Substitute lover

去っていった愛しい人 side翔琉

天才外科医と世界中に知らしめた俺の憧れの人の櫻井将輝。
手の神経を切る怪我をし、メスを握る事ができなくなり外科医を引退した。
そんな彼を父が口説き落とし、ヘッドハンティングでテルパスに入社し、医師目線の医療機器開発の仕事に携わって貰う事になった。
彼ははドクターとしてでなく、開発エンジニアとしての資質も持っていた。
C言語などをすぐに覚え、高速でプログラミングする事ができ、センスがいいプログラムを組む事もできた。
彼は、なんでも卒なく熟せる本物の天才だった。

俺は櫻井将輝に憧れていた。
彼が仕事をしている姿を見たくて、俺は学校が終わるとテルパス本社へ駆けつけた。
仕事をしている姿をじっと見ている俺に、彼は時々、医学についてやシステム開発についてなどを教えてくれた。

俺は、櫻井将輝から2年間、色んな事を教わった。

医大にはそれなりに賢くないと入れない。だから、医師は比較的、頭脳明晰な人が多い。
国立大だと前期日程の全体倍率は5.6倍。国立大学は1校しか受けれないため、合格する力のある人だけが受験をする。
それ故にかなり難易度が高く、医大に合格できた人は知的に優れた人だという事になる。
私立も

ただ、合格する条件に手先の器用さは関係ない事。
だから、かなり不器用な人が医師になり外科医になる事もある。
その結果、精細さが求められるオペで医療事故扱いにはならないが患者の臓器を傷つけ、急変というかたちで命を落とさせてしまう事例が起きていた。

櫻井将輝が医療手術ロボット総司を開発したのは、医師が手術器具を握りオペをするのでなく、ロボットにさせた方が患者の命を救う事ができるのではないかという理由だった。

医療手術ロボット総司は、人の手で行う腹腔鏡手術と同じ方法で執刀する。
お腹に複数の比較的小さい穴を開け、内視鏡と鉗子やピンセット、尖刀等のアームをその穴からお腹などに入れて、カメラとアームを使って、遠隔操作で医師がモニターを見ながら手術を行う。
傷口が医師が手術する時より比較的小さく済み、身体にやさしく、早期に社会復帰できる。

この医療手術ロボットを開発した事で、櫻井将輝の名はまた世界的に注目を受ける事になった。

その結果、彼の才能と功績を妬んだものによって、車の運転中に事故に見せかけ殺されてしまった。

妻も車に同乗していたため、3歳の幼い娘　心愛を残し、夫婦で命を落としてしまった。

櫻井将輝は何者かに命を狙われてる事に気づいていて、それが誰かという目星はついてた。
循環器や脳神経の内科的外科的治療及び癌治療に成果をあげてる櫻井総合病院の血筋で、その長男　晴政に立場を奪われるという焦りから、人を使い度重なる嫌がらせ行為をされてた。

櫻井将輝は櫻井総合病院には勤めてなかった。
東京大学病院で外科医として勤め、最年少で教授に推薦されていて、それ故に、ここでも妬まれ、医療事故を起こさせようとしたり彼自身に重篤な怪我を負わそうとした。

彼の手の神経を切る要因を作ったのは教授の椅子を狙ってた東京大学の助教授の部下で、彼と妻の命を奪ったのは櫻井一族の遠縁　吉原麻花だった。
彼女は櫻井晴政と恋仲で、罪を被り櫻井将輝夫婦を殺害後、自殺をした。

そういう経緯もあり、残された心愛は両親の死後すぐに孤児院に預けられる事になり、俺の父が櫻井将輝と生前に心愛の未成年後継人として心愛と養子縁組をする手続きを勧めていたため、心愛は俺の両親に引き取られ、俺の妹になった。

両親を亡くし、親戚からも酷い扱いを受けた心愛は引き取られてしばらくは誰にも心を開かなかった。

3歳なのに櫻井将輝が生前読んでいたと思われる難しい医学書やロボット工学や人工知能の書物を欲しがり読んでいた。
3歳ながら5カ国語を話す事ができ、櫻井将輝の血をひくだけあり、IQが200Overしていた。

物静かな聡明な心愛。
幼い彼女に、俺は心を奪われた。
憧れの人の血を受け継ぐ愛娘。

櫻井将輝から、死を予測していたのか何度か“娘を頼む”と言われてた。

心愛だけを愛してる。
俺は、性に目覚めてから苦しむ事になる。
ーー生殖本能はあるが心愛にしか反応しない。

テルパスの御曹司で、見た目も悪くなく勉強もスポーツもできた俺はモテてた。人に慕われ中学高校と生徒会長も務めた。

そんな俺だが、心愛以外の女に興味が持てず、それ故に心愛以外の女には性的不能なインポテンツEDになってしまった。

そして、俺は過ちを犯す。
自室で心愛の写真をみながら、心愛の下着で自慰行為をしてる所を心愛に見られてしまった。
そして、12歳になってまもない心愛に手を出してしまった。

最後まではさすがにしなかったが、心愛の体を手と唇で愛撫し、彼女に俺の男の竿を掴み扱いて貰い口でなだめさせた変態な俺自身が情けなく感じたが、俺は心愛にしか反応しない体だから、仕方がなかった。

歳を重ねる事に綺麗になり女の体に成長する心愛が堪らなく愛しかった。

テルパスの後継者は俺と言われて育ち、会社のために政略結婚をしないといけないと、両親と祖父から言われ育った俺。

心愛はもちろん、その事を知ってる。
だから、俺に、好きだとかそういう類いの言葉をかけてくれない。
俺も心愛を傷つける気がして、その言葉をかける事ができず、ただ、可愛いと愛らしさを伝えた。
ーー俺は心の底から心愛を愛してた。

それを伝えられない辛さ。
結果、心愛は俺以外の男の元へいってしまった。

心愛は優しい。
本当に好きな男ができ、俺を拒むようになったが、俺の欲情を昔みたいに手と口で発散させてくれてた。

俺が結婚するまでは俺の側に居ようとしてくれてた。
結婚相手候補がいなくなれば、心愛との結婚が許されると思ってた。

そのために、お見合い相手にインポテンツEDだと打ち明け、同情から親友なり、仕事面で優位になる関係を築いてきた。
80人ぐらいの女が俺を欲情させ勃たせる事ができるとホテルに俺を誘ったが、誰1人、勃たせる事ができず、俺を萎えさせた。

俺は、心愛以外の女を愛する事ができない体も反応しない性的不能な男だが、心愛を安心させるためにと適当な女と早急に結婚をしないといけない。

心愛に触れる事は許されないがこれまで通りとまではいかないが、心愛と仕事で会える。

心愛にみっともない男だと思われないよう、彼女の前では普段通りを装わないといけない。

心愛に会えなくなるわけじゃない事が、せめての救いだった。

心愛以外の女を嫁に貰い、せめて1人は子供を作り育てないといけない。

心愛に似た容姿で性格の子、5人に歩みより、交際する事にした。

週末にデートをし、ホテルのスイートルームに宿泊をし、できるはずもない行為をする。

心愛以外の女と舌を絡めるキスなんてできない。
性器から溢れでる愛液なんて、気持ち悪くて舐める事なんて無理だ。

相手を感じさせないといけないという使命感から舌を絡めるキスは最低限する。
そして、手と唇と舌を使い、シャワーを浴びさせて清めた肌を愛撫する。

心愛がよがる姿をみたくて身につけたテクニックで陰核とGスポットを攻めれば、女はすぐイク。

俺を勃たせると豪語して自身損失した女をこのテクニックで何度も慰めた。
最後までしないでいいからと俺を求めてくる女がでてきて困ったが、俺がEDなのを気にしてると思わせたら誘ってこなくなる。

10歳年下の東京大学病院の救急外来部長の吉原セレナも、俺のテクニックに落ちた。

イッた後に四つん這いになり俺の萎えた雄竿を掴み口に含み勃たせようとする姿を冷めた目で眺める。

15分ほどで根をあげたセレナに、俺の雄で貫く事はできないが、amazonで評価が高かったアメリカンサイズの大人な玩具を膣内に挿入してやった。

最奥の気持ち所に当ててやると体全身を震わせて達した。

若いセレナにせがまれ、何度もイかせた事による虚しさと疲れ。
失神させ眠らせ、シャワーを浴びにいき、ゲストルームにあるベッドで眠りにつく。

心愛を思い浮かべて自慰する事もできず、情欲を発散できずにいる俺。

週に3回、午前中だけ出社する心愛。
彼女に触れたいのを我慢し、医療ロボットのAIシステムの開発を進める。

心愛は、瀬坂将生に大切にされてるようだった。
左薬指にはめられた結婚指輪に、首筋と胸元につけられたマークティングの紅い痣。

心愛は俺以外の男に体を開き、そして乱れ感じているだろう。

心愛の事は諦めないといけない。

わかってはいても、俺はどうしても諦めきれなかった。