〜絶対にバレてはならない！！〜

バレてしまう絶体絶命

「佐倉りあら先生、スクエアの須藤プロデューサーから新作の小説にサインを入れて欲しいとお願いされたのですがいいですか？彼女が佐倉りあら先生の大ファンだそうです！！」

週に1度、松書房に実際にできあった映像を確認とできあがったシナリオを提出しに行ってる。
提出と映像確認が終わった後、松井さんからできあがったばかりのまだ発売されてない新作小説を2冊渡され、1冊はバックに片づけ、もう1冊はさささっとサインをして松井さんに返した。

颯太さんが極上にカッコいい颯太さんに松井さんはいいように使われてる。
颯太さんから無理な量の仕事を引き受けた松井さんに、私はかなり不機嫌になってる。

納期に間に合わないから私は美トレ時間を削ってゲームシナリオをひたすら書くはめになり、リモートワーク中にも書いてる。

お相手攻略キャラ1人あたりに１時間ぐらいのらぶエピソードを1週間で10人分作成しないといけなくて、1人作成するのに5時間かかるから、かなり時間がかかってしまっていて途方に暮れてる。

3ヶ月後に配信される事が決まり、各県ごとに男女２人ずつのお相手キャラクターでスタートさせ、海外エリアを入れた100人分を作成しないといけなくて泣きたくなる。

ご当地のデートコースを分岐で2パターン用意しストーリー構成をするよう指示され、資料は用意して貰えても行った事がない観光地のデートストーリーをイメージして描いていくのは難しい。

「後4週間で終わりです！！佐倉りあら先生、ファイトです！！」

松井さん事務所まで見送られ、出ようとした所、運が悪い事に颯太さんと出くわしてしまった。

「……心愛、YaApple美的くらぶの取材？」
「……う、うん」

松井さんに私が颯太さんと顔見知りで彼女役をしてる事を伝えてない。

「さく……椎野さんと須藤プロデューサー、YaAppleの仕事で絡みがあるからお知り合いなんですね」
「彼女は私の恋人なんです」

颯太さんが私の頭の上に手をポンと置いて松井さんにそんな事を言うから、松井さんが頬を赤めて変な妄想を始めた。

松井さんは私の担当をしてるTL小説の編集者です。
だから、新作のTL絡み描写のヒーロー役を颯太さんに変換して脳内妄想を始めた。

完全に妄想の世界に入った松井さんの目の前で私の頭をポンと撫で「今日は早めに帰るから」と笑みを浮かべて事務所に入っていく颯太さん……。

私と颯太さんの絡みを妄想し始めた松井さんに、「須藤に私が佐倉りあらだと言う事をバラしたら、私、松書房と縁を切って、三考出版の専属になるから」と耳
元で脅して事務所から出る。

ヒヤリハットで颯太さんに佐倉りあらが私だとバレそうだった。

これからは事前に颯太さんが松書房に来る日を聞いて、その日を避けて訪問する事にした。