起業家幼馴染社長からの監禁溺愛

鳴宮鶉子

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一線を越えた日

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「美玲、行ってくる」

玄関で私の頭上に手を置き、犬の頭を撫でますようにくしゃくしゃにする。

「ランチミーティングないから、昼に帰ってくる。一緒にお昼ご飯を食べよう」

ランチは格式が高いホテルやレストランから毎日、ケータリングが届く。
いつも2人分が届き、1人で食事する時は残りは英翔さんの夜食になってた。

なるべく、私と食事を共にしてくれてる英翔くん。仕事の合間に帰ってきて、勉強を教えてくれたり、仕事の指示を出してた。

リモート通信でずっと繋がっていて、社長室での事ならリアルタイムで何をしてるかがわかる。
中学校卒業して間もなく、身体の発達がゆっくりで小学生にしかみえない私を、英翔くんはオフィスに連れて行ってくれない。
148cm34kgの小柄で華奢すぎる身体つき。
胸とお尻がぺったんこで、グラマラスボディーに憧れる。
唐揚げを食べまくったら巨乳になるという都市伝説を信用し、毎日ケンタッキーをランチに食べてた。
おやつはカレー粉入絹豆腐納豆。
全く効果がなく、唯一の楽しみの食事を台無しにしただけだった。
怪しげなサプリメントは届いてすぐに英翔くんに取り上げられ使用できず、恥ずかしい思いをするだけ。
幼児体型だからオフィスに連れて行って貰えないわけではないと思う。
だけど、英翔くんに子供扱いされるのが嫌だった。

私を嫁にする宣言した英翔くんは、濃厚なキスをし、夜は同じベッドで私を抱き枕にして眠るようになった。

18歳未満の者に対して監護する大人が性交等をした場、刑法第179条第2項で強制性交等罪と処されるとかで、それ以上はしてこなかった。同条第1項には、監護者が性交等に至らずともわいせつな行為に及んだ者は、強制わいせつの罪に問われることが規定されていて、監護者わいせつ罪および監護者性交等罪については、脅迫・暴行がなく、または同意があったとしても罪の成立を妨げないとかで、自制してた。
私の身体に魅力がないから、ペットとして可愛がる事はできても、女の魅力は感じてないのかもしれない。

たまに夜中にマンションに戻ってくる英翔さん。
身体から香りがきついボディーソープの匂いがするから、接待の後にBARで飲んで、その場限りの性欲を発散させる女性を引っかけてホテルの部屋に連れ込み、発散させてきたんだと思われる。

気づいてないふりをしていたけど、それがすごく嫌だった。


英翔くんはキス以上のことはしない。
大切にされて愛されてるのはわかる。

父と母と暮らしていた時も英翔くんは隣の自分の家よりも私の家にいて、食事も就寝も一緒だった。
身長が150cm無い、胸もお尻もまな板でくびれもない幼児体型だから、女の魅力なんて全くなかったから、たぶん、この頃は妹や娘みたいな対象だったと思う。

英翔くんが私を女性として好意を抱いてくれるようになったのか、たぶん、私の両親が亡くなって、私の見受け後継人になってからだと思う。

小学生の頃から英翔くんがずっと仕事を手伝っくれてたから、父は大学生になった英翔くんに会社の権利の半分を渡した。
だから、英翔くんが私の身請け引受人になる事を英翔くんの両親は何も言わなかった。
そして、将来的に私と結婚すると英翔くんが言い出した時も、私が承諾したなら祝福すると言ってた。

私の両親に世話になった恩があるから、私の面倒をみてくれて、結婚すると言ってると思ってた。

小学校高学年ぐらいから、性的な事に興味を抱くようになった。
身近にいる優しくてカッコいい大人の男性の英翔くんにときめいてた。

でも、私が子供だから、英翔くんが私に手を出したら犯罪に問われてしまう。

いつまでも子ども扱いされているようで悔しくもあった。
軽いキスやギュッと抱きしめてはくれてる。
だけど、それ以上は大人になってからと言って、してくれない。

大人とは何歳からをいうのだろう。
中学生はさすがに早い。
高校生はどうなんだろう。
通信制高校だから同級生と関わる事がないからわからない。
ませてる子だと中学生でも経験してる。
子供同士が勝手にやらかしてるから犯罪にはならないけど、大人が子供に手を出すと犯罪になる。

弁護士の先生がいうには、日本の刑法176条強制わいせつ罪、及び177条強制性交等罪の規定において、性的同意年齢は男女とも13歳以上に設定されていて、性的同意年齢未満の相手と姦淫または猥褻をした場合が法定強制性交等、法定強制わいせつ等に該当するといってた。
ただ、見受け後継人となったら監護者の立場になり、18歳未満の男女にこれらの行為を働いた場合に監護者性交等罪、監護者わいせつ罪に問われると教えてもらった。

18歳まで、私は英翔くんと身体関係を持てない。だから、英翔くんは他の女性を抱く。
身体だけの関係だと思う事にした。

通信制高校でstay homeな生活を送ってるから同年代の子達と話をする事がない。

Safariで教育機関が集計した性行動全国調査を調べ、そのデータの数字を見て驚く。
性交経験のある高校生男子は14.6%、高校生女子は19.3%。
キスをした経験は、高校生男子が31.9%、女子40.7%、中学生男子9.5%、女子12.6%。
経験あっても隠す人は多い。
だから、高校生女子の4人に1人、もしかしたら3人に1人が経験してるのかもしれない。


*****

6月15日の私の誕生日。
毎年、渋谷駅側にあるセントリスタホテルの最上階にあるフレンチレストランにバースデーディナーに連れて行ってくれる。

この日のために英翔くんが購入してくれた桜色したワンピースドレスを着て、英翔くんが迎えに来てくれるのを待ってた。

トミタから自動運転のAIシステムの仕事を請け負っていて、その打ち合わせで英翔さんは3泊4日で名古屋に出張してた。
私の誕生日だから、必ず帰ってくると言ってたけど、予約していた18時になっても帰ってこず、LINEしても既録にもならない。
私の両親がここの常連で、小さい時からここによく食べに連れていってもらってたのもありレストランのマスターと顔見知りで、電話をかけたら御厚意で21時まで待ってくれる事になった。

『美玲、ごめん。今、トミタからでた。東京駅に21時ぐらいに着く。ディナーは明日のランチに出して貰うようお願いした。ゴメン』

仕事だから仕方がない。
だけど、stay homeな生活を送ってるから、久しぶりに着飾りマンションの外に出る事を楽しみにしてた。

「21時までマスターが待ってくれると言ってた。だから、Clair de luneの前で待ってるからきて!!」

トミタから名古屋駅まではタクシーで、そこから東京駅までは新幹線。
急いだら21時に渋谷駅に来れる。

私が1人でセントリスタホテルまで行く事に英翔さんが『ダメだ、家で待ってろっ!!』というから、LINEビデオ通話を切り、iPhoneの電源も切った。

20時45分に家を出て、セントリスタホテル最上階のClair de lune前にある黒本革のソファーに座って待つ。

21時15分に、少し息を切らした英翔くんが私に駆け寄ってきた。

「美玲、16歳おめでとう。ドレス、似合ってる。待たせて悪かった」

1人で外出した事に対して怒ってるけど、私の誕生日だから叱らず、レストランの中に入り、バースデーディナーをとる。

この日、私は英翔さんに、“私を抱いてください”とお願いするつもりでいた。
高校生だって、性行経験ある人はいる。
だから、他の女性を抱くのではなく私を抱いて欲しかった。

「佐久間さん!!お久しぶりです。お会いできて嬉しいです。今から、いつものBARで飲みません?」

Clair de luneから出てエレベーターに向かってると、セクシー系の身体の線がわかるブラックのドレスを身に纏った女性が英翔さんに話しかけてきた。
腕に手を回し上目遣いに見上げて英翔さんを誘ってきた。

「……今日はBARに飲みにきたわけではない。前社長の娘さんの誕生日を祝いにレストランに食事にきた。すまないが遠慮させてくれ」

「あらっ、引き取ってお世話をしてるお嬢さんが一緒なの。……可愛いお嬢さんね」

私の方に目をやるも、恋のライバルというよりも妹か娘のような存在に思われたのか、にっこりと余裕の笑みを向けて彼女は去っていった。

子供のピアノの発表会で着るようなお姫様ドレス姿の私は、性欲がかられる対象には見えない。

たわわに実った大きな胸の膨らみとギュッと引き締まったウエストにドンと突き出てるお尻のセクシー過ぎる女性と、英翔さんが身体関係を持ってるとわかり、幼児体型な自分が情けなく、涙が溢れおちる。

「……美玲!?突然泣き出してどうした?」

他の女性と身体だけの関係を持ってる事を私に気づかれてないと英翔くんは思ってる。

「英翔くん、嫌い。英翔くんと一緒にいたくない!!あの女性のところに行って!!」

ちょうど開いたエレベーターに飛び乗り、閉めるボタンを押すとすぐに1階のボタンを押す。
バックに昔住んでいた実家マンションの鍵を入れてたから、セントリスタホテルから出ると客待ちをしていたタクシーに飛び乗り、懐かしの実家に向かった。

思い出が詰まってるから、家具も家電もそのままにしてる。
英翔さんが週1でハウスキーパーに風通しと掃除を任せてるから、中は綺麗だった。

部屋に入り、私の部屋に入る。
ベッドの布団もそのままで、英翔さんと暮らしてるタワーマンションからここに帰ろうと心に決める。

私の身請け保証人だからと、マンションの部屋に監禁し、通信制高校にしか通わせてくれず、家でずっと仕事をさせられる。

ーー この生活が嫌だった。

「……ここだと思った。美玲、あの女性はたまにBARで会った時に一緒に飲むだけで、美玲が思ってるような関係じゃない!!」

いきなりドアが開き、英翔くんが入ってきて、ベッドに寄りかかるように地べたに座ってる私の側にきて、しゃがんで顔を覗いてきた。

「……恋人じゃないかもしれないけど、身体関係があるセフレなんでしょ!!他の女性を抱いてる英翔くんなんて、大嫌い。英翔くんとなんかと絶対に結婚したくない!!私みたいなみすぼらしい身体の女なんて、欲情しないでしょ!!」


「……美玲はまだ16歳になったばかりだから、身体ができあがってないだけだ。それに、身体つきなんてどうでもいい。美玲に手を出したらいけないから、適当に遊びで女を抱いてたのは認める。……もうしない。だから、美玲、俺と結婚しないと言わないでくれ!!」

セフレを作り、関係を持ってた事を英翔くんは認めた。
週に1~2回、極上ボディーの女性を抱いてた。

「……じゃあ、私を抱いて。できるでしょ?同意で私からお願いしてる。18歳まではしてはいけない事かもしれないけど、18歳になったら私と結婚して責任とるなら、今やってもいいでしょ!!英翔くん、お願い、私を抱いて。で、もう他の女性を抱かないで!!」

私の身体に反応なんてするわけない。
抱けたとしても、物足りなくて、すぐに私にバレないよう昼間にセフレを呼んで、発散させると思う。


「……わかった。もう、他の女とやらない」

英翔くんが私を抱き上げ、ベッドの上に下ろす。
そして、背中のファスナーを下げてドレスをはぎ取り、ストッキングも脱がされた。








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