をとオプション付きのプランを予約する客が多く、嬉しく思う。
最高のおもてなしをし、リピートに繋がればと模索する。
「リゾート客率上がったな。予約が取れたから出張するって、ありがたい口コミだな」
旅行サイトの全体の評価の★は、4.9。
高評価な口コミのコメントも頂いて、嬉しく思う。
優司さんから、成果を褒められ、嬉しく思う。
ツーリストインで勤務していた時は赤字経営脱却で奮闘し、経営破綻を逃れるために必死なだけだった。
「灯里を奥さんに迎えて、幸せだ。ありがとう」
全国各地の系列ホテルを渡り歩き、滅多に帰ってこない私に、優司さんは満足している。
週末以外は系列ホテルに単独で宿泊している。
週末だけ、夫の優司さんと夫婦生活を送る。
仕事最優先で仕事に関連する話ばかりで、夫婦生活とは言えない。
「……灯里、抱かせて、灯里が恋しくて堪らない」
仕事の話をするか、ベッドもしくはソファで生殖を満たすだけの夫婦関係。
「……避妊はして。子供はルポグループのホテルを全店回ってから作りたい」
「……それ、達成させるとしたら、3年以上かかるぞ!!」
フランチャイズを合わせたら国内982のホテルをルポグループは展開している。
「灯里がそうしたいなら受け入れる。だが、平日ずっと視察で不在はつらい。俺が同行できたらいいんだけどな」
戦力として優司さんは私を嫁に迎えたと思っていたけれど、私の事を愛し、大切にしてくれてる気がする。
だけど、7年間交際していた初彼が異母妹とデキ婚したトラウマから不在が多い生活で浮気されてないか不安になる。
幼児体型で仕事しか取り柄がないから、父みたいに本命が私以外にいるのではないかと疑ってしまい、子供を作る気にはなれない。
だけど、ルポグループの副社長として務められる生活が心地よく、幸せで、この生活を失いたくなかった。
1
お気に入りに追加
173
あなたにおすすめの小説

ワケあってこっそり歩いていた王宮で愛妾にされました。
しゃーりん
恋愛
ルーチェは夫を亡くして実家に戻り、気持ち的に肩身の狭い思いをしていた。
そこに、王宮から仕事を依頼したいと言われ、実家から出られるのであればと安易に引き受けてしまった。
王宮を訪れたルーチェに指示された仕事とは、第二王子殿下の閨教育だった。
断りきれず、ルーチェは一度限りという条件で了承することになった。
閨教育の夜、第二王子殿下のもとへ向かう途中のルーチェを連れ去ったのは王太子殿下で……
ルーチェを逃がさないように愛妾にした王太子殿下のお話です。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる