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結婚拒否した結果
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このままでは戌の日に籍を入れて夫婦になってしまう……。
仕事中は常にわたしを横に置いてるけれど、家では食事の時以外はわたしが部屋に逃げるから桐谷とは話をしない。
会社帰りに、毎日桐谷家御用達の料亭 縁 で栄養満点の身体に優しい料理を頂く。
桐谷と向き合い、無言で食事をする。
仕事中も仕事に関する会話しかなく、桐谷はわたしと全く会話がなくプライベートも各自自由行動。
桐谷はわたしとの関係がこんななのに、夫婦になって子供を一緒に育てて幸せなんだろうか。
「……桐谷、わたしとプライベートで全く会話なくて各自自由行動なのに、夫婦になって子供を育て幸せになれると思う?
結婚辞めよう。子供の父親は桐谷だから、週末に合わせたりするから……」
料亭 縁で食事をしている時に、思い切って桐谷に行った。
この関係で夫婦になっても生活が息苦しいだけで、協力して子供を育てるなんて、無理。
「辞めない。美結と夫婦になって一緒に子供を育てる」
「わたし達、会話もなくてプライベート各自自由行動なのに、夫婦なんて、無理でしょ」
「……そんな事ない。大学時代から9年間、俺達、良い関係を築けてた。
俺が美結が誰か他の男に取られると思って、お前に子供を作って、既成事実を作って俺から離れないようにした。
俺は……どんな手を使っても美結が欲しかった。
美結……大事にする。だから、俺の奥さんになって。
……好きなんだ」
切なそうな表情でわたしを見つめ桐谷は言った。
「……美結、俺と向き合って、美結をこの世で1番幸せな奥さんにするから。だから、夫婦になって恋愛しながら子育てをして、家族になろう」
桐谷はわたしの事を愛してくれてる。
大学入学してから学科が同じで興味ある分野が同じで、気づいたらいつも一緒にいた。
車に詳しい桐谷。トミタの86に乗っていて、よく峠をドライブに連れて行って貰って、よく飲みにも行ってた。
桐谷がいう通り……友達として上手くいってた。
「………わかった」
結婚を取りやめにしたかった。
でも……桐谷と男友達として過ごした9年間は確かに毎日楽しかった。
桐谷が酔い潰れたわたしを抱いたことな幻滅して関係が崩れたけれど……。
でも桐谷がわたしを抱いたのがわたしの事が好きすぎてしでかした事で、桐谷と向き合い、将来を真剣に考える事にした。
戌の日、名古屋市内にある伊奴神社(いぬじんじゃ)に桐谷と両親達とお参りへ行った。
御祭神に「スサノオノミコト」と「オオトシノカミ」と「イヌヒメノカミ」を祀っていて、「イヌヒメノカミ」が安産、子授けにご利益がある神様とされていることと、犬は多産でお産が軽く安産なことから、桐谷がここの神社に決めた。
安産祈願の後、名古屋市内にある5つ星の料亭 清川 の個室で、お清めしていただいた腹帯を桐谷がわたしの少し出てきたお腹に巻いた。
「結婚式を省略する事になり、申し訳ございません」
「いえいえ、美結が妊娠悪阻で4ヶ月入るまで体調が優れなかったから仕方がないです。うちの娘が嫌がってたので気持ちを汲んで下さりありがとうございます」
料亭での食事の前に形式で結納を交わし、婚姻届に桐谷、わたしが名前等を記入した後に、桐谷の父、わたしの父の順で証人欄にサインした。
「美結、婚姻届を出したらあなたも桐谷の姓になるのだから、遥翔さんと名前で呼びなさい」
母に桐谷の事を下の名で呼ぶよう、咎められた。
「お母さん、長い間友人として付き合っていて名字で呼び合ってた仲だから、なかなか名前で呼ぶのは難しいと思います。夫婦になりますがまだ友達の関係から抜けてないです。これから恋人になり夫婦として家族になっていくので温かい目で見守って下さったらありがたいです」
桐谷……遥翔がわたしの母にそう言ってくれた。
わたしと遥翔はまだ距離感がある。
友達から友達以下になり、それなのに恋人通り越し夫婦になるから新婚夫婦のラブラブ感が全くない。
両親達はその事に気づいてる。
でも、お腹の中に芽生えた命の事を考え遥翔がわたしを大事にし愛してるからなんとかなると思ったようだった。
戌の日のお祝いの食事会を終え、わたしの両親を名古屋駅まで送った後、刈谷市役所に婚姻届を提出して、わたしと遥翔は夫婦になった。
仕事中は常にわたしを横に置いてるけれど、家では食事の時以外はわたしが部屋に逃げるから桐谷とは話をしない。
会社帰りに、毎日桐谷家御用達の料亭 縁 で栄養満点の身体に優しい料理を頂く。
桐谷と向き合い、無言で食事をする。
仕事中も仕事に関する会話しかなく、桐谷はわたしと全く会話がなくプライベートも各自自由行動。
桐谷はわたしとの関係がこんななのに、夫婦になって子供を一緒に育てて幸せなんだろうか。
「……桐谷、わたしとプライベートで全く会話なくて各自自由行動なのに、夫婦になって子供を育て幸せになれると思う?
結婚辞めよう。子供の父親は桐谷だから、週末に合わせたりするから……」
料亭 縁で食事をしている時に、思い切って桐谷に行った。
この関係で夫婦になっても生活が息苦しいだけで、協力して子供を育てるなんて、無理。
「辞めない。美結と夫婦になって一緒に子供を育てる」
「わたし達、会話もなくてプライベート各自自由行動なのに、夫婦なんて、無理でしょ」
「……そんな事ない。大学時代から9年間、俺達、良い関係を築けてた。
俺が美結が誰か他の男に取られると思って、お前に子供を作って、既成事実を作って俺から離れないようにした。
俺は……どんな手を使っても美結が欲しかった。
美結……大事にする。だから、俺の奥さんになって。
……好きなんだ」
切なそうな表情でわたしを見つめ桐谷は言った。
「……美結、俺と向き合って、美結をこの世で1番幸せな奥さんにするから。だから、夫婦になって恋愛しながら子育てをして、家族になろう」
桐谷はわたしの事を愛してくれてる。
大学入学してから学科が同じで興味ある分野が同じで、気づいたらいつも一緒にいた。
車に詳しい桐谷。トミタの86に乗っていて、よく峠をドライブに連れて行って貰って、よく飲みにも行ってた。
桐谷がいう通り……友達として上手くいってた。
「………わかった」
結婚を取りやめにしたかった。
でも……桐谷と男友達として過ごした9年間は確かに毎日楽しかった。
桐谷が酔い潰れたわたしを抱いたことな幻滅して関係が崩れたけれど……。
でも桐谷がわたしを抱いたのがわたしの事が好きすぎてしでかした事で、桐谷と向き合い、将来を真剣に考える事にした。
戌の日、名古屋市内にある伊奴神社(いぬじんじゃ)に桐谷と両親達とお参りへ行った。
御祭神に「スサノオノミコト」と「オオトシノカミ」と「イヌヒメノカミ」を祀っていて、「イヌヒメノカミ」が安産、子授けにご利益がある神様とされていることと、犬は多産でお産が軽く安産なことから、桐谷がここの神社に決めた。
安産祈願の後、名古屋市内にある5つ星の料亭 清川 の個室で、お清めしていただいた腹帯を桐谷がわたしの少し出てきたお腹に巻いた。
「結婚式を省略する事になり、申し訳ございません」
「いえいえ、美結が妊娠悪阻で4ヶ月入るまで体調が優れなかったから仕方がないです。うちの娘が嫌がってたので気持ちを汲んで下さりありがとうございます」
料亭での食事の前に形式で結納を交わし、婚姻届に桐谷、わたしが名前等を記入した後に、桐谷の父、わたしの父の順で証人欄にサインした。
「美結、婚姻届を出したらあなたも桐谷の姓になるのだから、遥翔さんと名前で呼びなさい」
母に桐谷の事を下の名で呼ぶよう、咎められた。
「お母さん、長い間友人として付き合っていて名字で呼び合ってた仲だから、なかなか名前で呼ぶのは難しいと思います。夫婦になりますがまだ友達の関係から抜けてないです。これから恋人になり夫婦として家族になっていくので温かい目で見守って下さったらありがたいです」
桐谷……遥翔がわたしの母にそう言ってくれた。
わたしと遥翔はまだ距離感がある。
友達から友達以下になり、それなのに恋人通り越し夫婦になるから新婚夫婦のラブラブ感が全くない。
両親達はその事に気づいてる。
でも、お腹の中に芽生えた命の事を考え遥翔がわたしを大事にし愛してるからなんとかなると思ったようだった。
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