13 / 22
女は子供を造る機械ではない
しおりを挟む
「……杉瀬さん、着いたよ」
心此処にあらず状態でタクシーがマンション前に着いた事に気づかなかった。
「大丈夫?」
「すみません」
タクシーから慌てて降りる。
神崎係長と肩を並べエントランスに入り、エレベーターホールへ。
ここで神崎係長と別れないといけない。
「……杉瀬、うちで呑み治すか?」
レインボーライオンで私も神崎係長もお酒を一滴も呑んでない。
「……伺っても宜しいですか?」
神崎係長は最上階63階の角部屋に住んでる。
4LDK住居専面積128.63㎡の5億越え高額物件。
リビングに通され、窓からの景色が目に入り、圧倒された。
地上の光がクリスマスツリーのライトのように小さくてチカチカしていて美しい。
「ワインでいい?」
神崎係長がリビングテーブルに、ワインに合うおつまみオードブルを置いてくれた。
上質な皮張りのコーナーソファーに座ると赤ワインが入ったグラスを渡された。
「確か冷凍にローストビーフあったな」
対面キッチンのリビングダイニング。
神崎係長が大型冷凍冷蔵庫からローストビーフのオードブルを取り出し、レンジで解凍して持ってきてくれた。
「……ありがとうございます」
レインボーライオンで食べてきたばかりだからお腹は空いていない。
だけど、神崎係長がもてなして下さるから口にする。
「美味しいです!!」
「だろっ。リモートワークで仕事も忙しくてなかなか外に出られないからさ、喜天市場でお取り寄せしまくってる」
「杉瀬、俺と付き合わない?」
急ピッチでブランデーをロックで呑んでた神崎係長。
かなり、酔っ払ってる。
「中途採用試験で提出した夫婦と子供が住むマンションの間取り設計図、住居専有面積63.82㎡で収納付き3LDKの家族の憩いの場になる家を作り上げてた。あれ、かなり痺れた。杉瀬の事、入社してからずっと気になってた。BARで会って仕事に対する想いを聞いて愛しく思った。杉瀬、俺と仕事もプライベートもパートナーとして人生歩んでいかないか」
プロポーズのような告白にときめく。
「子供はできたら嬉しいが、居なくても夫婦2人で寄り添えたら幸せだと思う。リモートワークで家に引きこもりな生活の中、愛しい人と一緒に時間が過ごせる事が1番の幸せだと思う」
子供ができなくてもいいと言ってくれる神崎係長。
神崎係長は32歳。
結婚を視野に交際相手を探さないといけないと思う。
私なんかを将来のパートナーに選んでいいのかと、申し訳なくなる。
「女は子供を造る機械じゃない。子供は授かり物だろ?できて当然と思う方がおかしい」
神崎係長が私の身体をぎゅっと抱きしめた。
「……私でいいんですか?」
「杉瀬・・・結衣がいい。大事にする」
「よろしくお願いします!!」
ワンナイトラブの相手だったのに、子供ができない身体の私はハイグレードな彼と将来を見据えた交際をスタートさせた。
心此処にあらず状態でタクシーがマンション前に着いた事に気づかなかった。
「大丈夫?」
「すみません」
タクシーから慌てて降りる。
神崎係長と肩を並べエントランスに入り、エレベーターホールへ。
ここで神崎係長と別れないといけない。
「……杉瀬、うちで呑み治すか?」
レインボーライオンで私も神崎係長もお酒を一滴も呑んでない。
「……伺っても宜しいですか?」
神崎係長は最上階63階の角部屋に住んでる。
4LDK住居専面積128.63㎡の5億越え高額物件。
リビングに通され、窓からの景色が目に入り、圧倒された。
地上の光がクリスマスツリーのライトのように小さくてチカチカしていて美しい。
「ワインでいい?」
神崎係長がリビングテーブルに、ワインに合うおつまみオードブルを置いてくれた。
上質な皮張りのコーナーソファーに座ると赤ワインが入ったグラスを渡された。
「確か冷凍にローストビーフあったな」
対面キッチンのリビングダイニング。
神崎係長が大型冷凍冷蔵庫からローストビーフのオードブルを取り出し、レンジで解凍して持ってきてくれた。
「……ありがとうございます」
レインボーライオンで食べてきたばかりだからお腹は空いていない。
だけど、神崎係長がもてなして下さるから口にする。
「美味しいです!!」
「だろっ。リモートワークで仕事も忙しくてなかなか外に出られないからさ、喜天市場でお取り寄せしまくってる」
「杉瀬、俺と付き合わない?」
急ピッチでブランデーをロックで呑んでた神崎係長。
かなり、酔っ払ってる。
「中途採用試験で提出した夫婦と子供が住むマンションの間取り設計図、住居専有面積63.82㎡で収納付き3LDKの家族の憩いの場になる家を作り上げてた。あれ、かなり痺れた。杉瀬の事、入社してからずっと気になってた。BARで会って仕事に対する想いを聞いて愛しく思った。杉瀬、俺と仕事もプライベートもパートナーとして人生歩んでいかないか」
プロポーズのような告白にときめく。
「子供はできたら嬉しいが、居なくても夫婦2人で寄り添えたら幸せだと思う。リモートワークで家に引きこもりな生活の中、愛しい人と一緒に時間が過ごせる事が1番の幸せだと思う」
子供ができなくてもいいと言ってくれる神崎係長。
神崎係長は32歳。
結婚を視野に交際相手を探さないといけないと思う。
私なんかを将来のパートナーに選んでいいのかと、申し訳なくなる。
「女は子供を造る機械じゃない。子供は授かり物だろ?できて当然と思う方がおかしい」
神崎係長が私の身体をぎゅっと抱きしめた。
「……私でいいんですか?」
「杉瀬・・・結衣がいい。大事にする」
「よろしくお願いします!!」
ワンナイトラブの相手だったのに、子供ができない身体の私はハイグレードな彼と将来を見据えた交際をスタートさせた。
1
お気に入りに追加
207
あなたにおすすめの小説
一夜限りのお相手は
栗原さとみ
恋愛
私は大学3年の倉持ひより。サークルにも属さず、いたって地味にキャンパスライフを送っている。大学の図書館で一人読書をしたり、好きな写真のスタジオでバイトをして過ごす毎日だ。ある日、アニメサークルに入っている友達の亜美に頼みごとを懇願されて、私はそれを引き受けてしまう。その事がきっかけで思いがけない人と思わぬ展開に……。『その人』は、私が尊敬する写真家で憧れの人だった。R5.1月
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
練習なのに、とろけてしまいました
あさぎ
恋愛
ちょっとオタクな吉住瞳子(よしずみとうこ)は漫画やゲームが大好き。ある日、漫画動画を創作している友人から意外なお願いをされ引き受けると、なぜか会社のイケメン上司・小野田主任が現れびっくり。友人のお願いにうまく応えることができない瞳子を主任が手ずから教えこんでいく。
「だんだんいやらしくなってきたな」「お前の声、すごくそそられる……」主任の手が止まらない。まさかこんな練習になるなんて。瞳子はどこまでも甘く淫らにとかされていく
※※※〈本編12話+番外編1話〉※※※
甘い束縛
はるきりょう
恋愛
今日こそは言う。そう心に決め、伊達優菜は拳を握りしめた。私には時間がないのだと。もう、気づけば、歳は27を数えるほどになっていた。人並みに結婚し、子どもを産みたい。それを思えば、「若い」なんて言葉はもうすぐ使えなくなる。このあたりが潮時だった。
※小説家なろうサイト様にも載せています。
お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~
ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。
2021/3/10
しおりを挟んでくださっている皆様へ。
こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。
しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗)
楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。
申しわけありません。
新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。
修正していないのと、若かりし頃の作品のため、
甘めに見てくださいm(__)m
ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる
Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした
ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。
でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。
彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる