スパダリ男とバリキャリ女の恋愛模様

同期以上な関係

任天社のスイッチはピカキンが宣伝塔になり、売れに売れた。
2万円もする本体なのに一家に一台ではなく一人に一台持つ端末になるぐらい売れに売れた。
予想売上を軽く15倍超える売り上げを出し、予約販売も生産が間に合わず品薄状態になった。

「任天社の担当者が任天社の広告塔をピカキンさんにお願いしたいって申し出があり、ピカキンさんが引き受けてくれたからソフトの宣伝わやこれかさピカキンさんに専属でお願いする事にしました」

YOUTUBER ピカキン。泣く子もピカキンの動画を見せたら……黙るらしいカリスマな人。

宣伝に関して、ピカキンさんもYouTubeのゲームチャンネルで動画を上げてくれるのもあり、ゲーム雑誌に記事をあげるのととCMは流すだけにした。
広告の大半はイベント企画にしピカキンと“バリオ対決”とかそんな感じで全国を回る。

週末はピカキンさんと全国各地にイベントで飛び回ってる藤堂。
藤堂がピカキンさんと企画を考え進めていくからわたしは特にやる事がなく、ぶすっとしてしまう。

わたしが「ピカキンさんとのヒアリングにわたしも同行させて下さい」と言ったら、「男同士で仕事を進めた方が上手くいく……」と藤堂は絶対に連れて行ってくれない。

藤堂とやらかした事件以降、仕事がやりにくくなるかなっと思ったけど、そんな事はなくほっとする。

京都支社に勤務するわたしと藤堂。
任天社以外の大手の仕事も請け負ってるけど、藤堂は週末はピカキンとの交流で金曜日の夜から東京に行ってた。

それもあり、藤堂は平日は忙しそうだった。
ピカキンさんからの伝言を本社の媒体プランナーに引き継ぐのがわたしの仕事になり、他の仕事はわたしが営業の仕事も請け負って回していて、不満が溜まってた。

支社勤務だから最低限の人数しかいないから、ピカキンさんに呼ばれて撮影に同行した藤堂の代わりにクライアント周りをする。

既存のクライアントさんだから新製品の広告宣伝で、予算を聞いて、広告媒体についてのヒアリングはほぼいつもと同じだからなんとかなる。

若い社員に任せた方が良いアイデアが出ると女性下着最大手のワコーンの仕事を引き継ぐ事になり、困った。

既存のクライアントだから過去のデータがあるから傾向は読める……。

「広告制作の戦略プランナーさんなんですか！！とてもお綺麗で、スタイルもよくて羨ましいです！！」

ワコーンは広報の女性社員が企画について細かく指示するから相槌をうって、ノートに細かく書いて、絵コンテなどを書いて担当者のいう通りにしたらいいらしい……。

「165cmのバスト63G…Hカップのウエスト56cm、ヒップ83cm……体重45kgといった感じかしら！！」

下着メーカーでデザイナー経験がある広報担当の女性社員、麻生絢香さんがわたしのスリーサイズを当てた事に驚く。
わたしと同い年の女性で気さくな人で話しやすくて助かった。

「瀬戸さん、いいな。スタイル良くて……。わたし、バスト70Bカップでウエストぎりぎり64cmでヒップ86cmだよ！！
週末はジムでトレーニングしてるのに痩せないし、寄せてあげてのブラジャーつけても谷間ができない！！」

新商品が【寄せてあげて】のシリーズで貧乳アイドルかモデルを起用して、ポスターとCM作成をする事になり、最近の子は発育がいいから卑猥な映像になり兼ねないと麻生さんは嘆く。

「65のCカップのアイドルかモデルを探して来ます」

清純なイメージの貧乳アイドルかモデルを社に戻り探し、後日、もう1度ヒアリングで伺う事にした。

「……はっ、女性下着のメーカーの営業を俺に行けと！？
瀬戸が引き受けたなら最後までやれ！！」

「わたしは戦略プランナーだから営業は管轄外。ワコーンも任天社と同じぐらい大手なんだから何かやらかしたら怖いから藤堂が行って」

ワコーンに2度目のヒアリングは藤堂に行って貰おう交渉する。
CM起用候補の清純系貧乳アイドルとモデルの水着姿のプロマイド写真を藤堂のデスクに並べ見せる。
ちらちらと藤堂が見ながら照れてた。

でも……
「もう少し女性らしいラインの人を起用した方が良くないか？」

「寄せてあげてのブラジャーの宣伝広告だからCカップ以下を起用するよう言われたの！！」

「……見栄えを考えるとDかＥはいるだろ！！」

最低と冷たい目線を浴びせた。
ワコーンのCMは真昼間の情報番組の時間帯にも流す。
卑猥な映像なんか流せない。

「……じゃ、明日の10時までに藤堂の理想のプロポーションした女性アイドルかモデルのプロマイド写真探してきて」

女性下着のCMに何を求めてるのか……。
こういう男が多いから、寄せてあげてブラが売れるのか。
AA65からG85までのサイズ展開で、G65を２セットサンプルで頂いたけど小さく見せるブラ愛用のわたしはパットを外してもきつく胸が前にバーンと出るのが嫌だから頂いたけどタンスの奥に封印した。

でも、明日は営業交代の引き継ぎで藤堂とワコーンに行かないといけないから、話題の１つにするためにつけていくつもり……。

アンダー65cmのトップ93cmのわたしは、ワコーンのデューブルベでオーダーメイドでセット下着を注文してる。

大学時代にモデルをしてた時も水着の仕事だけは嫌だった。

藤堂がパソコンの電源をつけて、アイドルとモデルの一覧とスリーサイズを見てた。

明日、藤堂の見立てる寄せてあげてブラの起用モデルのプロマイド写真を見るのが楽しみだった。

「……そうなんですよ。アンダー65だとCカップでもまな板に見えちゃうんですよね。やはり谷間強調するならDかＦじゃないと効果あるかわからないですよね」

わたしが必死に探した65B～Cカップのアイドルとモデルさんは却下され、藤堂チョイスの65Fのモデルさんで決まった。
事務所に電話をかけたら即OKが出て、直ぐに広告制作に取り掛かる事ができてほっとする。

「瀬戸さん、パット無しで寄せてあげてブラをつけてますよね。65Gブラでもこのボリューム感……実際のサイズは65Iですね！！
細いのにボディーコンシャスで羨ましい。ちょっと触らせて下さい……ふわふわで柔らかくていい！！」

帰り際に麻生さんに胸を揉まれ、焦る。女同士でも辞めて欲しい。

藤堂がその様子を見て固まってた。

ワコーンの広告制作は本社の各媒体の制作プランナーに引き継いだ。
完成が楽しみだった。

「ワコーンの仕事、無事に終わって良かったな」

「秋の新作だから、まだ、後、夢みるブラとサルートとルシアンがあるよ。
それらはポスターだけみたいだけどね」

「………女性下着メーカーの営業はきつい。瀬戸、ワコーンの仕事は付き合ってくれ！！」

京都駅ビル内の海鮮居酒屋で藤堂と制作まで漕ぎ着けた事に対しての打ち上げで2人飲み会を開く。

お酒で失敗したから、ビールは1杯だけにし、美味しいお造りと出汁巻卵とカキフライを口にする。

「好みのアイドルやモデル、女優を勧めて、ポスターやCMで下着姿を楽しめばいいじゃん！！」

「……あのなぁ、俺はそんな趣味ねぇー、好きでもない女の下着姿を見て喜ぶかよ！！」

藤堂がわたしの方をじっと見てくる。
明日は仕事は休みだけど、週末はピカキンに呼び出されて東京に藤堂は行ってるからお酒は控えめにすると思ってたら、ビールから日本酒にお酒をかえて飲んでて目が座ってきてるからまずいと思った。

「……藤堂、そろそろ帰ろう？藤堂、飲みすぎだよ」

「………大丈夫。営業は酒が飲めないと仕事にならない」

見た目が極上級が酒に酔ってる姿が色っぽすぎて、思わずドキッとしてしまった。

「藤堂、帰ろう！！」

「……嫌だ。瀬戸とまだ一緒にいたい」

「飲みならまた付き合うから今日は帰ろう！！」

藤堂の腕を掴み、立たせて店を出ようとしたら抱きしめられキスをされた。
それも舌を挿れるディープなのをされ、あまりの気持ちさに感じてしまった。
調子にのった藤堂がわたしの胸に手をやり、服の上から膨らみの感触を楽しむ。

居酒屋の個室とはいえ、こんなとこでやる事じゃない。
腕で藤堂を押しのけ、鞄を持って、藤堂を置いて先に帰った。

藤堂は同期……、なのにキスに感じてしまったわたし。
1度ヤラカシタだけで、わたしの身体は藤堂を求めるようになったのかもしれない……。
家に帰ってから火照る体をシャワーを浴びてリセットし、ベッドに入って眠る事にした。