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はじめましてパパとママだよ

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志織先生の読み通り、次の日の夕方に陣痛がきて、あまりの痛さに悶え苦しむ。
志織先生から連絡を受け、すぐに駆けつけてきた理人。
陣痛の痛みを和らぐマッサージを、してくれた。

「まだ子宮口が3cmしか空いてないから長引くかもしれないね……」

志織先生が19時過ぎに診察にきて言われた。
お産がこんな苦しいものだと思ってなかった。

「ママ、今日は病院にお泊り?」

わたしの個室に志織さんそっくりな小さな女の子が入ってきた。

「香澄と家に帰るよ」

ママの顔をして志織先生が娘の香澄ちゃんを抱き上げた。

「兄貴!!」

香澄ちゃんを連れてきたのは志織先生の旦那さんで理人のお兄さんの志貴さんだった。

陣痛で悶え苦しんで見苦しい姿で初対面の挨拶をする羽目になった。

「親父とお袋も来るって」

志貴さんが理人に言ったのを聞いて、ソミーロボット開発テクノロジーの社長と副社長にこんな姿を見られると思うと恥ずかしくて勘弁して欲しかった。


「志織……陣痛の本格的なの来たんじゃない?」

わたしが羞恥心もプラスして悶え苦しんでるのを志貴さんが見て志織先生に言うと、志織先生がもう一度わたしの子宮口を確認した。

「えっ……8センチ、陣痛室いや分娩室に行くよ」

志織先生に案内され、陣痛でしゃがみこみながら歩いてついて行く。
そんなわたしを理人がお姫様抱っこして分娩室まで連れて行ってくれた。

本当は立ち合いはして欲しくなかったけど、理人が勝手に手術着に着替えて分娩室に居座った。

「子宮口10cm、全開。陣痛の波がきたらいきんで」

「オギャーー オギャーー」

陣痛が始まって8時間とスピード出産だった。
理人がわたしと赤ちゃんが繋がれてるへその緒を切った。
そしてわたしの胸の上に、さっきまでわたしのお腹の中にいた息子を乗せてくれた。

「理人にそっくりすぎる」

「乙羽ありがとう。最低な俺の子を産んでくれて」

理人は泣いて喜んでた……。




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