17 / 19
逃げ嫁を探して side 拓磨
しおりを挟む
灯里が子供を堕胎してから、いつも俺に申し訳なさそうな表情を浮かべていて、俺の前から居なくなるのではとずっと不安だった。
俺が一緒に居られない時間は凛子が灯里の側にいる。
だから、灯里を1人にしてる時間はあまりない。
札幌に大型ショッピングモールを建設する事が決まり、契約を交わすために4泊5日で出張に行かないといけなくなった。
凛子から灯里が朝迎えにいったらいなくて、会社にも出勤してないと電話がかかってきて、かなり動揺した。
なんとかショッピングモールの建設に携わる協力会社と細かい打ち合わせと契約を交わしていき、空き時間に凛子に電話をかけた。
俺の家に灯里がいるか見に行くよう頼んでた。
LINEアカウントが削除されて、電話も通じないのは、iPhoneを落としてしまい止めたからと願い、連絡がつかない灯里の事が気になり、仕事に集中できない。
電話をとったのは桐嶋で、声色から焦って困ってるのが目に見えた。
桐嶋が俺に何も言わないからか、凛子が桐嶋のiPhoneでとんでもない画像を送ってきた。
ダイニングテーブルの上に置いてある記入済みの離婚届とリングケースに入った婚約指輪と結婚指輪。
頭の中が真っ白になった。
今すぐ東京に戻って灯里を探したい。
桐嶋に俺の代わりをさせたいが無理な話で、親父にはさすがに頼めない。
Safari検索で探偵事務所を調べ、5件登録して灯里の捜索を依頼した。
東京に戻っても、もう灯里は遠くに行ってしまってるかもしれない。
海外に出てる可能性もあるから、警察にも届を出し、出国してるかを調べて貰った。
海外には出てないようで、日本のどこかにいる。
実家には帰らないと思うから、灯里の実家には連絡を入れなかった。
灯里を見つけだし、灯里を抱きしめたい。
住民票はそのままで、灯里個人のクレジットカードの明細等はメールでくるように設定してるのもあり、郵便物で灯里の居場所を突き止める事はできなかった。
探偵事務所からも足取りがわからない
以上、全国にいる探偵が灯里の写真を見て、似た人がいたら連絡がくるぐらいでそれ以外は動きようがないようだった。
*****
灯里が出ていってから1ヶ月半が経った。
11月半ば。大学時代の悪友に子供が産まれ、産まれたての赤ん坊の画像をLINEで送りつけてきた。
“おめでとう。瀬戸が父親か!!俺以上に女遊び酷かった癖にな”
“馬場みたいに家柄が良くないから結婚を求めてくる女がいなくて助かったよ”
金沢でリフォーム専門の建築会社を起業した瀬戸。
大学のゼミの後輩で、壁紙や床材を開発販売している住宅素材メーカーの御令嬢を嫁に貰ったのに、接待や飲み会の後にBARで女狩をしてる。
“BARで女引っかけるの辞めたか?”
“辞めるわけないだろ。馬場は?7月に結婚したんだよな。お前もまだしてるんだろ?”
“してねーよ。極上な女を嫁に貰ったから他の女に興味なくなった”
“マジでか。そんなにいい女と結婚したんだ。羨ましい。年末のゼミの飲み会の後に会わせろよ!”
会わせろと言われて困る。
灯里は家出中で現在捜索中。
瀬戸とのLINEトークを終わらせ、仕事に戻る。
年末までには灯里を見つけだしたい。
12月の頭。瀬戸が全国リフォームコンクールの授賞式出席で単身で東京に出てきた。
授賞式の後に銀座のBARに誘われ、久しぶりに飲みたい気分だったから付き合った。
「若葉、俺にとって大事な存在で愛おしいとは思ってるけどさ、仕事のパートナーとして隣にいさせるからか、性欲対象にみられないんだよ。若葉、出産してからは子供の世話で毎日疲れてて、すぐに仕事復帰すると言ってたのに家に引き込んでる。若葉の産後の代役で派遣で使えるインテリアプランナーを雇ったけど、アドレスホッパーで各地を奔放する子で1月末迄しか契約更新してくれなくて、かなり頭抱えてる。若葉の存在価値がわからなくなってる」
壁紙と床材の大手建築素材メーカーの御令嬢で、インテリアプランナーとしてのセンスもあるから若葉と結婚したと言ってた。
若葉の事を仕事のパートナーとしか思ってない。
「社員を増やせよ。お前の会社、仕事量の割に社員数が少な過ぎだろ」
「リフォームの仕事はそんな需要はない。新築物件も扱うようになったが新規参入の歴史が新しい会社は経営が難しいんだよ」
全国リフォームコンクールで4度目の受賞を果たしたが、戸建建設とリフォームの設計とマネジメントだけの仕事は収入を得るのが難しいらしい。
「久しぶりに都会の慣れた女と遊ぶか!!」
「若葉にそのうち、愛想つかれるぞ」
瀬戸がハンターモードになり、女を吟味し始めたから先にお暇しようとグラスに入ったブランデーを飲み干す。
「……げっ、若葉からの着信。『……今、馬場と2人で飲んでる。仕事について相談に乗って貰ってる。………するわけないだろ。信じてくれよ!!』馬場、ちょっと代わってくれ!!」
とばっちりで瀬戸からiPhoneを渡されて受け取って出ると、
『馬場さん、BARでの女狩に浩司を付き合わさないで下さい!!だから、奥さんに逃げられるんですよ!!本当に最低!!』
電話に出るなり若葉に罵倒された。
瀬戸に灯里が離婚届を置いて出て行った事を話してない。
『自分が灯里さんとダメになったからって私と浩司の仲を引き離すような事はしないで下さい!!すぐにBARから出て、浩司をホテルの客室に閉じ込めといて下さい!!』
若葉と灯里が繋がってるのかもしれない。
若葉と凛子は仲が悪い。
凛子が若葉にわざわざ俺が嫁に逃げられた話をするとは思えない。
「瀬戸、馬場灯里、もしくは瀬生灯里って子の事知らない?」
若葉に通話を切られてしまったから、瀬戸に聞いてみた。
「馬場灯里はうちに派遣で入ってるインテリアプランナーだけど、それがどうした。親戚の子?もしかして、アドレスホッパーしてるの政略結婚から逃げるためだったのか!!」
「……馬場灯里は俺の嫁。やっと見つけた。瀬戸、明日、灯里のとこに連れて行ってくれ!!」
やっと灯里の居場所がわかった。
銀座のBARで女狩して一夜限りの関係を楽しみたい瀬戸をホテルの客室まで連れていき、明日の6時の新幹線に乗るために5時半に迎えにくると脅してマンションに急いで戻る。
灯里を説得してどんな手を使っても東京に連れて帰る。
早く灯里に会いたくて夜が眠れず、始発に乗り込みたいから5時半前に瀬戸を起こし、タクシーで東京駅へ向かい、新幹線で京都までいき、サンダーバードに乗り換え金沢まで向かった。
金沢駅から徒歩15分のオフィスビル内に瀬戸ハウジングはあり、個人事務所なのもあり、若葉が子供を連れて来てるのか赤ん坊の泣いてる声が聞こえた。
「颯太《そうた》くん、どしたのかな!!オムツも違うしミルクも違うよなよ?」
「眠たいのかも。2時間起きてるし」
灯里と香織《かおり》が瀬戸の息子を預かってるようだった。
「ママがいないと眠れないのかな。壁紙と床材のリフォームの案件だから私が行くって若葉がお客さんのとこにヒアリングに行ったけど、産後まもないし、息子、2ヶ月半だから子育て優先で灯里さんに任せたらいいのに……」
若葉の親友で事務を担当してる香織が溜息をつく。
若葉は職場に赤ん坊連れてきて、できる範囲で仕事をしてるようだった。
「……颯太くん、寝た。眠たかったんだね。香織さんのいう通りだった」
「私、子供1人いるから。産後最低6ヶ月は産休取るよういったんだけどね。瀬戸社長に見放されるって不安になって、あの子、無理する。灯里ちゃんが来てくれて助かってる」
灯里が小さな赤ん坊を横抱きして寝かしつけ、ベビーベッドに寝かせた。
「あっ、私も注文住宅のお客さんのところに行ってこないと」
灯里がファイルの入ったビジネスバッグを持って出てこようてしたから、思わず慌てて瀬戸の手を引き、階段で上の階に逃げた。
灯里が外回りに出たのを見届けてから、瀬戸の事務所に入った。
「……馬場、灯里さんを連れて帰るのか?1月末までは灯里さんをここに置いてくれないか!!灯里さんがいないと仕事が回らない。若葉に無理させる事になるし、お願いだ」
社長室の応接セットに座ると瀬戸が俺に頭を下げてきた。
「灯里が元気に楽しそうにやってるから安心した。すぐに連れて帰りたいが、この会社の状況みると無理だろ。瀬戸、インテリアプランナーの正社員を雇って育てろ。請け負ってる仕事量に社員数が少なすぎる。設計士1人とインテリアプランナー1人、入れた方がいい」
「……だな。ゼミの飲み会の時に後輩をスカウトする。誰かさんに5時15分に起こされたから眠たい……」
「瀬戸、仕事しろよ。1月末に灯里を迎えにくるから、逃すなよ」
「なんで、灯里さんが馬場から逃げてんだ!!女遊びしてないんだろ?仕事でこき使ったか!?」
瀬戸と話をしていたら、どかっとドアが開いて、若葉が入ってきた。
「馬場さん、ご無沙汰してます。へぇー、女遊び辞めたんですね。最低すぎる武勇伝を灯里ちゃんは知ってたけど、そのせいじゃなかったんだ」
「灯里と結婚してからは灯里ひとすじだ!!瀬戸と一緒にするな!!」
「酷いな。俺も若葉ひとすじだよ。可愛い颯太も産まれたし、昨日は本当に仕事の相談をしてただけだ。朝の6時の新幹線で帰ってきたんだぞ!!」
若葉が瀬戸を睨みつけてる。学生時代の頃から灯里は瀬戸のプレイボーイぶりに本命の彼女なのに、ぎゃんぎゃん言ってた。
だから余計に、瀬戸が若葉の目を盗んで女遊びをしていた。
俺のせいで瀬戸が女遊びをしていたと思われてるのは心外だ。
俺の前で夫婦喧嘩を始めた瀬戸と若葉。
帰るタイミングが掴めなくて、2人の様子をただじっと見ていた。
俺が一緒に居られない時間は凛子が灯里の側にいる。
だから、灯里を1人にしてる時間はあまりない。
札幌に大型ショッピングモールを建設する事が決まり、契約を交わすために4泊5日で出張に行かないといけなくなった。
凛子から灯里が朝迎えにいったらいなくて、会社にも出勤してないと電話がかかってきて、かなり動揺した。
なんとかショッピングモールの建設に携わる協力会社と細かい打ち合わせと契約を交わしていき、空き時間に凛子に電話をかけた。
俺の家に灯里がいるか見に行くよう頼んでた。
LINEアカウントが削除されて、電話も通じないのは、iPhoneを落としてしまい止めたからと願い、連絡がつかない灯里の事が気になり、仕事に集中できない。
電話をとったのは桐嶋で、声色から焦って困ってるのが目に見えた。
桐嶋が俺に何も言わないからか、凛子が桐嶋のiPhoneでとんでもない画像を送ってきた。
ダイニングテーブルの上に置いてある記入済みの離婚届とリングケースに入った婚約指輪と結婚指輪。
頭の中が真っ白になった。
今すぐ東京に戻って灯里を探したい。
桐嶋に俺の代わりをさせたいが無理な話で、親父にはさすがに頼めない。
Safari検索で探偵事務所を調べ、5件登録して灯里の捜索を依頼した。
東京に戻っても、もう灯里は遠くに行ってしまってるかもしれない。
海外に出てる可能性もあるから、警察にも届を出し、出国してるかを調べて貰った。
海外には出てないようで、日本のどこかにいる。
実家には帰らないと思うから、灯里の実家には連絡を入れなかった。
灯里を見つけだし、灯里を抱きしめたい。
住民票はそのままで、灯里個人のクレジットカードの明細等はメールでくるように設定してるのもあり、郵便物で灯里の居場所を突き止める事はできなかった。
探偵事務所からも足取りがわからない
以上、全国にいる探偵が灯里の写真を見て、似た人がいたら連絡がくるぐらいでそれ以外は動きようがないようだった。
*****
灯里が出ていってから1ヶ月半が経った。
11月半ば。大学時代の悪友に子供が産まれ、産まれたての赤ん坊の画像をLINEで送りつけてきた。
“おめでとう。瀬戸が父親か!!俺以上に女遊び酷かった癖にな”
“馬場みたいに家柄が良くないから結婚を求めてくる女がいなくて助かったよ”
金沢でリフォーム専門の建築会社を起業した瀬戸。
大学のゼミの後輩で、壁紙や床材を開発販売している住宅素材メーカーの御令嬢を嫁に貰ったのに、接待や飲み会の後にBARで女狩をしてる。
“BARで女引っかけるの辞めたか?”
“辞めるわけないだろ。馬場は?7月に結婚したんだよな。お前もまだしてるんだろ?”
“してねーよ。極上な女を嫁に貰ったから他の女に興味なくなった”
“マジでか。そんなにいい女と結婚したんだ。羨ましい。年末のゼミの飲み会の後に会わせろよ!”
会わせろと言われて困る。
灯里は家出中で現在捜索中。
瀬戸とのLINEトークを終わらせ、仕事に戻る。
年末までには灯里を見つけだしたい。
12月の頭。瀬戸が全国リフォームコンクールの授賞式出席で単身で東京に出てきた。
授賞式の後に銀座のBARに誘われ、久しぶりに飲みたい気分だったから付き合った。
「若葉、俺にとって大事な存在で愛おしいとは思ってるけどさ、仕事のパートナーとして隣にいさせるからか、性欲対象にみられないんだよ。若葉、出産してからは子供の世話で毎日疲れてて、すぐに仕事復帰すると言ってたのに家に引き込んでる。若葉の産後の代役で派遣で使えるインテリアプランナーを雇ったけど、アドレスホッパーで各地を奔放する子で1月末迄しか契約更新してくれなくて、かなり頭抱えてる。若葉の存在価値がわからなくなってる」
壁紙と床材の大手建築素材メーカーの御令嬢で、インテリアプランナーとしてのセンスもあるから若葉と結婚したと言ってた。
若葉の事を仕事のパートナーとしか思ってない。
「社員を増やせよ。お前の会社、仕事量の割に社員数が少な過ぎだろ」
「リフォームの仕事はそんな需要はない。新築物件も扱うようになったが新規参入の歴史が新しい会社は経営が難しいんだよ」
全国リフォームコンクールで4度目の受賞を果たしたが、戸建建設とリフォームの設計とマネジメントだけの仕事は収入を得るのが難しいらしい。
「久しぶりに都会の慣れた女と遊ぶか!!」
「若葉にそのうち、愛想つかれるぞ」
瀬戸がハンターモードになり、女を吟味し始めたから先にお暇しようとグラスに入ったブランデーを飲み干す。
「……げっ、若葉からの着信。『……今、馬場と2人で飲んでる。仕事について相談に乗って貰ってる。………するわけないだろ。信じてくれよ!!』馬場、ちょっと代わってくれ!!」
とばっちりで瀬戸からiPhoneを渡されて受け取って出ると、
『馬場さん、BARでの女狩に浩司を付き合わさないで下さい!!だから、奥さんに逃げられるんですよ!!本当に最低!!』
電話に出るなり若葉に罵倒された。
瀬戸に灯里が離婚届を置いて出て行った事を話してない。
『自分が灯里さんとダメになったからって私と浩司の仲を引き離すような事はしないで下さい!!すぐにBARから出て、浩司をホテルの客室に閉じ込めといて下さい!!』
若葉と灯里が繋がってるのかもしれない。
若葉と凛子は仲が悪い。
凛子が若葉にわざわざ俺が嫁に逃げられた話をするとは思えない。
「瀬戸、馬場灯里、もしくは瀬生灯里って子の事知らない?」
若葉に通話を切られてしまったから、瀬戸に聞いてみた。
「馬場灯里はうちに派遣で入ってるインテリアプランナーだけど、それがどうした。親戚の子?もしかして、アドレスホッパーしてるの政略結婚から逃げるためだったのか!!」
「……馬場灯里は俺の嫁。やっと見つけた。瀬戸、明日、灯里のとこに連れて行ってくれ!!」
やっと灯里の居場所がわかった。
銀座のBARで女狩して一夜限りの関係を楽しみたい瀬戸をホテルの客室まで連れていき、明日の6時の新幹線に乗るために5時半に迎えにくると脅してマンションに急いで戻る。
灯里を説得してどんな手を使っても東京に連れて帰る。
早く灯里に会いたくて夜が眠れず、始発に乗り込みたいから5時半前に瀬戸を起こし、タクシーで東京駅へ向かい、新幹線で京都までいき、サンダーバードに乗り換え金沢まで向かった。
金沢駅から徒歩15分のオフィスビル内に瀬戸ハウジングはあり、個人事務所なのもあり、若葉が子供を連れて来てるのか赤ん坊の泣いてる声が聞こえた。
「颯太《そうた》くん、どしたのかな!!オムツも違うしミルクも違うよなよ?」
「眠たいのかも。2時間起きてるし」
灯里と香織《かおり》が瀬戸の息子を預かってるようだった。
「ママがいないと眠れないのかな。壁紙と床材のリフォームの案件だから私が行くって若葉がお客さんのとこにヒアリングに行ったけど、産後まもないし、息子、2ヶ月半だから子育て優先で灯里さんに任せたらいいのに……」
若葉の親友で事務を担当してる香織が溜息をつく。
若葉は職場に赤ん坊連れてきて、できる範囲で仕事をしてるようだった。
「……颯太くん、寝た。眠たかったんだね。香織さんのいう通りだった」
「私、子供1人いるから。産後最低6ヶ月は産休取るよういったんだけどね。瀬戸社長に見放されるって不安になって、あの子、無理する。灯里ちゃんが来てくれて助かってる」
灯里が小さな赤ん坊を横抱きして寝かしつけ、ベビーベッドに寝かせた。
「あっ、私も注文住宅のお客さんのところに行ってこないと」
灯里がファイルの入ったビジネスバッグを持って出てこようてしたから、思わず慌てて瀬戸の手を引き、階段で上の階に逃げた。
灯里が外回りに出たのを見届けてから、瀬戸の事務所に入った。
「……馬場、灯里さんを連れて帰るのか?1月末までは灯里さんをここに置いてくれないか!!灯里さんがいないと仕事が回らない。若葉に無理させる事になるし、お願いだ」
社長室の応接セットに座ると瀬戸が俺に頭を下げてきた。
「灯里が元気に楽しそうにやってるから安心した。すぐに連れて帰りたいが、この会社の状況みると無理だろ。瀬戸、インテリアプランナーの正社員を雇って育てろ。請け負ってる仕事量に社員数が少なすぎる。設計士1人とインテリアプランナー1人、入れた方がいい」
「……だな。ゼミの飲み会の時に後輩をスカウトする。誰かさんに5時15分に起こされたから眠たい……」
「瀬戸、仕事しろよ。1月末に灯里を迎えにくるから、逃すなよ」
「なんで、灯里さんが馬場から逃げてんだ!!女遊びしてないんだろ?仕事でこき使ったか!?」
瀬戸と話をしていたら、どかっとドアが開いて、若葉が入ってきた。
「馬場さん、ご無沙汰してます。へぇー、女遊び辞めたんですね。最低すぎる武勇伝を灯里ちゃんは知ってたけど、そのせいじゃなかったんだ」
「灯里と結婚してからは灯里ひとすじだ!!瀬戸と一緒にするな!!」
「酷いな。俺も若葉ひとすじだよ。可愛い颯太も産まれたし、昨日は本当に仕事の相談をしてただけだ。朝の6時の新幹線で帰ってきたんだぞ!!」
若葉が瀬戸を睨みつけてる。学生時代の頃から灯里は瀬戸のプレイボーイぶりに本命の彼女なのに、ぎゃんぎゃん言ってた。
だから余計に、瀬戸が若葉の目を盗んで女遊びをしていた。
俺のせいで瀬戸が女遊びをしていたと思われてるのは心外だ。
俺の前で夫婦喧嘩を始めた瀬戸と若葉。
帰るタイミングが掴めなくて、2人の様子をただじっと見ていた。
0
お気に入りに追加
74
あなたにおすすめの小説
10 sweet wedding
国樹田 樹
恋愛
『十年後もお互い独身だったら、結婚しよう』 そんな、どこかのドラマで見た様な約束をした私達。 けれど十年後の今日、私は彼の妻になった。 ……そんな二人の、式後のお話。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
ボロボロになった心
空宇海
恋愛
付き合ってそろそろ3年の彼氏が居る
彼氏は浮気して謝っての繰り返し
もう、私の心が限界だった。
心がボロボロで
もう、疲れたよ…
彼のためにって思ってやってきたのに…
それが、彼を苦しめてた。
だからさよなら…
私はまた、懲りずに新しい恋をした
※初めから書きなおしました。
あたし、妊娠してるの!夫の浮気相手から衝撃告白された私は事実を調べて伝えてやると驚きの結末が・・・
白崎アイド
大衆娯楽
夫の子供を妊娠していると浮気相手の女性から突然電話がかかってきた。
衝撃的な告白に私はパニックになるが、夫と話し合いをしてほしいと伝える。
しかし、浮気相手はお金を払えと催促してきて・・・
白い結婚は無理でした(涙)
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。
明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。
白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。
小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。
どうぞよろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる