貴方の子を産み育ててますが、結婚はお断りします

バレンタインおうち飲み会

「相葉社長、明日、バレンタインおうち飲み会を私のうちでしようと思うんですけど、私、夜中の2時からクライアントとリモート会議があって、片付け等考えて23時がギリギリなんですよ。で、２次会を凛花ちゃんのうちでと考えてるのですが、凛花ちゃんと翔真を2人きりにしたいので、理由つけて帰ってくれませんか？」

バレンタインの前日。
LINEグループビデオ通話でみんなをバレンタインおうち飲み会に招待の連絡を入れた後、相葉社長個人にLINE通話をかけた。

「なんで？もしかして、凛花ちゃんと瀬川をくっつけようとしてる？あいつら、そういう関係だったの！？」

相葉社長は2人が元恋人関係だった事を知らない。

「……言う通りにしてください！！相葉社長をおうち飲み会に招待しなくていいんですよ。誘う理由ありませんし」

友達だとしても勝手に話していい事ではない。
だから、相葉社長を脅して言う事を聞かす。

「わかった、言う通りにする！！だから、バレンタインおうち飲み会に招待して！！」

土曜日にせっかく生チョコタルトを作ったのに、凛花ちゃんはバレンタインの日に、翔兄と会う約束をとりつけなかった。

だから、平日だけどおうち飲み会を開き、凛花ちゃんと翔兄を2人きりにするバレンタイン大作戦を行う事にした。

平日のおうち飲み会だから、ビールによく合う居酒屋メニューにしてみた。

平日の夜だからと、ビールに合うヘルシーなつまみを用意してくれた伽音ちゃん。
焼き鳥に枝豆、明太だし巻き卵、ネギ塩牛タンに、ホットプレートで焼く手作り餃子。

メインは手作り餃子で、定番の肉餃子だけだと面白くないからロシアンルーレット式に変わり種も作ってみた。

じゃがいもベーコンに海老枝豆チーズ、納豆アボカド、干し椎茸春雨、キムチチーズにチョコレート。

チョコレートはハズレ。
相葉社長がチョコを欲しがってたから、彼がいつも座る席の前に1つだけ置く事にした。

「マッズィイーー！！」

チョコレート餃子を食べた相葉社長はスゴい酷い顔をしてた。

午前2時からGoogloと新しいプロジェクトについてのリモート会議がある。

「2次会は凛花ちゃんの家で！！余った料理、持ってって！！ビールも私、飲まないし、持ってて」

22時45分。
余った料理を大皿に移しサランラップをし、凛花ちゃんに渡す。
２次会する予定は決めてなくて、お開きだと思ってた凛花ちゃん。

「……凛花ちゃん、頑張ってね」

大皿を渡す時に、耳元でエールを送った。

生ビールの入った箱は相葉社長に押しつけ、23時ぴったしに、計画通りに解散する。