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現在……束縛と無償の愛

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福岡のレオパレスを解約され、東京に戻ってきた。
わたしが出て行かないか心配な遥翔社長は、わたしを常に隣に置く。

切迫早産気味だから外回りには連れ出されないけれど、わたしを社長室に閉じ込め、第2秘書を監視につけた。

社長室で溜まった仕事をこなす。
2週間の家出で、かなりの量を溜め込んでしまい、目が回るぐらい忙しい。

吉川麻美の自伝的小説の話題はもう別のスキャンダルで消された。

映画の話も、吉川麻美が麻薬に手を出していた事がわかりなくなった。

元アイドルなのに官能的に描かれた自伝的小説に対して、精神的におかしくなってると疑ったマネージャーが警察に通報し、調べたら黒だった。

しかも、注射による投薬でヤクザの女に成り下がってた。

『麻美は俺がIT企業の社長だから付き合っていただけだった』

吉川麻美との交際について、遥翔社長も色々思う事があったらしい。
別れたらいいのに、泣かれるのが面倒臭いのと恋人という存在は欲しかったらしく、だらだらと付き合ってたらしい。

吉川麻美は、遥翔社長以外にも妻子持ちの俳優と不倫もしていた。
アバホテル新宿に週2で宿泊をしていて、アルバイトのフロントスタッフが隠し撮りをしていて、それを週刊誌にタレコミ、吉川麻美の悲劇のヒロインストーリーは見事に崩れた。

「そろそろ、仕事をセーブしないといけないな」

4台のパソコンをキャスター付きの椅子に座って、移動しながらキーボードを叩いてるわたしに遥翔さんが近づいてきて、わたしを後ろから抱きしめ、そして、膨らんでるお腹に手をあてた。

「元気いいな!!俺が触るといつも動き回る。男の子だから、俺と理音を取り合うようになるのかな」

遥翔社長が触ると、いつもお腹が変形するぐらい、赤ちゃんは動き回った。

わたしのお腹を触り、嬉しそうに笑みを浮かべてる遥翔さんはお父さんの顔をしてた。

「34週目に入ったら産休に入ってもいいんですよね?」
「……1人でマンションに居させるのが不安だから、出産までは昼間はここにいて欲しいな」
「出て行ったりしませんよ。遥翔社長がわたしの事を相当愛してくれてるのわかってるし、わたしも遥翔社長の事を愛してますから」

今まで遥翔社長に愛してるなんて言った事なかった。
だから、遥翔社長はよほど嬉しかったのか、椅子を回してわたしの顔を見つめ、そして力強く抱きしめた。

「理音、理音の事を愛してる。初めて会った時から。やっと両想いになれた」

そういうと、遥翔社長は触れるだけでなく、わたしの口内に舌を入れ込み、そして、とろけるような甘いキスを落としてきた。




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