上 下
10 / 20

危機一髪回避できず

しおりを挟む
「キュアとプレコグニションが使える天月を連れ去られる事は避けたい」

神宮寺翔琉さんが私の前に来て、左手首を掴む。

神宮寺翔琉さんと私はアジトに待機し、須藤さん達が人命救助と怪獣ゴメラを倒しに向かった。

地下4階、地上16階建ての建屋。

22時過ぎているから、国家公安委員会、総務省、国土交通省で働いているお役所仕事の公務員はもう誰もいない。
だけど、警察庁フロアには110番を受信する通信司令センターや留置施設には人がいる。

私がプレコグニションで視た状況を話してしまったから未来が変わって4人が命を落としたのではないかと不安に苛まれながら、数分後の未来を視る。

「未来は変わったか!?」

「……真っ暗で視えない!!」

未来を変えてしまったからなのか、その後の未来が視えなくなった。

天井に頭の天辺があたるぐらいの10m満たない怪獣ゴメラ。
炎を吐きながら一階フロアを歩き回り焼き尽くし、地上階が崩壊する。

警視庁特別捜査課は地下2階にあるから安全。
建物に取り残された人達が地下に逃げ込んでいる。

「須藤達の様子はわかるか?」

「……わからない」

千里眼クリアボヤンもできない。
未来を変えてしまったからか、何も視えない。

地上階が崩落する音が聞こえる。

「天月、ここにいろ。上の様子を見てくる」

神宮寺翔琉さんは地上階が気になり、私を残してテレポートで救援に向かった。

私が視た未来では、怪獣ゴメラと戦闘中、攻撃系サイキックパワーが使えない私は無力で役立たずで物陰に隠れていて、闇系サイキックパワーの男に見つかり、攫われた。

怪獣ゴメラ自体は大した事ない。
行政機関の庁舎の地上階を崩落させてはいくけれど、中にいた人は皆、地下に逃げて無事だった。
怪獣ゴメラは夜明け前に去っていき、怪我人は出たが死者は出なかった。

警部総監の指示で須藤さん達は官僚のお偉いさんと居合わせた国会議員の護衛に周り、法務省建屋の地下にいる。

人命救助優先で怪獣ゴメラは野放しにされ、怪獣ゴメラは夜明け前には去って行った。

地下2階だから崩落する事はないから安全ではある。
1人取り残され、不安でならなかった。

「神の力を持つ巫女、みーつけた」

私の目の前に、闇系サイキックパワーの使い手で悪の根源だと思われるブラックスーツの男が現れた。

「そんな脅えた目で見ないでいいよ。君には可愛がる事はしても危害は加えないから」

長身で涼しげな雰囲気が漂うすっきりとした中性的な美しい顔立ちをした男が私の前まで歩み寄り、左手を掴む。

「ここは危ないから行こっか。不自由な生活はさせないから」

拒否するま間もなく、私はテレポートで連れてかれてしまった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【R18】これってお仕事ですよね?

コーヒー牛乳
恋愛
モデル仲間に紹介してもらったバイトは怪しげな仕事だった。え?これって仕事ですよね? ________________________ 即席エロシリーズ第1弾!

【R18】鬼上司が聖夜にご褒美をくれると言ったので雄尻を要求したら責任を取られるようです

Nuit Blanche
恋愛
仕事に厳しい課長がクリスマスイブにご褒美をくれると言ったから雄尻を見せてもらうことにしたのだが……

一夜限りのお相手は

栗原さとみ
恋愛
私は大学3年の倉持ひより。サークルにも属さず、いたって地味にキャンパスライフを送っている。大学の図書館で一人読書をしたり、好きな写真のスタジオでバイトをして過ごす毎日だ。ある日、アニメサークルに入っている友達の亜美に頼みごとを懇願されて、私はそれを引き受けてしまう。その事がきっかけで思いがけない人と思わぬ展開に……。『その人』は、私が尊敬する写真家で憧れの人だった。R5.1月

溺愛社長の欲求からは逃れられない

鳴宮鶉子
恋愛
溺愛社長の欲求からは逃れられない

美少女幼馴染が火照って喘いでいる

サドラ
恋愛
高校生の主人公。ある日、風でも引いてそうな幼馴染の姿を見るがその後、彼女の家から変な喘ぎ声が聞こえてくるー

【R18】優しい嘘と甘い枷~もう一度あなたと~

イチニ
恋愛
高校三年生の冬。『お嬢様』だった波奈の日常は、両親の死により一変する。 幼なじみで婚約者の彩人と別れなければならなくなった波奈は、どうしても別れる前に、一度だけ想い出が欲しくて、嘘を吐き、彼を騙して一夜をともにする。 六年後、波奈は彩人と再会するのだが……。 ※別サイトに投稿していたものに性描写を入れ、ストーリーを少し改変したものになります。性描写のある話には◆マークをつけてます。

さして仲良くない職場の先輩と飲み会の後に毎回セックスして繰り返し記憶をなくしている百合

風見 源一郎
恋愛
真雪が目を覚ますと、セックスをした後だった。隣には、すごくエッチな体をした女の人がいた。前日には会社の飲み会があったことだけを覚えている。 酔った勢いで、さして仲良くもない会社の先輩を相手に処女を散らしてしまった真雪は、しかし、見知らぬはずの部屋に、見知ったものばかりが置かれていることに気がついたのだった。

とりあえず、後ろから

ZigZag
恋愛
ほぼ、アレの描写しかないアダルト小説です。お察しください。

処理中です...