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出逢いは22年前
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「……美結はあの合コンで俺と初めて会ったと思ってるかもしれないけど、俺達、20年ぐらい前に京都医大病院で会ってる。覚えてる?東條玲香《れいか》の事?」
半ダースの避妊具の箱を使いきり、雅人に抱きしめられ、頭を撫でられ、眠りにつこうとしてた。
「……東條玲香、れいちゃんの事?覚えてるよ。毎日、病院で一緒に遊んでた。れいちゃんはわたしにとっていつまでも親友だよ……」
れいちゃんはわたしの無二の親友だった。病院で幼少期を過ごしたわたし。
同い年のれいちゃんと毎日、本を読んだり人形遊びをしてた。
れいちゃんは小児ガンで7歳の誕生日がくる前に亡くなった。
れいちゃんが亡くなった日を思い出し、涙が溢れてきた。
「……思い出させてごめん。玲香は俺の妹なんだ。俺、オモロンの後継者として幼少期は家庭教師つけられて習い事三昧で玲香のお見舞いには週末に1時間ぐらいしか行かせて貰えなかった。だから、美結とは直接会った事はない」
れいちゃんに5歳離れた優秀なお兄さんがいる事は聞いてた。
れいちゃんのがよく『お兄ちゃんがハイテク医療ロボットを作って、わたしの体の中の癌を全て取り除いてくれる!!』と言ってた。
だから、わたしは、『じゃあ、わたしは癌の進行を遅らせる薬を開発する!!』と、れいちゃんに言った。
れいちゃんと約束した癌の進行を遅らせる薬を今、開発してる。
「俺、玲香と医療手術ロボットを開発して、それで多くの命を助けると約束した。美結も創薬研究員になって、命を救いたいって玲香と約束したんだよな。美結がその約束を守って、創薬研究員として成果を挙げてるのを知って、俺、美結が欲しくなった。実際に、コンパでひと目見て、惹かれた。美結、愛してる」
オモロンの次期社長との結婚。身分が違いすぎるから雅人さんの御両親から結婚を反対されると思ってたけど、両家の顔合わせの時に、わたしは雅人さんのお義母様から抱きしめられた。
グランドプリンセスホテルの料亭 蒼月で3時間個室を貸し切りにし、結納の儀を行なったけど、最高ランクのランチコースを堪能しながら話した話題は、れいちゃんと過ごした5年間の病院生活だった。
たまたまだけど、結納の儀をあげたこの日にれいちゃんは息をひきとった。
結婚式に関しては、衣装合わせ以外はオモロンの総務が動くとお義母様が仰ってた。
「お色直し5回は多いと思うんですけど……」
結婚準備に関して、衣装合わせだけするよう言われ、顔合わせと結納式の次の日にグランドプリンセスホテル京都にきたわたしと雅人さん。
「玲香の分も美結に着て欲しい……」
「 ………… 」
和装を含め、5回もお色直ししないといけないなんて、嫌だ。
雅人さんも和装と黒と白のタキシードで3回、お色直しする。
会社関係のあれこれがあるから披露宴は3時間半以上になるらしく、お色直しで会場離脱した方が楽と言われ、雅人さんの言う通りに、お色直しを5回する事になった。
「……俺、もう33だから、結婚したらすぐに子供は欲しい。でも、美結が手がけてる癌の進行を遅らせる薬、あれが完成するまでは美結に研究に専念して欲しい」
れいちゃん、癌の進行を遅らせる事ができてたら、オペで命が助かってたかもしれない。
「……年内には成果出せると思う。わたしも雅人さんとの間に子供、欲しい。もしかしたら、れいちゃんがわたしと雅人さんの子として産まれかわって来てくれるかもしれない」
10月18日に結婚式を挙げ、正式に夫婦になった。
わたしは創薬研究に、雅人さんは医療手術ロボットの開発で多忙だから、普段の日常は仕事優先で、甘い空気なんてない。
実験にのめり込み、わたしが研究所に2日間泊まり込んだら、着替えと栄養補助食品を差し入れてくれた雅人さん。
早く成果を挙げたい。
12月の初めに動物実験で結果が出た。これから、臨床開発に進む。
わたしは、もうすぐ、れいちゃんとの約束を達成する。
そして、雅人さんも癌対応の医療手術ロボットを開発し、自動で癌を察知し切断するハイテク機能は世界的に有名になった。
雅人さんも、れいちゃんとの約束を成し遂げた。
半ダースの避妊具の箱を使いきり、雅人に抱きしめられ、頭を撫でられ、眠りにつこうとしてた。
「……東條玲香、れいちゃんの事?覚えてるよ。毎日、病院で一緒に遊んでた。れいちゃんはわたしにとっていつまでも親友だよ……」
れいちゃんはわたしの無二の親友だった。病院で幼少期を過ごしたわたし。
同い年のれいちゃんと毎日、本を読んだり人形遊びをしてた。
れいちゃんは小児ガンで7歳の誕生日がくる前に亡くなった。
れいちゃんが亡くなった日を思い出し、涙が溢れてきた。
「……思い出させてごめん。玲香は俺の妹なんだ。俺、オモロンの後継者として幼少期は家庭教師つけられて習い事三昧で玲香のお見舞いには週末に1時間ぐらいしか行かせて貰えなかった。だから、美結とは直接会った事はない」
れいちゃんに5歳離れた優秀なお兄さんがいる事は聞いてた。
れいちゃんのがよく『お兄ちゃんがハイテク医療ロボットを作って、わたしの体の中の癌を全て取り除いてくれる!!』と言ってた。
だから、わたしは、『じゃあ、わたしは癌の進行を遅らせる薬を開発する!!』と、れいちゃんに言った。
れいちゃんと約束した癌の進行を遅らせる薬を今、開発してる。
「俺、玲香と医療手術ロボットを開発して、それで多くの命を助けると約束した。美結も創薬研究員になって、命を救いたいって玲香と約束したんだよな。美結がその約束を守って、創薬研究員として成果を挙げてるのを知って、俺、美結が欲しくなった。実際に、コンパでひと目見て、惹かれた。美結、愛してる」
オモロンの次期社長との結婚。身分が違いすぎるから雅人さんの御両親から結婚を反対されると思ってたけど、両家の顔合わせの時に、わたしは雅人さんのお義母様から抱きしめられた。
グランドプリンセスホテルの料亭 蒼月で3時間個室を貸し切りにし、結納の儀を行なったけど、最高ランクのランチコースを堪能しながら話した話題は、れいちゃんと過ごした5年間の病院生活だった。
たまたまだけど、結納の儀をあげたこの日にれいちゃんは息をひきとった。
結婚式に関しては、衣装合わせ以外はオモロンの総務が動くとお義母様が仰ってた。
「お色直し5回は多いと思うんですけど……」
結婚準備に関して、衣装合わせだけするよう言われ、顔合わせと結納式の次の日にグランドプリンセスホテル京都にきたわたしと雅人さん。
「玲香の分も美結に着て欲しい……」
「 ………… 」
和装を含め、5回もお色直ししないといけないなんて、嫌だ。
雅人さんも和装と黒と白のタキシードで3回、お色直しする。
会社関係のあれこれがあるから披露宴は3時間半以上になるらしく、お色直しで会場離脱した方が楽と言われ、雅人さんの言う通りに、お色直しを5回する事になった。
「……俺、もう33だから、結婚したらすぐに子供は欲しい。でも、美結が手がけてる癌の進行を遅らせる薬、あれが完成するまでは美結に研究に専念して欲しい」
れいちゃん、癌の進行を遅らせる事ができてたら、オペで命が助かってたかもしれない。
「……年内には成果出せると思う。わたしも雅人さんとの間に子供、欲しい。もしかしたら、れいちゃんがわたしと雅人さんの子として産まれかわって来てくれるかもしれない」
10月18日に結婚式を挙げ、正式に夫婦になった。
わたしは創薬研究に、雅人さんは医療手術ロボットの開発で多忙だから、普段の日常は仕事優先で、甘い空気なんてない。
実験にのめり込み、わたしが研究所に2日間泊まり込んだら、着替えと栄養補助食品を差し入れてくれた雅人さん。
早く成果を挙げたい。
12月の初めに動物実験で結果が出た。これから、臨床開発に進む。
わたしは、もうすぐ、れいちゃんとの約束を達成する。
そして、雅人さんも癌対応の医療手術ロボットを開発し、自動で癌を察知し切断するハイテク機能は世界的に有名になった。
雅人さんも、れいちゃんとの約束を成し遂げた。
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