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天才救急医は子供が欲しい
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国立大学医学部の准教授で附属病院の救急部の医局長で京都府の基幹災害拠点病院でDMAT責任者を教授から任命された雅輝。
「ーー内田教授、確か58歳だったよな。そろそろ次の教授の椅子取り合戦が始まるかな。まっ、雅輝くんで決定だと思うけど」
土曜日の夜。呼び出しコールがない日だから、両親と雅輝と焼肉を食べにきた。
休日や日勤の後に、藤宮総合病院の救命救急センターでアルバイトをしてる。
藤宮総合病院は2次救命救急センターで、共同利用型病院方式をとってる。
施設の一部を開放し、そこに地域の医師が出向いて診療をおこなう方式で、国立大学病院の協力により、休日や夜間の救急診療を行ってる。
「三次救急対応できるよう設備投資をしていて正解だった。雅輝くんのおかげで救命救急センターに患者がひっきりなしに救急搬送されるようになったから、経営破産しないですんだ」
私と雅輝は父にこき使われてる。
大学病院では医局長で医師を育てる立場なのもあり、雅輝は自身で執刀する事はあまりない。
だけど、私が準夜勤の時以外は夜間に藤宮総合病院で当直をしてる。
週末も身内なのをいい事にこき使われてる。
大学病院がある下京区でなく、藤宮総合病院の側にある中京区二条駅側のマンションを新居にしたのはそのため。
*****
「ーー雅輝、飲み過ぎたんじゃない?明日、仕事大丈夫?」
赤ワインを父に注がれるまま飲んでいたから、完全に酔い潰れてしまってる。
タクシーでマンションに戻ってきて、なんとか部屋に連れて戻り、ソファーに座らせ、ミネラルウォーターのペットボトルを冷蔵庫から出して渡す。
「……まずいかも。普段飲まないから、酔いがくるな。明日の朝にはアルコールは抜けると思うけど、今日は救急要請の呼び出しきても行けないし、指示も出せない……」
赤ワインのボトルを3本も開けてた。父と母と私も飲んではいたけど、父は雅輝にばかり注いでいたから、2本分飲まされてたと思う。
「せっかく心愛と家で夜を過ごせるのに、酔っ払って、機能しない」
父にこき使われ、私も雅輝も藤宮総合病院の仮眠室で夜を明かしてる。
側にはいるけど、オペの執刀医とその助手で、夫婦らしい事はしてない。
「心愛との間に子供が欲しい」
私との結婚を父に赦して貰うために、雅輝は医師になる事を決めた。
そして、藤宮総合病院を立て直すためにハーバードメディカルスクールに留学した。
後期研修期間に育児休暇を取得して結婚し子供を産む女医さんもいる。
1人前の専門医になってから結婚して子供を考えると早くても30歳前半。
「私も雅輝との間に……子供が欲しい」
突然の別れから7年半空白の刻を過ごし、突然の再会を果たし、永遠を誓った。
「ーー酔いがさめた!!心愛が気が変わらないうちに作ろう!!」
「残念だけど、今日はできない日なの。ーーゴメンね」
雅輝の子を早く授かりたいと思った。
「ーー内田教授、確か58歳だったよな。そろそろ次の教授の椅子取り合戦が始まるかな。まっ、雅輝くんで決定だと思うけど」
土曜日の夜。呼び出しコールがない日だから、両親と雅輝と焼肉を食べにきた。
休日や日勤の後に、藤宮総合病院の救命救急センターでアルバイトをしてる。
藤宮総合病院は2次救命救急センターで、共同利用型病院方式をとってる。
施設の一部を開放し、そこに地域の医師が出向いて診療をおこなう方式で、国立大学病院の協力により、休日や夜間の救急診療を行ってる。
「三次救急対応できるよう設備投資をしていて正解だった。雅輝くんのおかげで救命救急センターに患者がひっきりなしに救急搬送されるようになったから、経営破産しないですんだ」
私と雅輝は父にこき使われてる。
大学病院では医局長で医師を育てる立場なのもあり、雅輝は自身で執刀する事はあまりない。
だけど、私が準夜勤の時以外は夜間に藤宮総合病院で当直をしてる。
週末も身内なのをいい事にこき使われてる。
大学病院がある下京区でなく、藤宮総合病院の側にある中京区二条駅側のマンションを新居にしたのはそのため。
*****
「ーー雅輝、飲み過ぎたんじゃない?明日、仕事大丈夫?」
赤ワインを父に注がれるまま飲んでいたから、完全に酔い潰れてしまってる。
タクシーでマンションに戻ってきて、なんとか部屋に連れて戻り、ソファーに座らせ、ミネラルウォーターのペットボトルを冷蔵庫から出して渡す。
「……まずいかも。普段飲まないから、酔いがくるな。明日の朝にはアルコールは抜けると思うけど、今日は救急要請の呼び出しきても行けないし、指示も出せない……」
赤ワインのボトルを3本も開けてた。父と母と私も飲んではいたけど、父は雅輝にばかり注いでいたから、2本分飲まされてたと思う。
「せっかく心愛と家で夜を過ごせるのに、酔っ払って、機能しない」
父にこき使われ、私も雅輝も藤宮総合病院の仮眠室で夜を明かしてる。
側にはいるけど、オペの執刀医とその助手で、夫婦らしい事はしてない。
「心愛との間に子供が欲しい」
私との結婚を父に赦して貰うために、雅輝は医師になる事を決めた。
そして、藤宮総合病院を立て直すためにハーバードメディカルスクールに留学した。
後期研修期間に育児休暇を取得して結婚し子供を産む女医さんもいる。
1人前の専門医になってから結婚して子供を考えると早くても30歳前半。
「私も雅輝との間に……子供が欲しい」
突然の別れから7年半空白の刻を過ごし、突然の再会を果たし、永遠を誓った。
「ーー酔いがさめた!!心愛が気が変わらないうちに作ろう!!」
「残念だけど、今日はできない日なの。ーーゴメンね」
雅輝の子を早く授かりたいと思った。
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