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鬼畜になった優しかった彼
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「香坂、まだ、それ、終わってないの?遅い。後、これとこれやっといて」
朔弥君とペアで仕事をするようになり、今までの3倍の量を裁かないと、いけなくなった。
パターン化してコピペで入力時間を短縮したりとあらゆる事をして、なんとか、終わらせてる。
他のPGとの仕事量が違い過ぎる。
前についていたのも、SEのサブリーダーでかなりの仕事量だった。
現に、新しくBチームからPGが上がってきた。
わたしがやっていた仕事を1人では回せないからと、もう1人上がってきて、2人で分けて、こなしてる。
「香坂、後、これ、直しとけ」
朔弥君は仕事ができる人で、わたしが手がけたプログラムを確認し、やり直しも、指示してくる。
朔弥君がクライアント先にヒアリングに行き、社内に残されたわたしは、高速でパソコンをタイピングしていく。
わたしも、PG歴5年で経験は長い。
そして、学歴は無いけど、資格は最難関な国家資格も持ってる。
ふと、昔に、朔弥君と将来の夢について語った時に、朔弥君は『I T企業を立ち上げて社長になって、咲耶を社長夫人にしてやる』と言ってくれた。
わたしは、『たんなる社長夫人じゃなくて、朔弥君の仕事が手伝えるよう、PGになる』と、応えた気がする。
だから、わたしは、PGを目指した。
そして、PGとして勤め、今、朔弥君の手がけたシステムのプログラミングをしてる。
朔弥君は、……わたしが、かつて約束を交わした恋人だとは気づいてない。
それが、悲しかったりした。
朔弥君がAチームのSEになり、仕事をバンバンこなし、創り上げたシステムが評判を呼び、去年よりも1.5倍ほどの受注を受けた。
その仕事の、複雑なものはすべて、朔弥君が引き受けるから、プログラミングをしていくわたしは、そのスピードだけでなく、複雑なプログラミングに四苦八苦して時間がかかってしまって、ほぼ、毎週、休日出勤をする羽目になった。
あまりにも過酷だから、AチームのベテランのPGも朔弥君に着いたが、その人が朔弥君が思ったようなプログラミングを描かないからと、『相性が悪い』と言って、結局は、わたしだけになった。
朔弥君と、仕事の相性は、悪かったら良かったのにと思うぐらい、毎日、仕事が過酷で、きつい。
山の様に積まれた仕様書、1つずつ、こなしていく。
無くしても、次々と積まれるから、山はいつになっても無くならない。
納期に気をつけ、わたしは、ひたすら、キーをタイピングし続けた。
「香坂、明日からお盆休暇だから、今やってる仕事が終わったら、飲みにでも行こう」
盆休みの前日。
今日はヒアリングに行かず、溜まってるプログラミングをしないといけない仕様書を猛スピードで片付けている朔弥君が、いきなり、わたしを飲みに、誘ってくれた。
日頃の寝不足と仕事による疲れで、ぶっ倒れそうなわたし。
こんな状態で飲みなれないアルコールを飲んだら、すぐに意識が飛んでしまいそうな気がする。
「アルコールはちょっと……。疲労困憊で飲んだらぶっ倒れそう」
「じゃ、明日から休みだから、今日は朝方まで、この溜め込んだ仕様書の山を片付けるか?」
「……お供させて頂きます」
朔弥くんの鬼畜SEぶりのせいで、昔に好きだった朔弥くんへの想いが、薄れつつあった。
見た目も良く、仕事ができるから、結婚したい男ナンバー1らしい朔弥くん。
だから、女性社員が朔弥くんにお近づきになりたくてタイミングを伺ってたりする。
朔弥君は仕事が多忙だから、そういう女性社員に対して、見せしめの様に冷たく、あしらっていた。
そんな朔弥くんだからか、仕事人間で、女性には興味がないと、思われてる。
21時でも、いつもより早い退社時間……。
この時間だから、社内に残ってる社員は少なく、女性社員達は、とっくの昔に帰ってる。
新宿駅側の駅ビル内の居酒屋に入る。
「香坂って、専門学校卒入社だから、俺と同い年なんだよな?」
「……はい」
カウンターで並んで座って、朔弥君が適当に注文した料理を摘みながら、チビチビとビールを口に含む。
「なあ、俺さ、3年ぐらい経ったら、ITの会社を起こそうと思うんだ。
その時にさ、着いてきてくれない?」
3年も先の話を語り始めた、たぶん酔っ払い始めた朔弥君。
「俺さ、高1まで付き合ってた彼女と約束したんだ。IT会社を起業して、社長になったら、彼女をお嫁さんにするって」
朔弥君が、わたしとの約束についてを語り出し、思わず、朔弥君の方を見てしまった。
そんなわたしにら朔弥君は照れ臭そうに、半分以上残ってるビールを一気飲みして、続きを話し始めた。
「彼女とは、高1の秋に、行方がわからなくなって、それから会ってない。でもさ、俺、 今でも彼女の事が好きで愛してるから、彼女を探してる。
見つかりようがないけどさ……。
だから、社長になって、有名になったら会いに来て寄りが戻せるかもしれない。だからさ、俺、絶対に、IT会社を起業して成功したいんだ」
完全に酔っ払っている朔弥くんが、わたしへの想いをぶちまけてくれて、それを聞けて、嬉しいわたし。
「香坂、俺には絶対に惚れるなよ。俺は、彼女の事しか想ってないから。仕事仲間として、これからも、つるんで行こう」
わたしが、その、彼女なのに、名字と見た目が変わったから気づかない朔弥くん。
疲れてるのはわたしだけでなく、わたし以上に働いてる朔弥君は、同じように疲れていてもおかしくない。
完全に酔っ払ってる朔弥君が寝てしまう前に、お開きにする事にした。
朔弥君の、昔のわたしに対する想いを聞けて、嬉しかった。
朔弥君とペアで仕事をするようになり、今までの3倍の量を裁かないと、いけなくなった。
パターン化してコピペで入力時間を短縮したりとあらゆる事をして、なんとか、終わらせてる。
他のPGとの仕事量が違い過ぎる。
前についていたのも、SEのサブリーダーでかなりの仕事量だった。
現に、新しくBチームからPGが上がってきた。
わたしがやっていた仕事を1人では回せないからと、もう1人上がってきて、2人で分けて、こなしてる。
「香坂、後、これ、直しとけ」
朔弥君は仕事ができる人で、わたしが手がけたプログラムを確認し、やり直しも、指示してくる。
朔弥君がクライアント先にヒアリングに行き、社内に残されたわたしは、高速でパソコンをタイピングしていく。
わたしも、PG歴5年で経験は長い。
そして、学歴は無いけど、資格は最難関な国家資格も持ってる。
ふと、昔に、朔弥君と将来の夢について語った時に、朔弥君は『I T企業を立ち上げて社長になって、咲耶を社長夫人にしてやる』と言ってくれた。
わたしは、『たんなる社長夫人じゃなくて、朔弥君の仕事が手伝えるよう、PGになる』と、応えた気がする。
だから、わたしは、PGを目指した。
そして、PGとして勤め、今、朔弥君の手がけたシステムのプログラミングをしてる。
朔弥君は、……わたしが、かつて約束を交わした恋人だとは気づいてない。
それが、悲しかったりした。
朔弥君がAチームのSEになり、仕事をバンバンこなし、創り上げたシステムが評判を呼び、去年よりも1.5倍ほどの受注を受けた。
その仕事の、複雑なものはすべて、朔弥君が引き受けるから、プログラミングをしていくわたしは、そのスピードだけでなく、複雑なプログラミングに四苦八苦して時間がかかってしまって、ほぼ、毎週、休日出勤をする羽目になった。
あまりにも過酷だから、AチームのベテランのPGも朔弥君に着いたが、その人が朔弥君が思ったようなプログラミングを描かないからと、『相性が悪い』と言って、結局は、わたしだけになった。
朔弥君と、仕事の相性は、悪かったら良かったのにと思うぐらい、毎日、仕事が過酷で、きつい。
山の様に積まれた仕様書、1つずつ、こなしていく。
無くしても、次々と積まれるから、山はいつになっても無くならない。
納期に気をつけ、わたしは、ひたすら、キーをタイピングし続けた。
「香坂、明日からお盆休暇だから、今やってる仕事が終わったら、飲みにでも行こう」
盆休みの前日。
今日はヒアリングに行かず、溜まってるプログラミングをしないといけない仕様書を猛スピードで片付けている朔弥君が、いきなり、わたしを飲みに、誘ってくれた。
日頃の寝不足と仕事による疲れで、ぶっ倒れそうなわたし。
こんな状態で飲みなれないアルコールを飲んだら、すぐに意識が飛んでしまいそうな気がする。
「アルコールはちょっと……。疲労困憊で飲んだらぶっ倒れそう」
「じゃ、明日から休みだから、今日は朝方まで、この溜め込んだ仕様書の山を片付けるか?」
「……お供させて頂きます」
朔弥くんの鬼畜SEぶりのせいで、昔に好きだった朔弥くんへの想いが、薄れつつあった。
見た目も良く、仕事ができるから、結婚したい男ナンバー1らしい朔弥くん。
だから、女性社員が朔弥くんにお近づきになりたくてタイミングを伺ってたりする。
朔弥君は仕事が多忙だから、そういう女性社員に対して、見せしめの様に冷たく、あしらっていた。
そんな朔弥くんだからか、仕事人間で、女性には興味がないと、思われてる。
21時でも、いつもより早い退社時間……。
この時間だから、社内に残ってる社員は少なく、女性社員達は、とっくの昔に帰ってる。
新宿駅側の駅ビル内の居酒屋に入る。
「香坂って、専門学校卒入社だから、俺と同い年なんだよな?」
「……はい」
カウンターで並んで座って、朔弥君が適当に注文した料理を摘みながら、チビチビとビールを口に含む。
「なあ、俺さ、3年ぐらい経ったら、ITの会社を起こそうと思うんだ。
その時にさ、着いてきてくれない?」
3年も先の話を語り始めた、たぶん酔っ払い始めた朔弥君。
「俺さ、高1まで付き合ってた彼女と約束したんだ。IT会社を起業して、社長になったら、彼女をお嫁さんにするって」
朔弥君が、わたしとの約束についてを語り出し、思わず、朔弥君の方を見てしまった。
そんなわたしにら朔弥君は照れ臭そうに、半分以上残ってるビールを一気飲みして、続きを話し始めた。
「彼女とは、高1の秋に、行方がわからなくなって、それから会ってない。でもさ、俺、 今でも彼女の事が好きで愛してるから、彼女を探してる。
見つかりようがないけどさ……。
だから、社長になって、有名になったら会いに来て寄りが戻せるかもしれない。だからさ、俺、絶対に、IT会社を起業して成功したいんだ」
完全に酔っ払っている朔弥くんが、わたしへの想いをぶちまけてくれて、それを聞けて、嬉しいわたし。
「香坂、俺には絶対に惚れるなよ。俺は、彼女の事しか想ってないから。仕事仲間として、これからも、つるんで行こう」
わたしが、その、彼女なのに、名字と見た目が変わったから気づかない朔弥くん。
疲れてるのはわたしだけでなく、わたし以上に働いてる朔弥君は、同じように疲れていてもおかしくない。
完全に酔っ払ってる朔弥君が寝てしまう前に、お開きにする事にした。
朔弥君の、昔のわたしに対する想いを聞けて、嬉しかった。
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