鬼畜な幼馴染が許嫁

鳴宮鶉子

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勝率が低いプロポーズ side雅人

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顔を合わせば『孫孫孫』と話しかけてくる杉宮循環器内科主任部長に、溜息しかつけない。

美玲にとって俺は指導医でしかない。
無理矢理子供を孕ませて結婚に持って
いこうとしたから、俺は美玲に完全に拒絶をされ嫌われる。

同じ屋根の下で生活をしていても、美玲にその気がないから手を出せない。

救急センターのアルバイトがない日はマンションに戻ってシャワーを浴びた後、夜中まで専門医資格を取得するために必要な論文を作成していて、俺はその相談に乗り、論文の添削をしてる。

指導医と研修医。元々家庭教師と教え子の関係だったから、今も昔もこの関係は変わらない。

違うのは、高校時代の美玲は盛りがついてて発情していて、俺に襲いかかってきてた。

そういう時期だったのかもしれない。

俺も高校時代は受験勉強のストレス発散にで塾のクラスメイトで俺に好意を抱いてる女子と遊んでた。
大学生になってからも美玲と関係を持つまではそれなりに遊んでて、美玲と関係を持ってからはほぼ毎日美玲とやってた。

35歳の俺と29歳の美玲。
年齢的に発情期は治り、盛《さか》ってない。

肉体的より精神的な絆が深まり、昔より今の方が美玲と良い関係を築けてると思う。

12月に入って、循環器内科で専攻医をしてる美玲は、父親からの『孫孫孫』攻撃に嫌気を刺したのか、T大学附属病院に戻って、循環器以外のサブスペシャルティー領域の勉強をしたいと言いだした。
俺も、後期研修の後半は救急医として杉宮記念病院に籍を置いたまま、T大附属病院に移籍した。

美玲が医師として深い知識と技術を学びたいと思う気持ちはよくわかる。

美玲の両親は大反対すると思うが、俺は美玲を応援する事に決めた。
T大附属病院に移籍して1~3年間専攻医として、循環器以外の科を学んで後期研修期間を終えてから、子供を考えてもいいと思う。

美玲が俺を結婚相手に選んでくれさえすればいい。

今年のクリスマスは日曜日で、なんとか休みが取れたから、土曜日の夜にホテルのディナーに誘ってプロポーズをする事にした。

美玲が応えてくれるか自信はない。
だが、美玲がT大附属病院に移籍する前に関係を進展させたかった。

クリスマスに美玲にプロポーズをする事にした。


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