授かり相手は鬼畜上司

鳴宮鶉子

文字の大きさ
上 下
7 / 22

2度と会いたくなかった

しおりを挟む
『これから内部設計にも神崎係長が携わる事になった。タワーマンション建設において、外装だけでなく内装も大事だと気づいたらしい。で、面倒臭い話だが、納入するシステムキッチン、バス、トイレを実際に使用してみて使いがってがいいか判断して決定するよう指示を受けた』

朝イチのミーティング。
主任以上出席の会議が昨日行われ、天才建築士様からの指示に永倉主任は顔をしかめてる。

『杉瀬、納入予定の住宅設備機器、メーカーに問い合わせして実物を見てきて。後、都内にあるタワーマンションのモデルルームを視察して住宅設備の選択と使用感を試してきてくれ』

うちのチームの住宅設備機器選択は私の仕事。
住宅設備機器メーカーの新商品展覧会やモデルルームには定期的に足を運び、商品ごとにデザインや使用感についてレポート書いて残してる。
タワーマンションのモデルルームはさすがに敷居が高く、入りづらい。

「……商品ごとのデザインと実物の使用感のレポートを提出すればいいですか?タワーマンションのモデルルーム視察のレポートはいらないですよね?」

『そこまでは指示されてないが、視察して把握していた方がいい』

ミーティングを終え、公開中の都内新築タワーマンションモデルルームをネット検索し、見学スケジュールを立てた。


タワーマンションモデルルーム見学は敷居が高い。
模擬ルーム見学の前に商談ブースでアンケートといって、勤め先と世帯収入と貯蓄額を記入させられる。
いつもフルネームと勤め先を個人情報だから教えたくないと伏せ強行突破し、シアター鑑賞、模型ルームへ案内して貰う。

冷やかし客と思われ営業さんに嫌な顔されて対応される。
もしくは資産家のパパにマンションをおねだりして買わそうとしている悪い愛人と思われてる。

「……視察したくなかったけど、話題のシリーズ化したタワーマンションだからね」

タワーマンション建設に関しては高い技術がいる。
だから、スーパーゼネコンが施工していた。
それが準大手ゼネコンの技術力開発力が向上した事で、準大手ゼネコンが施工するようになった。

「このシリーズの初期内装設計、私も携わってたんだよね」

大学時代、元夫が経営している準大手ゼネコンの建設設計本部でバイトさせて貰ってた。新しいマンション、ビル、ホテルが建つたびに見学させて貰い、内装設計に関する仕事を教えて貰ってた。
初のタワーマンション施工で、完成したら最上階を分譲し、住む予定だった。

「ーー結衣、久しぶりだね」

受付で名前を記入し、担当の営業さんを商談スペースで待ってると、元夫、“久保将生”が私の前に現れた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

地味女で喪女でもよく濡れる。~俺様海運王に開発されました~

あこや(亜胡夜カイ)
恋愛
新米学芸員の工藤貴奈(くどうあてな)は、自他ともに認める地味女で喪女だが、素敵な思い出がある。卒業旅行で訪れたギリシャで出会った美麗な男とのワンナイトラブだ。文字通り「ワンナイト」のつもりだったのに、なぜか貴奈に執着した男は日本へやってきた。貴奈が所属する博物館を含むグループ企業を丸ごと買収、CEOとして乗り込んできたのだ。「お前は俺が開発する」と宣言して、貴奈を学芸員兼秘書として側に置くという。彼氏いない歴=年齢、好きな相手は壁画の住人、「だったはず」の貴奈は、昼も夜も彼の執着に翻弄され、やがて体が応えるように……

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

ドSな彼からの溺愛は蜜の味

鳴宮鶉子
恋愛
ドSな彼からの溺愛は蜜の味

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

ハイスペック上司からのドSな溺愛

鳴宮鶉子
恋愛
ハイスペック上司からのドSな溺愛

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

処理中です...