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女として終わってる
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神崎係長と訪れたのは、まさかのレインボーライオン。
帝王ホテル内レストランの西洋料理、和食、中国料理などの料理を注文する事ができ、ゆっくりお酒も堪能できる。
「カウンターにする?VIPルームにする?」
「VIPルームでお願いします」
会員だけど半年ご無沙汰だった事に気づく。
バーテンダーの和真くんが辞めたのかいなくて、新しい人がカウンターにいた。
レインボーライオン限定のコースに料理に合う軽めのカクテルをオーダーしてくれて、ディナースタート。
「……これ、ノンアルじゃないですか?」
「バレた?」
プッシーキャットという名のオレンジジュースとパイナップルジュース、グレープフルーツジュースを混ぜたジュースを出された。
「明日仕事だからね。杉瀬さん、たくさんプロジェクト抱えてるし、呑まない方がいいと思う」
酔っ払って神崎係長に迷惑をかけた身だから、反論できない。
食事が美味しいから、呑まずにご馳走に舌鼓を打つ。
「杉瀬さん、プロジェクト15個持ってるから図面作成だけで精一杯だろ。設備の選定とかは内装設備課の担当者に回さないと身体が持たないよ」
自分が請け負っているプロジェクトの設備に関しては、性能把握と予算の兼ね合いもあり、自分でメーカーに見積もりを出して貰い交渉してる。
神崎係長がそれに気づいていた事に驚く。
食事を終え、ボーイから勘定表のバインダーを受け取った神崎係長がサインをする。
「ご馳走さまでした。ここにはいつも1人で来てたから、コース料理食べた事なかったんですよ。美味しかったです。ありがとうございました」
「同じマンションに住んでるし、また時間が合う時に来よう」
仕事の話で盛り上がり、気づいたら2時間も経っていた。
接待用のコース料理なのもあり、各レストラン自慢のお酒に合う料理が少しずつ運ばれてくる。
料理をゆっくり味わいながら話を楽しんだ。
「結衣、話したい事がある」
VIPルームを出るとカウンターに将生くんがいた。
「杉瀬結衣の元夫の久保将生です。神崎拓磨さん、元妻と2人で話をさせて下さいませんか」
将生くんがカウンターから立ち上がり、私に近づいてくる。
「彼女、嫌がってますよ。元夫なら今は赤の他人。なので、君と2人きりにはさせられない。前も夜中にマンションの前で待ち伏せして無理やり中に入ろうとして、やってる事、ストーカーですよ。どうしても話したいと言うなら、私も同席します」
神崎係長がカウンターに腰をかけた。
将生くんと話したくない。
何を言い出すかわからない。
「結衣、ハワイや台湾で卵子提供による不妊治療ができる。やり直そう。結衣じゃないと俺はダメなんだ」
日曜日の夜なのもあり、夫婦で来店してるお客さんが多い。
将生くんが大きな声で言い放ったせいで、注目され、哀れみの眼差しを向けられる。
「……将生くんとはやり直したくない!!神崎係長、行きましょう」
神崎係長の左手首を掴み、走ってレインボーライオンから出る。
エレベーターに乗り込み1階まで降り、帝王ホテルから出ると客待ちのタクシーに乗り込んだ。
卵巣年齢45歳の私。体外受精するにもホルモン治療をしても卵子が作れないからどうしようもできない。
不妊治療クリニックで受けた絶望を思い出し、胸が苦しくなった。
帝王ホテル内レストランの西洋料理、和食、中国料理などの料理を注文する事ができ、ゆっくりお酒も堪能できる。
「カウンターにする?VIPルームにする?」
「VIPルームでお願いします」
会員だけど半年ご無沙汰だった事に気づく。
バーテンダーの和真くんが辞めたのかいなくて、新しい人がカウンターにいた。
レインボーライオン限定のコースに料理に合う軽めのカクテルをオーダーしてくれて、ディナースタート。
「……これ、ノンアルじゃないですか?」
「バレた?」
プッシーキャットという名のオレンジジュースとパイナップルジュース、グレープフルーツジュースを混ぜたジュースを出された。
「明日仕事だからね。杉瀬さん、たくさんプロジェクト抱えてるし、呑まない方がいいと思う」
酔っ払って神崎係長に迷惑をかけた身だから、反論できない。
食事が美味しいから、呑まずにご馳走に舌鼓を打つ。
「杉瀬さん、プロジェクト15個持ってるから図面作成だけで精一杯だろ。設備の選定とかは内装設備課の担当者に回さないと身体が持たないよ」
自分が請け負っているプロジェクトの設備に関しては、性能把握と予算の兼ね合いもあり、自分でメーカーに見積もりを出して貰い交渉してる。
神崎係長がそれに気づいていた事に驚く。
食事を終え、ボーイから勘定表のバインダーを受け取った神崎係長がサインをする。
「ご馳走さまでした。ここにはいつも1人で来てたから、コース料理食べた事なかったんですよ。美味しかったです。ありがとうございました」
「同じマンションに住んでるし、また時間が合う時に来よう」
仕事の話で盛り上がり、気づいたら2時間も経っていた。
接待用のコース料理なのもあり、各レストラン自慢のお酒に合う料理が少しずつ運ばれてくる。
料理をゆっくり味わいながら話を楽しんだ。
「結衣、話したい事がある」
VIPルームを出るとカウンターに将生くんがいた。
「杉瀬結衣の元夫の久保将生です。神崎拓磨さん、元妻と2人で話をさせて下さいませんか」
将生くんがカウンターから立ち上がり、私に近づいてくる。
「彼女、嫌がってますよ。元夫なら今は赤の他人。なので、君と2人きりにはさせられない。前も夜中にマンションの前で待ち伏せして無理やり中に入ろうとして、やってる事、ストーカーですよ。どうしても話したいと言うなら、私も同席します」
神崎係長がカウンターに腰をかけた。
将生くんと話したくない。
何を言い出すかわからない。
「結衣、ハワイや台湾で卵子提供による不妊治療ができる。やり直そう。結衣じゃないと俺はダメなんだ」
日曜日の夜なのもあり、夫婦で来店してるお客さんが多い。
将生くんが大きな声で言い放ったせいで、注目され、哀れみの眼差しを向けられる。
「……将生くんとはやり直したくない!!神崎係長、行きましょう」
神崎係長の左手首を掴み、走ってレインボーライオンから出る。
エレベーターに乗り込み1階まで降り、帝王ホテルから出ると客待ちのタクシーに乗り込んだ。
卵巣年齢45歳の私。体外受精するにもホルモン治療をしても卵子が作れないからどうしようもできない。
不妊治療クリニックで受けた絶望を思い出し、胸が苦しくなった。
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